シンプラル法律事務所
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論点整理(不動産関係)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)

登記識別情報
意味 従来の登記済証(権利証)と同じ役割を果たすもの。
12桁の符号で、不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められ、登記名義人となった申請人のみに通知される(土地1筆、建物1棟を夫婦が共有名義で取得し所有権移転の登記をした場合、合計4個の登記識別情報が通知される)。
次回の登記(権利の移転や担保物権の設定の登記など)の申請の際に、本人確認方法として登記所に提供し、登記識別情報を提供する者を不動産の登記名義人として扱う。
再発行及び番号の変更はできない。
管理方法 第三者に見られたりコピーされたりすると、従来の権利証が盗まれたのと同じ効果。
必要が生じるまで、シールを剥がさない。
目隠しシールを剥がした場合、通知書を封筒に入れ封をした上で、金庫などに保管するなど厳重に管理。
盗まれた場合 登記識別情報の失効制度あり。

不動産売買と租税の清算
規定  日割り計算によっ買主の負担分とされた金額分を買主から売主へ支払い
売主が実際の納税をする。
●A:1月1日起算:
vs.物件の引渡しが1月1日から3月31日のときに清算対象となる固定資産税等の年額が確定できない(4月1日以降であれば役所にて税額の確認はできる。)。
1月1日〜引渡し日の前日:売主負担
引渡し日〜12月31日:買主負担
B:4月1日起算(関西)

実際の納税期間が4月以降になる(課税標準となる年の評価額は概ね4月1日に公示)
vs.物件の引渡し日(所有権移転日として登記された日付)が1月2日から3月31日の間のときに既に固定資産税等の清算が終わっているにも関わらず、その年の納税通知書が前の所有者である売主のところへ行く。
(その場合は、買主から売主へ送金)
4月1日〜引渡し日の前日:売主負担
引渡し日〜3月31日:買主負担


訴訟物の価額
登記手続関係  所有権に関する抹消登記請求

所有権に基づく妨害排除請求と考えられる
⇒算定基準7の(1)を類推して目的物の価額の2分の1の額を訴額とする。


境界
原則  境界不変の原則 

境界は、ある地番を付された土地と隣接する別の地番を付された土地を区分する公法上の線であり、私人間で境界を決めたり変更したりできない。

境界確定基準

@ 占有状態
A 占有状態が確認できない場合は、係争部分を二等分して境界を定める。
B 以上により確定することが諸事情(ex.双方の土地面積、公図その他の地図、道路、水路、山の尾根筋、谷等の地形、既設の境界標、溜池等の最高水位、林相、樹種、樹齢等)と抵触する場合には、当該事情を斟酌して適切に定める。

