シンプラル法律事務所
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論点整理(特定商取引法)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)

★訪問販売での法定書面
●   ●申込段階での書面交付義務
趣旨 訪問販売においては、購入者等が取引条件を確認しないまま取引行為をしてしまったり、取引条件が曖昧であるため、後日両当事者間のトラブルを引き起こしたりすることが多い。

取引条件が不明確なため後にトラブルを惹起するおそれのある場合について、取引条件を明らかにした書面を、契約の申込み及び締結の段階で購入者等に交付する用販売業者又は役務提供業者に義務付け。
規定  特定商取引法 第4条(訪問販売における書面の交付)
販売業者又は役務提供事業者は営業所等以外の場所において商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは役務につき役務提供契約の申込みを受けたとき又は営業所等において特定顧客から商品若しくは指定権利につき売買契約の申込みを受け、若しくは役務につき役務提供契約の申込みを受けたときは、直ちに、主務省令で定めるところにより、次の事項についてその申込みの内容を記載した書面をその申込みをした者に交付しなければならない。ただし、その申込みを受けた際その売買契約又は役務提供契約を締結した場合においては、この限りでない。
一 商品若しくは権利又は役務の種類
二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
五 第九条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項(第二十六条第三項又は第四項の規定の適用がある場合にあつては、同条第三項又は第四項の規定に関する事項を含む。)を含む。)
六 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
 特定商取引に関する法律施行規則
(訪問販売における書面の交付等)
第三条  法第四条第六号 の主務省令で定める事項は、次のとおりとする。
一  販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあつては代表者の氏名
二  売買契約又は役務提供契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
三  売買契約又は役務提供契約の申込み又は締結の年月日
四  商品名及び商品の商標又は製造者名
五  商品に型式があるときは、当該型式
六  商品の数量
七  商品に隠れた瑕疵がある場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
八  契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
九  前二号に掲げるもののほか特約があるときは、その内容
特定商取引に関する法律施行規則
第五条  
・・・
2  書面には書面の内容を十分に読むべき旨を赤枠の中に赤字で記載しなければならない。
3  書面には日本工業規格Z八三〇五に規定する八ポイント以上の大きさの文字及び数字を用いなければならない
1号 一 商品若しくは権利又は役務の種類
「種類」:当該権利又は役務が特定できる事項
ex.「〇〇の会員権」「英会話教室」
内容が複雑な権利又は役務(複数の要素から成り立っている権利、役務)⇒記載可能なものをできるだけ詳細に記載
×「床下工事一式」
×「床下耐震工事一式」
2号 二 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価
当該商品又は当該権利そのものの販売価格や当該役務その物の対価
消費税を徴収⇒消費税を含んだ価格
3号 三 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
「代金支払方法」:持参・集金・振込・現金・クレジット等の別
分割⇒各回ごとの受領金額、受領回数等
4号 四 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
複数回にわたる⇒回数、期間等が明確になるよう記載
5号 五 第九条第一項の規定による売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回又は売買契約若しくは役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項(第二十六条第三項又は第四項の規定の適用がある場合にあつては、同条第三項又は第四項の規定に関する事項を含む。)を含む。)
〜クーリング・オフに関する事項
ハ役務のとき
@法第5条の書面を受領した日(その日前に法第4条の書面を受領した場合にあっては、その書面を受領した日)から起算して8日を経過する日までの間は、書面により役務提供契約の申込みの撤回又は役務提供契約の解除を行うことができること。

A @に記載した事項にかかわらず、申込者等が、役務提供事業者が法第6 条第1項の規定に違反して役務提供契約の申込みの撤回又は役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより誤認をし、又は役務提供事業者が同条第3 項の規定に違反して威追したことにより困惑し、これらによって当該契約の申込みの撤回又は契約の解除を行わなかった場合には、 当該役務提供事業者が交付した法第9 条第1項ただし書の書面を当該申込者等が受領した日から起算して8日を経過するまでは、当該申込者等は、書面により当該契約の申込みの撒回又は契約の解除を行うことができること。

B 契約の申込みの撤回又は契約の解除は、 当該契約の申込みの撤回又は契約の解除に係る書面を発した時に、その効力を生ずること。

C 契約の申込みの撤回又は契約の解除があった場合においては、 役務提供事業者は、 その契約の申込みの撤回又は契約の解除に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができないこと 。

D 契約の申込みの撤回又は契約の解除があった場合には、 既に当該役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、 当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができないこと 。

E 契約の申込みの撤回又は契約の解除があった場合において、 当該役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、役務提供事業者は、速やかに、その全額を返還すること。

F 契約の申込みの撤回又は契約の解除を行った場合において、 当該役務提供契約に係る役務の提供に伴い申込者等 (法第9 条第1 項の申込者等をいう 。) の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができること。
赤枠の中に赤字で記載させることにより、申込者等の注意を促す。
6号 六 前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
省令3条:
一  販売業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号並びに法人にあつては代表者の氏名
二  売買契約又は役務提供契約の申込み又は締結を担当した者の氏名
三  売買契約又は役務提供契約の申込み又は締結の年月日
四  商品名及び商品の商標又は製造者名
五  商品に型式があるときは、当該型式
六  商品の数量

以上は絶対的記載事項

七  商品に隠れた瑕疵がある場合の販売業者の責任についての定めがあるときは、その内容
八  契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
九  前二号に掲げるもののほか特約があるときは、その内容

任意的記載事項
◎記載方法
@書面には書面の内容を十分に読むべき旨を赤枠の中に赤字で記載
A書面には日本工業規格Z8305に規定する8ポイント(官報の字の大きさ)以上の大きさの文字及び数字を用いることする。 
●契約締結の際の書面交付義務 
趣旨 訪問販売における売買契約又は役務提供契約が締結された際、購入者等に対して一定の事項を記載した書面を交付することを販売業者又は役務提供事業者に義務付けることにより、契約内容を明確にし、後日紛争を生ずることを防止することを目的とするもの。
第4条と同様、クーリング・オフの起算点としての意味も有している。
規定 特定商取引法 第5条
販売業者又は役務提供事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、次項に規定する場合を除き、遅滞なく(前条ただし書に規定する場合に該当するときは、直ちに)、主務省令で定めるところにより、同条各号の事項(同条第五号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)についてその売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 営業所等以外の場所において、商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は役務につき役務提供契約を締結したとき(営業所等において特定顧客以外の顧客から申込みを受け、営業所等以外の場所において売買契約又は役務提供契約を締結したときを除く。)。
二 営業所等以外の場所において商品若しくは指定権利又は役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、営業所等においてその売買契約又は役務提供契約を締結したとき。
三 営業所等において、特定顧客と商品若しくは指定権利につき売買契約を締結したとき又は役務につき役務提供契約を締結したとき。
2 販売業者又は役務提供事業者は、前項各号のいずれかに該当する場合において、その売買契約又は役務提供契約を締結した際に、商品を引き渡し、若しくは指定権利を移転し、又は役務を提供し、かつ、商品若しくは指定権利の代金又は役務の対価の全部を受領したときは、直ちに、主務省令で定めるところにより、前条第一号及び第二号の事項並びに同条第五号の事項のうち売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項その他主務省令で定める事項を記載した書面を購入者又は役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
「同条各号の事項」:第4条第1号から第6号までに規定する事項
第4条書面と第5条書面の記載事項は、基本的に同一。
「(同条第五号の事項については、売買契約又は役務提供契約の解除に関する事項に限る。)」:
第5条は契約締結時に交付する書面についての規定⇒クーリング・オフ(申込みの撤回又は解除)についての必要的記載事項は申込みの撤回に関する部分を含まない旨を規定。
   


適用関係
★訪問販売
  ■特定商取引法の規制対象となる「訪問販売」
規定 特定商取引法 第2条
この章及び第五十八条の十八第一項において「訪問販売」とは、次に掲げるものをいう。
一 販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下「役務提供事業者」という。)が営業所、代理店その他の主務省令で定める場所(以下「営業所等」という。)以外の場所において、売買契約の申込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は役務を有償で提供する契約(以下「役務提供契約」という。)の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供
二 販売業者又は役務提供事業者が、営業所等において、営業所等以外の場所において呼び止めて営業所等に同行させた者その他政令で定める方法により誘引した者(以下「特定顧客」という。)から売買契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と売買契約を締結して行う商品若しくは指定権利の販売又は特定顧客から役務提供契約の申込みを受け、若しくは特定顧客と役務提供契約を締結して行う役務の提供
「訪問販売」:
販売業者または役務提供事業者(※)が、
店舗等以外の場所(例えば、一般消費者の自宅等)で行う商品、権利の販売または役務(サービス)の提供
のことをいいます。
最も一般的な訪問販売は、消費者の住居をセールスマンが訪問して契約を行うなどの販売方法です。そのほか、喫茶店や路上での販売、またホテルや公民館を一時的に借りるなどして行われる展示販売のうち、期間、施設等からみて、店舗に類似するものとは認められないものも訪問販売に該当します。
また、特定の方法によって誘った客に対して、通常の店舗等で行う商品、権利の販売や役務の提供のことも意味します。
営業所等で行われた契約であっても、「訪問販売」に該当する場合があります。
たとえば、路上等営業所以外の場所で消費者を呼び止めて営業所等に同行させて契約させる場合(いわゆるキャッチセールス)や、電話や郵便等で販売目的を明示せずに消費者を呼び出したり、「あなたは特別に選ばれました」等、ほかの者に比べて著しく有利な条件で契約できると消費者を誘って営業所等に呼び出したりして契約させる場合(いわゆるアポイントメントセールス)がそれに当たります。
 ※「販売業者または役務提供事業者」:
販売または役務の提供を業として営む者を意味します。
「業として営む」とは、営利の意思をもって、反復継続して取引を行うことをいいます。
なお、営利の意思の有無については、その者の意思にかかわらず、客観的に判断されることになります。
  ■指定権利 
「指定権利」:
施設を利用したり、役務の提供を受ける権利のうち、国民の日常生活に関する取引において販売されるものであって政令で定められているものをいいます。
 (保養施設又はスポーツ施設を利用する権利、映画等を鑑賞・観覧する権利、語学の教授を受ける権利等)
  ■適用除外(法26条)
以下の場合等には、特定商取引法が適用されません。
事業者間取引の場合
海外にいる人に対する契約
国、地方公共団体が行う販売または役務の提供
特別法に基づく組合、公務員の職員団体、労働組合がそれぞれの組合員に対して行う販売または役務の提供
事業者がその従業員に対して行った販売または役務の提供の場合
株式会社以外が発行する新聞紙の販売
他の法令で消費者の利益を保護することができる等と認められるもの
★連鎖販売取引  
■     ■特定商取引法の規制対象となる「連鎖販売取引」
規定 特定商取引法 第33条(定義)
この章並びに第五十八条の二十一第一項及び第三項並びに第六十七条第一項において「連鎖販売業」とは、物品(施設を利用し又は役務の提供を受ける権利を含む。以下この章及び第五章において同じ。)の販売(そのあつせんを含む。)又は有償で行う役務の提供(そのあつせんを含む。)の事業であつて、販売の目的物たる物品(以下この章及び第五十八条の二十一第一項第一号イにおいて「商品」という。)の再販売(販売の相手方が商品を買い受けて販売することをいう。以下同じ。)、受託販売(販売の委託を受けて商品を販売することをいう。以下同じ。)若しくは販売のあつせんをする者又は同種役務の提供(その役務と同一の種類の役務の提供をすることをいう。以下同じ。)若しくはその役務の提供のあつせんをする者を特定利益(その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあつせんをする他の者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんをする他の者が提供する取引料その他の主務省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。以下この章及び第五十八条の二十一第一項第四号において同じ。)を収受し得ることをもつて誘引し、その者と特定負担(その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。以下この章及び第五十八条の二十一第一項第四号において同じ。)を伴うその商品の販売若しくはそのあつせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあつせんに係る取引(その取引条件の変更を含む。以下「連鎖販売取引」という。)をするものをいう。
2 この章並びに第五十八条の二十一、第六十六条第一項及び第六十七条第一項において「統括者」とは、連鎖販売業に係る商品に自己の商標を付し、若しくは連鎖販売業に係る役務の提供について自己の商号その他特定の表示を使用させ、連鎖販売取引に関する約款を定め、又は連鎖販売業を行う者の経営に関し継続的に指導を行う等一連の連鎖販売業を実質的に統括する者をいう。
3 この章において「取引料」とは、取引料、加盟料、保証金その他いかなる名義をもつてするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう。
特定商取引法は、「連鎖販売業」を次のように規定しています。

