シンプラル法律事務所
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論点整理(内部通報関係)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)


 公益通報者保護法の概要
  公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護等を図る。
 (1)目的
公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資すること
(2)「公益通報」とは
(@)労働者(公務員を含む。)が、
(A)不正の目的でなく、
(B)労務提供先等について
(C)「通報対象事実」が
(D)生じ又は生じようとする旨を、
(E)「通報先」に通報すること
(3)「通報対象事実」(C)とは
@ 国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律として別表に掲げるものに規定する罪の犯罪行為の事実
A 別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが@の事実となる場合における当該処分の理由とされている事実等
(別表)刑法、食品衛生法、金融商品取引法、JAS法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、個人情報保護法、その他政令で定める法律(独占禁止法、道路運送車両法等)
「通報対象事実」とは、対象となる法律(及びこれに基づく命令)に違反する犯罪行為又は最終的に刑罰につながる行為のことです。
「対象となる法律」とは、
国民生活の安心や安全を脅かす法令違反の発生と被害の防止を図る観点から、全ての法律が対象となるのではなく、「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法律」として公益通報者保護法の別表に定められた法律をいいます。(平成26 年8 月現在、442 本)
 「対象となる法律」の例

個人の生命・身体の保護
○刑法 ○食品衛生法 ○道路運送車両法
○核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
○家畜伝染病予防法 ○建築基準法 ○薬事法

消費者の利益の擁護
○金融商品取引法
○農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律
○特定商取引に関する法律 ○割賦販売法 ○電気事業法
○不当景品類及び不当表示防止法

環境の保全
○大気汚染防止法
○廃棄物の処理及び清掃に関する法律
○水質汚濁防止法 ○土壌汚染対策法 ○悪臭防止法

公正な競争の確保
○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
○不正競争防止法 ○下請代金支払遅延等防止法

その他
○個人情報の保護に関する法律 ○労働基準法
○出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
○著作権法 ○不正アクセス行為の禁止等に関する法律
(4)「通報先」(E)と保護要件
@ 事業者内部(内部通報)
:通報対象事実が生じ、又は生じようとしていると思料する場合
A 通報対象事実について処分又は勧告等をする権限を有する行政機関
:通報対象事実が生じ、又は生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由がある場合(*)
B 事業者外部(通報対象事実の発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者)
:上記(*)及び一定の要件(内部通報では証拠隠滅のおそれがあること、内部通報後20日以内に調査を行う旨の通知がないこと、人の生命・身体への危害が発生する急迫した危険があること等)を満たす場合
(5)公益通報者の保護
保護要件を満たして「公益通報」した労働者(公益通報者)は、以下の保護を受ける。
@ 公益通報をしたことを理由とする解雇の無効・その他不利益な取扱いの禁止
A (公益通報者が派遣労働者である場合)公益通報をしたことを理由とする労働者派遣契約の解除の無効・その他不利益な取扱いの禁止
(6)公益通報者・事業者・行政機関の義務
@ 公益通報者が他人の正当な利益等を害さないようにする努力義務
A 公益通報に対して事業者がとった是正措置等を公益通報者に通知する努力義務
B 公益通報に対して行政機関が必要な調査及び適当な措置をとる義務
C 誤って通報を受けた行政機関が処分等の権限を有する行政機関を教示する義務
(7)その他
@ 本法は、労働契約法第16条(解雇権濫用の法理)など他の法令の適用を妨げない
A 施行後5年を目途に見直しの検討