シンプラル法律事務所
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令和元年改正会社法

  ★令和元年改正会社法の解説T(商事法務2222)
◆第一 はじめに 
    R1.12.4:
「会社法の一部を改正する法律」
「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」
が成立。
R1.12.11:公布
    平成26年改正法による改正以来の会社法改正
◆第二 株主総会に関する規律の見直し 
◇一 株主総会資料の電子提供制度
  ■1 改正の背景 
    現行法:
株主総会資料は、、株主に対し、書面により提供することが原則。
インターネットを利用する方法によりこれを提供するためには、株主の個別の承諾を得なければならない。
vs.
上場会社においては、株主の数が多く、すべての株主の個別の承諾を得ることが困難⇒ほとんど採用されていない。
株主の個別の承諾を得なくとも、定款の定めがある場合には、株主総会井資料のうちの一部の事項について、招集の通知を発する時から定時株主総会の日から3か月が経過する日までの間、継続してインターネット上のウェブサイトに掲載することによって、株主に対して提供したものとみなす制度(いわゆるみなし提供制度)。
vs.
株主総会参考書類における議案や、貸借対照表・損益計算書の内容など、類型的に株主の関心が特に高いと考えられる事項や、
実際の株主総会において口頭で説明されることが多いと考えられる事項等については、
この制度を利用することができない。
   
改正法:
定款の定めに基づき、
取締役が、
株主総会資料の内容である情報を自社のホームページ等のウェブサイトのアドレス等を株主総会の招集角通知に記載等して通知した場合には、
株主の個別の承諾を得ていないときであっても、
取締役は、株主に対して株主総会資料を適法に提供したものとする制度。
(「電子提供制度」)
振替株式を発行する会社については、電子提供制度を利用することを義務付け
⇒投資家が議決権を行使するために株主総会資料の内容を検討する期間の確保を図ることとしている。
     
  ■2 電子提供措置をとる旨の定款の定め
    定款:電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。
  ■3 電子提供措置
  □(1) 電子提供措置の定義等 
    定義:
電子提供措置:
電磁的方法により株主(種類j株主総会を・・・)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるもの。

法務省令においては、電子提供措置を、株式会社が、自社のホームページ等のウェブサイト上に株主総会参考書類等の内容である情報等に係る電子データをアップロードし、株主が情報の提供を受けることができるようにする措置とすることを予定。
    電子公告⇒不特定多数の者が情報の提供を受けることができる状態に置くことが必要
電子提供措置⇒当該株式会社の株主が情報の提供を受けることができる状態に置けば足りる⇒パスワード可
  □(2) 電子提供措置事項 
    電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、299条2項各号に掲げる場合には、次に掲げる事項(「電子提供措置事項」)に係る情報について電子提供措置をとらなければならない。
  ●ア 298条1項各号に掲げる事項 
  ●イ 議決権行使書面に記載すべき事項 
  ●ウ 株主総会参考資料の内容
  ●エ 株主提案に係る議案の要領 
  ●オ 計算書類および事業報告の内容 
  ●カ 連結計算書類の内容
  ●キ 電子提供措置事項を修正した旨および修正前の事項 
     
  □(3) EDINETの特例 
   
   
  ■4 電子提供措置期間 
  □(1) 電子提供措置の開始 
    現行法:公開会社における株主総会の招集通知の発出の期限は、株主総会の日の2週間前の日。
    株主総会の日の3週間前の日または株主総会の招集の通知を発した日のいずれか早い日から電子提供措置をとる義務。←
印刷や郵送のために生ずる時間が削減
  □(2) 電子提供措置の終了 
    株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟において証拠等として使用される可能性
⇒少なくとも、当該訴えの出訴期間が経過する日までは、ウェブサイトに掲載されている必要。

株主総会の日後3か月を経過する日までの間継続しなければならない。
     
  ■5 株主総会の招集の通知等の特例 
  □(1) 株主総会の招集の通知の発出期限
    現行法上の公開会社と同様に、株主総会の日の2週間前まで。
  □(2) 招集の通知の内容等
    株主がウェブサイトにアクセスすることを促すために重要である事項に限定。
  □(3) 招集の通知の方法 
     