1.物品の販売(または役務の提供など)の事業であって
2.再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
3.特定利益が得られると誘引し
4.特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
具体的には、
「この会に入会すると売値の3割引で商品を買えるので、他人を誘ってその人に売れば儲かります」とか
「他の人を勧誘して入会させると1万円の 紹介料がもらえます」などと言って人々を勧誘し(このような利益を「特定利益」といいます)、取引を行うための条件として、1円以上の負担をさせる(この 負担を「特定負担」といいます。)場合であれば「連鎖販売取引」に該当します。
実態はもっと複雑で多様な契約形態をとっているものも多くありますが、入会金、保証金、サンプル商品、商品などの名目を問わず、取引を行うために何らかの金銭負担があるものはすべて「連鎖販売取引」に該当します。
   
■    ■書面の交付 
契約の締結前には、当該連鎖販売業の概要を記載した書面(概要書面) を渡さなくてはなりません。「概要書面」には、以下の事項を記載することが定められています。

1.統括者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名

2.連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には、当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名

3.商品の種類、性能、品質に関する重要な事項(権利、役務の種類およびこれらの内容に関する重要な事項)

4.商品名

5.商品の販売価格、引渡時期および方法そのほかの販売条件に関する重要な事項(権利の販売条件、役務の提供条件に関する重要な事項)

6.特定利益に関する事項

7.特定負担の内容

8.契約の解除の条件そのほかの契約に関する重要な事項

9.割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項

10.法第34条に規定する禁止行為に関する事項
●  契約の締結後には、遅滞なく、契約内容について明らかにした書面(契約書面)を渡さなくてはなりません。「契約書面」には、以下の事項を記載することが定められています。

1.商品の種類、性能、品質に関する事項(権利、役務の種類およびこれらの内容に関する事項)

2.商品の再販売、受託販売、販売のあっせん(同種役務の提供、役務の提供のあっせん)についての条件に関する事項

3.特定負担に関する事項

4.連鎖販売契約の解除に関する事項

5.統括者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名

6.連鎖販売業を行う者が統括者でない場合には、当該連鎖販売業を行う者の氏名(名称)、住所、電話番号、法人ならば代表者の氏名

7.契約年月日

8.商標、商号そのほか特定の表示に関する事項

9.特定利益に関する事項

10.特定負担以外の義務についての定めがあるときには、その内容

11.割賦販売法に基づく抗弁権の接続に関する事項

12.法第34条に規定する禁止行為に関する事項
     



特定商取引法(全体像)
訪問販売 通信販売 電話勧誘販売 連鎖販売取引 特定継続的役務提供 業務提供誘引販売取引 ネガティブ・オプション
保護範囲 「営業のために若しくは営業として」の購入を除外 店舗によらない個人 事業所等によらない個人 「商行為」を除外
商品等指定性 ★商品、役務の指定制度廃止。権利の指定制は存置。 6業種指定
適用除外(ネガティブリスト) ★あり
行政処分 刑事罰 行政処分 刑事罰 行政処分 刑事罰 行政処分 刑事罰 行政処分 刑事罰 行政処分 刑事罰
広告規制 広告の表示義務 ★法11(ただし、拡充) 法35 法53
誇大広告の禁止 ★法12(ただし、拡充) 法72(1)B 法36 法72(1)B 法43 法72(1)B 法54 法72(1)B
未承諾広告メールの禁止 ★法12の3(1)(2) ★法72(1)C 法36の3 法72(1)C 法54の3 法72(1)C
開示規制 財務内容の開示 法45 法72GH
概要書面の交付 法37(1) 法71 法42(1) 法72(1)@ 法55(1) 法71
契約書面の交付 法4,5 法72(1)@ 法18 法72(1)@ 法37(2) 法71 法42(2) 法72(1)@ 法55(2) 法71
前払式の承諾通知 法13(1) 法72(1)E 法20 法72(1)E
行為規制 氏名等の明示義務 法3 法16 法33条の2 法51条の2
契約拒否者への勧誘禁止 ★法3条の2(2) 法18
不実告知 法6(1) ★法70(加重) 法21(1) ★法70(加重) 法34(1) ★法70(加重) 法44(1) ★法70(加重) 法52(1) ★法70(加重)
故意の事実不告知(1) 法6(2)、(1)@〜D ★法70(加重) 法21(2) ★法70(加重) 法34(2) ★法70(加重) 法44(2) ★法70(加重) 法52(1) ★法70(加重)
威迫、困惑 法6(3) ★法70(加重) 法21(3) ★法70(加重) 法34(3) ★法70(加重) 法44(3) ★法70(加重) 法52(2) ★法70(加重)
公衆の出入りしない場所における勧誘 法6(4) ★法70ノ3(加重) 法34(4) ★法70ノ3(加重) 法52(3) ★法70ノ3(加重)
債務の履行拒否・遅延 法7@ 法14(1)@ 法22@ 法38(1)@ 法46@ 法56(1)@
故意の事実不告知(2) 法7A 法2(2)A 法38(1)A 法46A
過量販売 法7B規6条ノ3
迷惑を覚えさせる勧誘 法7C
規7@
法22B
規23@
法38(1)B 法46B
規39@
法56(1)B
判断力不足に便乗 法7C
規7A
法22B
規23A
法38C
規31E
法46B
規39A
法56(1)C
規46@
適合性の原則違反 法7C
規7B
法22B
規23B
法38C
規31F
法46B
規39B
法56(1)C
規46A
書類に虚偽記載させる 法7C
規7C
法22B
規22C
法38C
規23C
法38C
規39C
法56(1)C
規46B
被保険者同意条項 法7C
規7D
立ちふさがり等の禁止 法7C
規7E
誘導開封の禁止 法7C
規7F
法22B
規23D
法46B
規39D
顧客の意に反した申込 法14(1)A
断定的判断の提供 法38(1)A 法56(1)A
不実告知等の教唆 法38C
法31(3)(4)D
民事規定 クーリング・オフ 8日 8日 20日 8日 20日
通信販売の解除 ★8日
法15条の2
クーリング・オフ妨害の民事効果の明文化 法9 法21(1) 法40(1) 法48(1) 法58(1)
クーリング・オフ後の商品使用の対価請求の不許 ★法9(5)
過量販売解除権 ★法9条の2
不実告知等取消権 法9条の3 法24条の2 法40条の3 法49条の2 法58条の2
中途解約権 法40条の2(1) 法49(1)
関連商品の解除権 法49(5)
購入商品の返品制度 法40条の2(2)
損害賠償額の制限 法10 法25 法40条の2(3)(4) 法49(2) 法58条の3
事業者の商品返還請求権の消滅 14日(7日)
商行為であっても割賦販売法を適用する 法34、37、38(1)A、B、40から40条の3 法52、55条、56AB、58から58条の3 法59(2)
法執行 特定商取引上の業界団体 訪問販売協会 通信販売協会
指示 法7 法72A 法14 法72A 法22 法72A 法38 法72A 法46 法72A 法56 法72A
業務停止命令 法8 法70条の2 法15 法70条の2 法23 法70条の2 法39 法70条の2 法47 法70条の2 法57 法70条の2
報告徴収 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I 法66(1)
72(1)I
法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I
物件提出命令 ★法66(1) 法72(1)I ★法66(1) 法72(1)I ★法66(1)
法72(1)I
★法66(1)
法72(1)I
★66(1)
法72(1)I
★法66(1)
法72(1)I
立入検査 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I 法66(1) 法72(1)I
事業者に合理的根拠のある資料を提出させる 法6条の2 法12条の2 法21条の2 法34条の2 法44条の2 法54条の2
密接関係者、取引関係者への報告徴収等 法66(2) 法72(1)J 法66(2) 法72(1)J 法66(2) 法72(1)J 法66(2) 法72(1)J 法66(2) 法72(1)J
消費者の申出制度 法60(1)
指定法人 財団法人日本産業協会
消費者団体の差止請求 ★法58条の4 ★法58条の5 ★法58条の6 ★法58条の7 ★法58条の8 ★法58条の9

