シンプラル法律事務所

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0101     Integrity in Leadership(リーダーシップにおける誠実さ)
●組織の精神はトップから創られる。
マネジメントの誠実と真剣の証明は性格の誠実さの妥協のない強調である。これは、とりわけ、マネジメントの「人」の判断に象徴される。それを通じて、リーダーシップが行使されるものであり、範を示し、見習われるものである。性格はそれについて人々を馬鹿にするものではない。一緒に働く人々、特に部下は、数週間で、彼(彼女)が誠実かどうかを知る。彼らは多くの場合、無能、無知、自信のなさ、行儀の悪さを許す。しかし、その人の誠実さの欠如は許さず、マネジメントが彼を選んだことを許さない。
これは特に、会社のトップの人々について真実である。組織の精神はトップから創られる。組織が精神において偉大であれば、それはトップの人々の精神が偉大であるからである。腐敗していれば、トップが腐敗しているからである。諺にあるように、「木は頂上から死ぬ」。トップマネジメントが彼(彼女)の性格が部下のモデルとして仕えなければ、上級の地位に指名されない。
AP:仕事のオファーを考える時、CEOとトップマネジメントの性格を評価する。誠実さのある人と提携する。
0102     Identifying the Future(未来を突き止める)
●重要なのは「既に生じている未来」を突き止めることである。
未来信者はつねに、彼らが予想したどれだけが実現したかについて、打率を測る。それらは、彼らが予想しなくて実現した重要な出来事を、数えない。予想者が予想する全てが起きるかもしれない。しかし、彼は最も意味ある新興の現実を見ず、さらに悪いことには、それらに注意を払わなかったかもしれない。重要性と特徴は常に価値、知覚及び目的における変化の結果であり、人が見ぬことができるが予想できない物事にあるから、予想におけるこの見当違いを避けることはできない。
しかし、最も重要なエグゼクティブの仕事は、既に生じた変化を突き止めることである。社会、経済、政治における重要な挑戦は、既に起こった変化を活かし、機会として使うことである。重要なのは、「既に生じている未来」を突き止め、これらの変化を認識し分析する方法を開発することである。多くのこの方法は私の1985年の本「イノベーションと企業家」に書かれており、それはひかに体系的に社会、人口、意味、科学及び技術における変化を未来を創る機会として見るかを示す。
AP:既に現れている、あなたの市場の主要なトレンドを突き止める。それらの寿命とあなたの生活と組織へのインパクトを書く。
0103  Management Is Indispensable(マネジメントは不可欠である)
●それまで1葉しか育たなかった場所で2葉を育てる人は、いかなる思索的な哲学者や形而上的体系家よりも価値がある。
マネジメントは西洋文明が続く限り、基本的で支配的な機関であり続ける。マネジメントは
産業システムがその生産的リソース、人と資源の双方を委ねる、近代の産業システムの特性と近代の事業会社のニーズに根差しているだけではない。マネジメントはまた、近代の西欧社会の基本的信念を表す。それは経済的リソースの体系的組織を通じて人の生計をコントロールできることへの信念を表す。それは、経済変化が人類の向上と社会的正義への最も強力なエンジンとなり得るという信念、そして、ジョナサンス・ウィフトが300年前に誇張して言ったように、それまで1葉しか育たなかった場所で2葉を育てる人は、いかなる思索的な哲学者や形而上的体系家よりも価値があるという信念を表す。
リソースを生産的にすべき社会の機関であり、組織化された経済発展に責任があるマネジメントは、それゆえ、近代の基本的精神を反映する。それは、実際、不可欠であり、これは、一旦作られれば、素早く成長し、抵抗がない理由である。
AP:マネジメント、その能力、その誠実そして、そのパフォーマンスが、自由世界にとって決定的な理由の例をいくつか考える。
0104 Organizational Inertia(組織的惰性)
●全ての組織は現実に向き合う訓練を必要とする。
全ての組織は、事実上いかなるプログラムも活動も修正と再デザインなしでは長期間効率的に機能しないことを知る必要がある。結局全ての活動は陳腐化する。この事実を無視する組織の中で、最悪は政府である。何かをすることを止めることができないことは、政府の中心的病であり、今日政府が病気である主たる理由である。過去を除去することにおいて、病院と大学は、政府より少しだけいい。
ビジネスマンは官僚と同じく、昨日について感傷的である。彼らは、投資する努力を倍にすることで、製品やプログラムの失敗に対応する。しかし、幸運なことに、その偏愛にふけることはできない。彼らは、客観的な規律である市場の規律の下にある。彼らは客観的な外部尺度である収益性をもつ。そこで、彼らは、遅かれ早かれ、不成功で非生産性から抜けざるを得ない。政府、病院、軍隊等の他の組織において、経済は抑制にすぎない。
全ての組織は変化できなくてはならない。我々は、市場テストと収益性尺度が事業に与えるものを、他の種類の組織に与えるコンセプトと尺度を必要とする。それらのテストと尺度は全く違う。
AP:非営利組織が厳しいテストをパフォーマンスを図る尺度をもつようにする
0105 Abandonment(廃棄) 
●残骸に悪臭が生じないよう努力することほど、困難で、高価で、無駄なことはない。
有能なエグゼクティブは多くの物を効率的に行わなくてはならないことを知る。そして、彼らは集中する。エグゼクティブの努力の集中のための第1のルールは、生産的でなくなった過去を捨てることである。一流のリソース、特に希少な人の力は、即座に手を引かせ、明日への機会に従事させる。リーダーが昨日を捨てることができなければ、明日を創ることもできない。
体系的で意図的な廃棄がなければ、組織は出来事に乗っ取られる。その最高のリソースをすべきでないことに浪費する。その結果、起こる機会を開拓するのに必要なリソース、特に有能な人々を欠く。ほとんどの事業は昨日を捨てようとせず、その結果、明日のために使えるりそーをを持たない。
AP:陳腐な事業にリソースを浪費することを止め、有能な人材に新たな機会を利用させる。
0106 Practice of Abandonment(廃棄の実践)
●既におこなっていなければ、今それをするか?
質問が問われるべきであり、真剣に問われるべきである・・「我々がこれをしておらず、我々が今知ることを知っていたとすれば、今それをするか?」答えがノーであれば、反応は「今何をするか?」である。
3つの場合で、正しい行動は常に即座の廃棄である。
製品、サービス、市場又はプロセスがあと数年の寿命があっても、廃棄は正しい選択である。最高のケアと最高の努力を常に必要とするのは、これらの死につつある、製品・サービス・プロセスである。それらは、最も生産的かつ有能な人達を縛る。
同様に、それを維持する唯一の議論が「十分に償却された」であれば、製品・サービス・市場・プロセスは廃棄されるべきである。マネジメントにおいて、「費用がかからない資産」はない。「埋没費用」があるだけである。
廃棄が正しい政策である3番目のケースで、最も重要なものは、古い衰退する製品・サービス・市場・プロセスを維持するために、新たな成長する製品・サービス・プロセスが妨げられ、無視される場合。
AP:上記の質問をし、答えがノーであれば、大切にしていた事業を廃棄するタフな選択をする。
0107  Knowledge Workers: Asset not Cost(知識労働者。資産でありコストではない。)
●マネジメントの義務は機関の資産を維持すること。
知識労働者は生産手段を持つ。それは、耳の間にある、知識である。そして、それは、持ち運びできる大きな資本的資産である。知識労働者は、その生産手段を持つため、移動可能である。肉体労働者は、仕事が彼らを必要とする以上に、仕事を必要とする。全ての知識労働者にとって事実ではないかもしれないが、彼らが組織を必要とする以上に、組織は彼らを必要とする。しかし、彼らのほとんどにとって、それは、2つがお互いに対等の立場で必要とする共生の関係である。
マネジメントの義務は組織の資産を保持することにある。個々の知識労働者の知識が資産となるとき、そしてよりおおくのケースで、組織の主たる資産となるとき、これは何を意味するか?これは人事政策にとって何を意味するか?最高に生産的な知識労働者を魅了し維持するには何が必要か?かれらの生産性を高め、彼らの増加した生産性を組織のパフォーマンス能力に転換するためには何が必要か?