境界とは 土地相互についての境目
@ 公法上の境界:
筆(土地登記簿上の土地の個数の単位で、地番を付されて区画されたもの)を異にして隣接する土地の境目。
裁判所にその確定を求める境界確定の訴えを提起。
A 私法上の境界:
土地の所有権の範囲の問題。
時効取得や土地の一部売買⇒必ずしも公法上の境界と一致しない。
境界標 意味 境界を示すために、人為的に設置された目印
←境界を明確に認識できる状態にしておくことが、紛争を予防し、また取引をする上において必要。
広く境界を表すものとして、
自然の道、尾根、沢、奇言わ、石塚、堀等の地形・地物
人工的なものとして家の土台、ガス、水道管等
〜一般的に境界標識と言われる。
規定 第223条(境界標の設置)
土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。
種類 どのようなものを設置すべきかについては、法律に特別の規定はない。
一般に、@顕著性、A不動性、B耐久性が必要。
⇒石杭、コンクリート杭、ビニール杭、鉄鋲等
不動産登記法上の境界標 地積の変更、更正、分筆等の登記をする場合、土地の境界(筆界)に境界標があるときは、これを地積測量図に記載しなければならないことになっている(不動産登記法施行細則42条ノ4第2項)。
←地積測量図に境界標を記載すれば、土地の特定が容易にでき、また、正確な測量がなされていることを明らかにすることができ、境界紛争の発生を予防することができる。
地積測量図に記載できる境界標については限定されている。
材料が石、コンクリート、合成樹脂または不銹鋼等の耐久性を有し、かつ容易に移動しないように埋没されているもの。
×木杭 ×地面に直接打ち込んだ金属鋲等
地積測量図には、コンクリート基礎やコンクリート基盤またはコンクリート側壁等に刻印をもって境界点を明確に表示しているものが、標識として記入される。
測量をする際に測量標(測量法10条参照)として、木杭や鉄鋲等が設置されるが、これは地形や地積を特定するためのものであり、ここでいう境界とは関係ない。
境界標の効力 もともと正確な位置になかったり、あっても長い年限の間に自然に移動することがある。
また、利害関係人がかっていに移動させてしまうこともある。
⇒境界標は、単に教会の位置を推定するための一資料に過ぎない。
移動した境界標を基準として長期間の占有が開始されれば、時効による土地所有権の取得が成立する場合があり(民法162条)
⇒その場合には公法上の境界と所有権の境目(私法上の境界)が異なることになる。移動した境界標は私法上の境界を示す。
法17条地図
地積測量図 土地の表示登記、地積変更登記、分筆登記、地積の更正登記など土地登記簿上、新たな地積を記載すべき登記または登記簿上の地積に移動を生ずる時の申請書に添付して登記所に提出される図面であり、縮図は原則として250分の1。(不動産登記法施行細則42条の4第1項本文)
その目的は、申請にかかる土地の地積および求積の方法のほかに、土地の筆界に境界標があるときはこれを、境界票がないときは適宜の筆界点と近傍の恒久的地物との位置関係を記載。(不動産登記法施行細則42条の4第1項、2項)
⇒現地を特定する機能がある。
この機能は、特定の境界票を中心にして実測された部分に限られ、それ以外トとに関しては基準にならない。
境界標そのものが争いになっている場合に境界確定の資料にはならない。
登記簿の附属書類として、閲覧および写しの交付請求をすることができる(不動産登記法21条1項)。
公図 公図とは もともと租税徴収のための資料として税務署に備え付けられていた。
「土地台帳法等の一部を改正する法律」⇒公図は土地台帳とともに登記所に。
改正後の不動産登記法17条⇒登記所には地図を備えるべきとされ、その地図は、各筆の土地の区画および地番を明確にすることを要するとされた(不動産登記法18条1項)
旧土地台帳法および同法施行細則は廃止され、精度が高くない公図はその時点で法的根拠を失う。
17条地図の整備作業は遅々として進まず、実務上は、公図が法17条地図に代わるものとして、不動産取引の際に閲覧されて地形を知る資料となったり、訴訟において証拠として利用。
平成5年の不動産登記法の一部改正法⇒17地図に準ずる図面に関する規定が新設され、登記所に法17条地図が備え付けられるまでの間、それに代えて「地図に準ずる図面」を備えることとし(不動産登記法24条の3第1項)、この図面は、1筆または数筆の土地ごとに土地の位置、形状および地番を表示するものであるこを要するとした。(同条2項)

公図のうち地図としてまだ備え付けられていないものと、地図に準ずる図面として登記所に備え付けることとしている。(現在、公図の多くは、法17条地図に準ずる図面として扱われている。
公図の証明力 正確性を欠いており、法17条地図のような元地区復元力は認められていないが、実務においては境界確定の証拠として多く利用されている。
反証をあげて覆すことができる。
←公図には形成力や公定力・公示力といったような効力は認められず、事実上の証明力が認められるにすぎない。
他にこれに代わる図面がないときには、かなり重要な証拠となる。
その作成の経緯から、距離、面積、方位、角度などについては精度が低いといわざるを得ないが、土地の形状、道路、河川等との位置関係、土地の配列状況などは参考になる。
裁判例 公図は土地台帳の附属地図で、区割と地番を明らかにするために作成されたものであるから、面積の測定については必ずしも正確に現地の免責を反映しているとはいえないとしても、境界が直線であるか否か、あるいはいかなる線でどの方向に画されるかとういような地形的なものは比較的正確なものということができるから、境界確定に当たって重要な資料と考えられる」(東京地裁昭和49.6.24)
原判決は、公図条乙形の境界線が表示されている公図を事実認定に供しながら、境界線を単純な一本の直線と認定する以上特段の理由を付すべきであって、これがないのは経験則違反または理由不備の違法がある」(東京高裁昭和53.12.26)
個別的検討から、畦畔や境界杭等の物的証拠などに照らし公図の証拠価値を認めなかった例(水戸地裁昭和39.3.30)
公図の境界についての表示を正確でないとした例(東京高裁昭和57.1.27)
公図の地形とは異なった土地の分筆を認めて土地所有権を認定した例(大阪地裁昭和57.12.27)等
公図の訂正 公図の記載には形成力や公定力などはなく、単に土地の事実状態を表すにすぎず、土地の権利関係の境界の位置に変動を及ぼすものではない
⇒行政処分とはいえず、公図の記載に対して不服申立て(不動産登記法152条)は認められない。(広島地裁H6.11.24)
記載が間違っている場合は訂正がされる。
@公図の土地の位置が現地と異なる
A公図に該当する土地の記載がない
B公図に地番がない、または地番が間違っている
C公図の分筆の線の記入漏れ、または合筆の線の削除漏れ
「地図に準ずる図面」として所有者その他の利害関係人は、単独で、土地所在図、地積測量図を添付のうえ、その訂正の申出をすることができる。
それを受けて、登記官は、実地に調査、公図に誤りがあれば職権で訂正。
公図の公開 交付請求権
境界確定の当事者 訴訟の性質 境界確定の訴えは、公法上の境界を確定させる訴訟で、境界を最終的に定めるのは裁判所で、いわゆる形式的形成訴訟。
当事者 通説・判例:「相隣接する土地の所有者」だけが境界確定の訴えの当事者適格を有する。
「相隣地の所有者」=境界に接する具体的な土地の実質的所有者
@隣接地の所有者が当事者適格を有するが、それは具体的な土地の実質的な所有者であり、係争地の中間に第三者の土地が介在している場合は否定される。(最高裁昭和59.2.16)
A相隣接する土地の一方の所有者が境界の一部に接する隣接地の一部を時効取得した場合であっても、両土地の各所有者は当事者適格を有する(最高裁昭和58.10.18)
B甲、乙両土地が相隣接し、甲地のうち境界の全部に接続する部分を乙地の所有者が時効取得した場合においても、甲乙両土地の各所有者は当事者適格を失わない(最高裁H7.3.7)。
C甲地と隣接する乙地の所有者が甲地の全部を時効取得した場合には、甲地の所有者は当事者適格を失う。(最高裁H7.7.18)
D甲地のうち、乙地との境界の全部に接続する部分を乙地所有者Yが、残部分をXがそれぞれ譲り受けた場合において、甲、乙了知の境界を確定することによって初めて、X、Yがそれぞれ取得した土地の範囲の特定が可能になるときには、X、Yは、甲、乙両地の当事者適格を有する。(最高裁H11.2.26)