特定商取引法(研修レジュメ参照)
★概要
      ■1 規制される行為の類型
★概要 ■1 @ @訪問販売
自宅への訪問販売キャッチセールス(路上等で呼び止めた後営業所等に同行させて販売)、アポイントメントセールス(電話等で販売目的を告げずに事務所等に呼び出して販売)等
A A通信販売
→新聞、雑誌、インターネット(インターネット・オークションも含む)等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込を受ける販売
B B電話勧誘販売
→電話で勧誘し、申込を受ける販売
C C連鎖販売取引
個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させる形で、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務の販売(マルチ商法)
D D特定継続的役務提供契約
→エステ、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室
E E業務提供誘引販売取引
→「仕事を提供するので収入が得られる」と誘引し、仕事に必要であるとして、商品
等を売って金銭負担を負わせる取引(内職商法、モニター商法等)
F Fネガティブ・オプション(送り付け商法)
注意
@AB(E)Fは消費者に対する勧誘形態契約締結場所等の契約内容以外に部分に着目して規制したもの。
CDEは契約内容そのものに着目して規制したもの。
両者は異なる観点からの規制
⇒一つの契約でも、@AB(E)Fのいずれかに該当し、かつ、CDEのいずれかにも該当するというケースがあり(例えば、業者が電話によって内職商法を勧誘して契約を締結した場合は、B電話勧誘販売とE業務提供誘引販売取引の両方が問題になる。)、要件効果をふまえた重畳的な検討が必要。
    ■2 指定商品・役務制の廃止
■2 従前、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供は政令による指定商品制(旧令3条別表第1〜第3)であったが、平成20年改正(平成21年12月1日施行)で、特定継続的役務提供を除き、特定商品及び指定役務は廃止された。
※ただし指定権利制(保養施設又はスポーツ施設を利用する権利、映画等を鑑賞・観覧する権利、語学の教授を受ける権利等)は維持されている。
【指定商品・役務制廃止に伴う適用除外の拡大】全て法26条に統合
@特定商取引法の全面的適用除外
A書面交付義務とクーリングオフの適用除外
Bクーリングオフの適用除外
■3  ■3 類型別の規制内容
各類型ごとに次の規制がある
@広告規制(例:誇大広告の禁止)
A開示規制(例:概要書面・契約書面の交付)
B行為規制(例:不実告知禁止、契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する
勧誘の禁止)
C民事規定(例:クーリングオフ、損害賠償額の制限)
 ■4   ■4 クーリングオフ(通信販売・ネガティブオプションを除く)
●(1) ●(1) 趣旨
訪問販売等の契約類型においては、消費者が受動的な立場におかれ、契約締結の意思形成において事業者の言辞に左右される面が強いため、契約締結の意思が不安定なまま契約に至り、後日、履行や解約にあたり紛争を生じる場合が少なくない。
そこで、特定商取引法では、その弊害を除去するために、
@訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供については
法定書面受領後8日間(法9条1項、24条1項、48条1項)
A連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引については
法定書面受領後20日間(法40条1項、58条1項)
何の規約もなしに申込を撤回又は契約の解除ができることとされている。
●(2) ●(2) 利点
@クーリングオフには実質的要件がなく、形式的要件に該当するか否かの判断となるため、使いやすい(民法、消費者契約法と較べて)。
A起算点が法定書面受領後となっているため、交付書面が法定要件を満たしていないときには、当該不備書面の交付日がクーリングオフの起算点とならず、また、書面不交付の場合は起算点がないことになり、実質的に期間制限がないに等しいケースがある(特に消費者契約法と較べて)。
B効果においても、民法の原則が、消費者側に有利に修正されている。
●(3) ●(3) 留意点
@クーリングオフの効果は発信主義(法9条2項、24条2項、40条2項、48条2項、58条2項)。→発信したことの証拠の保全
Aクーリングオフ期間は初日を算入なので注意。
B注文上はクーリングオフの意思表示は書面ですることが必要。
→書面によらないクーリングオフの意思表示が有効かは争いあるが、多くの裁判例(福岡高判平成6年8月31日判夕872号289頁等)は、書面を効力発生要件とは理解しておらず、争いがなかったり、何らかの方法で意思表示を立証できなければ、有効としている。
もちろん、実務的には、無駄な争点を作ることは避けるべきであるから内容証明・配達証明によるべき。
Cクーリングオフ書面は代筆であっても本人の意思に基づく以上有効な意思表示であるが、氏名の代筆は申込書との筆跡の違いなどから販売業者との間で無用な争点を生む危険があるので、できうる限り署名だけでも自筆
D受領した法定書面(一般的には契約書、訪問販売及び電話勧誘については先行する申込書面の受領があれば、その申込書面の受領時が起算となるので注意)の記載事項を徹底的に検討
「期間を経過しているのでもう無理」と簡単にあきらめてはいけない。悪質な販売業者の営業担当者の遵法意識(むしろ知識・能力)は決して高くはなく、法定書面の要件を具備しない場合は多い。
ともかく、特定商取引法施行令・施行規則も参照の上、法定書面を丹念に照らし合わせる。

例1:商品の型式・種類、数量の記載(則3条5号等)
   →×「化粧品一式」
     ×「リフォーム工事一式」
     ×「着物・訪問着」

例2:商品・権利の販売価格、役務の対価(法4条1号等)
   →化粧品とこれを用いたマッサージ提供契約を販売した場合は、両者を一括して代金を表示するのではなく、個別の内訳を示さなければならない。
※ いかなる記載不備があればクーリングオフ期間が進行しないと考えられるかについては、
・法定記載事項を厳格に形式的に判断するべきとする考え方
・法定記載事項の中で重要事項(契約条件(権利義務)に関わる事項、事業者の特定に関わる事項、クーリングオフの告知、契約日付)が記載されていない場合とする考え方等がある。
※ 書面不交付・書面不備があったとして、いつまでクーリングオフの権利を行使できるか、については、
契約締結の日より5年(商事時効)を経過すればクーリングオフの権利は消滅するとする考え方
・消費者にクーリングオフ制度の悪用して不正な利益を得る意図があるといった背信的な特段の事情がない限りクーリングオフの権利の行使はいつまでも権利濫用にならないとする考え方
・契約締結の日より5年を超えるような場合等は信義則違反又は権利濫用としてクーリングオフの行使は難しくなるとする考え方
等がある。
※ 裁判例には、書面不交付のケースについては契約時から2年6月後までクーリングオフを認めるもの(東京地判平成8年4月18日判時1594号118頁)があり、
書面不備のケースについては複数項目の記載欠落と販売業者の取引方法の問題点を認定した上で(併せて一本)、クーリングオフを認めるものが多いとの指摘がある(神戸簡判平成4年1月30日判時1455号140頁、東京地判平成5年8月30日判夕844号252頁、東京地判平成6年9月2日は判時1535号92頁、東京地判平成7年8月31日判夕911号214頁等)
Eクーリングオフ権を行使しないよう販売業者が消費者に不実告知又は威迫した場合も、クーリングオフ期間は進行しない。消費者が販売業者よりクーリングオフ妨害解消のための書面も受領したときからクーリングオフ期間が進行する(法9条1項括弧書、24条1項括弧書、40条1項括弧書、48条1項括弧書、58条1項括弧書)。

なお、クーリングオフ妨害解消のための書面にも、施行規則(則7条の2第1項、23条の2第1項、31条の2第1項、39条の2第1項、46条の2第1項)で記載事項が定められており、記載不備がないか丹念に照らし合わせること。
 
また、販売業者は、書面交付後、消費者に対して、当該書面を見ていることを確認した上で、当該書面受領時から8日又は20日を経過するまでは、書面によりクーリングオフができること等を告げなければならない(則7条の2第5項、23条の2第5項、31条の2第5項、39条の2第5項、46条の2第5項)。この説明が適切に行われなかった場合、単に書面が交付されただけではクーリングオフの起算点とはならないというべき。
F不実告知類型や威迫類型にあたらないクーリングオフ妨害・回避行為がなされた場合についても、実務的には、クーリングオフ期間が停止し、販売業者が改めてクーリングオフの説明をするなどして、消費者の誤解・とまどいを解いた日をクーリングオフの告知を行った日と評価し、その日からクーリングオフ期間が起算されるという形で取り扱われてきた。Eは平成16年の特定商取引法で追加されたものであるが、これによって従来の取扱が変更されるべきではない。このような場合にも、追加規定が類推適用されるという捉え方もできる。
G消費者が実はいったんクーリングオフしていたにもかかわらず、販売業者が消費者を説得することで、契約が続行されたかに見える場合がある。この場合、既にクーリングオフ書面の発信により当初契約は解除されているというべきであり、その後の説得による契約継続は再契約であるから、販売業者はこの再契約についてさらに法定書面を交付しなければならず、この法定書面受領日がクーリングオフ期間の起算日になる。販売業者としては、説得が奏功しての継続との意識が強く、法定書面の再発行はなされていないことが多い。この場合、再度のクーリングオフが可能になる。
Hクーリングオフの要件効果について消費者に不利に変更する特約は無効(法9条8項、24条8項、40条4項、48条8項、58条4項)。
●(4) ●(4) クーリングオフの効果
@申込みは撤回され、契約は解除される。
A販売業者は違約金や損害賠償を請求できない(法9条3項、24条3項、40条1項、48条4項、58条1項)。
→逸失利益・かかった経費はもちろん、商品の通常使用にかかる劣化分についても請求できない(故意の毀損等通常使用以外の場合は損害は消費者の負担となる)。
契約時のサービス品についても、贈与又は営業経費として、請求できないと解するべき。
クーリングオフ後の商品紛失は、消費者の過失によるものであれば、その損害は消費者の負担になる(ただし、販売業者の引き取り遅れ等が要因の場合もあり別途検討を要する)。
B商品の返品費用は販売業者が負担(法9条4項、24条4項、40条3項、48条3項、58条3項)。→持参債務の原則の修正。
C訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供契約については、販売業者はクーリングオフまでの提供済み役務等の対価を請求できず(法9条5項、24条5項、48条6項)、販売業者は、役務提供契約に関連した金銭を消費者に返還しなければならない(法9条6項、24条6項、48条7項)。→民法の解除の現状回復・不当利得の修正。
※クーリングオフまでの商品の使用利益については、経産省は民法上の不当利得で調整されるが、通常は商品が返還されれば原状が回復され、短期間でもあるため、通常、不当利得はほとんど発生しない、としている。役務については不当利得の返還も要しない旨を定めていることに鑑みれば、商品を返還することのほかは不当利得返還請求は原則としてできないものと解釈すべき。
この点、改正法9条5項(訪問販売)は、商品の使用により得られた利益についても返還不要としている。
D訪問販売、電話勧誘販売については、消費者の土地・建物その他の工作物の現状が変更されたときは、消費者は、販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる(法9条7項、24条7項)。
 ■5   ■5 過量販売の撤回・解除権(訪問販売、法9条の2)
●(1)  ●(1) 概要
日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える売買契約、又は、日常生活において通常必要とされる回数、期間若しくは分量を著しく超えて役務の提供を受ける役務提供契約については、その申込みを撤回し、契約の解除を行うことができる。
●(2)  ●(2) 類型
@単一契約型(法9条の2第1項1号)
  →1回の契約で過量販売となる場合

A複数契約型(法9条の2第1項2号)
  @)同一業者による複数契約型
  A)複数業者による複数契約型
  →今回の契約で過量となることを知り、又は既に過量となっていることを知りながら
●(3) ●(3) 過量性
「日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える」
@定量的要素
ex.寝具は同居家族人数まで

A適合性の原則の観点
ex.商品の数量としては必ずしも多くはないが、商品価値が高額であり、消費者の生活状況を考えれば、同商品の購入によって支払能力を明らかに超える与信を行う場合

B「著しく」の解釈
→公序良俗違反のように厳格に捉える必要はなく、販売業者が通常の判断能力をもって注意すれば、消費者の日常生活において通常必要とされる分量を超えると判断できる場合であればよい。
●(4) ●(4) 適用除外
事業者において、消費者に当該契約の締結を必要とする特別の事情があったことを立証した場合は、適用除外。
ex.親戚に配るために余分に購入する場合
●(5)  ●(5) 行使期間
契約時より1年
→法定書面交付時ではなく、契約時。
1年経過後も他の構成による解除・無効主張等は当然に可能。
●(6) ●(6) 効果
発信主義の適用はないが、その余は訪問販売におけるクーリングオフと同じ(法9条の2第3項)。
解除できる範囲は過量となった契約。
■6  ■6 取消権の行使(通信販売・ネガティブオプションを除く)
不実告知、故意の事実不告知による取消(法9条の3、24条の2、40条の3、49条の2、58条の2)
遡及的無効となり、不当利得
  ★2 訪問販売
★訪問販売 訪問販売規制の根拠としては、不意打ち性、攻撃性、密室性、勧誘の執拗性、即決の強要等があげられる。
■1   ■1 訪問の販売規制の要件の概要(法2条1項1・2号、26条)
主体 (主体)
販売業者または役務提供事業者が
相手方 (相手方)
購入者等に対し
場所 (場所)
a:営業所等以外の場所において
b:特定の誘引方法による顧客については営業所等に呼び出して
→次の場合は訪問販売に該当するので注意。

@キャッチセールス(法2条1項2号本文)
Aアポイントメントセールス
@)販売目的隠匿型呼出販売(令1条1号)
 ex.「絵画の展示会」をすると言って誘い出し、営業所で絵画を販売。
→本来の販売の目的である商品等以外の者を告げて呼び出す場合、販売業者であることを告げていても「見るだけでいいから」と告げて販売意図を否定している場合、等も含まれる。
消費者が販売勧誘目的であることを予想していた場合も含まれる(cf.名古屋地判平成14年7月14日)