  ■6 書面交付請求 
  □(1) 書面交付請求に関する規律の概要 
    わが国においては、依然、高齢者を中心としてインターネットを利用することが困難である者がおり、そのような株主の利益をほぐするための手当てが必要。
    電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主は、株式会社に対し、電子提供措置事項を記載した書面の交付を請求することができる。
  □(2) 書面交付請求をすることができる者 
  □(3) 書面交付請求の方法等 
  □(4) 書面交付請求をした株主に交付される書面 
  □(5) 書面の交付を終了する旨の通知および催告 
     
  ■7 電子提供措置の中断
  □(1) 電子提供措置の中断に関する規定の趣旨 
  □(2) 電子提供措置の中断が生じた場合の救済の要件等 
     
  ■8 上場会社等における電子提供制度の利用の義務づけ
  □(1) 義務づけの対象となる会社 
    振替株式を発行する会社については、電子提供措置をとる旨を定款で定めなければならないこととし、電子提供制度を利用することを義務づけ。
  □(2) 経過措置 
    改正法の施行日において振替株式を発行している会社は、改正法の施行日をその定款の変更が効力を生ずる日とする電子提供措置をとる旨の定款の定めを設ける定款の変更の決議をしたものとみなすこととしている。
    当該決議をしたものとみなされた後に、株主が書面交付請求をするための期間を一定期間保障しておかないと、株主に不測の不利益を生ずるおそれ

経過措置により電子提供措置をとる旨の定款の定めを設ける定款の変更をしたものとみなされた会社の取締役が改正法の施行日から6か月以内を株主総会の日とする株主総会を招集する場合における当該株主総会の招集手続については、なお従前の例によることとし、かつ、当該期間中は、株主は書面交付請求をすることができることとしている。
    @みなし定款変更の対象となる会社の株主総会であって、その招集の手続のいて電子提供措置がとられるものは、最も早くとも、施行日から6か月を経過した日を開催日とする株主総会となる。
A株主総会の議決権行使の基準日から株主総会の日までの期間は3か月を超えることができない

そのような株主総会議決権行使の基準びは、最も早くともその3か月前、すなわち施行日から3か月を経過した日。

株主には、書面交付請求のために、少なくとも3か月の期間が保障される。
     
  ■9 種類株主総会への準用 
    種類株主総会に準用
but
一部の規定を準用の対象から除外
  ■10 電子提供措置をとる旨の登記 
    株式を取得しようとする者にとって重要な事項⇒登記により公示
  ■11 施行時期 
    改正法の公布日から3年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行
  ■12 法制審議会における附帯決議 
    電子提供措置開始日を株主総会の日の3週間前の日としつつ、
金融商品取引所の規則において、上場会社は、電子提供措置を株主総会の日の3週間前よりも早期に開始するよう努める旨の規律を設ける必要があるとの付帯決議。

機関投資家からより早期の情報開示を求める意見。

  ★令和元年改正会社法の解説(U) (商事法務2223)
◆第ニ 株主総会に関する規律の見直し(承前) 
◇二 株主提案権 
  ■1 概要 
    株主が同一の株主総会において提出することができる議案の数を制限。
  ■2 株主が提出することができる議案の数の制限 
  □(1) 制限の対象 
  □(2) 議案要領通知請求に関する制限 
  □(3) 議案の数 
  ●ア 役員等の選任または解任等に関する議案 
  ●イ 定款の変更に関する議案
     
  □(4) 拒絶することができる議案の決定の方法 
     
  ■3 経過措置 
     

  ★令和元年改正会社法の解説V (商事法務2224)
◆第三 取締役等に関する規律の見直し 
◇一 取締役等への適切なインセンティブの付与 
  ■1 取締役の報酬等に関する規律の見直し 
  □(1) 改正の趣旨 
    固定額の報酬の割合が高い⇒取締役は会社の業績を高める経済的動機を持ちづらい
短期的な業績に連動⇒取締役は経営の安定性やリスクを軽視するようになる恐れがある。

取締役の報酬等の内容を適切な内容とするための仕組みを整備することは、企業統治の強化の観点から重要。
    @取締役の報酬等の内容の決定手続等に関する透明性を向上させるための規律
A株式会社が業績等に連動した報酬等を適正かつ円滑に取締役に付与することができるようにするための規律
  □(2) 取締役の個人別報酬等の内容についての決定に関する方針 
  ●ア 報酬等の決定方針の決定を偽づ向ける趣旨等
    現行法:
指名委員会等設置会社以外の株式会社においては、取締役の報酬等の額等を定款または株主総会の決議によって定める(361条1項)。