不動産物権変動と対抗要件
■登記を対抗要件とする物権

■登記を対協要件とする物権

規定 不動産登記法 第3条(登記することができる権利等)
登記は、不動産の表示又は不動産についての次に掲げる権利の保存等(保存、設定、移転、変更、処分の制限又は消滅をいう。次条第二項及び第百五条第一号において同じ。)についてする。
一 所有権
二 地上権
三 永小作権
四 地役権
五 先取特権
六 質権
七 抵当権
八 賃借権
九 採石権(採石法(昭和二十五年法律第二百九十一号)に規定する採石権をいう。第五十条及び第八十二条において同じ。)
登記は、不動産の表示(「表示に関する登記」)、および不動産に関する次の9つの権利の保存、設定、移転、変更、処分の制限、または消滅について行われる(不登法3条)。
@所有権、A地上権、B永小作権、C地役権、D先取特権、E質権、F抵当権、G賃借権、H採石権
■ 登記を対抗要件とする物権変動 ■登記を対抗要件とする物権変動
規定 民法 第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
対抗問題の範囲 契約による物権変動(売買・贈与尚d)は当然対抗問題を生ずる。
物権の喪失が問題となる場合:
他人の土地に経っている建物の所有権を取得した物が、自らの意思で自己名義の所有権取得登記を経由した場合には、建物を譲渡しても登記名義を保ゆうする限り、土地所有者に対して建物所有権の喪失を主張し建物収去・土地明渡しの義務を免れることはできない。
「あたかも建物についての物権変動における対抗関係にも似た関係」(最高裁H6.2.8)