【通達の改正−該当する場合の例示】
@着物の着付教室と同会場で着物の即売会が行われる場合において、実際には着物を購入しなければ講習自体も受けられないにもかかわらず、着付け教室のみの参加が可能であるかのように表示するなどしているとき
Aパーティーや食事会等への招待のように告げながら、パンフレット等に消費者の目に留まらないような小さい文字で「新作商品をお勧めする即売会があります」などと記載するなど、実質的に販売する意図が示されているとはいえない場合

A)有利条件型呼出販売(令1条2号)
ex.「あなたは特別割引購入者に選ばれました」などと言って誘い出し、営業所で契約。
※セールストークの真偽は問題ではない。
対象 (対象)
商品・指定権利・役務に関して
行為 (行為)
契約の申し込みを受け、又は契約を締結して行なう取引
適用除外 (適用除外)
@購入者が営業のため若しくは営業として締結する取引(法26条
1項1号)
A国外にある者に対する取引(2号)
B国又は地方公共団体が行う取引(3号)
C生協・農協・労働組合等が組合員に対して行う取引(4号)
D事業者がその従業員に対して行う取引(5号)
E株式会社以外の者が発行する新聞紙の販売(6号)
F弁護士業務(7号)
G金融商品取引法(8号)
H宅地見物取引業法(8号ロ)
I旅行業法(8号ハ)
J令5条別表2で定める法律(8号二)
〔以下は4条〜10条までの適用除外〕
K住居における取引を請求した者に対する取引(法26条5項1号)
L営業所外取引が通例で、通常購入者等の利益を損なうおそれがないと認められる取引で政令に定めるもの(法26条5項2号)
 ア 店舗販売業者の御用聞き販売(令8条1号)
 イ 店舗販売業者のお得意客販売(2号)
 ウ 無店舗販売業者のお得意客販売(3号)
 エ 職場の管理者の書面による承諾のある事業所における販売
(4号)
 ■2   ■2 営業所等以外の場所
●(1)意義 ●(1) 意義
法2条1項1号
営業所、代理店その他の経済産業省令で定める場所以外の場所
       ↓
則1条各号
  @営業所
  A代理店
  B露店、屋台店その他これらに類する店
  C前三号に掲げるもののほか、一定の期間にわたり、指定商品を陳列し、当該指定商品を販売する場所であって、店舗に類するもの
       ↓
通達
Bのその他これらに類する店
→バスやトラックに物品を陳列し、消費者が自由に商品を選択できる状態において販売を行うもの等で、外見上何を販売しているかが明確である場合

Cの店舗に類するもの
→ @)最低2〜3日間以上の期間にわたって
   A)指定商品を陳列し、消費者が自由に商品を選択できる状態のもとで
   B)展示場等販売のための固定施設を備えている場所で販売を行うもの
※2〜3日というのもあくまで目安であり、特定商取引法の目的規定、訪問販売の規制根拠である店舗の不存在、不意打ち性、攻撃性、密室性の程度、店舗の判断基準である外見上の明確性、陳列性、自由選択性、固定施設性などを判断要素として、販売場所や販売状況等を総合考慮して判断すべき。

【通達の改正―A)を欠く場合の例示】
@ 販売員が消費者を取り囲んだり、消費者に強引に商品を使用させ、あるいはその一部を費消させて勧誘すること 
A 高額商品等の特定の商品についてのみ繰り返し勧誘するなど、地列された商品を自由に選ばせることなく勧誘すること
B 勧誘に際して、消費者の履き物を隠すことなどによりその場からの消費者の退出を妨げること
●(2)具体例 ●(2)具体例
@トラックの竿竹屋が「2本で1000円」と拡声器で宣伝しながら巡回し、トラックを呼び止めると高額な支柱を売りつけた。
物品が陳列されておらず、消費者が自由に商品を選択できる状態ではないため、「露店、屋台店その他これらに類する店」にはあたらない。

A見本市会場を1週間ほど借り切り、新聞広告等で大幅に割り引きした数百円程度の日用品を多数掲載したチラシを撒き、会場に来た客につきまとって、強引にチラシの片隅に掲載されていた数十万円程度の布団等を販売した。
→農家の納屋や座敷、空き倉庫を借りたような場合は「販売のための固定的施設」の要件は満たしている。
また、期間は1週間であるから「一定の期間」の要件も満たしている。
しかしながら、強引な販売状況などに照らせば、「自由に商品を選択できる状態」を欠くことから、「店舗に類する場所」にはあたらないと考えることができる。
cf.東京地判平成20年3月28日判夕1276号323貢
 ■3   ■3 購入者等が営業のため若しくは営業として締結する取引(適用除外)
●(1)  ●(1) 「営業のために若しくは営業として」の範囲
消費者契約法にいう消費者契約のほか、事業者間契約のうち「営業のために若しくは営業として締結」するのではない契約は、これに含まれず、特定商取引法の適用を受ける。
     
大阪高判平成15年7月30日兵庫県弁護士会HPは、自動車販売会社に訪問販売された消火器の事案について、「Xは、各種自動車の販売、修理及びそれに付随するサービス等を業とする会社であって、消火器を営業の対象とする会社ではないから、消火器薬剤充填整備、点検作業等の実施契約が営業のため若しくは営業として締結されたということはできない。」と判示している。     

「営業のために若しくは営業として」に含まれるかの判断は、単に当事者の属性のみならず、その営業内容と対象物品の関連性や対象物品の利用状況(営業上の利用か生活上の利用か)等も考慮してなされなければならない。
●(2)
●(2) 具体例
@ 学校、幼稚園、寺院、教会、町内会、社会福祉事業、弁護士、医師、芸術家などの非営利の団体・個人に対する販売は、「営業のために若しくは営業として」には該当せず、特定商取引法が適用される。

A 個人商店、会社等への電話機、ファックス、パソコンの販売・リースについては、その設置場所が住居部分か店舗部分か、生活用と事業用の利用割合はどうか等を考慮して判断される。
※契約書名義が会社や個人商店の名義となっていても、それは販売者が特定商取引法逃れを狙った結果ということもある。
■4   ■4 住居における取引を請求した者に対する取引(来訪要請、適用除外)
●(1) ●(1) 適用除外の趣旨
@ 購入者側に訪問販売の方法によって商品等を契約する意思があらかじめあること
A購入者と販売業者の間に取引関係があることが通例であること、から特定商取引法の趣旨に照らして適用の必要がないため。
●(2) ●(2) 「住居において売買契約若しくは役務提供契約の申込みをし又は契約を締結することを請求した」とは
上記の趣旨からすれば、消費者が既に何を購入するかが決まっており、「○○を購入するから来て欲しい」「以前に下見した○○を購入するので持ってきて欲しい」などと明確に取引行為を行いたい旨の意思表示をした場合でなければ、来訪要請には該当しないというべき。
●(3) ●(3) 具体例
@販売業者が消費者宅に電話して「訪問して説明したいがいつにしたらよいか」などと聞いたところ、消費者から「では、○日の○時に来てください」との回答があり、消費者宅を来訪した場合
→販売業者が最初にアプローチして消費者はこれに日時を回答したに過ぎず、明確に取引行為を行いたい旨の意思表示を行ったわけではなく、また、消費者には、平常の取引関係もあらかじめ購入意思もないから、来訪要請には該当しない。

A 消費者が商品の問い合わせやパンフレット送付などの要件で販売業者に電話したところ、販売業者が消費者宅を来訪
→通達「商品等について単なる問合せ又は資料の郵送の依頼等を行った際に販売業者等より訪問して説明をしたい旨の申出があり、これを消費者が承諾した場合は、消費者から『請求』を行ったとは言えないため本号に該当しない」
 電話したときに消費者が購入意思を固め、それを明確に意思表示して来訪を請求したか否かによるが、この点は法の適用排除を求める販売業者が主張立証すべき事柄。

B 消費者が台所の水漏れの修理を要請し、その修理のために販売業者が訪れたときに、台所全体のリフォームを勧誘した場合
→台所の水漏れ修理については来訪要請にあたるが、台所全体のリフォームについては取引を請求していないから、来訪要請にはあたらない。

C 低価格の布団が広告に掲載されていたため、その布団の購入のために自宅への訪問を求めたところ、販売業者が低価格の布団を持参せず、より高額の布団を勧誘した場合
→金額の多寡は消費者の購入意識決定の重大な要素であり、高額の布団について取引を請求したわけではないから、来訪要請にはあたらない。

D 1度目の訪問で勧誘したが即決には至らず、その後、消費者の側から、再訪問を求めた場合
→最初の訪問勧誘の状況、打ち切りの経緯、消費者の側が再訪問を求めた時期・状況等を考慮して、再訪問の要請が一連の訪問販売の一部と評価されるものか否かを検討する必要あり。
■5  ■5 無店舗販売業者のお得意客販売に関し〜次々販売について
消費者の断り切れない性格や判断能力の欠如につけ込み、短期間に多数回、数百万円にも上る売買契約を締結するようなケースがあり、次々販売と呼ばれている。

無店舗販売業者のお得意客販売(特定商取引法の一部適用除外)については、令8条2号が「過去1年間に2回の取引」を要件としており、次々販売は形式的にはこれにあたり得る。

しかしながら、令に委任する法26条2項2号には、「営業所外取引が通例で通常購入者等の利益を損なうおそれがないと認められる取引で政令に定めるもの」と定められており、かかる次々販売の実質が、押しつけ販売であって、信頼関係から問題なく行われているものでない以上、「通常購入者等の利益を損なうおそれがない」には該当せず、特定商取引法の一部適用除外とはならないというべきである。

なお、次々販売については、適量販売規制の規律も及ぶ。
■6 ■6 クーリングオフの例外(法26条2項〜4項)
●(1) (1)全部の履行が契約の締結後直ちに行われることが通例である役務の提供として政令で定めるものであって、訪問販売又は電話勧誘販売に該当するものの全部又は一部が、契約の締結後直ちに履行された場合(法26条2項)
→ 
@海上タクシー(令6条1号)
A飲食店で飲食させること(同2号)
Bあん摩、マッサージ、指圧を行うこと(同3号)
Cカラオケボックスにおいてその施設または設備を利用させること (同4号)
●(2) (2)その販売条件又は役務の提供条件についての交渉が、販売業者又は役務提供事業者と購入者又は役務の提供を受ける者との間で相当の期間にわたり行われることが通常の取引の態様である商品又は役務として政令で定めるものの販売又は提供(法26条3項1号)
→ 
@自動車販売(令6条の2)
A自動車リース(令6条の2)
●(3) (3)契約の締結後速やかに提供されない場合には、その提供を受ける者の利益を著しく害するおそれがある役務として政令で定める役務の提供(法26条3項2号)
→ 
@一般の需要又は特定の供給地点における需要に応じ電気を供給する役務提供(令6条の3第1号)。
A一般の需要に応じ導管によりガスを供給する役務提供(同2号)
B一般の需要に応じ熱供給を行なう役務提供(同3号)
C葬式のための祭壇の貸与その他の便宜の提供
●(4) (4)消耗品(法26条4項1号 令6条の4別表3で8類型指定)〜化粧品等
→改正で配置薬が追加された

@規制内容
使用もしくはその一部の消費により価格が著しく減少するものについて、使用又は消費したときにクーリングオフすることができない。
ただし、販売業者が消費者にその商品を使用させ、又は消費させた場合はクーリングオフできる。

