シンプラル法律事務所
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海外判例

判例時報
2294(H28/7/11)
  憲法p12
米国連邦最高裁判所
2015.6.26  
  州が同性婚を認めないのは合衆国憲法修正14条に基づく婚姻の権利を侵害し平等に反する⇒違憲判断
  事案 オハイオ州、ケンタッキー州、テネシー州、ミシガン州の同性カップルがそれぞれの洲に対して同性婚の承認を求めて提訴した事件を連邦最高裁が併合審理したもの。 
  原審 連邦高裁は、州は同性婚を認める憲法上の義務を負っていないとした。 
  判断  修正14条は、州に対して、法の適正な手続きによらずに生命、自由、財産を奪ってはならないとしてる。
本条項によって保護された基本的自由は個人の尊厳や自律に関わる選択やアイデンティティに関わる選択をも含むものとして理解されてきた。
先例は婚姻の権利も同条項の保護の対象に含まれるとした。
婚姻は個人の幸福追求に欠かせない権利であるとされた。 
婚姻の権利が保護されてきたのは、
①個人の自律に関わること
②二人の結束を補強すること
③子どもや家族を守ること
④歴史的に社会秩序の礎となってきたこと
という理由がある。
こうした理由は同性カップルにも当てはまる。
婚姻の権利を同性カップルだけ排除することはスティグマ(不名誉)を押し付けるもの。
  同性カップルの婚姻の問題は修正14条が要求する平等保護にも関連する。
同性カップルは異性カップルであれば享受しうる婚姻上の利益を否定されており、同性カップルにだけそうした制約を課すことはかれらを蔑むものであり、平等保護を侵害するもの。 
   
同性カップルから婚姻の権利を奪うことは修正14条の基本的権利および平等保護を侵害する。
同性カップルも婚姻の権利を行使できるのであり、原告らの婚姻を認めない州法は無効。
  憲法p14
米国連邦最高裁判所
2015.6.8  
 
  判断   ●大統領の権限
  大統領の権限については、1952年のヤングスタウン判決におけるジャクソン裁判官の同意違憲の3基準が参考になる
①法律の授権に基づいて大統領が権限を行使する場合には大統領の権限行使の権威が最大化する
②法律が授権も否定もしてない場合に大統領が権限を行使できるのは憲法上の専権事項のみである
③連邦議会の意思と矛盾した行為を大統領が行った場合にはその権威はほとんど澪t目られない⇒大統領は憲法上の専権事項でなければその権限を行使できない。 
本件のように、大統領が法律を執行しないという問題は3基準の③に当たり、その主張は憲法が大統領に排他的に授権している場合にのみ認められる。
国家承認とは、特定の存在が国家の資格を有していることや特定の体制が実効的な国家の政府であることを正式に認めること。
①憲法はこの権限について直接の定めを置いていないが、憲法が大使を接受する権限を大統領に認めている(2条3節)⇒その権限が推定される。
②大統領の国家承認権は、それ以外にも、条約締結権や大使任命権によって補強される(2条2節)。
③大統領は、大使を受け容れるだけでなく、条約を締結することで正式な外交相手とみなし、また大統領のみが大使を任命できる憲法構造になっている。

憲法は大統領に国家承認に関する排他的権限を付与している。
●国家承認権が大統領に排他的なものか 
 
     
       
       
2304(H28/10/21)   
  憲法p19
米国連邦
最高裁2016.6.23   
   
     
     
       
       
       
       
       
       
