シンプラル法律事務所
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論点整理(租税)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)

源泉徴収義務
義務者 会社や個人が、人を雇って給与を支払ったり、税理士、弁護士、司法書士などに報酬を支払ったりする場合には、その支払の都度支払金額に応じた所得税及び復興特別所得税を差し引くことになっています。
そして、差し引いた所得税及び復興特別所得税は、原則として、給与などを実際に支払った月の翌月の10日までに国に納めなければなりません。
この所得税及び復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

源泉徴収義務者になる者は、会社や個人だけではありません。
給与などの支払をする学校や官公庁、人格のない社団・財団なども源泉徴収義務者になります。
しかし、個人のうち次の二つのいずれかに当てはまる人は、源泉徴収をする必要はありません

(1) 常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与や退職金を支払っている人
(2) 給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人(例えば、給与所得者が確定申告などをするために税理士に報酬を支払っても、源泉徴収をする必要はありません。)

なお、国内において会社や個人が、新たに給与の支払を始めて、源泉徴収義務者になる場合には、「給与支払事務所等の開設届出書」を、給与支払事務所等を開設してから1か月以内に提出することになっています。
この届出書の提出先は、給与を支払う事務所、事業所その他これらに準ずるものなどの所在地を所轄する税務署長です。
ただし、個人が新たに事業を始めたり、事業を行うために事務所を設けたりした場合には、「個人事業の開業等届出書」を提出することになっていますので「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要はありません。
報酬についての源泉額 源泉徴収すべき所得税額及び復興特別所得税の額は支払金額(源泉徴収の対象となる金額)により次のようになります。

支払金額(=A)

税額

100万円以下 A×10.21%
100万円超 (A-100万円)×20.42%+102,100円

(例) 150万円の弁護士報酬を支払う場合
 (150万円-100万円)×20.42%+102,100円=204,200円

 源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額は204,200円になります。


債務負担付譲渡
事案 甲(夫)⇒乙(妻)
財産分与で2000万円の不動産を譲渡。
乙が1200万円の返済を肩代わり。

800万円の財産価値が甲から乙に移転。
説明  甲:譲渡収入金額は2000万円
財産分与⇒贈与税の課税対象にはならない。(Hの件)
個人間の相続、遺贈又は贈与の移転については、譲渡所得税を見送り、取得価額及び取得時期の引継ぎによる課税の繰り延べ。
「課税譲渡所得=売却価格ー(購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費)」

言葉の意味
借用概念と固有概念 種類 租税法が用いている概念は2種類
①借用概念:他の法分野で用いられている概念
②固有概念:他の法分野では用いられておらず、租税法が独自に用いられている概念。
●借用概念
種々の法分野からのものがあるが、主として問題になるのは民商法等の私法からの借用概念。
建築基準法は、建築規制という特定の行政目的達成のための法律⇒租税特別措置法41条にいう「改築」の概念は、同法からの借用概念であるとはいえない(東京高裁H14.2.28)。
借用概念は、原則として、本来の法分野におけると同じ意義に解釈すべき。

①借用概念は他の法分野におけると同じ意義に解釈するのが、租税法律主義=法的安定性の要請に合致している。
②納税義務者は、各種の経済活動ないし経済現象から生じてくるのであるが、それらの活動ないし現象は、第一次的には私法によって規律されているから、租税法がそれらを課税要件規定の中にとりこむにあたって、私法上における同じ概念を用いている場合には、別異に解すべきことが租税法規の明文またはその趣旨から明らかな場合は別として、それを私法上におけると同じ意義に解するのが、法的安定性の見地からは好ましい。


償却資産関係
規定 (1) 地方税法
第341条(抜すい)
固定資産税について, 次の各号に揚げる用語の意義は, それぞれ当該各号に定めるところによる。
1号 固定資産 土地・, 家屋及び償却資産を総称する。
2号 土地 田, 畑, 宅地, 塩国, 鉱泉地, 池沼, 山林, 牧場, 原野. その他の土地をいう 。
3号 家屋 住家, 店舗, 工場(発電所及び変電所を含む。) , 倉庫その他の建物をいう 。