A使用または消費とは
ア 通常は開封だけでは使用又は消費にはあたらない。密封されていることに意味がある(空気に触れると劣化、缶詰等)場合は使用又は消費にあたる。
イ 外箱や瓶の蓋にマジックで数字を書いた場合も使用又は消費にあたらない。
ウ 賞味期限や使用期限が切れただけでは使用又消費にあたらない。
        
B使用または消費とは
使用又は消費については、当該商品について通常販売されている商品の最小単位が基準となる。
使用又は消費された当該最小単位部分についてはクーリングオフできなくなるが、その余の部分をクーリングオフすることは可能である。
クーリングオフ後の清算としてのクーリングオフすることのできない部分の価格は、その単位部分がばら売りされる時の通常の販売価格によって行われる。
        
C法定書面への記載
消耗品を使用または消費した場合はクーリングオフできないとする場合には、法定書面のクーリングオフ事項中に令6条3項の事項を記載をする必要があるが、これが十分に記載されていなかった場合、使用又は消費した場合でもクーリングオフが認められるというべき。
●(5) (5)相当の期間品質を保持することが難しく、品質の低下により価格が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるもの(法26条4項2号)
→現在、政令で商品が指定していない。
●(6) (6)3000円未満の現金取引(法26条4項3号 令7条)
→現金取引といえるためには、双方の履行が全部完了している必要があり、商品の一部を後日届ける、クレジットカードやデビットカードでの決済、販売担当者個人名義の立替決済等は現金取引にあたらない。
■7   ■7 損害賠償等の額の制限(法10条)
●(1) ●(1)規制内容
販売業者が、消費者に対し不当に高額な損害賠償の予定や違約金を請求する条項を設けた場合でも、その金額は妥当な額に制限される。
●(2)  ●(2) 契約解除(クーリングオフ以外)に伴う損害賠償額の制限
@商品又は権利が返還された場合(法10条1項1号)
→商品の通常の使用料の額または権利の行使により通常得られる利益に相当する額(商品または権利の減価額が使用料相当額を超えるときには減価額)+法定利率による遅延損害金

A商品又は権利が返還されない場合(2号)
→商品又は権利の販売価格に相当する額+法定利率による遅延損害金

B役務提供開始後に解除した場合(3号)
→提供された役務の対価に相当する額+法定利率による遅延損害金
        
C商品引渡し、権利の移転、役務の提供開始前に解除した場合(4号)
→契約の締結および履行のために通常要する額+法定利率による遅延損害金 
●(3)  ●(3)債務不履行による損害賠償額の制限(法10条1項2号)
解除前でも残債務額に法定利率(5%か6%かで争いあり)を加算した額を超える額の支払いを請求することはできない。
●(4) ●(4)割賦販売における適用除外(法26条7項)
★3 通信販売   
★通信販売 通信販売規制の根拠としては、非対面性広告のみが信頼の基礎であること、などがあげられる。
■1   ■1  通信販売規制の要因の概要(法2条2項)
主体 (主体)
販売業者又は役務提供事業者が
相手方 (相手方)
購入者に対し
方法 (方法)
郵便、電話、ファックス、インターネット、電報、口座振込等の方法により
対象 (対象)
商品・指定権利・役務に関して
行為 (行為)
申し込みを受けて行う取引
適用除外 (適用除外)
@電話勧誘販売に該当する場合(法2条2項)
A購入者等が営業のため若しくは営業として締結する取引(法26条1項1号)
B国外にある者に対する取引(2号)
C国又は地方公共団体が行う取引(3号)
D生協・農協・労働組合等が組合員に対して行う取引(4号)
E事業者がその従業員に対して行う取引(5号)
F株式会社以外の者が発行する新聞紙の販売(6号)
G弁護士業務(7号)
H金融商品取引法(8号イ)
I宅地建物取引業法(8号ロ)
J旅行業法(8号ハ)
K令5条別表2で定める法律(8号ニ)
※その他、法11条1項(広告規制)及び13条(承諾の通知等)は割賦販売等には適用されない(法26条8項)。
■2   ■2 広告規制(法11・12条)
●(1)  ●(1)クーリングオフ制度の不存在と広告規制
通信販売にクーリングオフ制度はなく、事業者は取引条件の細部を広告に示さなければならない、との業法的規制が中心。
●(2)  ●(2)返品特約(法11条1項4号)について
引渡し後の返品特約に関する事項(特約がない場合はその旨)は広告の絶対的記載事項とされている。
返品に関する特約の表示(法11条4号)がなかった場合、商品の引渡を受けた日から起算して8日間は、消費者による契約解除を可能とし、この場合の送料負担は購入者側であることを明記している(法15条の2)。
■3 ■3 インターネット・オークション
インターネット・オークションは事業性のない個人が多数参加しているが、売主が非事業者の場合は特商法の適用はない。しかし、頻繁に取引を重ねている場合にも特定商取引法法の規制が一切及ばないのも、インターネット・オークション上のトラブルの抑止にならない。

経済産業省は平成18年1月31日付けで特商法の通信販売の適用対象となる目安を詳細に定めている
(http://www.meti.go.jp/policy/consumer/tokushoho/gaiyou/auctionguideline.pdf)。
★4 電話勧誘取引  
★電話勧誘販売 電話勧誘販売規制の根拠としては、不意打ち性、匿名性、密室性、勧誘の執拗性、拒絶の困難性、即決の強要、契約成立の曖昧性、契約内容の不確実性、などが挙げられる。
■1          ■1 電話勧誘販売規制の要件の概要(法2条3項)
主体 (主体)
販売業者または役務提供事業者が
相手方 (相手方)
購入者等に対し
方法  (方法)
a:電話をかけ
b:一定の方法を用いて相手に電話をかけさせ

→次の場合は電話勧誘販売に該当するので注意。
@販売目的隠匿型電話勧誘販売(令2条1号)
→消費者が新聞や雑誌等の広告を見て電話をかけた場合は通常は通信販売に該当することになろうが、本来販売を意図している商品以外の事項を掲載し、消費者に電話をかけさせるためのおとり広告に該当する場合は、販売目的隠匿型の電話勧誘販売というべき。
A有利条件告知型電話勧誘販売(令2条2号)

その電話において行う勧誘により
対象 (対象)
商品・指定権利・役務に関して
行為 (行為)
購入者から郵便、ファックス、インターネット、電報、口座振込を受け、又は契約を締結して行う取引
適用除外 (適用除外)
@購入者等が営業のため若しくは営業として締結する取引(法26号1項1号)
A国外にある者に対する取引(2号)
B国又は地方公共団体が行う取引(3号)
C生協・農協・労働組合等が組合員に対して行う取引(4号)
D事業者がその従業員に対して行う取引(5号)
E株式会社以外の者が発行する新聞紙の販売(6号)
F弁護士業務(7号)
G金融商品取引法(8号イ)
H宅地建物取引業法(8号ロ)
I旅行業法(8号ハ)
J令5条別表2で定める法律(8号ニ)
〔以下は18条、19条及び20条から25条までの適用除外〕 
K契約の申込み・契約の締結のために電話をかけることを請求した者との取引(法26条6項1号)
L電話勧誘行為により契約することが通例で、通常購入者の利益を損なうおそれがないと認められる取引で政令に定めるもの(法26条6項2号)
→訪問販売の「ウ 無店舗販売業者のお得意客販売」と同様の例外のみを規定(令10条)
■2  ■2 「その電話において行う勧誘により」について
消費者が一旦電話を切った後に消費者から改めて電話をし、または郵便等で申込みを行った場合も、これに該当する。
どの程度の期間が経てば「勧誘により」に該当しなくなるか、については勧誘の威迫性、セールストークの内容等によって異なるが、販売業者から最後に電話があった時から1か月以上も経った後に申込みがあったというケースは該当しない場合が多いと考えられる(通達)。
■3    ■3 契約の申込み・契約の締結のために電話をかけることを請求した者との取引(消費者によるコールバックの請求、適用除外)
●(1) ●(1)要件
通達は、訪問販売の来訪要請の場合よりも、消費者の購入意思の程度が高い場合に限るとして、「電話の場合は単に問合わせ等の目的で消費者側も気軽に販売業者からの電話を請求しがちである。このため『請求』の程度は、『契約の申込み』又は『契約の締結』を明確に表示した場合、すなわち『○○を購入したいのだが、詳しく話を聞きたいので電話されたい』等の明確な意思表示があった場合、あるいは、当該事業者との平常の取引関係等から客観的にみて購入等の意思が明らかである場合に限られる。

商品の問い合わせを目的として事業者からの電話を請求した場合については『申込みをし又は締結するために』に『請求』したことに該当しない」とする。       
消費者の明確な購入意思の表示及びコールバック請求があったことは事業者が立証すべき事項。
●(2)  ●(2)適用除外の例外
法26条6項1号括弧書き
「電話勧誘行為又は政令で定める行為によりこれを請求した者(注:コールバック請求をした消費者)を除く。」    
 ↓ 
 令9条
「電話、郵便、信書便、電報、ファクシミリ装置を用いて送信する方法により、又はビラ若しくはパンフレットを配布して、当該電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約の締結について勧誘をするためのものであることを告げずに電話をかけることを請求させる行為」   

@電話勧誘行為(販売目的隠匿型電話勧誘販売、有利条件告知型電話勧誘販売を含む)によってコールバック請求をさせた場合
A販売目的を隠してコールバック請求をさせた場合 
■4   ■4 クーリングオフ等について
●(1) (1)クーリングオフの例外(法26条2項〜4項)、損害賠償等の額の制限(法25条、26条7項)は訪問販売と同じ。
●(2) ●(2)クレジット契約を利用した場合の問題点
@お客様控えを一緒に販売業者に返送してしまった
→販売業者からお客様控えの返送がなされない限り、書面不交付の場合と同様にクーリングオフ期間は延長されるべき。

A販売業者への申込書は返送したがクレジット申込書を返送しなかった
→電話で分割払いについて勧誘された場合は、その合意内容中に明示又は黙示でクレジット契約をすることも合意されていると考えられ、クレジット約款には、売買契約は販売業者が購入者に代わってクレジット会社に立替払い契約の申込みをしたときに成立し、クレジット会社が立替払契約に応じなければ、売買契約も遡って不成立になる、との定めがある
⇒消費者がクレジット申込書を返送していない状況では、未だ売買契約は成立していない
★5 連載販売取引(マルチ商法)   
★連鎖販売取引(マルチ商法) 連鎖販売取引の規制根拠としては、種々の弊害が指摘されているものの、本質的には破綻の必然性、が挙げられている。
その意味においては、いわゆるねずみ講と近似するが、連鎖販売取引が商品の販売という形態をとるのに対して、いわゆるネズミ講は単純な金品(厳密には証券も含む)の配当システムである点は相違するといわれる。
ねずみ講は、破綻必至であるため無限連鎖講の防止に関する法律により全面禁止されている。
商品販売を伴っており、形式的には連鎖販売取引に見えるものの、実体的に単純な金品配当システムにすぎない場合には、無限連鎖講に該当しうる。
無限連鎖講に該当すれば全面禁止、公序良俗違反等を主張することができる。
■1    ■1 連鎖販売取引規制の要件の概要(法33条)
●(1)  ●(1)連鎖販売業とは
@物品等の販売(そのあっせんを含む)又は有償で行う役務の提供(そのあっせんを含む)の事業であって、
A販売の目的物たる物品の再販売、受託販売若しくは販売のあっせんをする者又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあっせんをする者を
(→連鎖販売取引に加入する者(連鎖販売加入者))
B特定利益を収受し得ることをもって誘引し、
Cその者と特定負担を伴う
Dその商品の販売若しくはそのあっせん又は同種役務の提供若しくはその役務の提供のあっせんに係る取引(その取引条件の変更を含む)をするもの、をいう。
 ポイントは
@物品の販売等の事業に関して、
A参加者を特定利益を収受し得ることをもって誘引し、
B参加者と特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む)を行うこと
       ↓
参加者が上位ランクに昇格することにより手数料などの取引条件が変更されることを指す。組織への入会時だけでなく、昇格時に特定負担が認められれば、昇格が新たな連鎖販売取引になる。
●(2)  ●(2)具体例へのあてはめ
@)化粧品を販売する会社で、参加者にはランクA、ランクB、ランクC及びラン
クDの4段階がある。
A)会社は、参加者に化粧品を卸売りし、参加者はこれを小売りする。
B)小売差益については、ランクによって差があり、会社から参加者への卸売価格が異なっている。

