シンプラル法律事務所
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論点整理(和解条項関係)

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)

和解条項に関する実証的研究
★第1章 和解条項の概要
  ◆第一 訴訟上の和解の概念 
  ◇一 訴訟上の和解の意義、性質
  ◇二 訴訟上の和解の要件 
  ◇三 訴訟上の和解の効力
  ◇四 訴訟上の和解と起訴前の和解、民事調停との関係 
     
  ◆第二 和解条項の意義(p13)
     
 
  ◆第三 和解条項となる合意の要件 
  ◇一 法律行為の一般有効要件を充足すること 
  □1 合意内容が可能なこと
  □2 合意内容が確定している 
  □3 合意内容が適法なこと
  □4 合意内容が社会的妥当性があること 
     
  ◇二 当事者の自由処分を許す権利関係に関する合意であること
  ■1 職権探知主義と訴訟上の和解 
  ■2 形成訴訟と訴訟上の和解 
    職権探知主義の行われる事件にしろ、形成訴訟にしろ、訴訟上の和解が許されるかどうかの判断基準は、その手続ないし訴訟形態によって決められるものではなく、要は、争いのある権利若しくは法律関係につき、当事者の自由処分が許されるものかどうかによる。
  ■3 問題となる各種の訴えと訴訟上の和解 
     
     
  ◆第4 和解条項の類型 
  ◇一 効力条項 
    効力条項:
訴訟物又は訴訟物以外の権利関係について、
権利、義務の確認、発生、変更、消滅、付款(条件、期限等)、特約など実体上の効力を有する条項のこと。
合意の態様により、@給付条項、A確認条項、B形成条項の3つの基本条項と、
これに付加するC付款条項とD特約条項
に分類。
  ■1 給付条項 
    当事者の一方が相手方又は第三者に対し、特定の給付を為すことを内容とする条項。
給付の態様によって、
@金銭の支払を含めて物の引渡し(明渡し)を内容とするもの
A特定の行為を積極的になすことを内容とする作為
B特定の行為をしないという消極的な不作為
に分類。
債務者が一定の意思表示をなすべきことを合意する場合(登記手続、許可申請手続等)は、その合意は一種の不代替的作為の給付に含まれる。
債務名義として執行力を有する重要な条項。
  ■2 確認条項 
    特定の権利若しくは法律関係の存在又は不存在を確認する旨の合意を内容とする条項
現在又は過去の事実の確認も許される。
  ■3 形成条項 
    当事者が自由に処分することができる権利又は法律関係について、新たな権利の発生、変更、消滅の効力を生じる合意を内容とする条項。
権利の変更条項:
ex.
請求権の存在を前提として、その履行期限を猶予
賃貸借契約の存在を前提としてなされる賃料又は賃貸借期間変更の合意
権利の消滅条項:
ex.
合意解除
相殺の合意
債務を免除する旨の合意
権利を放棄する合意
  ■4 付款条項 
    実体法上の効力を生じる給付、確認、形成の基本条項と、
これら基本条項の合意内容を実施するについての付随的な合意
  □(一)条件 
  ●(1) 停止条件 
  ●(2) 解除条件
  ●(3) 過怠約款
  ●(4) 失権約款 
  ●(5) 先給付 
  ●(6) 引換給付 
  ●(7) 代償請求 
  ●(8) 債権者の予告 
  ●(9) 選択権の行使 
  □(二)期限 
  ●(1) 確定期限 
  ●(2) 不確定期限 
  ■5 特約条項 
    合意の対象となる権利若しくは法律関係が当事者の自由処分に親しむ⇒私的自治の原則により、強行法規、公序良俗に反しない限り、自由に、実体法上の規範を排除したり又は補充する合意をすることができる。
ex.
被告が支払義務を負う場合、支払場所の合意に関し、「金〇〇円を平成〇〇年〇月〇日限り被告方で支払う。」
「金〇〇円を原告代理人事務所(〇〇市〇〇町〇番〇号)で支払う。」
  ■6 清算条項 
  ■7 関連事件の処理条項 
  ■8 訴訟費用の負担条項 
     
  ◇二 任意条項 
  ■1 任意条項 
    法律上の効力に関係がなく、当事者の意思を尊重して特に記載する条項。
任意条項はその記載がなくとも法律上、当然に同様の効果は生じている。
  ■2 道義条項 
    当事者が同義的な責任を認めて、事後の紛争を防止するのに役立てる条項。
  ◆第5 和解条項作成上の留意事項
  ◇一 一般的留意事項 
  □1 内容の明確性、簡潔性 
  □2 和解条項のまとめ方 
  ●(一) 条項の記載の順序 
    原則として論理的順序:
@権利、義務の存在又は不存在を定めた確認事項
A権利、義務の発生、消滅等を定めた形成条項
B法律効果としての給付条項
C給付条項の不履行の場合の付款条項
D清算条項
E費用負担
訴訟物以外の権利又は法律関係についての合意