4 号 償却資産 士地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産(鉱業権, 漁業権, 特許権その他の無形減価償却資産を除く。) その減価償却額又は減価償却費が法人税法又は所得税法の規定による所得の計算上損金又は必要な経費に算入されるもののうちその取得価額が少額である資産その他の政令で定める資産以外のもの ( これに類する資産で法人税又は所得税を課されない者が所有するものを含む。) をいう。 ただし, 自動車税の課税客体である,自動車並びに軽自動車税の課税客体である原動機付自転車, 軽自動車, 小型特殊自動車及び二輪の小型自動車を除くものとする。
規定 (2) 所得税法
第2 条1項 (抜すい)
この法律において, 次の各号に掲げる用語の意義は, 当該各号に定めるところによる。
19号
減価償却資産 不動産所得若しくは雑所得の基因となり、又は不動産所得、事業所得、山林所得若しくは雑所得を生ずべき業務の用に供される建物、構築物、機械及び装置、船舶、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産で償却をすべきものとして政令で定めるものをいう。
規定 (3) 所得税法施行令
第6条(抜すい)
法第二条第一項第十九号 (減価償却資産の意義)に規定する政令で定める資産は、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産のうち次に掲げるもの(時の経過によりその価値の減少しないものを除く。)とする。 ・
一  建物及びその附属設備(暖冷房設備、照明設備、通風設備、昇降機その他建物に附属する設備をいう。)
二  構築物(ドック、橋、岸壁、さん橋、軌道、貯水池、坑道、煙突その他土地に定着する土木設備又は工作物をいう。)
■  規定  (4) 所得税基本通達38 -10(以下「本件基本通達」という。)
(土地についてした防壁、石垣積み等の費用)
38-10 埋立て、土盛り、地ならし、切土、防壁工事その他土地の造成又は改良のために要した費用の額はその土地の取得費に算入するのであるが、土地についてした防壁、石垣積み等であっても、その規模、構造等からみて土地と区分して構築物とすることが適当と認められるものの費用の額は、土地の取得費に算入しないで、構築物の取得費とすることができる。
上水道又は下水道の工事に要した費用の額についても、同様とする。(昭56 直資3-2、直所3-3、
平元直所3-14、直法6-9、直資3-8 改正)
(注)
1 専ら建物、構築物等の建設のために行う地質調査、地盤強化、地盛り、特殊な切土等土地の改良のためのものでない工事に要した費用の額は、当該建物、構築物等の取得費に算入する。
2 土地の測量費は、各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、土地の取得費に算
入する。
自己の所有する林地等の宅地造成するための費用の額は、建物や構築物等として独立して償却の対象資産の取得費に算入すべきものを除き、その土地の形質の変更をもたらす⇒土地の取得費に算入。 
土地の取得費に算入するのは、埋立、土盛り、地ならし、切槌、防壁工事その他土地の改造又は改良のために要した費用に限る事とした。
←整地が即土地の形質の変更(改造又は改良)に結びつくのかどうかの疑問がある。
③土地について行われた防壁、石垣積み等であっても、その規模、構造からみて、通常土地の改造又は改良のために支出したと認められないもの
⇒その土地を利用するために設置される構築物の取得費に算入
④上下水道はもともと減価償却資産(耐用年数奨励別表第1「構築物」)に該当
⇒その費用の額は、土地の取得費に算入しないことができ、土地の取得費に算入するかどうかは選択できる。
建物、構築物等の建設のための地質調査、地盤強化、特殊な切土等の工事に要した費用の額は、本来その土地の改良のために行うものでない
建物又は構築物等の取得費に算入。
●土地についてした防壁、石積み等の費用
・・・土地の造成又は改良のために要した費用⇒税務会計上その土地の取得価格に算入⇒一般的には償却資産とはならない。
but
その規模、構造等からみて土地と区分して構築物とすることが適当と認められるものの費用の額⇒税務会計上土地の取得価額に算入しないで構築物の取得価額(=償却資産)とすることができる。
 
 

租税争訟
★総説    ■租税不服申立と租税訴訟
行政事件訴訟法:
御製処分の取消を求める訴訟につき、原則として、いわゆる不服申立前前置主義を廃止し、行政処分に対して直ちに裁判所に出訴するか、それとも行政不服申立の手続をhじぇた上で裁判所に出訴するかについて、選択を認めている。
国税通則法、関税法および地方税法:
租税行政処分の取消しを求める訴訟は原則として租税不服申立を経たのちでなければ提起することができない旨を定め、いわゆる不服申立前置主義を採用。
特に、税務署長および税関長の処分に対する取消訴訟については、青色申告に対する更正の場合を除いて、原則として異議申立と審査請求の2段階の手続を前提とすることが要求。
■   ■総額主義と争点主義
租税確定処分に対する審査請求および訴訟の審理の過程において、原処分の理由とされていた課税要件が存在しないことが判明した場合に、処分行政庁は、その処分の適法性を維持するために別の課税要件事実を新たに提出することができるか?
①総額主義:確定処分に対する争訟の対象はそれによって確定された税額(租税債務の内容)の適否である。

取消訴訟の訴訟物は行政処分の違法性一般であるとする行政法の通説、さらには、租税確定処分に対する取消訴訟はその実質において租税債務の不存在確認訴訟にほかならないとする見解。

②争点主義:確定処分に対する争訟の対象は処分理由との関係における税額の適否である。
①総額主義⇒理由の差替は審判請求の審理または訴訟における口頭弁論の終結時まで原則として自由に認められることになる。
②争点主義⇒理由の差替は原則として認められない。
判例:
白色申告の場合については、審査請求についても、取消訴訟についても、総額主義の立場。
青色申告の場合、かならずしも明確ではなく、「一般的に更正の理由とは異なるいかなる事実をも主張することができると解すべきかどうかはともかく」という留保のもとに理由の差替を認めている。
金子:
租税争訟の審理の対象はないし訴訟物処分理由との関係における税額の適否であり、理由の差替は原則として認められない。