AP:彼らとその知識を組織の最も価値ある資産として遇することで、最高に生産性のある知識労働者を魅了し保持する。
0108  Autonomy in Knowledge Work(知識労働の自律)
●知識労働者は自律と責任を必要とする。
知識労働者は自律的であるから、自分の仕事と結果を定義することを知識労働者に求めることは必要である。知識は同じ分野であっても、人が違えば多様であるから、各知識労働者は独自の知識を持つ。この専門家された独自の知識により、各知識労働者はその独自の分野について、組織の誰よりも知すべきである。実際、知識労働者はその分野について、他の誰よりも知らなくてはならない。彼らはその分野で知識があることから支払がなされる。これが意味するのは、各知識労働者がその仕事を定義し、その仕事が適切に再構築されると、各労働者は自分の方法で行い、その責任を持つことが期待される。知識労働者はその作業計画を考え提出するよう求められる。私は何に焦点を絞ろうとしているのか?私が責任をもつべきことについて、どのような結果が期待され得るのか?期限はいつか?知識労働は自立と責任を必要とする。
AP:あなたの焦点、好ましい結果、期限を含む作業計画を作り、上司に提出する。
0109 The New Corporation's Persona(新たな会社の特性)
●次世代の社会の会社において、トップマネジメントは会社である。その他は全て外注できる。
ますます、次世代の社会の会社において、トップマネジメントは実際上会社となる。このトップマネジメントの責任は組織全体の方向、計画、戦略、価値及び原則、その構造とその多様なメンバーの間の関係、その協力、パートナーシップ及び合弁、並びにそのリサーチ、デザイン及びイノベーションをカバーする。
新たな会社のパーソナリティの確立は、会社の価値の変化を求める。そして、それは、トップマネジメントにとって最も大切な仕事かもしれない。第二次大戦後の半世紀において、事業会社は、輝かしく、自身が経済組織であり、富と仕事の創造者であることを証明した。次世代の社会において、大企業、特に多国籍企業にとっての最大の挑戦は、その社会的正当性・・・その価値、ミッション、ヴィジョンである。それ以外の全てはアウトソースできる。
AP:組織の価値、ミッション及びヴィジョンにフォーカスし、それ以外の全てをアウトソースることを考える。
0110 Management as the Alternative to Tyranny (専制政治への代替としてのマネジメント)
●機能し遂行する自律的組織に代わるものは、自由ではない。それは全体主義の専制政治である。
我々の多元社会の組織が責任ある自律において遂行しなければ、我々は、個人主義も人に自己実現のチャンスがある社会も持たない。我々は、かわりに、自分自身に、誰も自律を許されない、完全な統制を課す。私達は、自分のことをするについて楽しい自主性はもちろん、
参加的民主主義よりもスターリン主義を持つ。専制政治は、強力な、遂行する自律的組織の唯一の代替物である。
専制政治は、競争する組織の多元性を、1人の絶対的なボスに代える。それは、責任を恐怖に代える。それは組織なしに、それらすべてを1つの全てを包含する官僚機関の下に置くことで行う。それは、気まぐれに、無駄に、低いレベルで、そして、莫大なコストをかけて、苦しみと屈辱と欲求不満の下で、製品とサービスを生み出す。我々の組織に責任をもって、自律的に、高いレベルの達成において、任務を履行させることは、よって、、機関の多元社会における自由と尊厳の唯一の唯一の防衛である。責任あるマネジメントの遂行は、専制政治の代替であり、それに対する唯一の防護である。
AP:あなたが責任をもつ組織のパフォーマンスを改善するために、あなたや他の人は何ができるのか。
0111 Management and Theology(マネジメントと神学)
●マネジメントは常に人の本性を扱い、善と悪を扱う。
マネジメントは常に、仕事の繋がりよって結びついた人のコミュニティである機関において(のために)存在し、働き、実践する。まさに、マネジメントの対象が共通の目的のため仕事の繋がりにより結びついた人のコミュニティであることから、マネジメントは常に人の本性を扱い、(実務経験のある我々の全てが学んだように)善と悪を扱う。私は、宗教を教えた時よりも、実践的なマネジメントコンサルタントとして、より神学を学んだ。
AP:真に悪い同僚がいるか?それについて何かできることがあるか?
0112 Practice comes first(実践が先に来る) 
●意思決定者はその現在の意思決定に「既に生じた未来」を組み込む必要がある。
政府であれ、大学であれ、事業であれ、労働組合であれ、教会であれ、意思決定者はその現在の意思決定に既に生じた未来を組み込む必要がある。このため、彼らは、今日の想定に組み込まれておらず、それにより新たな現実が作られる、いかなる出来事が既に起こったかを知る必要がある。
知識人と学者はアイデアが先に来て、それが新たな政治的、社会的、経済的、心理学的現実に導くと信じる傾向がある。これは起きるが、例外である。原則として、理論は実践に先行しない。その役割は、既に試された実践を構築し体系化することである。その役割は孤立し「非定型」のものの、例外から「原則」と「システム」への転換であり、学び、教え、とりわけ、一般的に適用され得るものへの転換である。
AP:判断が基づく前提は時代遅れのものか?今日存在する市場で勝つために、新たな知的枠組みを必要とするか?
0113 Management and the Liberal Arts.(マネジメントとリベラルアーツ)
●マネジメントはリベラルアーツである。
マネジメントは、伝統が呼んでいたところのリベラルアートである。
それは知識の基礎、自己認識、知恵及びリーダーシップを扱うため「リベラル」であり、実践と適用を扱うため「アート」である。マネジャーは知識と人の洞察と社会科学の全てを利用し、心理学と哲学を利用し、経済学と歴史を利用し、自然科学と倫理学を利用する。しかし、彼らは、この知識を、有効性と結果・・病気の患者の治療、生徒への教授、橋の建設、「ユーザーフレンドリーな」ソフトウェアプログラムのデザインと販売・・に集中させなくてはならない。
AP:人間性と社会科学において自分自身を開発するあなたの計画は何か?今日その計画を立てる。
0114     The Managerial Attitude(経営的態度)
●最も低い労働者においても「経営的態度」への要請はイノベーションである。
産業の生産的リソースで人的リソースほど低い効率で稼働するものはない。人の能力と行動の未使用の貯蔵の栓を抜くことができた少数の企業は生産性とアウトプットをめざましい増大を達成した。ほとんどの会社にとって、人的リソースのよりよい使用において、生産性増大の大きな機会がある。そして、関心がもたれてきた物や技術のマネジメントではなく、人のマネジメントが、オペレーティングマネージメントの第1の関心事であるべきである。
我々はまた、生産の人的資源の効率性と生産性に何が役立つかを知る。それはスキルに対して支払うではない。最も重要なのは、我々が「経営的態度」と呼ぶ態度であある。これは、
個人がその仕事、作業、製品を、経営者が見るように、つまり、グループや製品全体との関係で見る態度である。
AP:経営の責任感をあなたの職場に伝えるために何ができるか?
0115      The Sprito Of An Organization(組織の精神) 
●「重要なのは能力であり障害ではない」 
2つの諺は「組織の精神」となる。1つはアンドリューカーネギーの墓石の碑文である。
ここに、自分より優秀な者をいかに惹きつけるかを知る者が眠る。
他は、身体障害者が仕事を見つけるに当たってのスローガンである。「重要なのは能力であり障害ではない」好例はフランクリンルーズベルト大統領の第二次大戦における腹心のアドバイザであったハリーホプキンスである。全ての1歩が苦痛であったほとんど死人であり、1日おきに数時間しか働けなかった。このことは、彼に、真に必要な事柄以外を全て切り捨てることを強いた。かれは、それにより効率性を失わなかった。反対に、チャーチルの言葉を借りれば「物事の中心となる者」となり、戦時のワシントンで誰よりも多くを成し遂げた。ルーズベルトは、死にかけのハリーホプキンスがその独自の貢献ができるよう、全てのルールを破った
AP:あなたの従業員や同僚の強みを理解しそれらの強みを開発する。
0116     The Function of Management Is to Produce Results(マネジメントの機能は結果を出すことである。) 
●何よりマネジメントは結果を出す責任がある。
マネジメントはそれが経営する機関に方向を与えなくてはならない。機関のミッションを考え、その目的を設定し、リソースを機関が貢献しなくてはならない結果のために組織しなくてはならない。マネジメントは、実際、J.B.Sayの「企業家」であり、ヴィジョンを指示し、最大の結果と貢献に向けたリソースに責任を持つ。
これらの基本的機能の遂行において、マネジメントはあらゆるところで同じ問題に直面する。それは、生産性のため仕事を組織しなくてはならない。労働者を生産性と達成に向けて導かなくてはならない。会社の社会的インパクトに責任をもつ。特に、各組織がそのために存在する(経済的パフォーマンスであれ、生徒の学びであれ、患者のケアであれ)結果を出すことに責任がある。
AP:あなたの組織はそれが提供すべき結果をだしているか?そうでなければ、あなたのミッションを明らかにする。
0117     Management: The Central Social Function(マネジメント:中心的な社会的機能) 
●非経済的な組織は収益性が事業にとって機能するのと同様の機能をする判断基準を必要とする。 
非営利組織はいかに自身をマネジメントするかを学ぶため、事業マネジメントに殺到する。病院、軍、教会の教区、公務員・・・すべては事業マネジメントのために学校に通おうとする。
これは、事業マネジメントが、他の非営利組織に移行し得ることを意味しない。反対に、まずこれらの組織が事業マネジメントから学ばなくてはならないことは、マネジメントは目的の設定に始まり、したがって、大学、病院等の被経済的組織は、事業とは全く異なるマネジメントを必要とすることである。しかし、これらの組織が、事業マネジメントを基本型と見ることは正しい。事業は、例外的な存在ではなく、第1の種であり、我々が最も徹底的に研究してきたものである。非経済的な組織は収益性が事業にとって機能するのと同様の機能をする判断基準を必要とする。「収益性」は、言い換えれば、「例外的存在」ではなく、そして「人間的」又は「社会的」ニーズとは異なるものとして、組織の多元的社会において、管理され、管理できるために、全ての組織により必要とされる測定法の基本型として現れる。
AP:あなたが関係する最も重要な非営利組織は何か?それはパフォーマンスを測る特定の尺度を使うか?その組織はどれだけ成功しているか?