取締役または取締役会によるお手盛り防止のための規定。
but
個々の取締役の報酬等の配分のあり方については、その決定手続きや内容が適切であるかを判断できない。
    取締役の報酬等の内容に係る決定手続等に関する透明性を向上させる観点

上場会社等の取締役会は、定款または株主総会の決議により取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容が具体的に定められていない場合⇒その内容についての決定に関する方針を決定。
  ●イ 報酬等の決定方針の決定が義務付けられる範囲等
  ●ウ 報酬等の決定方針の内容
     
    報酬等の決定方針の内容:
@取締役の地位ごとに支給する報酬等の種類(固定報酬、業績連動報酬等)、
A報酬等を業績に連動させる場合に用いる業績指標等の内容
Bそれらを決定するための手続き(再一任の決議をするかどうか、任意の報酬委員会を設定するかどうかなどを含む)
が考えられ、
法務省令で規定。
  ●エ 報酬等の決定方針の効果等
  ●オ 報酬等の決定方針の開示等
    法務省令において、報酬等の決定方針に関する事項を公開会社の事業報告の内容に含めなければならない事項とすることを予定。
   
  □(3) 株主総会における決議事項等に関する規律 
  ●ア 金銭でない報酬等の「具体的な内容」の明確化
  ●イ 募集株式等と引換えにする払込みに充てるための金銭を付与する場合の規律
  ●ウ 株主総会における説明義務の見直し
     
  □(4) 取締役の報酬等である株式および新株予約権に関する特則 
  ●ア 取締役の報酬等である株式に関する特則
  ●イ 取締役の報酬等である新株予約権に関する特則
  ●ウ 特則が適用される範囲等
  ●エ 資本金および準備金として計上すべき額
     
  □(5) 事業報告による開示の充実 

  ★令和元年改正会社法の解説(W) (商事法務2225)
◆第三 取締役等に関する規律の見直し 
◇一 取締役等への適切なインセンティブの付与
  ■2 補償契約 
  □(1) 概要 
    @役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、または責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用(いわゆる防衛費用)や
A第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失(いわゆる賠償金や和解金)
の全部または一部を株式会社が当該役員等に対して補償すること(「会社補償」)
    現行法上、会社補償に関して直接に定める規定はない。
どのような手続により、どの範囲の費用や損失を対象として、会社補償をすることができるかについての解釈も確立されていなかった。
  □(2) 補償契約の内容の決定 
  ●ア 補償契約の定義 
    「補償契約」:
役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、または責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用や、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失の全部または一部を、株式会社が当該役員等に対して補償することを約する契約。(430条の2第1項)
   
  ●イ 補償契約の内容の決定に関する手続 
    利益相反取引に準じたもの

株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議を要する。
監査役設置会社(=業務執行の決定を幅広く取締役または執行役に委任することができる)においても、取締役会は、この決定を取締役に委任できない。
     
  □(3) 補償の範囲等 
  ●ア 補償することができない費用等 
    当該役員等の職務の執行の適正性の確保

次のものは補償できない。
@防御費用のうち通常要する費用の額を超える部分
A株式会社が第三者に対して損害を賠償した場合において役員に対して求償することができる部分
B役員等がその職務を行うにつき悪意または重大な過失があったことにより第三者に対して損害を賠償する責任を負う場合における賠償金および和解金
  ●イ 費用の事後的な返還請求 
    防衛費用の負担は原則OK
but
株式会社が、事後的に、役員等が自己もしくは第三者の不正な利益を図り、または当該株式会社に損害を加える目的で職務を執行したことを知ったときは、
当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。
  □(4) 取締役会への報告 
  □(5) 利益相反取引規制の適用除外 
  □(6) 開示 
    補償契約は、役員等の職務の執行の適正性に影響を与えるおそれがあり、また、補償契約には、利益相反性が類型的に高いもの⇒その内容は株主にとって重要な情報