①すべての確定処分は原処分庁によって理由を附記されなければならず、その理由は、(1)手続的保障の見地から、処分庁の判断の市御庁・合理性を担保してその恣意を抑制する(処分適正化機能)とともに、(2)処分の理由を示して、不服申立に便宜を与える(争点明確化機能)ことにある。
②理由の差替を自由に認めることは、理由を付記しないで処分を行うのと結果的に同じことであり、理由付記を要した方の趣旨の大半を失わせることになる。

原処分の理由とされた基本的課税要件事実の同一性が失われない範囲では理由の差替は認められる。
②争点主義⇒判決の既判力は処分理由との関係における処分の適否についてのみ生ずるから、租税行政庁は、更正・決定等の除斥期間が経過しない限り、新しい理由に基づいて再更正を行うことができる。
★      ★租税不服申立
■    ■第1説 総説 
●  ●1 租税不服申立の種類と対象
訴訟におけると異なり、不服申立手続においては、違法な処分に対してのみでなく、不当な処分に対しても不服を申し立てることができる。
◎異議申立
処分行政庁に対する不服申立であって、国税に関する処分に対しては、処分行政庁に対する異議申立をすることが一般的に認められている。
租税不服申立に対する決定または裁決および国税犯則取締法に基づく処分に対しては、異議申立をすることはできない。
租税行政庁以外の行政機関の長または職員のなした処分に対しては、異議申立は認められず、審査請求のみが認められる。
地方税に関する処分に対する不服申立については、特別の定めがない限り、行政不服審査法が摘要される(地方税法19条)。
⇒ 都道府県知事または市町村長のなした処分に対しては、当該知事または市町村長に異議申立をすることができる(行審6条1項)。
◎審査請求 
処分行政庁以外の行政庁に対する不服申立を、審査請求という(行審3条2項)。
内国税に関する処分に対しては、国税不服審判所長への審査請求が一般的に認められている。 
税務署長および税関長の処分については、異議申立前置主義がとられており、原則として、異議申立および異議決定を経たのちでなければ審査請求をすることできない。
異議申立の場合と同じく、租税不服申立に対する決定または裁決および国税犯則取締法に基づく処分に対しては、審査請求をすることができない。
〇  地方税については、処分が、地方団体の長ではなく、税務事務所長等の出先機関によってなされた場合には、長に対して審査請求をすることができる。 
●2 不服申立人等
●3 不服申立期間 
●  ●4 不服申立の教示 
●  ●5 不服申立の処分の執行 
●6 併合審理等
    ★第3章 租税訴訟
■    ■1 総説 
租税訴訟には、次の8つの類型がある
●(1) 取消訴訟 
租税行政処分が違法であることを理由として、その取消を求める訴訟(行訴3条2項・8条)。
   
  ■2 訴訟要件 
  ●  ●(1) 不服申立前置 
  ●(2) 出訴期間 
■    ■3 訴えの利益 
  ■4 執行停止 
■    ■5 立証責任 
■    ■6 判決 
●(1) 却下の判決 
●  ●(2) 請求棄却の判決 
取消の求められている処分が違法でないことが判明した場合に、原告の請求を理由なしとして排斥する判決。
●(3) 請求認容の判決 
本案についての審理の結果、取消の求められている処分が違法であることが判明した場合に、その全部または一部を取り消す判決(取消判決)。
   

租税訴訟の傾向
裁判所の傾向 ①民商法(私法)の重視 そもそも租税法は、経済活動ないし経済現象を課税の対象としているところ、経済活動ないし経済現象は、第一次的には私法によって規律されているものであり、租税法律主義の目的である法的安定性を確保するためには、課税は、原則として私法上の法律関係に即して行われるべきことになると解される。
もとより、税負担を回避ないし軽減することを目的として行われる行為が、たとえば仮想行為であったり通謀虚偽表示であって、外形上存在するようにみえる意思の合致が実際には存在しないと判断される場合などには、その行為が不存在又は無効であることを前提として課税が行われるべきであり、そのような場合には、税負担の回避ないし軽減の効果は生じないことになる。(東京地裁H20.11.27判決)
②税法の解釈の方法 税法の解釈において使用される用語の用法が通常の用語の用法に反する場合、当該税法が客観性を失うことになるため、納税者の予測可能性を害し、また、法的安定性をも害することになることからすれば、税法中に用いられた用語が法文上明確に定義されておらず、他の特定の法律からの借用した概念であるともいえない場合であっても、その用語は、特段の事情がない限り、言葉の通常の用法に従って解釈されるべきである。(東京地裁平成19年4月17日判決)
③立証責任の分配 そして,本件算定方法が租税特別措置法66条の4第2項第2号ロ所定の再販売価格基準法に準ずる方法と同等の方法に当たることは,課税根拠事実ないし租税債権発生の要件事実に該当するから,上記事実については,処分行政庁において主張立証責任を負うものというべきである
(東京高裁H20.10.30判決)

移転価格税制について、独立企業間価格を算定する際に、どの算定方法を用いるのかについての立証責任は、民事訴訟における立証責任の考え方である課税要件分類説の考え方に基づき、課税庁側にある。