0118     Society of Performing Organizations(機能する組織の社会) 
●それらの果実によりあなたは彼らを知る
全ての先進国における社会は、(全てでないとしても)ほとんどの社会的課題を組織で(により)行われる、組織の社会である。組織はそれ自身のために存在しない。それらは手段であり、組織の各機関は社会的課題の遂行のためにある。組織の目的は個人と社会への特定の貢献である。そのパフォーマンスのテストは、生物的組織体と異なり、常にその外にある。これは、我々は各組織にとって「パフォーマンス」が何を意味するのかを知らなくてはならない。
各組織はその目的を明確に定義すればより強くなる。そのパフォーマンス評価のための基準と尺度があれば、より効果的となる。その権威を厳格にパフォーマンスによる正当性に置ければ、より正当なものとなる。「それらの果実によりあなたは彼らを知る」・・・これは組織の新たな多元的社会の基本的・構成的原則である。
AP:あなたのパフォーマンス基準はあなたの目的に合っているか?
0119     The Purpose of Society(社会の目的) 
●社会はその目的と理想 が個人の目的と理想において意味をなすとき有意義となる。
彼が社会的地位と機能を持たなければ、個人にとって社会はない。個人の生活とグループの生活の間に明確な機能的な関係がなくてはならない。機能と地位を持たない個人にとって、社会は不合理で、気まぐれで、無形のものである。「社会から疎外された」個人、見捨てられた人(社会的機能と地位の欠如は人を仲間の社会から放り出す)は社会を見ない。彼は、半ば知覚でき、半ば無意味で、半ば光の中で、半ば闇の中で、しかし予想できない、悪魔の力だけを見る。彼らは、彼の側での干渉可能性なく、それらを理解することなく、その人生や暮らしについて判断する。彼は、奇妙な部屋で目隠しされルールを知らないゲームをしているようなものである。
AP:時間をとって失業あるいは引退した「社会から疎外された」人に連絡する。支援のメモを渡し、ランチに連れ出す。
0120     Nature Of Man and Society(人と社会の性質)
●全ての組織された社会は人とその機能と社会におけるその場所の特性の概念に基づく。
人の本性の描写としてどれだけ真実であろうと、このコンセプトは常に社会の特性の真の描写を与え、それは自身を認識する。それは、社会的に決定的で至上とみなす人の活動範囲を示すことで、の社会の基本的な主義と信条を表す。「経済的動物」としての人の概念は、ブルジョアの資本主義社会とマルクスの社会主義の真のシンボルであり、それは人の経済行動の自由な行使をその目的実現の手段と見る。経済的満足のみが、社会的に重要で意味があるとされる。経済的地位、経済的特権そして経済的権利はそのために人が働くものである。
AP:米国における社会的に至上の範囲は何か?これはいかにあなたに影響するか?
0121     Profit's Function(収益の機能) 
●今日の収益性のある事業は明日の白象となる。
ジョセフシュンペーターはイノベーションは経済の中核であり現代経済の最大のものだと主張した。シュンペーターの「経済発展の理論」は収益に経済機能を果たさせる。変化のイノベーションの経済において、マルクスの理論と対称的的に、収益は労働者から搾取された「余剰価値」ではない。反対に、それは労働者の仕事と収入の源泉である。経済発展の理論はイノベーター以外に本物の「収益」を生み出すものはなく、イノベーターの収益は非常に短命である。
しかし、シュンペーターの有名なフレーズでは、イノベーションはまた「創造的破壊」である。それは昨日の設備と資本投資を陳腐化する。経済が進展するほど、従って、資本構造を必要とする。伝統的な経済学者(あるいは会計士や証券取引所)が「収益」と考えるものは、純粋にコスト、事業にとどまるコストであり、今日の収益性のある事業が明日の白象となること以外に予測できない未来のコストである。
AP:あなたの収益性のある事業が時代遅れとなる時に備えるイノベーションに十分な投資をする。
0122     Economics as a Social Dimension(社会的次元としての経済)
●ケインズはコモディティーの性質に興味を持ったが、私は人々の行動に興味がある。
私は経済は、規律として、依拠する、そしてそれなしに経済が維持できない基本的な前提を受け入れない。私は、経済の領域が、支配的なものというのはもちろんのこと、独立したものであることを受け入れない。それは、確かに、重要な領域である。そして、●が言ったように、「最初に胃袋が来てから、道徳が来る」のであり、胃袋を満たすことが経済が主に関することである。私は、全ての政治的及び社会的判断において、経済的コストが計算され考慮されるべきだと主張する。「利益」のみを得ることは、無責任であり、大失敗につながる。私は、自由市場において、多くの代替品を見た。
しかしなお、私にとって、経済の領域は、1つの領域にすぎない。経済的考慮は優先する判断というより抑制である。経済的欲求と満足は重要であるが絶対的なものではない。なにより、経済的活動、経済的組織、経済的合理性は、それ自体が目的ではなく、非経済的(つまり、人間的あるいは社会的)目的の手段である。これは、私が、経済学を自律的な「科学」であると見ないことを意味する。端的に言えば、それは私が(私が、1934年にロンドンのマーチャントバンクの若い経済専門家として、ケンブリッジでケインズのセミナーに参加した時から知っている)経済学者ではないことを意味する。私は、突然、ケインズがコモディティの性質に興味を持ったが、私は人々の行動に興味があることを知った。
AP:主要な予算あるいは戦略的決断を行う前に、30分、あなたが真に、それがあなたの組織の人々やあなたの顧客に与えるインパクトを考えたかを確認する。
0123    Private Virtue and the Commonweal(私的美徳と公共の福祉)
●道徳的な社会において公的な善は常に個人の美徳に依拠しなくてはならない。
国にとって良いことをし、企業にとって良いことをなすには、ハードワーク、偉大なマネジメントスキル、高いレベルの責任そして広い視野が必要である。それは完璧な助言である。それを完全に実行するには基本元素を金に変える賢者の石を必要とする。しかし、マネジメントが先導グループにあろうとするなら、このルールを行動の道しるべとし、意識的にそれを遵守するよう努力し、実際にそうしなくてはならない。良い、道徳的な、継続的社会では、公的な善は常に個人の美徳に依拠する。全ての先導グループは公的な善はその自身の利害関係を決めると主張できなくてはならない。この宣言はリーダーシップにとって唯一の正当な基礎であり、それを現実にすることがリーダーの第1の職務である。
AP:あなたの組織が公的な善を無視したために、失敗し、失敗する3つの新製品か新サービスを挙げる。
0124     Feedback: Key to Continuous Learning(フィードバック:継続学習の鍵)
●人の強みを知り、それらを向上させる方法を知り、人ができないことを知ることは、継続学習の鍵である。
イエズス会の聖職者かカルヴァン主義の牧師が重要なことをする場合(例えば、重要な判断をする場合)はいつでも、どのような結果を期待するかを書き留めることを求められる。9か月後に、かれは実際の結果からこれらの期待にフィードバックする。これは、何をうまく行い、彼の強みは何かを示す。それはまた、彼が何を学ばなくてはならず、いかなる習慣を変えなくてはならないかを示す。最後に、それは、彼が何を付与されておらず、うまくできないか示す。私自身、50年にわたり、この方法を実行してきた。 それは、人の強みが何かを明らかにs、これは人が自分について知ることができるもので最も重要なことである。それは、どこで、どのような種類の向上が必要かを示す。最後に、それは人が何ができずに、試みるべきですらないことを示す。人の強みを知り、それらを向上させる方法を知り、人ができないことを知ることは、継続学習の鍵である。
AP:自分の強みとそれを向上させるための手順を列挙する。あなたが強みを明らかにすることを助けるのに十分であることを誰が知るか?