ランクAの小売り→ランクAの参加者に65%のマージンが発生する。
ランクCの小売り→ランクCの参加者に30%のマージンが発生するとと
もに、自動的に当該ランクCの参加者を配下とするランクBの参加者に25%、ランクAの参加者に10%のマージンが発生する。

C)参加者はランクA、ランクBに昇格すれば有利になるが、その昇進条件としては、多額の出資が必要。

ランクBへの昇進→90万円の資格取得金の支払が必要
ランクAへの昇進→75万円の資格取得金及び6万円のセミナー料の支払いが必要。
ランクAへの昇進には合計171万円の投資が必要。

D)ランクAに昇進した参加者には、配下の参加者がランクBに昇進する際に15万円、ランクAに昇進する際に75万円が分配される。

したがって、配下を2人ランクAに昇進させれば180万円の分配金が得られ、投資額を回収することができる。
 これを連鎖販売業の要件にあてはめると、
@化粧品の販売の事業であって、
A化粧品の再販売をする参加者を、
B配下の参加者が支払う資格取得金及び卸マージンという特定利益を収受し得ることをもって誘引し、
C参加者と化粧品の購入代金及び資格取得金の支払という特定負担を伴う
D化粧品の販売取引
をしたものであるから、連鎖販売業に該当する。
●(3)  ●(3)ポイント
@連鎖販売取引については特定商品制がとられておらず、不動産売買以外の全ての取引が対象となる。
A契約方法や契約場所の限定はない。
B事業者間契約はもとより、営業のために若しくは営業として締結される契約も対象となる。もっとも、勧誘規制や民事規定で保護されるのは、無店舗個人のみである。
C連鎖販売取引を行っている事業者の事業全体を連鎖販売取引と見ているのではなく、連載販売業者と契約した者全体が連鎖販売取引の参加者となるわけではない。連鎖販売業者の一つ一つの取引内容が連鎖販売取引該当するか否かを、個別に判定する必要がある。
■2    ■2 特定利益について
●(1) (1)マルチ商法は、特定利益が得られるというのがセールスポイントであり、特定利益
は連鎖販売取引の中心的要件。
●(2) ●(2)特定利益の3種型
法33条1項

特定利益とは、「その商品の再販売、受託販売若しくは販売のあっせんをする他の者又は同社役務の提供若しくはその役務の提供のあっせんをする他の者が提供する取引料その他の経済産業省令で定める要件に該当する利益の全部又は一部をいう。」 
※「他の者」→当該参加者以外の組織の他の加盟社又は加盟しようとする者
※「取引料」→取引料、加盟料、保証金その他いかなる名義をもってするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう(法33条3項)
則24条1号ないし3号
@商品の再販売、受託販売若しくは販売あっせんをする他の者又は同種役務の提供若しくは役務の提供のあっせんをする他の者が提供する取引料により生ずるもの
ex「あなたが勧誘して参加した人の加盟料の○○%があなたのものになる」
  「あなたが勧誘して参加した人が昇格時に支払う出資の○○%があなたのものになる」
A商品の再販売、受託販売若しくは販売のあっせんをする他の者に対する商品の販売又は同種役務の提供若しくは役務の提供のあっせんをする他の者に対する役務の提供により生ずるもの
ex「あなたが勧誘して参加した人が購入する商品代金の○○%があなたのものになる」
B商品の再販売、受託販売若しくは販売のあっせんをする他の者が取引料の提供若しくは商品購入を行う場合又は同種役務の提供若しくは役務の提供のあっせんをする他の者が取引料の提供若しくは役務の対価の支払を行う場合に当該他の者以外の者が提供する金品により生ずるもの
ex「あなたが勧誘して参加する人があれば、統括者から加盟料の○○%の報酬がもらえる」
「あなたが勧誘して参加した人が商品を購入すれば、統括者から商品購入代金の○○%の報酬がもらえる」
●(3) ●(3)特定利益に該当しない場合
@自己消費目的型
「会員になれば、会員価格で商品を安く買うことができる」と勧誘し、勧誘を受けた者が入会後、単に商品の割引購入をするだけで、勧誘活動を行わない場合、参加者は割引購入の利益を受けてはいるが、これは「他の者」の「取引料」等を原資とするものではないため、特定利益には該当しない。
→上記の例は連鎖販売取引にあたらない。
A小売利益目的型
「会員になれば、会員価格で商品を安く買った上で、これを他人に販売して差額利益が得られる」と勧誘し、勧誘を受けた者が入会後、小売活動のみを行い、勧誘活動を行わない場合、参加者は小売差益は得ているが、これは「他の者」の「取引料」等を原資とするものではないため、特定利益には該当しない。
→上記の例は連鎖販売取引にあたらない。
■3 ■3 特定負担について
法33条1項
特定負担とは、その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう。
■4 ■4 厳格な行為規制(法33条の2以下)
厳格な行為規制により、悪質なマルチ商法を実質的に禁止する意図に出たもの。
■5  ■5 クーリングオフについて(訪問販売・電話勧誘販売との相違)
(1)クーリングオフを行えるのは無店舗個人に限る。
(2)クーリングオフ期間は20日間
(3)クーリングオフ起算日は原則的に契約書面受領日であるが、再販売型の連鎖販売取引については、契約書面受領日と商品の引渡日を比較して、遅い方の日がクーリングオフの起算点となる(商品の引渡しがなければクーリングオフ期間は起算しない)。
(4)乗用自動車、消耗品、総額3000円未満の現金取引の例外はない。
(5)業者がクーリングオフまでの提供済み役務等の対価を請求できず役務提供契約に関連した金銭を消費者に返還しなければならない、とする規定が設けられていない。
(6)消費者の土地・建物その他の工作物の現状が変更されたときは、消費者は、販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる、とする規定が設けられていない。
■6    ■6  中途解約(法40条の2)
●(1) ●(1)中途解約権(法40条の2第1項)
参加者はクーリングオフ期間経過後であっても、将来に向かって、連鎖販売契約を解除することができる。
●(2)  ●(2)購入商品の返品制度(法40条の2第2項)
中途解約権は将来効であるところ、それ以前の商品販売契約は残存するため、以下の要件を満たす場合には、これも解除することができるものとした。

@参加者が入会から1年以内であること(本文括弧書き)
A当該商品の引渡し(権利の移転を含む)を受けた日から90日以内であること(1号)
B当該商品が再販売されていないこと(2号)
C当該商品が使用、消費されていないこと(3号)
D参加者の責めに帰すべき事由により、その商品の全部又は一部を減失し、または毀損した場合でないこと(4号、令10条の2)

※この返品代金の払戻しについては、統括者が、商品の販売を行った者と連帯して債務の弁済の責任を負う(同条5項)。
●(3) ●(3)損害賠償額の制限
業者が消費者に対し不当に高額な損害賠償の予定や違約金を請求する条項を設けた場合でも、その金額は妥当な額に制限される。
@中途解約権行使の場合(法40条の2第3項)
ア 特定負担に係る商品の引渡し前又は役務の提供前(本文)

契約の締結及び履行のために通常要する費用の額

イ 特定の負担に係る商品の引渡し後(1号)

・契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
・引渡しがされた当該商品(商品販売契約が解除されたものを除く。)の販売価格に相当する額
・商品販売契約が解除された商品に関し提供された特定利益その他の金品に相当する額
の合計額

ウ 特定負担に係る役務の提供開始後(2号)

・契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
・提供された当該役務の対価に相当する額
の合計額
A商品販売契約の解除の場合(法40条の2第4項)
ア 当該商品が返還された場合又は当該商品販売契約の解除が当該商品の引渡し前である場合
→当該商品の販売価格の10分の1に相当する額

イ 当該商品が返還されない場合
→当該商品の販売価格に相当する額
B割賦販売の適用除外(法40条の2第7項)
★6 特定継続的役務提供契約   
★特定継続的役務提供契約 特定継続的役務提供契約の規制根拠としては、役務の内容・質の客観的判断の困難性、役務の効果の客観的判断の困難性、これらによる誇大広告・虚偽説明の危険性、契約の長期継続性・拘束性、などが挙げられる。
■1   ■1 特定継続的役務提供契約規制の要件の概要(法41条)
●(1) ●(1)特定継続的役務提供とは
@役務提供事業者が
A特定継続的役務を
Bそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し
C相手方がこれに応じて政令で定める金額(令11条2項:5万円)を超える金銭を支払うことを約する
D契約を締結して行う特定継続的役務の提供
をいう(法41条1項1号)。
また、役務提供事業者以外の販売業者が特定継続的役務提供を受ける権利を販売する場合の「権利の販売」として規律されている(2号)
(適用除外)法50条
ア 特定継続的役務提供受領者等が営業のために又は営業として締結するものにかかる特定継続的役務提供(1号)
イ 国外にある者に対する特定継続的役務提供(2号)
ウ 国又は地方公共団体が行う特定継続的役務提供(3号)
エ 生協・農協・労働組合等が組合員に対して行う特定継続的役務提供(4号)
オ 事業者がその従業者に対して行う特定継続的役務提供(5号)
●(1) (2)特定継続的役務とは(政令で定める期間も併せて)

法41条2項
国民の日常生活に係る取引において有償で継続的に提供される役務であって、次の
各号のいずれにも該当するものとして、政令で定めるもの

一 役務の提供を受ける者の身体の美化又は知識若しくは技能の向上その他のその者の心身又は身上に関する目的を実現させることをもって誘引が行われるもの
二 役務の性質上、前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの
      ↓
  令12条ほか
@エステティック 1カ月超  5万円超
A語学教育  2か月超  5万円超
B家庭教師等  2か月超  5万円超
C学習塾  2か月超  5万円超
Dパソコン教室  2か月超  5万円超
E結婚相手紹介サービス  2か月超  5万円超
●(2) (3)営利事業性を要する
非営利事業者は役務提供事業者に該当しない。

学校教育法1条に規定する学校
私立学校法3条に規定する学校法人
宗教法人法4条2項に規定する宗教法人等
■2   ■2 関連商品について
特定継続的役務提供に伴って商品がセット販売される実態が多いため(例:エステの化粧品販売、学習塾の教材販売等)、関連商品についても規制がある。