法務省令において、事業年度の末日において公開会社である株式会社については、補償契約に関する一定の事項を事業報告の内容に含めなければならない事項とすることを予定。
  □(7) 経過措置 
    改正法の施行前に締結された補償契約については、430条の2の規定は適用しない。
     
  ■3 役員等のために締結される保険契約 
  □(1) 概要 
    @役員等として優秀な人材を確保
A役員等がその職務の執行に関し損害を賠償する責任を負うことを過度に恐れることによりその職務の執行が萎縮することがないように役員等に対して適切なインセンティブを付与
⇒上場会社を中心に広く普及。
@株式会社がD&O保険に係る保険契約を締結することについては、その内容によっては、役員等の職務の執行の適正性が損なわれるおそれがあり、とりわけ、株式会社が保険者との間で取締役または執行役を被保険者とするD&O保険に係る契約を締結することについては、株式会社と取締役または執行役との利益が相反するおそれがある。
AD&O保険でなくとも、そもそも取締役または執行役を被保険者とする保険契約は、その締結が株式会社の債務負担行為または株式会社の支出によって取締役または執行役に直接的に利益を生ずる取引として、利益相反取引(356条1項3号)に該当す

それぞれどのような手続等を経る必要があるのかを明確にしておく必要。
but
改正前の会社法においては、どのような手続等が必要であるかについての解釈は必ずしも確立されていなかった。
  □(2) 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 
  ●ア 役員等賠償責任保険契約の定義 
    改正法:
役員等賠償責任保険契約(430条の3第1項):
株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関して責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が填補することを約するものであって、
役員等を被保険者とするものから、
当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除いたもの。
「当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるもの」

いわゆる生産物賠償責任保険(PL保険)
企業総合賠償責任保険(CGL保険)
自動車賠償責任保険
海外旅行保険
等に係る保険契約を予定。
  ●イ 役員等賠償責任保険契約の内容の決定に関する手続 
    利益相反取引に準じた機関決定。
    現行法:
利益相反取引の承認は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議。
  □(3) 利益相反取引規制の適用除外 
    役員等のために締結される保険契約であって、取締役または執行役を被保険者とするもの⇒株式会社の債務負担行為または株式会社の出捐によって取締役に直接的に利益が生ずる取引として、356条1項3号の利益相反取引(「間接取引」)に該当

取締役会設置会社においては、
@取締役会の承認および
A当該取引後における重要な事実の報告
B当該取引によって株式会社に損害が生じた場合における当該取引にかかわった取締役または執行役の任務懈怠が推定(413条3項)

Bを適用すると、役員等のために締結される保険契約の締結によって生じる株式会社の損害の解釈によっては、423条1項の責任が取締役または執行役に容易に認められることとなる。

改正法:
役員等のために締結される保険契約であって、取締役または執行役を被保険者とするものについては、利益相反取引規制を適用しない。
(430条の3第2項)
  □(4) 開示 
    法務省令において、事業年度の末日において公開会社である株式会社については、役員等賠償責任保険契約に関する一定の事項を事業報告の内容に含めなければならない事項とすることを予定。
  □(5) 経過措置 
    改正法:
役員等のために締結される保険契約について、
役員等賠償責任保険契約の内容を決定する手続きに関する規律、
役員等のために締結される保険契約であって、取締役または執行役を被保険者とするものにつき利益相反取引規制を適用しないことに関する規律等を規定。
特段の経過措置を設けない
⇒改正法の施行前に締結された保険契約はすでに効力を生じており(附則2条ただし書)、当該保険契約には、役員等賠償責任保険契約の内容の決定をする手続に関する規律は適用されない。
but
利益相反取引規制の適用除外に関する規律は適用されることになる。
vs.
利益相反取引規制の適用除外に関する規律は、当該保険契約の内容の決定をする手続に関する規律が適用されることを前提としたもの。

改正法の施行前に締結された役員等のために締結される保険契約については、430条の3の規定は適用しない。

  ★令和元年改正会社法の解説(X) (商事法務2226)
◆第三 取締役等に関する規律の見直し 
  ◇二 社外取締役の活用等 
■  ■1 業務執行の社外取締役への委託 
  □(1) 改正の理由
    2条15号イは、社外取締役の要件の1つとして、
当該株式会社またはその子会社の業務執行取締役(株式会社の363条1項各号に掲げる取締役および当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)もしくは
執行役または支配人その他の使用人でないことを規定。