0125     Reinvent Yourself(自分を作り直す) 
●知識人はその自らの成長と地位に責任を持たなくてはならない。
今日の社会と組織において、人々はますますスキルではなく知識をもって働く。スキルと知識は、基本的特性において異なる。スキルは非常にゆっくりと変わるが、知識は自らを変える。それは自身を急速に陳腐化する。知識動労者は3年か4年おきに学校に戻らないと、すたれてしまう。
これは人が早い時期に獲得した学び、知識、スキル、経験が我々の現在の人生と仕事において十分でないことを意味するだけではない。人々は長いスパンで変わる。彼らは異なるニーズ、能力、見通しをもち、従って、「自らを作り直す」必要がある別人となる。私は、意図的に「活性化」より強い言葉を使う。50年間仕事をする場合(これはますます普通となる)、あなたは自分を作り直さなくてはならない。あなたは、新たなエネルギーの供給ではなく、自身から別のものを作らなくてはならない。
AP:先輩に「自分自身の植替え」について何をしたかを尋ねる。今日どのような手順をとるべきか?
0126     A Social Ecologist(社会生態学者)
●私にとって、継続の必要性とイノベーション/変化の必要との間の緊張は社会と文明にとって中心的なものである。
私は自分を「社会生態学者」だと考え、自然生態学者が生物学的環境を研究するように人が作った環境に関わる。「社会生態学者」という言葉は私自身が作った言葉である。しかし、その分野自体は、古くからあった。その最も偉大なものは、トクヴィルのアメリカのデモクラシーである。しかし、気質、コンセプト及びアプローチにおいて、ヴィクトリア王朝時代中期の英国のバジョットほど私に近い者はいなかった。私と同じように、大きな社会的変化の時代にあって、バジョットは最初に新たな組織・・機能するデモクラシーの中核としての行政事務と内閣の政府と機能する経済の中心としての銀行・・の出現を見た。
バジョットの100年後、私は初めてマネジメントが新興の組織社会の新たな社会的機関であることを突き止め、その少し後に、新たな中心的リソースとしての知識と、(「ポスト産業主義」であるだけでなく、ポスト社会主義でありポスト資本主義でもある)社会の新たな支配階級としての知識労働者を発見した。バジョットにとってと同じく、私にとってもまた、継続の必要性とイノベーション/変化の必要との間の緊張は社会と文明にとって中心的であった。私は、バジョットは自分を自由主義の保守主義(しばしば、保守的な自由主義)とみていると言い、決して「保守的な保守主義」や「自由主義的な自由主義」とは言わなかったことの意味を知る。
AP:あなたとあなたの組織は変化を起こさせるものか?変化と変化を安定とのバランスの双方のために何をするか?
0127      The Discipline of Management 
●それを理解しないために繰り返せなければ、それは実際に発明されたものではない。それはなされただけである。
私が50年前に「マネジメントの実践」を出版した時、その本は、人々がいかに管理するかを学ぶことを可能にし、それはその時まで、少数の天才のみが行うことができ、誰もすることができなかった。
私がマネジメントと出会ったとき、その多くはエンジニアリングの分野からのものであった。そして多くは会計からのものであった。いくつかは心理学からのものであった。そしてより多くは労働関係からのものであった。それらの各分野は別のものだと考えられ、それぞれは、それ自体、有効なものではなかった。あなたは、のこぎりや金づちしか持たず、ペンチを見たことがなければ、大工仕事ができない。あなたが発明するのは、それらの道具全部を1つの道具箱に入れた時である。それが、「マネジメントの実践」の大きな部分で行ったことである。私はそれに規律を与えた。
AP:あなたのマネジメントの実践はにわか仕立てか体系的か。
0128    Controlled Experiment in Mismanagement(ミスマネジメントにおける管理された実験) 
●ヘンリーフォードのストーリー、彼の上昇と下降、そして彼の会社の復活のストーリーは、ミスマネジメントにおける管理された実験と呼べるものである。、
ヘンリーフォードのストーリー、彼の上昇と下降、そして彼の孫である、ヘンリーフォードUの下での彼の会社の復活は、何度も語られてきた。しかし、この劇的なストーリーは個人の成功と失敗の物語をはるかに超えるものであることは一般に認識されていない。それは、とりわけ、ミスマネジメントにおける管理された実験と呼べるものである。
最初に、フォードは、事業にマネジャーもマネジメントも必要ないという、その確信のために失敗した。彼は、必要なのは、所有者である企業家とその「補助者」であると信じた。フォードと海外と同様米国におけるその同世代の事業者との唯一の違いは、他の全てにおいて彼が行ったのと同様、ヘンリーフォードは妥協なくその信念に固執したことである。彼がそれらを適用する方法は、例えば、どれだけ優秀であろうと、あえて「マネジャー」として行動し、判断をし、フォードの命令なしに行動した「補助者」を解雇したり働けなくするものであり、その仮説のテストとしてのみ表され得、その完全な反証に終わった。実際、フォードの物語をユニークなものに(そして重要なものに)しているのは、フォードが、1つには彼が長生きし、1つには彼がその確信に投資する10億ドルを持っていたために、その仮説をテストできたことである。
フォードの失敗は個性や気質によるものではなく、真っ先にそして最も重要なのは、マネジャーとマネジメントを必要なものとして、また「ボス」からの「委譲」におけるのではなく、課題の機能における基礎を与えるものとしてとして受け入れることを拒絶したことである。
AP: あなたは全ての従業員を補助者として扱うオーナー経営者か?補助者として扱われる従業員か?従業員が責任を負うようにされた場合に、あなたの組織がより収益的になる3つの方法を挙げる。
0129     Performance:The Test of Management (パフォーマンス:マネジメントのテスト)
●知識よりも達成がマネジメントの証明と目的である。
マネジメントの究極のテストはパフォーマンスである。マネジメントは、言い換えれば、科学や専門性ではなく(双方の要素を含むが)実践である。例えば特別の学位を持つ者にマネジメントに入ることを制限するように、マネジャーに資格を与えることにより、マネジメントを専門化する試みほど、我々の経済や社会に損害を与えるものはない。
反対に、良いマネジメントのテストは成功するパフォーマーにその仕事をさせているかどうかである。そして、マネジメントを「科学的」あるいは「職業(profession)」とする真剣な試みは、「困った事情」、つまり、そのリスク、上昇、下降、無駄な競争、消費者の「不合理な選択」といった事業における予測不能性を無くす試みへと向かい、その過程において、経済の自由と成長能力を無くす。
AP:あなたのマネジメント実践のどれが良い結果を生み出したか?どちらの実践を今捨てるべきか?
0130     Terrorism and Basic Trends(テロと基本的なトレンド)
●組織のマネジメントは今日のニュースの見出しにかかわらず持続する基本的な予想できるトレンドに基づかなくてはならない。
2001年9月のテロリストの攻撃とそれへのアメリカの対応は、大いに世界政治を変えた。我々は、あきらかに、特に中東における、無秩序の時代に直面する。事業であれ、大学であれ、病院であれ、組織のマネジメントは今日のニュースの見出しにかかわらず持続する基本的な予想できるトレンドに基づかなくてはならない。これらのトレンドを機会として開発しなくてはならない。それてこれらの基本的なトレンドは「次の社会」の出現であり、その新たな先例のない特性の表れである。
その特性は、特に
・若者の人口の減少と「新たな労働力」の出現
・富と仕事の生産者としての製造の衰退
・会社とトップマネジメントの形式、構造及び機能の変化
大きな予想できない出来事の時代において、その戦略と政策を変化しない基本的なトレンドに基づかせることは、自動的に、成功を保証するものではない。しかし、それをしないことは、失敗を保証する。
AP:あなたの事業が基づく3つの基本的トレンドを書き出す。それらのトレンドはまだ無傷か?
0131      A Functioning Society(機能する社会)
●力が正当なものでなければ、社会秩序は存在し得ない。
機能する社会は、常に、社会秩序の具体的な実態を組織し得る。それは、物質世界を支配し、それを個人にとって有意義で理解できるものとし、正当な社会的/政治的力を確立しなくてはならない。
社会は、それが個々のメンバーに社会的地位と機能を与えない限り、そして決定的な社会的力が正当な力でない限り、機能しない。前者は社会生活の基本構造、社会の目的と意味を作る。後者は構造の中の空間を形成し、社会を具体的なものとし、その機関を創る。個人が社会的地位と機能を与えられなければ、社会は存在し得ず、目的もなく空間を飛ぶ社会の原子の集団があるに過ぎない。力が正当なものでなければ、社会組織は存在し得ず、奴隷制度か惰性によりまとめられた社会的真空があるにすぎない。
AP: イラクの新興の政府は正当なものとなるには何をすべきか?正当な政府は、イラク人に地位と機能を創造するため何をしなくてはならないか?