消費税
住宅建築   ■戸建住宅などの請負契約:
●原則:
平成26年4月1日以降に引き渡すもの⇒8%の消費税
●特例:
平成25年9月30日までに住宅建築や大規模修繕の契約を締結⇒平成26年4月1日以降に引き渡すものでも5%の消費税。
but
5%の税率は「当初に契約した金額」に限る。

当初の請負金額を超える部分は8%の税率。
その他の特例 ●特例あり
旅客運賃や映画館、遊園地などのチケット代:
3月31日までに購入⇒4月以降に使う場合でも5%の税率。
(ex.5月の連休の旅行のために、3月末までに切符やチケットを購入) 
●特例なし 
旅館やホテルなどの宿泊費は特例不適用⇒宿泊日が4月以降であれば8% 
●不適用 
飛行機の国際線は消費税がもともとかからない⇒影響なし

租税体系
課税形態 普通税・目的税の区分等 租税の分類 税目
    国税 普通税 取得税
地方税 都道府県税
市町村税

所得税
所得の種類と計算方法 利子所得

預貯金、公社債などの利子

利子収入=利子所得の金額
配当所得 いわゆる配当など
収入金額ー元本取得のための借入金利息
事業所得 いわゆる事業から生ずる所得
不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、事業所得ではなく、原則として、不動産所得や山林所得なる。
収入金額ー必要経費
不動産所得 土地や建物などの不動産の貸付けなどによる所得
収入金額ー必要経費
給与所得 給与所得者の給料、賞与などの所得
給与収入ー給与所得控除
退職所得 退職手当や一時恩給などの所得
(退職金収入ー退職所得控除)×50%
譲渡所得 土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得
(事業用の商品などのうち一定のものは、譲渡所得とならない)
総収入金額ー(取得費+譲渡費用)ー特別控除額
山林所得 山林を伐採して譲渡することなどによって生ずる所得
(山林を取得してから5年以内に譲渡した場合には、事業所得または雑所得になる)
収入金額ー必要経費ー特別控除額(50万円)
一時所得 一時的な性質の所得
ex.
懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金
生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
法人から贈与された金品
(収入金額ー収入を得るための費用ー特別控除額50万円)×50%
雑所得 年金や恩給などの公的年金
収入金額ー必要経費
著述家や作家以外の人の受ける原稿料や印税、講演料や放送謝礼金など、他の9種類の所得に当たらない所得
収入金額ー必要経費
所得税の計算 計算方法(個別) ①所得の計算:
前年1月から12月までの所得金額をだす。
所得金額=収入ー必要経費
②所得控除額の合計を出す:
配偶者控除、扶養控除、医療費控除、生命保険料控除など・・・・。
③課税所得金額を出す:
課税所得金額=所得金額ー所得控除額
④税額控除額を出す:
住宅取得や配当金など、税額控除がある場合
⑤所得税額を出す:
所得税額=課税所得金額×税率ー控除額ー税額控除
⑥源泉徴収税額を出す:
給与等の収入から源泉徴収されている税額を合計する
⑦申告納税額または還付税額を出す:
申告納税額=所得税額ー源泉徴収税額
申告納税額がマイナスになった場合は税金が還付される
計算方法(全体) ①稼働したすべての所得
②課税所得と非課税所得(失業保険や宝くじの当選金などには所得税がかからない。)
③所得の分類(10種類の所得に分類)。必要経費を控除。
④課税標準の計算:
総合課税と分離課税に分ける
給与や事業等の所得は総合課税
家を売ったときや退職金をもらったときはそれとは一緒にしないで税金を計算する、(分離課税)
⑤課税所得金額の計算:
14種類の控除がある。
家が火事→雑損控除
病気・入院→医療費控除
家族がある→扶養控除
⑥所得税額
⑦差引所得税額(住宅ローン控除などの税額控除を行う。)
⑧納付税額(既に納めた源泉徴収税額などを差し引いて納付する。)
所得税 課税される所得金額: 税率: 控除額
(1000円未満切捨て)

195万円以下             5%      0
195万円超~330万円以下   10%  97,500円
330万円超~695万円以下   20% 427,500円
695万円超~900万円以下   23% 636,000円
900万円超~1800万円以下  33% 1,536,000円
1800万円超             40% 2,796,000円
総合課税と分離課税 総合課税 事業所得、不動産所得、給与所得など、それぞの規定に基づき所得(収入ー必要経費)を算出したあと、すべての所得を合算して所得税を計算する方法。
事業所得、不動産所得、配当所得、給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得
分離課税 趣旨 それぞれ単独で所得税を計算する。
退職のような特殊な事情で生じた所得に対して適用される。
(←退職所得に「総合課税」のルールを適用して、給与所得と合算して税額を計算すると、莫大な税額になる場合がある。)
申告分離課税 特定の所得についてだけ、特別に決められた税率をかけて税額を計算する。
確定申告の必要がある。
譲渡所得、山林所得、退職所得
源泉分離課税 受取時に天引きされるだけで、その所得に対する納税が完了する課税方式。
確定申告の必要なし。
利子所得、配当所得
所得控除 意義 所得から一定額を差し引くこと。
所得を減らす手段の1つ。
物的控除 生活用財産の損害や医療費・保険料の支出などによる税負担能力の減少に配慮するもの。
一定の支出を控除対象 ①医療費控除:
医療費のうち10万円を超える金額
最高控除額200万円(領収書の添付が必要)