単一の所有権の帰属を互いに争いあうという意味での典型的な対抗問題とは異なる。
実質的には、不法占拠者が建物所有権の移転を主張して容易に明渡の義務を免れ、妨害排除請求権の行使が困難になることを回避するという公平の要請が根拠。
無制限説 民法の起草者:177条はあらゆる物権編d校に及ぶ。
大審院も一切の物権変動に登記は必要(大判明治41.12.15)。
but
その後、相続による持分の取得につき登記なしに第三者に対抗できる(最高裁昭和38.2.22)。
取消し 規定 民法 第96条(詐欺又は強迫)
詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3 前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない
AB間の売買契約が取り消されたが転得者Cがいる場合。
(内田Tp81〜)
Cへの移転が取消前⇒善意のCは保護される。
「対抗要件を備えた者に限定しなければならない理由は、見出しがたい」(最高裁昭和49.9.26)
but
詐欺以外の取消し(脅迫や後に出てくる行為能力の制限の場合)においては取消し前の第三者は全く保護されない。
取消し後については登記の戦後関係で決すべき(最高裁)。
@96条3項が第三者の保護を図ったのは、取消しに遡及効があることで第三者が害されるのを防ぐため。⇒その適用は、遡求効で害される第三者、つまり取消し前の第三者に限られる。
A取消し後の第三者に対して、取消権者が常に所有権の遡及的復帰を主張しえることは、登記に公信力のない日本法のもとでは、取引の安全を害する。
B取消しに遡及効があるのは、法的な擬制であり、取り消されるまでは取り消しうる行為も有効であるから、あたかも所有権の復帰があったかのように扱うことができる。
⇒その時点で、Bを起点とする二重譲渡があったのと同じであるから、対抗問題となり、登記の先後で優劣が決まる。
錯誤 規定 民法 第95条(錯誤)
意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。
  AはBが錯誤に気づいて無効を主張する前にBからCに転売されてしまった場合、AはBが権利者であるという外観を放置し承認したとはいえない⇒94条2項の類推は困難。 
(Aが無効の主張をすることによりBははじめから無権利者であったことになる。)
 ● ●96条3項の類推適用 
錯誤の場合にも、96条3項を類推して第三者保護を図るべき。

@仮にAB間の取引が詐欺で取り消されたとすると、善意(無過失)のCは保護される。
A錯誤と詐欺を比べると、自分で勝手に勘違いした場合を想定している錯誤よりも他人に騙された詐欺の方が本人保護の要請が強い。
B同一の事案が錯誤と詐欺の双方に該当することが少なくない(詐欺が成立する場合でも、相手方を刺激しない錯誤が主張されることが少なくない)。
錯誤無効の主張後に第三者Cが出現した場合、詐欺による取消権行使後の第三者と区別する理由はない。
強迫 詐欺より強迫の方が表意者を保護すべき要請が大きい
⇒96条2項3項のような規定はない。

@第三者の強迫のケースでは、相手方がそれを知らなくても取り消すことができる
A強迫によって不動産を売却させられた売主が取消権を行使したときは、取消し前に出現した第三者が善意・無過失でも、取消しを対抗できる。
取消後の第三者との関係は対抗関係(判例)。
解除 規定 規定 第545条(解除の効果)
当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。
545条1項但書は、取消しの場合の第三者に関する96条3項と同様な趣旨であるが、第三者に善意が要求されていない

債務不履行があっても契約そのものは完全に有効であり(意思表示に瑕疵があるのとは異なる)、必ずしも常に解除されるわけではないから、債務不履行の事実を知っている(悪意)だけでは、保護に値しないとはいえない。
判例 解除の遡及効を前提に、解除前の第三者との関係では545条1項但書が適用されるとしつつ、第三者は登記が必要。 
解除後の第三者との関係では、あたかも解除によって復帰的物権変動があったかのように捉えて(取消しに関する判例と同じ)対抗問題とする。

解除の前後を問わず登記を先にそなえた方が勝つ。
相続   相続は、被相続人の地位が包括的に相続人に移転する包括承継
⇒物権変動との関係では、原則として相続人=被相続人(当事者そのもの)。
判例   Aが死亡、相続人BXは2分の1ずつの持分を共同相続。
相続財産である土地についてBは単独で相続したように登記⇒Yに売却。
Xは、Yに対し移転登記の抹消を求めた。
●判例
BにとってXの持分は他人の財産であり、たとえこれをBが自己名義に登記して譲渡しても、登記に公信力がない以上Yはこれを取得することはできない。
⇒Xは持分を登記なしにYに対抗できる。
⇒Bの持分だけが有効に譲渡されたことになり、土地はXYの共有となる。