取締役が「当該株式会社の業務を執行した」場合には、社外取締役の要件を満たさない。
「業務の執行」:
伝統的に、会社事業に関する諸般の事務を処理することと広く解釈されてきた。
    改正法:
マネジメント・バイアウトや親子会社間取引のように、当該株式会社と取締役または執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役または執行役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、
当該会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができることとするとともに、
これにより委託された業務の執行をしたときであっても、社外取締役の要件を満たさないことにならない旨を規定上明確にしている。
    マネジメント・バイアウト:
現在の経営者である取締役または執行役が一般株主から被買収会社の株式を取得⇒当該取締役または執行役と一般株主との間に利益相反関係。
親子会社間の取引:
子会社の取締役または執行役が支配株主である親会社の利益を図ることにより子会社の利益が害され、少数株主の利益を損なうおそれ。
  □(2) 要件 
    株式会社と取締役または執行役との取引が相反する状況にあるとき、その他取締役または執行役が株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるとき
    個別の事案ごとに取締役会の決議
    社外取締役が業務執行取締役の指揮命令により業務を執行⇒業務執行者からの独立性が疑われる者は社外取締役となることができないこととする2条15号イの趣旨に反する⇒社外取締役の要件を満たさないことになる。(348条の2第3項ただし書)
  ■2 社外取締役を置くことの義務づけ
  □(1) 改正の背景 
  □(2) 改正の理由
    社外取締役:
@少数株主を含むすべての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として業務執行者から独立した客観的な立場で会社経営の監督を行い、また、
A経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行う
という役割。
  □(3) 規律の対象となる株式会社 
  □(4) 違反の効果 
    善管注意義務違反
    327条の2の規定に違反して、遅滞なく社外取締役を選任しなかった⇒取締役等は100万円以下の過料
    上場会社等において、事故等により社外取締役が欠けた場合:
社外取締役を選任するための手続を遅滞なく進め、合理的な期間内に社外取締役が選任⇒その間にされた取締役会の決議を含め、取締役会の決議は無効とならない。
but
改正法において社外取締役の選任を義務づけた趣旨に反し、社外取締役が遅滞なく選任されず、長期間にわたって社外取締役による監督がない状況での取締役会の決議⇒無効となり得る。
  □(5) 経過措置
    改正法の施行の際現に上場会社等であるものについて、
改正後の327条の2の規定は、改正法の施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、適用しない。
この場合、改正前の327条の2に規定する場合における理由の開示について、なお従前の例による。
■3 監査役設置会社の取締役会による重要な業務執行の決定の委任


  ★令和元年改正会社法の解説(Y) (商事法務2227)
◆第四 その他の見直し
  ◇一 社債の管理 
  ■1 社債管理補助者制度
□    □(1) 改正の趣旨
   
     
  □(2) 社債管理補助者の設置 
     
     
     
     
  ■2 社債権者集会 
  □(1) 元利金の減免 
  □(2) 社債権者集会の決議の省略 
●    ●ア 改正の内容
  ●イ 経過措置 
     

  ★令和元年改正会社法の解説Z) (商事法務2228)
◆第四 その他の見直し(承前)
  ◇二 株式交付 
  ■1 制度の概要
  ■2 制度創設の理由
  ■3 株式交付をすることができる場合
  ■4 株式交付子会社とすることができる会社
  ■5 清算株式会社
  ■6 譲受けの対象
  ■7 株式交付子会社の株式等の譲渡人に対して交付する対価
  ■8 株式交付の手続の概要
  ■9 株式交付の効力の発生等
  ■10 株式交付の無効の訴え
  ■11 その他
     
     


  ★令和元年改正会社法の解説([) (商事法務2229)
◆第四 その他の見直し
  ◇三 その他 
  ■1 責任追及等の訴えに係る訴訟における和解
■    ■2 議決権行使書面の閲覧等
  ■3 株式の併合等に関する事前開示事項
  ■4 新株予約権に関する登記事項についての規律の見直し
  ■5 会社の支店の所在地における登記の廃止
  ■6 成年被後見人等についての取締役等の欠格条項の削除およびこれに伴う規律の整備
  ■7 株式会社の代表者の住所が記載された登記事項証明書等に関する法制審議会における附帯決議