2月 
0201     Crossing the Divide「境界を越える」
●境界を越えて新たな世界に入る
100年ごとに鋭い変化が起きる。我々は「境界」を乗り越える。数世紀内に、社会は自身(その世界観、基本的価値、社会的/政治的構造、技術、鍵となる組織)を再整理する。50年後、新たな世界がある。変化の後に生まれた人々は、その祖父母が生き、両親が生まれた世界を想像することもできない。
しかし、今日の基本的変化、30年前に見ることができたこれらの新たな現実は、始まりにすぎず、その完全なインパクトはこれからである。 それらは世界的な事業(大小を問わず)再編、合併、企業の一部売却、提携の基礎となる。それらは、世界的な労働力再編・・米国ではほとんど完了したが、日本とヨーロッパでは初期のステージである・・の基礎となる。それらは、教育(特に高度教育)における基本的イノベーションの必要の基礎となる。これらの現実は政治家、経済専門家、学者、事業家そして組合のリーダーがその関心を向け、本を書き、スピーチをする問題と異なる。
AP:同僚が過去のニュースである何かについてテーブルを叩く時、彼らに目を覚ますよう伝える。
0202 Face Reality(現実に向かう)
●新たな現実を開発する。
今日の新たな現実は左の想定にも右の想定にも適合しない。それらは「全ての人が知るもの」と整合しない。それらは、全ての人が、政治的信念に関係なく、現実であると信じるものからも異なる。右と左が「そうあるべき」であると信じるものから、「実際にあるもの」は全く異なる。今日の最大の最も危険な激動は(政府、事業のマネジメント、あるいは組合の指導者における)意思決定者の錯覚と現実との衝突から起きる。
しかし激動の時期は新たな現実を理解し、受け入れ、開発する人々にとって、最大の機会でもある。そのため、1つの不断の主題は、個々の企業の意思決定者が現実を直視し、「全ての人が知る」ことの誘惑、(明日の有害な妄信となる)昨日の確信の誘惑に屈しないことである。よって、激動の時期のマネジメントは、新たな現実に立ち向かうことを意味する。それは、数年前に意味があった主張や想定ではなく、「世界は真にどのようなものか」という質問から始めることを意味する。
AP:人口統計シフト(人口/労働力構成の変化)及び国から地域、国境を超えた経済へのシフトによって創られる新たな機会を3つ挙げる。それらを追及する。
0203     The Management Revolution(マネジメント革命) 
●重要なのは非肉体労働者の生産性である。
1881年、米国人のFrederick Winslow Taylor(1856〜1915)は、初めて知識を、仕事の研究、仕事の分析そして仕事の計画に適用した。これは、「生産性革命」につながった。生産性革命は自らの成功の犠牲となった。今後、重要なのは、非肉体労働者の生産性である。そして、それは知識を知識に適用することを要請する。
しかし、知識は今日また、可能かどうかにかかわらず、どのような新たな知識が必要とされるか、そして知識を有効にするには何がなされるべきかを定義するために、体系的かつ意図的に適用される。それは、言い換えれば、「体系的イノベーション」に適用される。この知識動学における第3の変化は「マネジメント革命」と呼ばれ得る。いかに既存の知識が結果の産出のために最高に適用され得るかを見つけるための知識の供給は、実際我々が、「マネジメント」によって意味するものである。
AP:いかなる結果を達せいするためにあなたは雇用されているか?生産的になるために除去すべき3つの仕事を挙げる。 
0204      Knowledge and Technology(知識と技術)
●新たな技術は整理された人類の知識全体を包囲しそこから情報を得て育つ。
知識の探求は、その教授と同じく、伝統的に応用とは引き離されてきた。両方とも学科により組織され、知識自身の論理に従う。大学の学部と学科、学位、専門は、高度教育の全体的組織であり、学科にフォーカスされてきた。それらは「市場」や「最終用途」ではなく「製品」に基づく組織について、専門用語を使ってきた。今日、我々はますます、知識とその探求を、学問分野の学科の領域ではなく、応用の領域に組織する。あらゆる場所で、学際的作業が成長した。
これは知識の意味における、それ自体が目的からリソース、つまり結果への手段へのシフトの現れである。現代社会の中心的エネルギーとしての知識は、応用とともに、それが仕事に向かう時に存在する。仕事は、しかしながら、学問分野によっては定義され得ない。最終結果は必然的に業際的となる。
AP:あなたが責任をもつ結果を挙げる。それらの結果を得るのに、どのような専門家に依拠するか?これらの専門家の中でいかにあなたはいかにうまく調整できるか。
0205     Shrinjking of the Younger Population(若者人口の縮小)
●次の社会は間もなくやってくる。
先進国で、次の社会での支配的な要因はほとんどの人が注意を持ち始めたにすぎないもの・・・高齢者の急速な増大と若者の急速な減少・・・である。若者の減少は、るローマ帝国末期以来の出来事であるため、高齢者の増大より大きな激変をもたらす。各先進国だけでなく、中国やブラジルでも、今日の出生率は、交替率である、出産可能年齢の女性1人当たり2.2人をかなり下回る。政治的には、これは、全ての豊かな国において、移民が重要な(そして不和を生じる)問題となることを意味する。それは、全ての伝統的な政治的配列に影響する。
経済的に、若者人口の衰退は根本的な方法で市場を変える。家族形成の成長は先進世界における全ての国内市場の推進力であったが、若者の大規模な移民によってテコ入れされなければ、家族形成の率は着実に落ちる。
AP: あなたの組織が、若者、高齢者あるいは移民に賭けるのかを決める。若者市場の緩やかな減少と新来者と高齢者の増加のための計画を持つ。
0206      The Transnational Company「国境を超える会社」
●成功する国境を超える会社は自らを、切り離された、無国籍のものと見る。
今日国際事業をするほとんどの会社はなお、伝統的な多国籍のものとして組織される。しかし、国境を超える会社への転換は始まり、それは素早く動いている。製品とサービスは同じであるかもしれないが、構造は基本的に異なる。国境を超える会社においては、世界という1つの経済的ユニットがあるだけである。販売、サービス、広報、法律問題はローカルである。しかし、部品、機械、プランニング、リサーチ、ファイナンス、マーケティング、価格設定及びマネジメントは世界市場を考慮して行われる。例えば、米国の主導的なエンジニアリング会社の1つは、その世界中の43工場全ての重要な1つの部品を、ベルギーのアントワープの外側の1工場だけで製造している。世界全体のための製品開発を3箇所で、品質管理を4箇所で行っている。
国境を超える会社は国の政府の支配が及ばないわけではない。それは適応しなければならない。しかし、これらの適応は、世界市場と技術のために決められる方針と実行にとって例外である。成功する国境を超える会社は自らを、切り離された、無国籍のものと見る。この自己認識は数十年前には考えられなかったもの・・国境を超えるトップマネジメント・・によって明らかにされる。
AP: 米国で購入されたコンピューターやプリンターの海外の技術サポートセンターに、その機械の操作について質問する。ローカルのケーブル会社と比べサポートの質はどうか?
0207     The Educated Person(教育された人) 
●教育された人は知識を、将来の形成はもちろん、現在に影響させる必要がある。
●・・・として英語で出版された1943年の小説で、ヘルマンヘッセはヒューマニストが欲する世界とその失敗を予想した。その本は、すばらしい孤立の生活を送り、偉大な伝統、その知性と美に捧げる、知識人、芸術家とヒューマニストの兄弟を描写した。しかし、主人公、最も成し遂げた兄弟のマスターは、堕落した、低俗な、荒れた、争いで引き裂かれた、がめつい現実に戻ると決めた。世界と関係をもたなければ、彼の価値は愚人の金であった。
ポスト資本主義社会は、それ以前の社会よりも、教育された人々を必要とし、過去の偉大な遺産へのアクセスは本質的な要素でなくてはならない。しかし、自由な教育は人をして現実を理解し、支配できるようにしなくてはならない。
AP:政治、歴史、あるいは興味を起こさせる分野の本を読む。何を学んだか?あなたはいかにその知識を仕事に投入できるか?
0208     Balance Continuity and Change(継続と変化のバランス)
●変化が不断であるために、土台は特別強固でなくてはならない。
組織がチェンジリーダーとして組織されるほど、それは内部においても外部においても、継続を確立する必要があり、急激な変化と継続をバランスさせる必要がある。1つの方法は変化における継続的な関係の基礎としてパートナーシップを組むことである。変化と継続のバランスは情報についての継続的作業を要請する。不十分なあるいは信用できない情報ほど、継続性を崩壊させ関係を堕落させるものはない。いかなる企業にとっても、変化において(最もマイナーなものでも)、「これは誰に知らされる必要があるか」を尋ねることが、ルーティンとならなくてはならない。そして、これは、より多くの企業が(実際には一緒に働かない)一緒に働く人々・・新たな情報技術を使う人々・・に依拠するようになるほど、より重要になる。特に、そのミッション、価値、パフォーマンスと結果の定義といった、企業の基礎について継続への必要性がある。
最後に、変化と継続のバランスは給与、功労の認定、報酬に組み込まれなくてはならない。我々は、同様に、例えば継続的改善を提供する人々を組織にとって価値あるものと考え、本物のイノベーターとして功労を認められれ報われる価値があるものと考えることにより、組織は継続に報いなくてはならないことを学ばなくてはならない。
AP:意思決定や変更を行う場合、「誰がこれを知らされる必要があるか」を問う。
0209      Organizations Destabilize Communities(組織はコミュニティを動揺させる) 
●その文化において、組織は常にコミュニティを越える。 
現在の組織はコミュニティにおいて稼働しなくてはならない。その結果はコミュニティにある。しかし、組織は組織に沈みあるいは組織に服することはできない。その「文化」はコミュニティを越えなくてはならない。地域のコミュニティが雇用を依拠する会社が、工場を閉鎖し、あるいは何年もかけて技能を学んだ白髪まじりの模型の制作者をコンピューターシミュレーションを知る25歳の「神童」に変える。その変化の全てはコミュニティをひっくり返す。その全ては「アンフェア」ととられ、全ては動揺させる。
組織の文化を決めるのは、仕事が行われるコミュニティではなく、仕事の性質である。組織の価値システムはその仕事により決定される。全ての病院、全ての学校、全ての事業はそれが行っていることは、つまるところ、コミュニティの他の全てが依拠する重要な貢献であると信じなくてはならない。その仕事を上手く行うために、同じく組織されマネジメントされる。組織の文化がコミュニティの価値と衝突すれば、組織の文化が勝つ。そうでなければ、組織は社会的貢献をすることができない。
AP:ウォルマートが近隣の希望に反し、あなたの近隣に進出することを望めば、ウォルマートはどのような行動をとるべきか?いかなる場合に、その進出を取りやめることが賢明か?