相続による持分の取得は177条の適用される物権変動ではないことが認められたことになる。
取得時効 判例 Aの土地をBが善意・無過失で10年間占有 
@BがAに時効を主張するのに登記は不要。
(時効は法的には原始取得であるが、あたかもBがAから土地を譲り受けたときのように、対抗関係とはならない)(大判対象7.3.2)
A時効完成前にAから土地を譲り受けたCとの関係でも、Bは登記不要(最高裁昭和41.11.22)。
B時効完成後に現れたDとの関係では、あたかもAからB、Dが土地を二重に譲渡されたような関係となり、登記が必要。
先にDが登記すれば時効の主張ができない(大判対象14.7.8)。
CBが、現時点から10年を逆算して占有開始時期をずらし、時効の完成が現時点であることを主張することは認められない(最高裁昭和35.7.27)。
DDの登記後さらに取得時効に必要な期間占有すれば、また時効を主張できる(最高裁昭和36.7.20)。
〜Bは10年の時効を主張するより、20年を主張する方が有利となることがある(善意・無過失で13年占有したところでDが出現して登記を経由し、その後7年しか占有していない場合)。
E不動産の取得時効の完成後、所有権移転登記がされることのないまま、第三者が原所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した場合において、上記不動産の時効取得者である占有者が、その後引き続き時効取得に必要な期間占有を継続し、その期間の経過後に取得時効を援用したときは、上記占有者が上記抵当権の存在を容認していたなど抵当権の消滅を妨げる特段の事情がない限り、上記占有者が上記不動産を時効取得する結果、上記抵当権は消滅する。(最高裁H24.3.16) 
■       ■登記をしなければ対抗できない「第三者」
規定 民法 第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
第三者の範囲  AからB、Cへの二重譲渡の場合のBCのように、両立しえない物権相互間で優劣を争う者、換言すれば「食うか食われるかの関係」にある者が「第三者」 。
「第三者」とは登記の欠缺を主張するにつき正当の利益を有する者をいう(制限説)。(大判明治41.12.15)
登記なしに対抗できる者 ●不登法5条 
不動産登記法 第5条(登記がないことを主張することができない第三者)
詐欺又は強迫によって登記の申請を妨げた第三者は、その登記がないことを主張することができない。
2 他人のために登記を申請する義務を負う第三者は、その登記がないことを主張することができない。ただし、その登記の登記原因(登記の原因となる事実又は法律行為をいう。以下同じ。)が自己の登記の登記原因の後に生じたときは、この限りでない。
@詐欺・強迫によって登記の申請を妨げた第三者
A他人のために登記を申請する義務を負う第三者(=登記申請を委任された代理人)
●無権利の名義人
全く無権利の登記名義人に対しては、真の所有者は登記なくして所有権を対抗できる。
無権利者からの譲受人も、同様に第三者にはならない。
←登記に公信力がないkら、譲受人は原則として所有権を取得できない。
● 不法占拠者
Aから土地を買ったBは、登記がなくても不法占拠者Cに明渡しを求め、また損害賠償を請求できる。

物権的請求権の権能や所有権侵害を理由とする損害賠償請求権の権能がいつ売主から買主へ移転するかの問題。
●賃借人 
Aが家主、Cが借家人であるとき、Aから建物を譲り受けた新しい家主のBがCに対して賃料を請求したり、債務不履行を理由に解除する場合:
判例:BにとってCは第三者であるから、登記が必要(最高裁昭和49.3.19)。
●悪意者 



登記手続請求
登記請求権   意義 共同申請の原則

権利に関する登記は、登記権利者と登記義務者の共同申請によってなされるのを原則とする(不動産登記60条)。
←登記をできるだけ実体権利関係に一致させるには、登記申請を登記権利者と登記義務者双方の意思の合致に係らせるのがよい。

登記請求権 一定の者が、一定の者に対して、登記申請手続について一定の協力義務をするよう請求し得る実体法上の権利。 
登記権利者・登記義務者 規定  不動産登記法 第2条(定義)
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
十二 登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。
十三 登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。
説明 実体法上の登記権利者・登記義務者と不動産登記法上の「登記権利者」「登記義務者」は必ずしも一致しない。
不動産登記法上:
「登記権利者」:権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者。
「登記義務者」:権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける者をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。
甲→乙→丙と不実の所有権移転登記がされ、現在丙が登記名義人。

甲は、丙に対し、乙丙間の所有権移転登記の、また乙に対し、甲乙間の所有権移転登記の各抹消登記請求権を有する。
この場合、甲が乙丙間の所有権移転登記の抹消登記手続を請求するには、丙だけを相手にすべきであり、乙は相手とならない(判例、なお、甲は、丙が任意に乙丙間の登記抹消に応じる場合もあるので、乙のみを相手として、甲乙間の登記の抹消を請求することも認められる(判例))。