かかった費用は、家族全員で合算できる⇒家族と同居しているなら(生計同一)、一番税率の多い人がまとめて請求する。
確定申告書に医療費明細書と医療費の領収書(サラリーマンで給与所得のみの人は、源泉徴収票も必要)を添付して、税務署へ提出。⇒申請が通ると、指定した金融機関の口座に、4月~5月頃に入金される。
②社会保険料控除:
厚生年金保険、国民年金、健康保険
支払保険料の全額
③小規模企業共済等掛金控除
④生命保険料控除:
一般の保険分5万円、年金保険分5万円
最高10万円
⑤地震保険料控除
⑥寄附金控除
損害 ⑦雑損控除:
災害、盗難、横領などの被害
被害額のうち所得金額の10%を超える部分など
人的控除 納税者の家族状況に応じて税負担能力を考慮するもの。
基礎的人的控除 ⑧配偶者控除:
38万円
老人配偶者(70歳以上)は48万円
親族の所得金額が38万円以下であることが必要。
⑨配偶者特別控除:
専業主婦38万円を限度に
収入が141万円未満であれば、収入に応じて変動(3万~38万円)
納税者の所得金額が1000万円以下であることが必要。
適用基準は、年間所得38万円超76万円未満。
配偶者の年間所得が34万円超76万円未満(給与収入なら103万円超141万円未満)の人の場合は、配偶者特別控除のみが適用される。
⑩扶養控除:
1人につき38万円
老人扶養親族(70歳以上)48万円、同居老親58万円、16~22歳の特定扶養親族63万円
年間所得が38万円以下でないと、扶養控除の対象にならない。
←収入が多ければ、納税者に養われているとは言えない。
(基礎控除が38万円→それで課税所得がゼロになるので、扶養家族になれる。)
妻がパート収入がある場合、年収が給与だけで103万円以下なら扶養家族になれる。
(基礎控除38万円と給与所得控除の最低額65万円を引くと家事所得はゼロとなり、扶養家族となる。)
「同居家族」だけでなく、別居していても「生計を一に」していれば扶養の対象となる。
(就学はもちろん、故郷の年金暮らしの両親に仕送りをしている場合でも、証明書を添付しなくても扶養控除が受けられる。)
65歳以上の年金受給者の場合、年金150万円程度であれば所得ゼロ。
すなわち夫婦で年金300万円なら、別居していても両親とも扶養家族にできる。
扶養にできる範囲は「6親等以内の親族」「3親等以内の姻族」⇒親、祖父母、叔父叔母も可能。
⑪基礎控除:
38万円
全ての納税者に
特別な人的控除 ⑫障害者控除:
本人の場合
一般27万円、特別40万円
⑬寡婦(寡夫)控除:
27万円、一定の要件を満たした場合35万円
⑭勤労学生控除
所得控除と税額控除 所得から差し引くものが「所得控除」
(高い税率を適用される高所得者層ほど、減税率が高くなる。)
税金から直接差し引くものが「税額控除」
(所得水準に関係なく、一定額を税額から差し引ける。)

自宅売却の税金
所有 相続の場合「所有」は引き継ぐ⇒所有期間は通算する。
譲渡損あり
(所有期間5年超)
買替の場合 制度 譲渡損失の損益通算と繰越控除(住宅ローン控除との併用可):
給与等他の所得から損失を差し引けるし、引ききれなかった額は、翌年以降、3年間繰り越せる。
併用 新たに買う自宅の住宅ローン控除との併用も認められている
⇒課税所得が発生する年から住宅ローン控除を受けられる。
条件 今の自宅の所有期間が5年超で、買い替え先の自宅に10年以上のローンを組んでいることが条件
譲渡の年の1月1日現在で所有期間が5年超必要。(間に正月が6回以上必要)
買替せず 制度 譲渡損失の損益通算と繰越控除(損失額に制限あり):
繰越控除の対象になるのは、
①譲渡損失の金額
②住宅ローンの残高から譲渡価格を引いた金額
のうちどちらか小さい方。
譲渡益 原則 土地・建物譲渡所得は、他の所得と分離課税。
短期(所有が5年以下)⇒所得税と住民税を合わせて39%
長期(5年超)⇒20%
??のどちらかを選択 ?3000万円の特別控除 所有期間の制限ないが、「住まなくなってから3年がたった日の属する年の年末までの譲渡」である必要。⇒長期間住んでいなければ対象外。
所有期間が10年超⇒軽減税率の特例の併用が可能。
3000万円の特別控除+軽減税率
⇒譲渡益の6000ま念以下の部分が14%に軽減される。(6000万円を超える部分は20%)
?買い替え特例 今の自宅の10年超の所有等を条件に、課税を繰り延べられる。
買い替える自宅>今の自宅の売却金額⇒現段階では税金はかからない。
買い替える自宅<今の自宅の売却金額⇒買い替える自宅との差額部分だけ現段階では課税対象に。
but
今の家の取得費が新しい家の取得費として引き継がれる⇒新しい家を将来売ると、その時点で多額の譲渡益が発生する可能性がある。