関連商品については法48条2項が「役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品」と定めて、政令委任しており令14条において定められている。
※関連商品については
@消費者の支払金額が5万円を超えるとの要件において、役務の対価だけではなく関連商品の購入代金を加算して判断する。役務が無償でも、関連商品が高額という場合も特定継続的役務提供契約に該当する。
A法定書面に関連商品の記載をする義務がある。
B特定継続的役務提供契約をクーリングオフしたときには関連商品の販売契約も解除することができる。
C特定継続的役務提供契約を中途解約したときには関連商品の販売契約も解除することができる。
D関連商品も不実告知、故意の事実不告知の対象となり、違反すれば取消しが可能である。またこのとき関連商品の販売契約も解除することができる。
といった機能もある。
※仮に高額の学習教材を販売する際に「電話・FAX指導サービスが無料で付いてくる」というセールストークがされたとする。一見すると、有償の教材販売だけに目が行きがちで、訪問販売・電話勧誘販売と受け止めがちである。しかし、この「無料指導サービス」もセールストークのポイントの一つであり、これは特定継続的役務に該当することがありえる。この場合、契約書面には法42条に則った記載が必要である。これを欠けば、たとえ訪問販売や電話勧誘販売の記載事項を満たしていたとしても、特定継続的役務取引の書面としては不備があるので、書面受領後8日経過後もなおクーリングオフが可能と解する余地がある。
■3 ■3 支払期間及び支払金額の要件について
いずれについても実質的な判断を要する。
仮に、役務提供期間を1か月以下としていても、例えば化粧品を半年分とか、学習用教材を1年分セット販売しているような場合は、1か月ごとの更新ではなく、半年又は1年間の役務の提供を受けることが前提となっているというべきで、規制の対象となる。 
また、契約を分割して、「痩身3万円」「脱毛4万円」という形で2枚の契約書が作成されていたとしても、合算が5万円を超える以上、規制の対象となる。
■4  ■4 クーリングオフについて(訪問販売・電話勧誘販売との相違)
(1)関連商品販売契約についてもクーリングオフすることができる(法48条2項)
(2)関連商品のうち、エステティックの「動物及び植物の加工品(一般の飲食の用に供されないものに限る。)であって、人が摂取するもの(医薬品を除く。)」「化粧品、石けん(医薬品を除く。)及び浴用剤」については、使用消費したときにはクーリングオフができない(48条2項但書、令14条2項)。
■5   ■5 中途解約
●(1) ●(1)中途解約権(法49条1項)
消費者は、クーリングオフ期間経過後であっても、将来に向かって、特定継続的役務提供契約を解除することができる。
●(2)  ●(2)関連商品販売契約の解除権(法49条5項)
消費者は、1項の中途解約をした場合には、関連商品販売契約も解除することができる。
●(3)  ●(3)中途解約の場合の清算ルール
業者が、消費者に対し不当に高額な損害賠償の予定や違約金を請求する条項を設けた場合でも、その金額は妥当な額に制限される。
@特定継続的役務提供契約の中途解約の場合(法49条2項)
  ア 特定継続的役務の提供開始後である場合
    →
・提供された特定継続的役務の対価に相当する額
・当該特定継続的役務提供契約の解除によって通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額(表参照)
の合計額+法定利率による遅延損害金

  イ 特定継続的役務の提供開始前である場合
    → 
契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額(表参照)+法定利率による遅延損害金

提供された特定継続的役務の対価に相当する額を計算するにあたっては合理的な算出方法を用いなければならない。
 最高裁平成19年4月3日判夕1246号95頁
 「上記各規定の趣旨は、特定継続的役務提供契約は、契約期間が長期にわたることが少なくない上、契約に基づいて提供される役務の内容が客観的明確性を有するものではなく、役務の受領による効果も確実とはいえないことなどにかんがみ、役務受領者が不測の不利益を被ることがないように、役務受領者は、自由に契約を将来に向かって解除することができることとし、この自由な解除権の行使を保障するために、契約が解除された場合、役務提供事業者は役務受領者に対して法定限度額しか請求できないことにしたものと解される。
 本件料金規定においては、登録ポイント数に応じて、一つのポイント単価が定められており、受講者が提供を受ける各個別役務の対価額は、その受講者が契約締結の際に登録した登録ポイント数に応じたポイント単価、すなわち契約時単価をもって一律に定められている。本件契約においても、受講料は、本件料金規定に従い、契約時単価は一律に1200円と定められており、被上告人が各ポイントを使用することにより提供を受ける各個別役務について、異なった対価額が定められているわけではない。そうすると、本件使用済ポイントの対価額も、契約時単価によって算定されると解するのが自然というべきである。
 上告人は、本件使用済ポイントの対価額について、本件清算規定に従って算定すべきであると主張する。しかし、本件清算規定に従って算定される使用済ポイントの対価額は、契約時単価によって算定される使用済ポイントの対価額よりも常に高額となる。本件料金規定は、契約締結時において、将来提供される各役務について一律の対価額を定めているのであるから、それとは別に、解除があった場合にのみ適用される高額の対価額を定める本件清算規定は、実質的には、損害賠償額の予定又は違約金の定めとして機能するもので、上記各規定の趣旨に反して受講者による自由な解除権の行使を制約するものといわざるを得ない。 
 そうすると、本件清算規定は、役務提供事業者が役務受領者に対して法49条2項1号に定める法定限度額を超える額の金銭の支払を求めるものとして無効というべきであり、本件解除の際の提供済役務対価額相当額は、契約時単価によって算定された本件使用済ポイントの対価額と認めるのが相当である。」  
A 関連商品販売契約の解除の場合

   ア 関連商品が返還された場合
     → 
当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価格を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額)+法定利率による遅延損害金

   イ 関連商品が返還されない場合  
     → 
当該関連商品の販売価格に相当する額+法定利率による遅延損害金

   ウ 契約の解除が関連商品の引渡し前である場合
     → 
契約の締結及び履行のために通常要する費用の額+法定利率による遅延損害金
●(4)  (4)割賦販売の適用除外(法50条2項)
★7 業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)
★業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法) 業務提供誘引取引販売の規則根拠としては、事業者の債務履行の不確実性、破綻の必然性、業務委託契約に問題があるときの販売契約の帰趨の問題、等が挙げられている。
■1   ■1 業務提供誘引販売取引規則の要因の概要(法51条)
●(1) (1)業務提供誘引販売業とは
物品の販売(そのあっせんを含む)又は有償で行う役務の提供(そのあっせんを含む)の事業であって、業務提供誘引取引販売をするもの
●(2) (2)業務提供誘引販売取引とは
@業務提供利益を収受し得ることをもって相手方を誘引し
Aその者と特定負担を伴う
Bその商品の販売若しくはそのあっせん又はその役務の提供若しくはそのあっせんに係る取引(その取引条件の変更を含む)をするもの
●(3) (3)業務提供利益とは
商品又はその提供される役務を利用する業務(その商品の販売若しくはそのあっせん又はその役務の提供若しくはそのあっせんを行う者が自ら提供を行い、又はあっせんを行うものに限る。)に従事することにより得られる利益
●(4) (4)特定負担とは
その商品の購入若しくはその役務の対価の支払又は取引料の提供をいう
●(5) (5)取引料とは
取引料、登録料、保証金その他いかなる名義をもってするかを問わず、取引をするに際し、又は取引条件を変更するに際し提供される金品をいう(法51条2項)
●(6) (6)ポイント
@業務提供誘引販売取引については指定商品制がとられておらず、不動産売買以外の全ての取引が対象となる。
A契約方法や契約場所の限定はない。
B事業者間契約はもとより、営業のために若しくは営業として締結される契約も対象となる。もっとも、勧誘規制や民事規定で保護されるのは、事業所等によらない個人のみである。
C業務提供誘引販売取引を行っている事業者の事業全体を業務提供誘引取引販売と見ているのではなく、一つ一つの取引の取引内容が業務提供誘引取引販売に該当するか否かを、個別に判定する必要がある。例えば、英語の通訳業務等を紹介するとして、事業者から英会話教育役務の提供を受けた場合は、業務提供誘引販売取引と特定継続的役務提供契約の双方に該当する。
■2    ■2 業務提供利益について
●(1) (1)業務提供誘引販売取引は、業務提供利益を得られるというのがセールスポイントであり、業務提供誘引販売取引の中心的要件。内職契約で得られる報酬、モニター契約で得られるモニター料等の利益がこれに該当する。
●(2) (2)「業務に従事することにより」
「業務」には特に限定はなく広く解してよいが、「従事する」ものである以上、参加者が何らかの労務を提供する必要があると解されている。もっとも、対象商品を購入したモニターとしてアンケートに当該商品の感想を書くという程度でよい。

cf.原画版権商法
事業者から絵画をクレジットで購入し、事業者に預けておけば、当該絵画を原画にしてポスターや絵はがきに複製することを許諾すると毎月原画使用料が支払われるので、クレジットの分割金の支払ができる、と誘惑したケース
→許諾することをもって「業務に従事することにより」に該当するものと考えるべき。
●(3) (3)商品又は提供される役務を利用する業務(具体例)
・販売されるパソコンとコンピューターソフトを使用して行うホームページ作成の在宅ワーク
・販売される着物を利用して展示会で接客を行う仕事
・販売される健康寝具を使用した感想を提供するモニター業務
・購入したチラシを配布する仕事
・ワープロ研修という役務の提供を受けて修得した技能を利用して行うワープロ入力の内職(以上、通達)
●(4) (4)商品の販売等を行う者が自ら行う業務の提供又はあっせん
・商品の販売等を行う者(A社)と業務の提供を行う者(B社)が違っても、商品の販売等を行う者が業務提供をあっせんする関係にある限りは該当する。
→この点、A社が業務提供に関してC社を紹介し、C社が実際に業務提供を行うB社を紹介した場合(多段階のあっせん)であっても、該当するというべき。

@51条1項括弧書きの 「自ら」は「提供」のみにかかり、「あっせん」にはかからない。
A特定商取引法の「あっせん」は元来多段階のあっせんを含んでいる
(連鎖販売取引等)。
B多段階のあっせんが該当しないとすると、容易に特定商取引法の脱法行為が行い得ることとなる。