実体法上の登記権利者は甲。
but
この場合、乙丙間の所有権移転登記の抹消登記手続では、その登記実行によって、登記上所有権登記を回復するという登記上の直接利益を受ける者は乙であり、これにより直接の不利益を受けるのは丙⇒不動産登記法上、登記権利者は乙、登記義務者は丙。
上記で、甲は、乙丙が任意に協力してくれない場合、丙に対する抹消登記手続請求の勝訴の確定判決を得た上で、登記手続の「登記権利者」乙に代位して抹消登記の申請をすることになる(不登63,59F)。
甲乙間の売買により、買主乙のために所有権取得登記が経由されて後、売主甲の債務不履行を原因として上記売買契約が解除された場合について、買主乙から売主甲に対する上記所有権取得登記の抹消登記請求権が認められる(最高裁昭36.11.24)(登記の引取請求)。
but
この場合、不動産登記法上の「登記権利者」は登記が抹消されることにより利益を得る甲。
単独申請できる場合と登記請求権  単独申請で登記ができる場合:
相続による登記(不登63A)、法人の合併を登記原因とする登記の移転登記、所有権保存登記(不登74)、名義人等の表示の変更登記等
原則、単独申請によるべき場合は、実体法上登記請求権を認める必要はない。
but
例外的に認められる場合。
ex.所有者でないのに、所有権保存登記をしている者に対し、真実の所有者には、所有権保存登記の抹消登記請求権が認められる。
登記請求権の発生  ★物権的請求権   登記請求権は、物権そのものの効力、一種の物権的請求権として、当然に生じる。
現在の権利関係の登記が一致しない場合に、その権利関係と一致しない登記を物権に対する妨害状態とみて、その不一致を除去するため、物権を有する者に対し法律上当然に認められるもの。
移転登記請求権:物権的請求権中の返還請求権
抹消登記請求権:妨害排除請求権
に対応。
要件:
@請求者が現に物権を有すること
A相手方が上記の権利関係と一致しない登記を有すること
■所有権移転登記の請求   ■所有権移転登記の請求 
 ● ●甲→乙と移転。その後甲が死亡し相続人丙が相続登記を経由:
@乙は丙に対し、相続登記の抹消と甲から乙への所有権登記を請求できる。
A乙は丙に対し、直接丙から乙への所有権移転登記を請求することもできる(判例)。
Aは物権的請求権として構成するしかない(債権的請求権とは構成できない。丙は、甲の乙に対する移転登記義務を承継するが、その義務内容は甲から乙への移転登記手続であって、丙から乙への移転登記手続ではない)。
 ●    ●甲→乙、乙→丙と順次売買、登記が甲のもとにある。
判例は、甲乙丙三者間の合意又は甲丙間の合意と乙の同意がある場合に、合意による債権的登記請求権として中間省略登記請求権の発生を認めるが、上記以外の場合は中間省略登記の請求を認めてない。

乙の意思にかかわらず丙は甲に対し中間省略登記の請求ができるとすると、
@乙が丙から売買代金をまだ受領していない場合に、乙が丙に対して有する代金支払と移転登記を引換にするという同時履行の抗弁権を失わせることになる。
A乙も甲に対して移転登記請求権を有するが、乙の上記権利を奪うことになる。
甲乙丙三者間において中間省略登記の合意が成立した場合においても、中間者乙は、当然には甲に対する移転登記請求権を失わない(最高裁昭和46.11.30)。
既になされた中間省略登記が、現在の実体的権利関係にに合致するときは、中間者たる乙の同意なしになされたものであっても、乙が中間省略登記の抹消登記を求める正当な利益を有するときに限り、乙において上記登記の抹消を求めることができるにとどまり、乙以外の者は、その登記の無効を主張して、その抹消登記手続を求めることはできない(最高裁昭和44.5.2)。
丙が自己に登記を具備するための手続としては、丙は、乙に対して有する登記請求権を保全するため、乙が甲に対して有sる登記請求権を債権者代位権(民法423条)により、代位行使して、甲に対し、甲から乙への移転登記を求めるとともに、乙に対し、乙から丙への移転登記を求める。