租税関係
不法行為による損害賠償請求権を法人の収益として計上すべき事業年度    

法人の所得の金額の計算上、ある収益をどの事業年度に計上すべきかは、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべきであり、これによれば、収益は、その実現があった時、すなわち、その収入すべき権利が確定した時の属する事業年度の益金に計上すべきであるとするのが一般的。最高裁H5.11.25判決) 

法人の代表者が横領した事件に関し、法人は横領行為と同時に横領金額と同額の損害倍瀬方請求権を取得するから、その同じ事業年度の益金に計上すべきである。(最高裁昭43.10.17判決

従業員の詐欺により損害を被った法人が当該従業員に対して取得する損害賠償請求権の額は、法律上当該請求権が発生した事業年度ではなく、当該法人が損害及び加害者を知った事業年度の益金に計上すべきである。(東京地裁H20.2.15判決)
タックス・ヘイブン関係 内国法人の所得の計算に当たり、当該内国法人に係る租税特別措置法66条の6第1項所定の特定外国子会社等に生じた欠損の金額を損金の額に参入することは不可  同条1項の規定は,内国法人が,法人の所得等に対する租税の負担がないか又は極端に低い国又は地域に子会社を設立して経済活動を行い,当該子会社に所得を留保することによって,我が国における租税の負担を回避しようとする事例が生ずるようになったことから,課税要件を明確化して課税執行面における安定性を確保しつつ,このような事例に対処して税負担の実質的な公平を図ることを目的として,一定の要件を満たす外国会社を特定外国子会社等と規定し,これが適用対象留保金額を有する場合に,その内国法人の有する株式等に対応するものとして算出された一定の金額を内国法人の所得の計算上益金の額に算入することとしたものである。他方において,特定外国子会社等に生じた欠損の金額は,法人税法22条3項により内国法人の損金の額に算入されないことは明らかである。以上からすれば,措置法66条の6第2項2号は,上記のように特定外国子会社等の留保所得について内国法人の益金の額に算入すべきものとしたこととの均衡等に配慮して,当該特定外国子会社等に生じた欠損の金額についてその未処分所得の金額の計算上5年間の繰越控除を認めることとしたものと解される。そうすると,内国法人に係る特定外国子会社等に欠損が生じた場合には,これを翌事業年度以降の当該特定外国子会社等における未処分所得の金額の算定に当たり5年を限度として繰り越して控除することが認められているにとどまるものというべきであって,当該特定外国子会社等の所得について,同条1項の規定により当該特定外国子会社等に係る内国法人に対し上記の益金算入がされる関係にあることをもって,当該内国法人の所得を計算するに当たり,上記の欠損の金額を損金の額に算入することができると解することはできないというべきである。
(最高裁H19.9.28) 

平成21年度の税制改正
外国子会社配当益金不算入制度 従来 外国会社から受領した配当には、受取配当の益金不算入の制度の適用もなく、すべて益金に参入することとされた。 
改正 一定の要件を満たす外国会社から支払われる配当については、その金額のうち95%について益金に算入しなくてもよいこととなった。

これまで子会社において留保していた利益を配当として受領することも日本における親会社の資金確保のための選択肢に。
本制度の導入とともに、間接外国税額控除制度が廃止されるとともに、タックスヘイブン税制も一部改正。
概要 内国法人が、外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合に、その剰余金の配当等の額から剰余金の配当等の額にかかる費用の額に相当する額(剰余金の配当等の額の5%相当額)を控除した額を益金不算入とすることを認めるもの。(法人税法23条の2)
「外国子会社」とは、配当等を受領する内国法人が、配当等の受領時点において、6カ月以上の期間、持株割合25%以上を保有している外国会社。
持株割合25%以上という要件は、
①発行済株式総数または総額、②議決権のある株式の総数または総額のいずれかのうちに内国法人が保有する株式の割合が25%以上であれば満たされる。(法人税法施行令22条の3第1項)
この25%という要件は、「外国子会社」の所在地国と日本の間の租税条約において、間接外国税額控除の適用の要件として異なる要件が定められている場合には、その割合に変更されて適用される。
ex.日仏租税条約23条2項(b)は、日本の法人がフランスの法人の6カ月以上15%以上の株式を有する場合には、間接税額控除を適用する旨定める。
間接外国税額控除制度の廃止 外国税額控除制度とは 日本の法人が国外で事業を行った場合、日本の法人は、海外で行った事業の所得についても法人税の課税を受け、一方で所得の源泉地でも課税を受けてしまうため、1つの事業から生じた同じ所得に対して二重に課税が行われる。