・事業者が参加者に対して、例えば単に日用品販売サイトのホームページ作成キットを販売したり、販売についての講習会を行っただけでは、業務の提供又はあっせんという要素がないため該当しない。
(5)業務提供利益による誘引
契約書には、法律上、業務提供の条件の記載が義務づけられているが、記載されていない場合でも、口頭での業務提供利益による勧誘があれば、業務提供誘引販売取引に該当する。
実際に業務に関する契約を締結したかどうかは関係がない。取引手法そのものが規制の対象である。
■3 ■3 特定負担について(具体例)
・内職に利用されるパソコン、チラシ、教材等の購入代金や講座の受講料
・モニター業務に利用される着物・寝具等の購入代金
・チラシ配り内職や宛名書き内職に参加する際に支払う登録料
・宛名書き内職に参加する際に頂ける保証金
→脱会時に返還の約束があったとしても特定負担に該当する。
※金銭的負担以外のノルマや研修参加義務などは特定負担に該当しない。
■4  ■4 クーリングオフについて(訪問販売・電話勧誘販売との相違)
(1)クーリングオフを行えるのは事業所等によらない個人に限る。
(2)クーリングオフ期間は20日間。8日間と書かれているケースが少なくなく、この不備でクーリングオフ期間は進行しない。
(3)業務委託等の契約と特定負担の契約が別個に行われていても全体が解除される。
(4)乗用自動車、消耗品、総額3000円未満の現金取引の例外はない。
(5)業者がクーリングオフまでの提供済み役務等の対価を請求できず役務提供契約に関連した金銭を消費者に返還しなければならない、とする規定が設けられていない。
(6)消費者の土地・建物その他の工作物の現状が変更されたときは、消費者は、販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる、とする規定が設けられていない。
■5  ■5 説明どおりに業務が提供されない場合
業務提供契約と販売契約の密接な関連性に着目し、業務提供契約の不履行を理由に、販売契約も解除することができると解するべき。
■6   ■6 損害賠償等の額の制限(法58条の3)
●(1) (1)規制内容
販売業者が、消費者に対し不当に高額な損害賠償の予定や違約金を請求する条項を設けた場合でも、その金額は妥当な額に制限される。
●(2) (2)契約解除(クーリングオフ以外)に伴う損害賠償額の制限
  @商品又は権利が返還された場合(法58条の3第1項1号)
   →商品の通常の使用料の額または権利の行使により通常得られる利益に相当する額(商品または権利の減価額が使用料相当額を超えるときには減価額)+法定利率による遅延損害金
  A商品又は権利が返還されない場合(2号)
   →商品又は権利の販売価格に相当する額+法定利率による遅延損害金
  B役務提供開始後に解除した場合(3号)
   →提供された役務の対価に相当する額+法定利率による遅延損害金
  C商品引渡し、権利の移転、役務の提供開始前に解除した場合(4号)
   →契約の締結および履行のために通常要する額+法定利率による遅延損害金
●(3) (3)債務不履行による損害賠償額の制限(法58条の3第2項)
  解除前でも残債務額に法定利率(5%か6%かで争いあり)を加算した額を超え
る額の支払いを請求することはできない。
●(4)  (4)割賦販売における適用除外(法58条の3第3項)
★8 ネガティブオプション(送り付け商法)
ネガティブオプション(送り付け商法) ■1 ■1 要件(法59条1項)
@販売業者が
A申込者等以外の者に対して、
B売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合(販売業者と送付を受けた者との間に何ら売買契約がない状態)
  又は
申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合(販売業者と送付を受けた者との間に別商品の売買契約がある状態)

Cその商品の送付があった日から起算して十四日を経過する日(その日が、その商品の送付を受けた者が販売業者に対してその商品の引取りの請求をした場合におけるその請求の日から起算して七日を経過する日後であるときは、その七日を経過する日)までに、
→商品受領から14日経過と商品取引請求から7日経過のいずれか早い方の日までに
Dその商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ
E販売業者がその商品の引取りをしないとき
(適用除外)
商品の送付を受けた者のために商行為となる売買契約の申込み(法59条2項)
  ■2 効果
■2 販売業者は、当該商品の返還請求権を失う。その後、消費者が使用処分しても何も問題ない。
※商品を送りつけるとともに、「1週間以内に返送しない場合は購入したものとみなします。」などと書かれているケースが多い。法律論は上記とおりであったとしても、実際上は直ちに引き取りを請求しておくか、返品してしまうのが穏当な場合も多いも多いと思われる。

特定商取引法 

改正法骨子 2008年6月11日成立 2009年末までに施行
・クーリングオフの対象を原則全ての商品・サービスに拡大
・消費者団体訴訟制度(消費者団体が代わりに契約取消や販売差止めなどを求める)
・過量販売は契約後1年以内なら解約可能に
・訪問販売の再勧誘の禁止
・迷惑広告メールの禁止
・返品に関するルールの明確化
訪問販売 適用対象
(法2@)
「訪問販売」とは、販売業者又は役務提供業者が、消費者(購入者等)に対し、
@ア 営業所、代理店、露天、屋台店、その他これに類する店(営業所等)以外の場所において(法2@(1))
@イ 特定の誘引方法による顧客(特定顧客)については営業所等において(法2@(2))
A政令指定商品・指定権利・指定役務(政令3条別表1,2,3)に関して
B申込を受け、又は契約を締結する取引をいう。
@イの特定顧客は、以下の者をいう。
(ア)路上等で呼び止めて営業所等に同行させた者(法2@(2))(キャッチセールス)
(イ)販売目的を告げずに営業所等に呼び出した者(政令1(1))(アポイントメントセールス)
(ウ)他の者に比して著しく有利な条件で契約できる旨を告げて営業所等に呼び出した者(政令1(2))(アポイントメントセールス)
営業所等」について、
「営業所」「代理店」「露天、屋台店その他これらにい類する店」「(★)前3号に掲げるもののほか、一定の期間にわたり、指定商品を陳列し、当該指定商品を販売する場所であって、店舗に類するもの」(省令1条)

★について
@最低2,3日以上の期間にわたって
A指定商品を陳列し、消費者が自由に商品を選択できる状態のもとで
B展示場等販売のための固定的施設を備えている場所で販売を行うもの
(通達)

ホテルで1週間開かれた着物の展示会で着物を購入⇒「営業所等における取引」に該当⇒特定商取引法の適用なし。
but
消費者が販売員に囲まれて強引な勧誘を受けるなど、自由に商品を選択できる状態になかった⇒「営業所等以外における取引」として、特商法の適用を受ける。(上記Aの要件を満たさない。)
指定商品制について
⇒指定がトラブルの後追いになる。
⇒改正法案では、「指定商品」「指定役務」について廃止し、他の業法により消費者保護の措置があるものや、規制が不適当な品目を、法律、政令、省令により適用除外にする。 
適用除外
(法26)
訪問販売(及び通信販売・電話勧誘販売)における適用除外について規定
@:購入者が「営業のため若しくは営業として」締結する契約(@(1))
通達:
ア 購入商品・役務が事業用というよりも主として個人用・家庭用である場合、
イ 契約者が実質的に廃業していたり事業実態がほとんどない零細事業者の場合には、特商法が適用される。

A:その住居において売買契約を申込・締結することを請求した者に対して行う訪問販売(A(1))
B:政令が指定する適用除外(A(2))
ア 店舗業者の1年いないの2回目以降の訪問販売(政令8A)
イ 無店舗販売業者の1年以内の3回目以降の訪問販売(政令8B)

通達:消費者が冷静に検討する余裕も与えられずに次々と契約を勧誘する次々販売は、特商法の適用除外としない。
書面交付義務(法4,5) 厳格な書面交付義務

@書面交付時期と書面の種類
ア 契約の申込を受けたときに「申込書面」(法4)
イ 契約を締結したときに「契約書面」(法5)
ウ 申込みと契約締結が同時のとっきは「契約書面」のみの交付で足りる。(法4但書)

A書面の記載事項(法4、省令3)
販売価格又は役務の対価(法4(1))
商品の型式、種類(省令3(5))等

B書面の不交付・記載不備の効果
ア 行政規制(指示・業務停止等)(法7,8)
イ 刑事罰(100万円以下の罰金)(法72(1))
ウ 民事効果(法9)
クーリング・オフ @要件:
ア 訪問販売の方法により、指定商品・権利・役務を購入したとき
(乗用自動車は適用除外 法9@、政令4)
イ 法定書面(申込書面・契約書面)の受領日から起算して8日以内であること
(ア) クーリング・オフの告知がある書面であること(法4(4))
(イ) 法定の記載事項が記載されていること(法4各号)

法定書面(法4,5)の場合はもちろん、重要な事項について不備がある書面(不備書面)が交付された場合、クーリング・オフ期間は進行しない。

(ウ) 事業者にクーリング・オフ回避行為(クーリング・オフ妨害)があった場合は、消費者の誤解や困惑が解消されるまでクーリング・オフ期間は停止する(法9@(1)但書)

ウ 特定消耗品につき使用・消費していないこと(法9@(2)・政令5別表第4)
エ 指定商品、指定権利の代金、指定役務の対価が3000円未満でないこと(法9@(3)、政令6)
A行使方法:
書面により申込の撤回又は契約の解除ができる。(法9)
口頭によるクーリング・オフも有効だが、立証の問題。
B効果: 
無条件解約となり、
ア 販売業者は損害賠償・違約金等の請求ができない(法9B)
イ 商品返送費用は販売業者の負担となる(法9C)
ウ 提供済みの役務の対価は支払不要(法9D)
エ 販売業者は受領した金銭を速やかに返還する義務を負う(法9E)
オ 提供済み役務に関する原状回復費用は業者の負担となる(法9F)
C強行放棄(法9G):
消費者に不利な特約は無効
勧誘行為の規制 @不実告知の禁止(法6@)
A故意に事実を告げない行為の禁止(法6A)
B威迫困惑行為の禁止(法6B)
C販売目的を隠して公衆の出入りしない場所で勧誘する行為の禁止(法6C)

@Aについて事業者に違反があった場合、消費者は契約の申込又はその承諾の意思表示を取り消すことができる。(法9の2@)
過量販売(次々販売)について 改正法:
高齢者等の判断能力が低下した者に対して次々と強引に商品を販売する「過量販売」「次々販売」による深刻な被害。

訪問販売に係るその日常生活において通常必要とされる分量を著しく超える商品の売買契約等の申込者等は、その売買契約等の撤回、契約の解除を行うことができる。(過量販売解除権)

裁判例:
呉服過量販売の事案で、公序良俗違反を理由に売買契約の一部について無効と判断する判決が相次ぐ。
通信販売 郵便その他省令で定める方法で申込を受けて行う取引。
電話勧誘販売を除く。
指定商品制あり。
広告規制あり。(法11)
電子商取引の場合、広告義務はより詳細。
クーリング・オフの規定なし。
返品特約がない場合は、広告にその旨の記載をしなければならず(法11(4))、返品特約の有無を表示しなかった場合には、返品可能とみなされる。
迷惑広告メール:
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律と特定商取引法の通信販売のルールの適用。
電話勧誘販売 事業者から電話をかけ(又は政令で定める方法でかけさせ)、その電話において行う契約締結の勧誘により、消費者から契約の申込を郵便・電話等により受ける(又は郵便・電話等により契約を締結する)取引
指定商品制あり
クーリング・オフ期間は法定書面受領日から8日間(法24)
連鎖販売取引(マルチ商法) 指定商品制なし。
広告規制あり(法35)
 クーリング・オフ期間は法定の契約書面を受領した日から20日間(法40)
中途解約権・違約金規制あり(法40の2)
特定継続的役務提供 「エステティックサロン」「外国語会話教室」「家庭教師等」「学習塾」「パソコン教室」「結婚相談紹介サービス」の指定6業種に関する規制
広告規制あり(法43)
クーリング・オフ期間は法定の契約書面を受領した日から8日間(法48)
中途解約権・違約金規制あり(法49)
業務提供誘引販売取引(内職商法・モニター商法) 指定商品制なし。
広告規制あり(法53、54)
クーリング・オフ期間は法定の契約書面を受領した日から20日間(法58)
ネガティブ・オプション(送りつけ商法) 消費者からの商品購入の申込を受けないで、事業者が売買の申込をし、かつ商品を送付すること。(法59)
消費者は、一方的に送りつけられた商品の購入義務、返送義務を負わない。
商品を使用・消費したときは購入したものと扱われる。(民法526A)
商品を受領した日から14日までに(引き取りを請求したときは7日)消費者が商品の購入を承諾せず、事業者が引き取らないときは、事業者は商品の返還請求権を喪失する。
方針 まず契約を解消し、販売業者等に対する未払金の支払拒絶、既払金の返還請求。
法律・政令・省令・通達の理解が必要。
特商法の適用が困難でも、消費者契約法は民法等の規定を駆使して、消費者被害の救済を図る。
通達:(経産省HP)