       
2322(H29/4/21)
  憲法p23
米国連邦
最高裁2015.1.20 
  刑務所において被収容者が信仰に基づき一定の長さの髭をはやすことを認めない矯正省の決定⇒違法 
  事案 服役中のホルト(原告)はイスラム教徒⇒その教えに基づき髭を蓄える必要があるとし、2分の1インチの髭をはやすことを澪t目るよう求めた⇒矯正省は認めず⇒ホルトは、矯正省長官ホッブスに対して、2分の1インチの髭を認めないことが憲法上の権利を侵害し宗教的土地利用および被収容者に関する法律(RLUIPA)に違反するとして、市民権法1983条に基づき暫定的差止めおよび一時的現状維持命令を求めて訴訟提起。
  原審 刑務所の安全維持はやむにやまれぬ利益であり、それを実現するために2分の1インチの髭の要求を拒否するのは必要最小限の規制⇒原告の請求を棄却。 
  判断 宗教の自由の保護をめぐる立法府と司法府の対立の妥協の結果できたのがRLUIPAであり、宗教的土地利用と被収容者の宗教的行為を保護。
同法によれば、個人の宗教的行為に実質的負担を課す場合、政府は、
①やむにやまれぬ利益があることと
②それを達成するために必要最小限の手段であること
を証明しなければならない。
RLUIPA違反を主張する場合、原告はその宗教的行為が真摯な信仰に根差し、政府行為によって実質的に負担が課されていることを証明しなければならない。
本件では、被告が真摯な進行性について争っていない⇒それは問題とならない。
①被告の身だしなみ規制(髭をそる要求)は原告の真摯な信仰(髭をたくわえること)に反する行為を要求。
②それに従わない場合は懲戒事由にあたる。
⇒原告の宗教的行為に実質的負担を課している。
連邦地裁:
原告が他の宗教的行事に従事できる⇒実質的負担に当たらない。
vs.
実質的負担は代替的活動の有無で判断するのではなく、宗教的行為に実質的負担がかかっているかどうか。
髭の規制についての2つの理由:
①被収容者が営利物や薬物など禁止されている物を隠し持つことを防ぐ
vs.
政府にそうした利益があることは認められるが、2分の1インチの髭を認めても達成できないとはいえない⇒必要最小限の規制になっていない。
②髭によって外見の印象が変わってしまい本人確認に支障が生じることを防ぐ。
vs.
本件に適用する限りでRLUIPAに違反する。

被収容者はすでに髭がない状態で入所時に写真を撮影されているので、さらに2分の1インチの髭をはやしている写真を撮影すれば解決する。
  憲法p25
米国連邦
最高裁
2016.8.3  
  トランスジェンダーの生徒が性自認に応じたトイレの使用を求めた⇒性自認に応じたトイレの使用を認めた原判決の命令が暫定的に停止
  事案 原告のGGは、身体的には女性として生まれたが、男性と性自認。
2014年には性同一性障害との診断。
ホルモン療法を受け、名前も男性的な名前に法的に変更。
but
未成年⇒性別適合手術は受けていない。 
GGは、男子トイレの使用を認めるよう高校に要請し、それが認められた。
but
グロスター郡教育委員会は、6対1の票差で男子トイレの使用を禁止する決議。
but
連邦の教育省:
教育改正法第9編は連邦助成を受けた学校施設に対して性差別を禁止。
教育省は2014年の見解文書等で、第9編の性にはトランスジェンダーも含まれる⇒性自認に応じたトイレ等の使用を認める方針。
GGは、男子トイレの使用を認めないことが合衆国憲法の平等条項や教育改正法第9編の性差別の禁止に反する⇒教育委員会に対してトイレ使用の作為的差止請求訴訟を提起。
  下級審 連邦地裁は、第9編の性差別の禁止は生来的性に基づくもので、規則は生来的性に応じた区別を認めている⇒性自認に応じたトイレ使用の拒否は第9編に違反することになはらないそてい、請求棄却。

連邦高裁は、性別の意味は身体だけで決まるわけではなく、性別にトランスジェンダーも含まれるとして教育省の解釈に明白な誤りや矛盾はない⇒判断の再考を求めて一審に差戻し。

差戻一審はグリムの男子トイレの使用を認めるべきとの判断。

教育委員会が上告。 
  判断 控訴審の命令の撤回および暫定的停止を認め、差戻一審のトイレ使用許可命令については裁量上訴を認めるか否かの判断がでるまで暫定的停止にすると判断。
  民法p27
江西省
高級人民法院
2015.12.22   
  営業秘密の侵害と競業避止義務に違反したと認定
   
  判断 不正競争防止法10条3項は、秘密性(非公知性)、実用性(価値性)、秘密管理性(保密性)という営業秘密の3要件を規定し、X社の競業避止及び秘密保持契約において、営業秘密について明確にしている。 
①X社は、技術関連図案に「秘密」の印鑑を押しており、関連人員によって保管され、当該領域の関係者に広く・容易に知られるわけではない⇒
     
  刑法p29
ドイツ連邦
通常裁判所
2015.11.10  
  性嗜好障害(小児性愛)と責任能力 
     
     
  刑法p31
ドイツ連邦
通常裁判所
2015.12.22  
  単に犯罪行為を黙認するだけでは作為による幇助は認められないとされた事例 
     
     
  刑訴法p33
米国連邦
最高裁2016.6.20  
  希釈法理に基づき毒樹の果実論の適用を否定した事例