日本で課税を行う際に、所得の源泉国で支払った税額を控除することが認められている。(法人税法69条)
間接外国税額控除制度とは 海外子会社に課された外国法人税について、日本の親会社が納付したものと擬制して外国税額控除を認める制度。(法人税法69条8項)
日本の会社が、国外での事業の形態として子会社という形態を選択した場合、子会社の行う事業から取得される所得に対し、子会社所在地国で法人税が課されら、さらに課税後の所得から支払われる配当は親会社において日本での法人税の対象となる。これは、二重課税が生じていることとなるので、これを除去するために認められているもの。
①日本の親会社が受領した配当等の額に、外国子会社が払った法人税の額のうち、配当等に対応する額を加えて益金に参入。
②その益金にかかる法人税から、配当等にかかった外国税、外国子会社が払った法人税額が控除される。(旧法人税法69条13項)
廃止 外国子会社配当益金不算入制度の導入⇒配当について日本で課税がされなくなったことにより、二重課税の問題は生じないこととなったので、間接外国税額控除の制度は廃止された。
事例 ①海外子会社Sは100の所得を得て30の法人税を支払ったうえ、税引後所得70をPに配当 改正前(外国税額控除制度) 日本の法人税
=(70+30)×40%-30=10
改正後(外国子会社配当益金不算入制度) 日本の法人税
=[70-(70×95%)]×40%=1.4
上記事例①でSに課された法人税額が20 改正前(外国税額控除制度) 日本の法人税
=(80+20)×40%-20=20
改正後(外国子会社配当益金不算入制度) 日本の法人税
=[80-(80×95%)×40%]=1.6
タックスヘイブン税制の改正 概要 日本の会社の海外の子会社に、軽課税国に所在するなど一定の要件を満たすものがある場合に、その留保所得を日本の親会社の所得に合算する制度。
低課税国に所在する関係会社において所得が留保されている場合、日本における法人課税を受けることなく所得が再投資等に回されることになるが、このような点を税負担の不当な軽減と捉えて課税を行う制度。
対象 居住者、内国法人などがその発行済株式等の50%超を直接または間接に保有する外国法人(「外国関係会社」)で、そのうち、その本店または主たる事務所の所在する国または地域においてその所得に対して課される税の負担が25%以下となるもの(「特定外国子会社等」)の留保所得。
この特定外国子会社等の発行済株式等の5%以上を直接または間接に有する内国法人または居住者が、特定外国子会社等の留保所得のうち、その保有比率に対応する部分について所得の合算を受ける。
改正のポイント ①支払配当の控除 タックスヘイブン税制は、軽課税国における所得の留保を防ぐ制度であったうえに、そもそも日本の親会社に配当された場合には、その配当は日本での課税の対象となっていた。
そこで、特定外国子会社等から配当がされた場合、その配当された金額は、親会社の合算対象となる留保所得からは控除されることとなっていた。(旧租税特別措置法66条の6第1項、旧租税特別措置法施行令39条の6第1項)
外国子会社配当金不算入制度の導入により、軽課税国の子会社から日本の親会社に配当が行われても、配当の額は、親会社の益金参入の対象から除かれることとなった。

日本の課税権の確保の観点から、特定外国子会社等が配当を支払っても、その金額は親会社の合算対象となる留保所得の金額(適用対象金額及び課税対象金額)から控除されないこととなった。(租税特別措置法66条の6第1項)
これまでは、この子会社が配当として支払っていればタックスヘイブン税制の対象とはならず、親会社で受取配当として課税されていたものが、このたび、タックスヘイブン税制の対象となったにすぎず、課税状況に変更はない。
②特定子会社等が受領する配当の控除 従来、特定外国子会社等が受領する配当の額は、親会社に対する合算対象となる所得に含めるものとされていた。
例外として、特定外国子会社等が、他の特定外国子会社等(すなわち、軽課税国所在の孫会社)から受領する配当については、すでに孫会社の時点で、親会社の合算合算対象となっているため、合算対象の所得の計算上控除されることとなっていた。(旧租税特別措置法施行令39条の15第3項)
しかし、親会社の合算対象となる子会社の所得の計算上、子会社が、その株式のうち25%以上有する法人から受領する配当を含めてしまうと、本来なら外国子会社配当益金不算入制度の適用のあるべき配当について課税を行うのに等しい結果を生じてしまう。

特定外国子会社等が発行済株式総数又は議決権付株式のいずれかのうち25%以上を6カ月以上保有している法人から受領する配当については、原則として合算対象となる所得から除外されることとなった。(租税特別措置法施行令39条の15第1項4号、2項17号)
③合算済み所得の親会社における控除 軽課税国に所在する子会社から配当を受領する場合、配当を受領する日本の親会社の持株割合が25%以上であれば、外国子会社配当金不算入制度により、受けとる配当のうち95%は益金算入の対象外となる。
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持株割合の要件を満たさないと、この制度の適用はない。
一方、持株割合が5%以上となる日本の株主であればタックスヘイブン税制が適用されるので、持株割合が25%に満たない株主でも特定子会社等の留保所得の合算を受ける。
そのような株主が、タックスヘイブン税制の対象となる特定外国子会社等から受領する配当の額を益金に参入しなくてはならないとすると、同じ所得につき、特定外国子会社等の段階での書と奥の合算課税と配当の二重課税が生じる。
そもそも持株割合が25%以上の場合であっても、外国子会社配当益金不算入制度で益金算入される5%部分は二重課税の対象となる。

