シンプラル法律事務所
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新注釈民法(相続)

★新注釈民法(19)  
 
 
     
     
☆898条  
     
     
     
     
     
  ◆W 債権の共同相続(付・現金の共同相続)
  ◇1 不可分債権 
    不可分債権⇒遺産分割まで全共同相続人に不可分に帰属
     
  ◇2 可分債権 
    金銭その他の可分債権は、少なくとも一般論としては、共同相続人間での準共有に服するこtなく、遺産分割を経ることなく相続開始によって法律上当然に相続分に従って分割され、各共同相続人に確定的に帰属する(最高裁昭和29.4.8)。

可分債権について共同相続人のうちの1人が自己の相続分を超えて、権限なく権利行使をした場合、他の共同相続人は問題の権利行使をした共同相続人に対して不法行為に基づく損害賠償請求権または不当利得返還請求権を有する(最高裁H16.4.20)。
当然分割の基準となる率分となる相続分:
具体的相続分ではない。

相続分指定(902条)がある場合、分割の基準となる率分は、法定相続分か指定相続分か?
A:指定相続分(潮見)

@分割債権の原則を定める427条がそもそも私的自治を前提にしている
A指定相続分は実体的権利と解すべき
     
  ◇3 預金債権 
  ■(1) 普通預金債権 
    従来:
普通預金債権は可分債権に関する一般原則に福祉、相続開始によって相続分に応じて当然に分割され、共同相続人間での帰属が確定的に定めるとされていた(最高裁H16.4.20)。
    最高裁H28.12.19:
判例変更
普通預金債権は、契約上の地位の準共有という法律構成を介して、可分債権の一般則には服さないとして判例変更。

@預貯金が決済手段としての性格を強めている
A確実かつ簡易に換価できるという点で、現金との差がそれほど意識されないものになっている
B現金が、評価について不確定要素が少なく、具体的な遺産分割の方法を定めるに当たっての調整に資する財産でるという事情は、預貯金についても当てはまる
普通預金債権は、
1個の債権として同一性を保持しながら、常にその残高が変更し得るものである。
この理は、預金者が死亡した場合においても異ならない。
すなわち、
預金者が死亡することにより、普通預金債権及び通常貯金債権は共同相続人全員に帰属するに至るところ、
その帰属の態様について検討すると、
上記各債権は、口座において管理されており、預貯金契約上の地位を準共有する共同相続人が全員で預貯金契約を解約しない限り、同一性を保持しながら常にその残高が変動し得るものとそして存在し、各共同相続人に確定額の債権として分割されることはないと解される。

共同相続人は、金銭債権そのものを承継するのではなく、普通預金契約上の地位を承継して準共有すると宣言することを介して、この決定は、普通預金債権は遺産共有の対象であり、したがって遺産分割を経てはじめて共同相続人間での終局的帰属が確定することを明らかにした。
  ■(2) 定期預金債権等 
     
  ◇4 金銭 
    多額の現金を残して相続開始があり、共同相続人の一部の者がその現金を保管しているという事例において、他の共同相続人が現金を保管している共同相続人に対して、遺産分割前に法廷相続分に応じた額の支払を請求

共同相続人は、遺産の分割までの間は、相続開始時に存した金銭を相続財産として保管している他の相続人に対して自己の相続分に相当する金銭の支払を求めることはできない旨、宣言。
(最高裁H4.4.10)
     
     
     
     
     
     
☆903条 (p265)
     
     
     
     
  ◆V 遺贈・贈与の持戻し(1項) 
   
   
  ◇3 特別受益財産 
     
     
     
  ■(5) 生計の資本としての贈与 
  □(エ) 被相続人の死亡を原因とする財産給付 
    生命保険金(最高裁H16.10.29)
    死亡退職金、遺族給付についても、生命保険金に関する上記裁決の影響もあってか、
特別受益性は原則否定、
著しい不均衡がある場合には例外的に肯定する見解が有力化
     
  ◆X 持戻し免除の意思表示(p278) 
  ◇1 意義 
    特別受益の持戻しは、共同相続人間の不均衡の是正を目的とする。
被相続人は、通常、共同相続人間の不均衡を望まないだろうという、被相続人の意思の推定に基礎を置く。
反対に、被相続人が共同相続人間の不均衡の是正を望まないという意思を有するのであれば、そのような意思を尊重していい。
     
  ◇2 意思表示の方法 
    生前行為であるか遺言であるか、明示であるか黙示であるかを問わない。
     
  ◇3 意思表示の方法 
    実務では、被相続人が明示的に「持ち戻しを免除する」という意思表示をしていなかったとしても、遺言の文言や被相続人の生前行為の内容から、被相続人の持戻しの免除の意思表示の有無を推認することが広く行われている。
     
  ◇4 遺留分との関係 
     
  ◇5 手続き