各登記請求権は、物権的請求権とは構成できない(乙はまだ登記を経由していないから、丙の所有権を妨害している関係にないし、また乙は甲に対しては、所有権を失っているから、物権の効力としての請求権を有しない。)。
各登記請求権は、債権的請求権ないし物権変動的登記請求権として構成するしかない。
 ● 権利能力なき社団の資産たる不動産については、登記簿上所有名義人となった代表者(上記不動産については、社団の代表者が、社団の構成員全員の受託者たる地位において、個人の名義で所有権の登記をすることができるに過ぎない。 )がその地位を失い、これに代わる代表者が選任されたときは、新代表者は、旧代表者に対し、当該不動産につき自己の個人名義に所有権移転登記手続を請求できる(最高裁昭和47.6.2)。
 ● 共有登記のされてる不動産につき、共有者の1人が持分権を放棄した場合には、他の共有者は、放棄にかかる持分権の移転登記を求めるべきであって、放棄者の持分権取得登記の抹消登記を求めることはできない(最高裁昭和44.3.27)。 
■  ■制限物権設定登記の請求及びその移転の付記登記の請求
抵当権や地上権などの制限物権の設定を受けた者が目的不動産の所有者たる設定者に対し、当該設定登記手続請求権を有することは問題ない。
物権的請求権として構成できる。
(これらの物権が設定契約により発生した場合には、債権的請求権として構成することもできる。)
所有権以外の権利の移転は付記登記による(不登4A)から、設定登記のしてある制限物権や仮登記担保権の譲受人は、譲渡人に対し、当該設定仮登記ないし仮登記に対する付記登記請求権を有する。
■所有権登記の抹消登記請求 ■所有権登記の抹消登記請求 
●甲所有の不動産に乙が実体に符合しない登記(無効な登記)を有する場合:
甲は乙に対し、物権的請求権としての抹消登記請求権を有する。
●甲所有の不動産につき、甲→乙、乙→丙と順次所有権が移転したものとして、不実の所有権移転登記が経由:
甲は、乙および丙に対して、それぞれ所有権移転登記の抹消登記請求権を有する。
甲が乙丙間の移転登記の抹消登記を請求するのは、丙だけを相手にすべきであり、乙は相手方とならない(判例)。
甲は、丙が任意に乙丙間の移転登記の抹消登記に応ずる場合もあるから、乙のみを相手方として甲乙間の移転登記の抹消登記を請求することも認められる(最高裁昭和36.6.6)。
判例は、甲だけでなく、乙にも、丙に対する乙丙間の所有権移転登記の抹消登記請求権を認める(最高裁昭和36.4.28)が、乙は当該不動産の所有者ではないから、乙の丙に治する抹消登記請求権は物権的請求権ではなく、物権変動的登記請求権となる。
■制限物権設定登記の抹消登記請求 
■所有権登記の抹消に代わる所有権移転登記の請求  ■所有権登記の抹消に代わる所有権移転登記の請求 
甲所有の不動産につき、甲乙丙と順次不実の所有権移転登記が経由されている場合に、甲は、丙に対し、抹消登記でなく、直接丙から甲に対する所有権移転登記(抹消に代わる所有権移転登記)を求めることができる(判例)。
不法の原因により未登記建物を乙に贈与した甲が、上記建物の保存登記をしたときは、受贈者乙は、甲が上記建物の返還を請求できないことの反射的効果として、上記建物の所有権を取得する。

甲に対し、その所有権に基づき、上記建物保存登記の抹消登記手続を請求できるし、上記の抹消登記に代えて、直接事故に所有権移転登記手続をするよう請求することもできる(最高裁昭和45.10.21)。
甲所有の不動産につき、甲乙が通謀して乙名義の所有権取得登記を経由後、丙が善意でから抵当権の設定を受け、設定登記を了した場合、甲は、乙に対しては、その所有権を原因とする所有権取得登記の抹消登記請求権を主張できるが、丙に対しては乙の所有権の取得、ひいてはその抵当権の無効を主張できないから(民法94A)、甲乙間の所有権取得登記の抹消登記の承諾(不登68)を求めることはできず、結局、甲が所有権登記を回復するには、乙から甲への所有権移転登記を求めるほかない(この場合、丙の抵当権は影響を受けない)。
抹消登記に代わる移転登記請求権は、物権的請求権としてしか構成できない。
■更正登記の請求 ■更正登記の請求 
甲乙両名が共同相続した不動産につき乙が勝手に単独相続取得登記をしている場合、甲が乙に対し、その持分権に基づき、共有者を甲乙としてその持分を各2分の1とする更正登記(不登2O)手続を請求できる。
第三者丙が乙から上記不動産を譲り受け、乙から丙に所有権移転登記が経由された後は、甲は丙に対し、自己の持分2分の1について登記なくして対抗できる(この点では丙は無権利者で登記の欠缺を主張できない)が、乙が有した持分2分の1については丙が適法に譲り受けて権利を取得(民法909但書)

丙の所有権取得登記の全部抹消を請求することはできず、丙および乙の各単独所有権取得登記につき、それぞれ更正登記手続(乙については甲乙各持分2分の1の、丙については、甲丙各持分2分の1の各共有登記に更正する。)
■抹消回復登記の請求 
 登記が適法にされ、物権者が第三者に対する対抗要件を具備した後は、この対抗力は法律上消滅事由の発生しない限り消滅するものではない。