特定外国子会社等から配当を受領した場合に、配当を受領した事業年度の開始前10年以内に開始した事業年度の所得の合算が行われている場合、合算所得の額に達するまでの部分については、益金を算入しなくてもよいこととされた。(租税特別措置法66条の8第1項、2項)
事例 子会社が軽課税国とされていない国(アメリカ等)に所在する一方で、その100%子会社がタックスヘイブンの対象となる特定外国子会社等となるケース。
孫会社が100の所得を得て、これを配当し、その配合が子会社で30%の税率で法人税が課税され、さらに親会社に配当。
改正前 日本の法人=
=(70+30)×40%-30=10
結局課税額は、子会社段階での30と親会社段階での10の合計40。
改正後 所得の合算は配当の如何にかかわらず行われる。
孫会社の決算で所得が発生すれば、親会社に40の課税が発生する。(タックスヘイブン税制)
子会社への配当はそのまま100行われ、これを受領した直接の子会社は、受領した100の配当につき30の法人税を支払う。(子会社所在国での法人税)
日本の法人税
=[70-(70×95%)]×40%=1.4
税負担
=40(タックスヘイブン税制)
+30(子会社所在国での法人税)
+1.4(配当に対する課税)
=71.4
改正前は①特定外国子会社等が配当をすれば合算課税は行われず、②間接税額控除により子会社での課税分は日本で調整されていたいという点が変更されたため。
中間配当 タックスヘイブン税制の対象となる子会社が中間配当を行った場合にも問題が生じ得る。
上記のとおり、二重課税を防ぐため、特定外国子会社等から受領した配当のうち、過去タックスヘイブン税制により合算課税の対象となった部分について、益金に参入しなくてもよいことになった。
その益金不算入の範囲は、
①配当を受ける日を含む事業年度において合算課税の対象となった所得と、
②配当が支払われた日を含む事業年度より前の事業年度に合算課税の対象となった所得に達するまでの額
(租税特別措置法66上の8第3項)
中間配当が支払われ、その中間配当を受領した親会社の事業年度と、合算課税が行われた年度がずれてしまい、中間配当の受領が所得の合算が行われる事業年度よりも前になってしまう場合、法文からは調整の対象とならない。その結果、一部二重課税が生じてしまう。

適用関係
改正前 改正後
外国子会社配当益金不算入 × 内国法人が、外国子会社から受ける剰余金の配当等の額がある場合に、その剰余金の配当等の額から剰余金の配当等の額にかかる費用の額に相当する額(剰余金の配当等の額の5%相当額)を控除した額を益金不算入とすることを認めるもの。(法人税法23条の2)
「外国子会社」とは、配当等を受領する内国法人が、配当等の受領時点において、6カ月以上の期間、持株割合25%以上を保有している外国会社。
間接外国税額控除制度 ①日本の親会社が受領した配当等の額に、外国子会社が払った法人税の額のうち、配当等に対応する額を加えて益金に参入。
②その益金にかかる法人税から、配当等にかかった外国税、外国子会社が払った法人税額が控除される。(旧法人税法69条13項)
×
タックスヘイブン税制 意義 特定外国子会社等の発行済株式等の5%以上を直接または間接に有する内国法人または居住者が、特定外国子会社等の留保所得のうち、その保有比率に対応する部分について所得の合算を受ける。
支払配当の控除 子会社が配当として支払っていればタックスヘイブン税制の対象とはならず、親会社で受取配当として課税されていた。 ×
特定外国子会社等が配当を支払っても、その金額は親会社の合算対象となる留保所得の金額(適用対象金額及び課税対象金額)から控除されないこととなった。(租税特別措置法66条の6第1項)
特定子会社等が受領する配当等の控除 特定外国子会社等が受領する配当の額は、親会社に対する合算対象となる所得に含めるものとされていた。
例外として、特定外国子会社等が、他の特定外国子会社等(すなわち、軽課税国所在の孫会社)から受領するはいとうについては、すでに孫会社の時点で、親会社の合算合算対象となっているため、合算対象の所得の計算上控除されることとなっていた。(旧租税特別措置法施行令39条の15第3項)
特定外国子会社等が発行済株式総数又は議決権付株式のいずれかのうち25%以上を6カ月以上保有している法人から受領する配当については、原則として合算対象となる所得から除外されることとなった。(租税特別措置法施行令39条の15第1項4号、2項17号)

親会社の合算対象となる子会社の所得の計算上、子会社が、その株式のうち25%以上有する法人から受領する配当を含めてしまうと、本来なら外国子会社配当益金不算入制度の適用のあるべき配当について課税を行うのに等しい結果を生じてしまう。
合算済み所得の親会社における控除 特定外国子会社等から配当を受領した場合に、配当を受領した事業年度の開始前10年以内に開始した事業年度の所得の合算が行われている場合、合算所得の額に達するまでの部分については、益金を算入しなくてもよいこととされた。(租税特別措置法66条の8第1項、2項)