0210      Modern Organization Must Be a Destabilizer(現代の組織は動揺させるものでなくてはならない) 
●動的で不安定な社会のみが、安定と結合をもつ。
社会、コミュニティ及び家族はすべて保守的な制度である。それらは安定を維持し、変化を阻止しよう(すくなくとも遅らせよう)とする。しかし、我々はまた、理論、価値及び全ての人類の知性の産物は古くなり、堅くなり、陳腐化し、苦悩となる。
しかし、トマスジェファーソンが薦めた「変革」は解決ではない。われわれは、「変革」は達成と新たな始まりではないことを知る。それは、老年の退廃、アイデアと機関の破たん、自己再生の失敗の結果である。政府であれ、大学であれ、事業であれ、労働組合であれ、機関が継続性を維持する唯一の方法は、まさにその組織に体系的、組織的イノベーションを組み込むことである。機関、システム、方針は、製品、プロセス及びサービスがそうであるように、長生きして自身を失う。それらは、その目的と達成する時、そして、目的達成に失敗するときに、そうなる。イノベーションと企業家性は、経済においてと同様に社会において必要であり、事業においてと同様に、公務にも必要である。現代の組織は動揺させるものでなくてはならない。それは、イノベーションのために組織化されなくてはならない。
AP:あなたが最後に新しい製品やサービスを創り、あるいはそれを助けたのはいつか?あなたは競争相手をコピーしているだけか、実際に新たなアイデアを生み出すか?もう一度試みる。
0211     Human Factor in Management(マネジメントにおける人的要素) 
●マネジメントは人についてのものである。
マネジメントの仕事は、人々をして共同のパフォーマンスをできるようにし、その強みを有効にし、その弱みを無関係にすることである。これは組織が関するものであり、それがマネジメントが重要で決定的な要因である理由である。
マネジメントはコミュニケーションと個人の責任に依拠して作られなくてはならない。全てのメンバーは彼らが達成しようとするものを考え、仲間がその目標を知り理解するようする必要がある。全員は、彼らが他者に責任を負うものを考え、その他者がそれを理解するようにしなくてはならない。全員は、他者から必要とするものを考え、彼らが自分達が期待されていることを知るようにしなくてはならない。
マネジメントは、企業とそのメンバーのそれぞれが、ニーズと機会が変わるのに応じて、成長し開発できるようにしなくてはならない。
AP:あなたはひどい劇の偉大な役者か?あなたはそれについて何をしようとするか?
0212     Role of the Bystander(傍観者の役割) 
●傍観者は物事を俳優として見ないし、聴衆としても見ない
傍観者その自らの歴史を持たない。彼らは舞台の上にいるが、アクションの一部ではない。彼らは聴衆でもない。劇と俳優の運命は聴衆に依拠するが、傍観者の反応は、自分自身以外に影響しない。しかし、傍観者は、劇場での消防員のように、脇に待機し、物事を俳優としてでもなく、聴衆としてでもなく、見る。とりわけ、彼は俳優や聴衆とは異なってみる。傍観者は、反映するが、その反映は鏡というよりプリズムであり、屈折させる。
自分で見て考えることは大変立派なことである。しかし、「屋根からおかしな眺めを叫び、人々に衝撃を与えることは、そうではない。」警告はよくされる。しかし、私はそれを気に留めなかった。
AP:あなたの組織で行われるべきことを考えつく傍観者であれ。そして行動する。しかし、人々に衝撃を与える危険を冒していることを知る。
0213    The Nature of Freedom(自由の本質) 
●自由は解放ではなく、常に責任である。
自由は楽しみではない。それは個人の幸せと同じではなく、安全でも平和でも前進でもない。それは責任ある選択である。自由は権利というより義務である。真の自由は何かからの自由ではなく、免許である。何かをするかしないか、ある方法でするか別の方法でするか、ある信念を持つか反対の信念を持つかを選択する自由である。それは「楽しみ」ではなく、社会の行動と同じく彼の個人的行動を決断し、双方の決断に責任を持つ、人の最も重い重荷である。
AP:あなの仕事の特定の目標を挙げる。個人的達成のための必要性を満たすとともに、上司のパフォーマンス目標達成の助けとなる、目標を考える。その目標を上司に売込み、あなたの進展を知らせる。
0214     Demands on Political Leadership (政治的リーダーシップの要求)
●カリスマに用心する
今日カリスマは「熱い」。それについての膨大な話があり、カリスマ的指導者について書かれた膨大な本がある。しかし、カリスマへの熱望は政治的な死の願望である。20世紀ほどカリスマのある指導者が見られた世紀はなく、スターリン、ムッソリーニ、ヒットラー及び毛沢東という、20世紀の4人の巨大なリーダーほど大きな損害を与えたリーダーはいない。重要なのはカリスマではなく、指導者が正しい方向に導くか誤るかである。20世紀の建設的な達成は全くカリスマでない人々の作業である。第二次大戦で連合国を勝利に導いた2人の軍人はアイゼンハワーとマーシャルであるが。2人は、高度に訓練され、すばらしく有能で、致命的に愚鈍であった。
おそらく希望、楽観論の最大の理由は、新たなマジョリティである知識労働者にとって、古い政治は意味を持たない。意味をなすのは証明された能力である。
AP:あなたの組織に最も適任な人を探す。それは必ずしも最もカリスマのある人ではない。
0215    Salvation by Society(社会による救済) 
●社会による救済についての信念の終わりは個人の責任への回帰に導き得る。
信条としてのマルクス主義の崩壊は社会による救済についての信念の終わりを意味する。何が次に現れるかは、我々は知り得ず、望み祈ることができるだけである。おそらく、ストア哲学の放棄?おそらく、知識社会における人のニーズと挑戦に注意を向ける伝統的宗教の復活?米国での私が「牧歌的」と呼ぶ教会・・プロテスタント、カソリック、特定宗教に関係のない・・の爆発的成長は前兆かもしれない。しかし、イスラム原理主義者の復活がそうかもしれない。今熱烈にイスラム原理主義の世界を抱擁する世界のイスラム教徒の若者は、40年前の熱烈なマルクス主義者と同じである。あるいいは新たな宗教?救い、自己再生、精神的な(宗教的な)成長、善及び徳・・「新人類」は伝統的な言葉を使うことで・・社会的目標や政治的処方よりも、再び、実存的なものと見られそうである。社会による救済における信念の結果は確実に内面への転換となる。それは、個人、人の新たな強調を可能にする。それは、個人の責任への回帰を導くかもしれず、少なくとも我々はそれを望みえる。
AP:人事部はあなたの世話をする責任を負わず、それはあなたである。あなたが得意なものを知り、あなたの結果があなたの期待通りであるようにし、自分自身をマネジメントする。継続的に、「私の貢献は何であるべきか」を問う。
0216     Need for Harmoney of Internets(利益調和の必要) 
●調和の要求は社会が企業の経済力の行使を制限する権利を捨てるべきであることを意味しない。
経済目的は企業が社会的義務から解放されるべきことを意味しない。逆に、その自らの利益を追求する行動において、自動的に、その社会的義務を履行するように組織されるべきである。企業に基礎を置く個人の社会は、個々の企業のマネジメントの善意や社会的良心とは関係なく、企業が、社会的安定と社会的目標の達成に貢献する場合にのみ、機能し得る。
同時に、調和への要求は社会がその必要と目的と企業の経済力の行使を制限する権利を捨てるべきであることを意味しない。逆に、組織と個人が行動する枠組みを設定するのは統治者の重要な機能である。しかし、社会は、社会的安定や社会的信念の名において、その典型的な組織の存続と安定に反する施策を制定する誘惑がないよう、組織されなくてはならない。
AP:2004年初期まで多くの著名なミューチュアルファンドは大きな顧客に営業時間終了後にファンドの取引をすることを許しており、それはこれらの大きな顧客に販売時点で販売価格を知る優位を与え、それは一般の株式保有者には利用できない便益であった。ミューチュアルファンドの主任にあなたが株式を持っており、この実務によって害されないことを証明するようメール送る。
0217    Social Purpose for Society(社会のための社会目的) 
●産業社会のための基本的な社会目的の欠如は我々の問題の中核を構成する。
我々は、既に、経済発展は常にそして必然的に最高の目標であるという信念を捨てた。そして、我々が経済的達成が最高の価値があるものとすることをやめ、それは多くの目標の1つであり、経済活動を社会生活の基礎とみるようになった。社会的に建設的な分野における経済の放棄はさらに先に行く。西洋社会は人は基本的に経済的動物であり、その動機付けは経済的動機づけであり、その達成は経済的成功と経済的報酬にあるという信念を捨てた。