上記の登記が権利者不知の間に不法に抹消された場合にも、その物権についての対抗力は失われず、いったん適法にされた登記の権利者は、その物権に基づき、不法に抹消された登記の回復登記を請求できる。
登記上利害の関係ある第三者に対しても、上記回復登記手続につき承諾すべき旨を請求できる。
★ 債権的請求権   ★債権的請求権
■  登記請求権は、当事者間の合意に基づき、債権的請求権としても発生する。
売買、交換、贈与、代物弁済などの所有権を移転することを目的とする契約が成立した場合、譲渡人は、譲受人に対し、第三者対抗要件たる登記を具備させる義務を負う
⇒債務としての所有権移転登記手続義務を負う。
売買などの所有権譲渡契約が成立⇒譲渡人が目的不動産の所有者である限り、譲受人は原則として当然に所有権を取得する(民法176条)⇒譲受人は、登記名義人たる譲渡人に対し、物権的請求権としての所有権移転登記請求権を取得する。
中間省略登記については、甲乙丙三者間の合意がある場合又は甲丙間の合意と乙の同意がある場合に限って認められる。
合意のある場合の債権的請求権として構成される。
売買の目的不動産が未登記である場合も、債権的な登記請求権として構成される(未登記だから妨害状態になく、物権的請求権として構成できない。)。
買主は、所有権確認の判決を得て自己の所有家を証明⇒単独で買主名義の保存登記をすることができる(不登74@(2))。
買主は、未登記のまま、売主に対し、直ちに所有権移転登記手続を請求することもできる(最高裁昭和31.6.5)。この場合、所有家移転登記請求につき勝訴判決を得た買主は、売主に代位して保存登記をし(民法423条、不登59F)、かつ自己への所有権移転登記ができる。
■  通常の場合とは逆に、売主が買主に対し、所有権移転登記手続をするよう請求することもでいる(登記の引取請求)。
これも債権的な権利。
売買契約に所有権留保の特約があるときや、売り主の所有でない不動産を売買の目的とした場合(民法560条)に、債権的な登記請求権の発生が問題となる。
代金支払地に所有権が移転するとの特約である場合も、買主に所有権移転登記請求権を認めるべき(売主の所有権移転登記義務と買主の代金支払義務とが同時履行の関係にあるにすぎない。)。
他人の不動産の売買の場合、買主は、売買契約が成立しただけでは、所有権を取得せず、売主が目的不動産の所有権を取得したときに、買主に所有権が移転(最高裁昭和40.11.19)。
★物権変動的登記請求権    ★物権変動的登記請求権 
判例は、物権変動の事実そのものから、登記請求権が発生る場合を認める。
(物権変動の過程、態様と登記が一致しない場合に、これを一致させる必要上認められるもの)
甲所有の不動産について、甲→乙、乙→丙と不実の登記。
乙も丙に対して、乙丙間の所有権移転登記の抹消登記請求権を有する。
★請求権の競合 旧訴訟物理論⇒物権的請求権と債権的請求権とは、別個の訴訟物。
  抹消登記手続請求訴訟
概説 認められる場合  所有権保存登記、同移転登記、抵当権等制限物権設定登記、これらの設定登記の付記登記(不登4A)、仮登記など、いろいろな種類の登記の抹消登記請求が考えられる。
現在の物権者が、当該物権の権利状態を妨害している現在の登記名義人に対し、当該登記の抹消を請求する場合が大部分であり、上記の場合の登記請求権は、物権的請求権と解される。
真正な登記名義の回復を目的とする所有権移転登記(抹消登記に代わる移転登記)の請求も認められる。
債権的な抹消登記請求権は、契約解除に基づく原状回復請求権として発生することが考えらえられる(最高裁昭和36.11.24)。
債権の効力として抹消登記の請求が認められる場合として、債権者が、詐害行為取消権を行使し、受益者又は転得者に対し、詐害行為の目的不動産につきなされた受益者又は転得者名義の登記の抹消を求める場合が考えられる(民法424条)。
債権者は、債務者が第三者に対して有する抹消登記請求権を代位行使できる(民法423条)。
手続き 所有権「抹消」」登記⇒所有権移転登記後の抵当権設定登記は、登記官が職権で抹消登記⇒抵当権者は「登記上」の利害関係人に該当。
抵当権者が元所有者に対し抵当権を主張できない⇒承諾義務あり
主張できる⇒承諾義務なし
 承諾請求訴訟が必要な場合 規定 不動産登記法 第68条(登記の抹消)
権利に関する登記の抹消は、登記上の利害関係を有する第三者(当該登記の抹消につき利害関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人を含む。以下この条において同じ。)がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。
説明 登記の抹消を申請する場合に、その抹消につき、登記上の利害関係を有する第三者があるときは、申請には、その第三者の承諾があることが必要。
抹消につき利害の関係を有する抵当証券の所持人又は裏書人のあるときも同様。

任意に上記承諾を得られないときには、上記の登記上の利害関係を有する第三者に対する承諾請求訴訟を提起する必要がある。
登記上利害関係を有する権利(抵当権等)が譲渡され、その旨の付記登記がされた場合、本訴訴えの被告は、付記登記名義人(最高裁作昭和44.4.22)。