@まず訴訟物に関しての合意
A訴訟物以外についての合意
当事者が複数

関係当事者ごとにまとめる。
  ●(二) 項目の分け方 
     
  ◇二 給付条項の留意事項
  □1 執行当事者の確定 
  □2 給付の対象物の特定等 
  ●(一) 給付の対象物の特定 
  ●(二) 給付の対象物の特定方法 
  □3 給付意思の表現 
    給付物の特定と相まって執行力を生じる重要部分⇒当事者の給付意思を明確に表現する必要。
    「支払う。」「引き渡す。」「明け渡す。」「登記手続をする。」
作為義務⇒「○○する。」
不作為義務⇒「〇〇しない。」
  □4 給付の時期、方法 
    履行の場所についての定めのない場合:
特定物の引渡しを目的とする債務⇒その物の存在した場所
その他の債務⇒債権者の住所
  □5 作為、不作為義務を内容とする給付条項 
  ●(一) 作為 
  ●(二) 不作為 
  ◇三 確認条項の留意事項 
  □1 確認の主体、対象である権利若しくは法律関係の特定及び確認意思の陳述の表現 
  □2 確認の対象たる権利若しくは法律関係の特定方法 
  □3 包括的な確認条項 
    「当事者双方は、当事者間に本日現在で他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。」
「当事者双方は、本件交通事故に関しては、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。」
「当事者双方は、当事者間には本件和解条項に定める以外には、他に何らの債権債務のないことを相互に確認する。」
  ◇四 形成条項の留意事項 
  □1 形成条項の対象 
  □2 形成される権利若しくは法律関係の特定 
  □3 形成意思の表現 
  ◇五 付款・特約条項の留意事項 
  □1 付款条項の留意事項 
  ●(一) 過怠約款 
  ●(二) 失権約款と解除権留保の特約 
  ●(三) 先給付と引換給付 
  ●(四) 条件の内容の確定 
  □2 特約条項の留意事項 
    実体法上の規範を排斥又は補充するものであり、
給付条項、形成条項と一体となり履行の方法、目的物の保管、利用方法、運賃、修繕費の負担、契約終了時の原状回復方法について合意されることが多い。

法律的効果を有する事項⇒具体的に明確に記載。 
  ◇六 訴訟物以外の権利関係を付加した条項の留意事項 
     
     
  ◆第6 和解条項の更正 
     
★第2章 各種事件の和解条項記載例  
  ◆第1 金銭を目的とする事件 
     
   
  ◇四 保証債務金
  ■(11) 保証債務金について分割払の給付を約した事例(p94) 
   


4 原告は、被告に対する〇〇地方裁判所昭和〇〇年(ヨ)第〇〇号不動産仮差差押申請事件を取り下げる。(注3)
5 被告は、原告に対し、原告が右仮差押事件について供託した保証(〇〇法務局昭和〇〇年度(金)第〇〇号)の取消しに同意し、原告と被告は、その取消決定に対し抗告しない。(注4)

     
□(注4) 
    民訴法 第七九条(担保の取消し)
 担保を立てた者が担保の事由が消滅したことを証明したときは、裁判所は、申立てにより、担保の取消しの決定をしなければならない。

2担保を立てた者が担保の取消しについて担保権利者の同意を得たことを証明したときも、前項と同様とする。

3訴訟の完結後、裁判所が、担保を立てた者の申立てにより、担保権利者に対し、一定の期間内にその権利を行使すべき旨を催告し、担保権利者がその行使をしないときは、担保の取消しについて担保権利者の同意があったものとみなす。

4第一項及び第二項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
    担保権者である被告が担保の取消しに同意⇒担保権を放棄⇒事件が終了したか否かにかかわらず担保の取消しができる。(民訴法79U)
but
同意に基づく取消決定に対しては即時抗告ができる(法79W)⇒不抗告の合意がないと担保取消決定は告知と同時に確定せず、すぐには供託金の取戻しを受けられない。
    〇A:不抗告の合意
B:抗告権の放棄
vs.
@控訴権の放棄は原判決の言渡しによって具体的に上訴権が発生した場合に限る⇒原判決の言渡し前にはできない。
A控訴権の放棄は公訴権の有する当事者の訴訟行為で痰解く行為。

担保取消決定を即時に確定させるためには、不抗告の合意をするのが理論的。
     
     
     
     
  ■(37) 土地の所有権を確認し、売買による所有権移転登記手続を約した事例 
   

4 原告は、被告に対する当庁平成〇〇年(ヨ)第〇〇号不動産処分禁止仮処分命令申立事件を取り下げる。
・・・
 
     
  □(注4) 
    仮処分命令申立事件は、発令の前後及び口頭弁論が開かれたか否かを問わず、債務者の同意を要せずに取り下げることができる。
but
どのような合意がされても、改めて申立ての取下げの手続をすることを要する。
    仮処分の抹消登記は執行裁判所の嘱託によってする。