我々は人の性質と社会の目的と達成についての新たな概念に基づく自由で機能する社会を創り出さなくてはならない。社会生活の基本的な倫理的概念が開発されなくてはならない。それは、哲学的あるいは形而上学的な分野にある。
AP:次の四半期の財務結果と株主価値の最大化を超える組織的目的を定義する。従業員が信じ、挑戦して最高の仕事で貢献することができる目的を定義する。
0218     Reinventing Government(政府の再発明) 
●政府はパフォーマンス能力を少し回復しなくてはならない。
政府は特定の利益集団の猛攻撃に対し力を失い、統治する・・意思決定を行いそれを執行する・・力を失った。新たな課題・・環境保護、私的軍隊と国際テロの鎮圧、有効なコントロール・・は、より小さな政府より大きな政府を必要とする。しかし、それらは異なる形の政府を必要とする。
政府は、パフォーマンス能力を少し回復しなくてはならない。方向転換されなくてはならない。事業であれ、労働組合であれ、大学であれ、病院であれ、政府であれ、組織を転換するには、常に3つのステップを必要とする。
1.機能しないもの、機能しなかったもの、その有用性と貢献能力のり長く生き延びたものの廃棄
2.機能するもの、結果を生み出すもの、組織のパフォーマンス能力を改善するものへの集中
3.半ば成功し、半ば失敗したものの分析
方向転換は機能しないものを廃棄し、機能するものをより多くすることを求める。
AP:あなたの事業は、FedExやUPSがU.S.Postal Serviceの欠点から利益を得たように、政府の不適任から利益を得ることができるか?政府のために働いているなら、機能するものに集中することによりその有効性を改善する。
0219     Reprivatization(民営化)
●私企業への最も強い主張は損失の機能である。
民営化は、社会の本来の民間組織である家族が負担できないことから、政府に流れる課題のパフォーマンス、オペレーション、執行といった実際的な「行動」を組織社会の他の非政府組織を利用する体系的な政策である。事業を民営化のために特別に適切なものとするものは、全ての社会的組織の中で、それが主にイノベーションの機関であることである。全ての他の組織は、本来、変化を阻止し、少なくともそれを遅らせるよう創られた。それらは必要がある場合に、最もしぶしぶ、イノベーターになる。
事業は政府が主たる弱点をもつところで2つの優位性をもつ。事業は活動を捨てることができる。実際、市場で活動する場合、そうすることを強いられる。さらに、全ての組織の中で、事業は社会が消滅させることができる唯一のものである。事業の第2の強みは、全ての組織の中で、パフォーマンスのテストをもつことである。消費者は常に「その製品は明日の私のために何をするか?」と尋ねる。答えが「何もない」であれば、その製造者は悔やまれることなく消える。「民間企業」への最も強い主張は利益の機能ではない。最も強い主張は損失の機能である。それ故に、事業は最も適合でき最も柔軟である。
AP:最初に刑務所、今日は軍事も民間企業により配置される。どの部門が次に民営化されるかのリストを作り、いかにあなたが利益を得るかを決定する。
0220     Management and Economic Development(マネジメントと経済発展) 
●「低開発国」はないと言える。「低マネジメント」国があるだけである。
経済的・社会的発展はマネジメントの結果である。単純化しすぎることなしに、「低開発国」はないと言うことができる。「低マネジメント」国があるだけである。日本は、140年前、全ての基準において低開発国であった。しかし、非常に素早く、誘導で卓越したマネジメントを創り出した。
これは、マネジメントが主たる動力であり、発展は結果であることを意味する。経済発展における全ての我々の経験は、これを証明する。資本しかなければ、発展を達成できなかった。我々がマネジメントエネルギーを創り出すことができた少ないケースにおいて、我々は、急速な発展を生み出した。発展は、言い換えれば、経済的富ではなく人のエネルギーの問題である。そして、人のエネルギーの発生と方向はマネジメントの仕事である。
AP:世界の発展においてあなたの会社はどのようなインパクトを持つか?そこでのあなたの活動は地域の会社の管理基準を生み出すか?
0221     Failure of Central Planning(中央計画の失敗) 
●新たな技術の時代における社会は、中央計画により経済を管理すれば、惨めに消え去る。
新たな技術は、大きくマネジメントの分野を広げる。多くの人々は、今日、一般の人々がマネジメントの仕事ができるようにならなくてはならないと、考えた。そして、全てのレベルにおいて、マネジャーの責任と適性、そのビジョン、代りのリスクを選ぶ能力、経済的知識とスキル、マネジャーを管理し、労働者を管理し、労働する能力、意思決定の能力の要求は大きく増大する。
新たな技術は最大を分権化を要求する。新たな技術の時代における社会は、中央計画により経済を管理するために、自治的な企業の自由なマネジメントを無くそうとすれば、惨めに消え去る。責任と意思決定をトップに集めようとする企業も同様である。

小さな、中心に集まった神経系により巨大な体をコントロールしようと試み、環境の急激な変化に対応することができなかった、爬虫類やトカゲの時代ように破滅する。
AP:従業員を細かく管理する?適切に行えるよう訓練されるようにすることで彼らに能力を与えることから始め、それをする責任を与える。失敗の余地を与える。
0222     The Pork-Barrel State(政府助成金国)
●政府は市民社会の主となり、それを成型し形作る。
第一次大戦まで、歴史的に政府はその人々から国の歳入の非常に少ない部分、おそらく5〜6パーセントしか得ることができなかった。歳入が限られ、政府は、民主主義であれロシア皇帝のような絶対君主制であれ、極度の制約の下活動した。これらの制約は、政府が、社会的あるいは経済的機関として行動することを不可能にした。しかし、第一次大戦以来、そしてより顕著には第二次大戦以来、予算編成プロセスは、実際、全てに対してイエスと言うことを意味した。獲得できる歳入に経済的限界がないことを想定する、新たな分配において、政府は市民社会の主となり、それを成型し形作ることができるようになる。財布の力を通じて、それは政治家のイメージで社会を形作ることができる。最悪は、財政状態は政府助成金のための状態(pork-barrel state)となった。
政府助成金のための状態はますます自由社会の基礎を侵食する。選ばれた代表は、特別の利益団体を富ませてその票を買うために有権者から巻き上げる。これは、市民権の概念の否定であり、そのようなものとして見られる始まりである。
AP:カリフォルニアの提案13号のように資産税の年間増加への制限を含むあなた市の均衡した予算修正のための無記名嘆願書を起案する。そして、市の評議会に行き、予算制限に対して支出を評価する。
0223     The New Tasks of Government(政府の新たな仕事) 
●新たな仕事は異なる形の政府を要求する。
新たな仕事は小さい政府よりも多くを要求する。しかし、それらは異なる形の政府を要求する。最大の脅威は人の居住環境への損害である。環境への対応の次が、民間軍の回帰の阻止とテロの撲滅のための国境を越えた行動と組織への成長するニーズである。
小さいグループが効果的に巨大な国に身代金を払わせることができるため、テロは大きな脅威である。核爆弾は容易に主要な都市のロッカーや郵便受けに入れ、遠隔操作で爆発され得、同様に何千人もの人を殺し、大都市の上水道を汚染させ、住むことができないようにするのに十分な炭疽菌の胞子を含む細菌兵器も可能である。テロの脅威をコントロールするために必要なものは国を越えた行動である。必要な機関のデザインはなお我々の先にあり、それが開発されるまで時間を要する。政府がかかる機関やその意思決定への従属を受け入れるには、大参事が必要かもしれない。
AP:核兵器テロと戦う国際原子力機関のような多国籍グループとのパートナーシップにより、あなたやあたなの会社にとって重要な産業全体の先駆けと関わりを持つ。
0224    Legitimacy of the Corporation(会社の正当性)
●会社における力が受け入れられる正当性の原則に基づき組織され得なければ、それは消える。
正当な力でなければ、社会的力は持続できない。社会は個人のメンバーをまとめなければ機能しない。産業システムのメンバーが今日欠く社会的地位と機能を与えられなければ、我々の社会は崩壊する。大衆は反乱を起こさない。彼らは、無関心に沈む。彼らは、社会的意味がなければ脅威と負担以外の何物でもない自由の責任から逃げる。我々には2つの選択肢だけがある。機能する産業社会を作るか無政府状態か圧制に自由が消えるかのいずれかである。
AP:あなたとあなたの会社にとって圧制か無政府状態の世界の一部として活動することは、やりがいがあるかどうか、危険であるだけかどうかを決める。
0225     Governance of the Corporation(企業のガバナンス) 
●金より知識が統治する時、資本主義は何を意味するか?
短期間の間に我々は企業のガバナンスの問題に再び直面する。我々は、株主のような法的所有者と組織にその富を生み出す力を与える人的資源の所有者、つまり知識労働者の双方を満足する雇用する組織とそのマネジメントの目的を再定義しなくてはならない。ますます、組織が生き残るための能力は知識労働者を生産的にすることにおけるその「比較優位」に依拠するようになる。そして、最高の知識労働者を惹きつけ確保する能力は最も重要で基本的な前提条件である。
金より知識が統治する時、資本主義は何を意味するか?知識労働者が真の資産である時「自由市場」は何を意味するか?知識労働者は買ったり売ったりされ得ない。彼らは、買収と共にはやってこない。知識労働者の出現は経済システムの構造と性質に基本的な変化を起こす。
AP:あなたの労働力の何パーセントがその仕事が高等教育を必要とする人々で構成されるか?これらの人々に、あなたが彼らの貢献を評価していることを伝え、その専門知識が重要である場合に、意思決定に参加するよう頼む。彼らをオーナーのように感じさせる。
0226     Balancing Three Corporate Dimensions (3つの企業の次元をバランスさせる)
●株主主権はもがきに向かう。それは好天の時だけのモデルである。
次の社会の企業のトップマネジメントの重要な仕事は企業の3つの次元をバランスさせることとなる。経済的組織として、他人の組織として、そしてますます重要な社会的組織として。企業の3つのモデルのそれぞれは過去半世紀において発展し、その1つを強調し他の2つに従属させた。「社会的市場経済」のドイツのモデルは社会的次元を強調する。日本のモデルは他人の次元を強調する。アメリカのモデルは経済的次元を強調する。
3つのいずれのそれ自身としては適当ではない。ドイツのモデルは経済的成功と社会的安定を達成したが、高い失業と危険な労働市場の硬直性という犠牲を払った。日本のモデルは長年すばらしく成功したが、最初の深刻な挑戦でつまずいた。実際、それは1990年代の日本のリセッションからの回復への大きな障害であった。株主主権もまた、もがきに向かう。それは繁栄の時にのみ良く機能する好天の時だけのモデルである。明らかに、企業は、事業として繁栄する時にのみ、その人と社会の機能を達成できる。しかし、今日、知識労働者は鍵となる従業員であり、会社もまた、成功するには好ましい雇用者となる必要がある。
AP:経済的、人的、そして社会的存在としてのあなたの組織のパフォーマンスを監査する。それが欠けている5つの分野を挙げる。それらを正す計画を用意する。
0227     Defining Business Purpose and Mission(事業目的とミッションの定義) 
●我々の事業は何か?
会社の事業が何かを知るほど単純で明らかなものはないように見える。鉄鋼所は鉄を作り、鉄道は貨物と人を運ぶために列車を走らせる。保険会社は火災のリスクを引き受ける。銀行は金を貸す。実際「我々の事業は何か?」はほとんど常に難しい質問であり、正解は通常明らかではない。
事業は会社の名前、地位あるいは定款によって定義されない。それは製品やサービスを購入する時に顧客が満足させる欲求により定義される。顧客を満足させることは、全ての事業のミッションであり目的である。「我々の事業は何か?」という質問は、従って、事業を外から、顧客と市場の視点から見ることによってのみ、答えられ得る。何時であろうと、顧客が見て、考え、信じ、欲するものはマネジメントによって客観的事実として受け入れられ、販売員の報告、エンジニアのテスト、会計士の数字と同じく深刻に受け取られなくてはならない。そして、マネジメントは、その心を読もうとするのではなく顧客自身から答えを得るよう、意識的な努力をしなくてはならない。
AP:今週毎日1人の顧客と会う。彼らに、あなたの会社をどう見て、それをどう思い、どのような会社だと信じ、それから何を求めるかを尋ねる。これをあなたの会社のミッションのより良い定義にフィードバックする。
0228     Defining Business Purpose and Mission: The Customer (事業の目的とミッションを定義する:顧客)
●誰が顧客か?
誰が顧客か?は最初の事業目的と事業のミッションの定義において重要な質問である。それは簡単ではなく、まして明らかな質問ではない。いかに答えられるかは、大きな基準において、いかに事業が自信を定義するかを決定する。製品とサービスの最終的な使用者である顧客は常に(1つの)顧客である。
ほとんどの事業は、少なくとも2つの顧客を持つ。販売があれば双方は買わなくてはならない。ブランドのある消費者製品の製造者は常に、2つの顧客を持つ。主婦と雑貨商である。雑貨商がそのブランドの在庫を持たなければ、主婦に買いに走らせるのは良いことではない。逆に、主婦が買わなければ、雑貨商に商品を展示させ棚のスペースをそれに与えさせるのも良くない。他を満足させなければ、これらの顧客の一方だけを満足させてもパフォーマンスはない。、
AP:あなたが責任を負う1つの製品かサービスを取り上げ、そのためにどれだけの顧客がいるかを決定する。あなたが異なる種類の全ての顧客を満足させているか、あるカテゴリーの顧客を無視しているかを見つけ出す。
0229     Understanding What the Customer Buys (顧客が買うものを理解する)
●顧客は何を価値があると考えるか?
事業目的と事業のミッションを 理解するために必要な最後の質問は、「顧客にとって価値は何か?」である。それは最も重要な質問かもしれない。しかし、それは最も尋ねられないものである。1つの理由はマネジャーは答えを知っていると思っていることである。価値は、彼らの事業において彼らが品質として定義するものである。しかし、これはほとんど常に、誤った定義である。顧客は製品を買わない。定義上、顧客は want の満足を買う。
例えば、10代の少女にとって、靴の価値はハイファッションである。それは「流行り」でなくてはいけない。価格は二次的なもので、耐久性に価値はない。数年後そのその少女が若い母親になった時、ハイファッションは禁止となる。彼女は全く流行らないものは買わない。しかし、彼女が探すのは耐久性と価格と楽とフィット等である。10代にとって一番のお買い得品は年齢が少し上のその姉にとって価値がない。会社の異なる顧客が価値と考えるものは複雑であり、それは顧客自身によってのみ答えられ得る。マネジメントは答えを推測しようと試みるべきですらない。それらを組織的に調査するために常に顧客に行くべきである。
AP:あなたの顧客はあなたが提供する製品やサービスについて何を最も価値があると考えるか?知らなければ、それを見つける。 知っているなら、あなたが届けているかどうかを顧客に尋ねる。
3月 
0301    The Change Leader(チェンジリーダー)
●変化をうまく制御する最も効果的な方法はそれを創ることである。
人は変化を制御することはできない。それに先立つことができるだけである。我々が生きている激変の時代において、変化は普通のことである。確かに、それは困難で危険で、なによりも多大なハードワークを求める。しかし、変化を導くことを組織の仕事として見ない限り、組織は生き残らない。早急な構造的変化の時代において、生き残ることができるのは、チェンジリーダーだけである。チェンジリーダーは変化を機会と見る。チェンジリーダーは変化を待ち受け、いかに正しい変化を見つけるかを知り、いかにそれを組織の外と組織の中の双方において、有効にするかを知る。未来を作ることは非常に危険である。しかし、それを試みないよりも危険ではない。それらの試みの相当な割合は成功しない。しかし、誰もがそうである。
AP:将来を予期し、チェンジリーダーとなる。
0302     Test of Innovation(イノベーションのテスト) 
●彼らが市場と顧客に貢献することによって、イノベーションを測る。
イノベーションのテストはそれが価値を創造するかどうかである。イノベーションは新たな価値と顧客の新たな満足の創造を意味する。目新しさは楽しみを創り出すにすぎない。しかし、マネジメントは、明けても暮れても同じことを行い、同じ製品を作ることに飽きるために、何度も、革新することを決定する。イノベーションのテストは、「品質」のテストと同様、「我々はそれが好きか?」ではない。それは、「顧客はそれを欲し、そのために支払うか?」である。
組織は、その科学的あるいは技術的重要性ではなく、それらが市場と顧客に貢献するものによって、イノベーションを測る。彼らは、社会的なイノベーションは、技術的イノベーションと同じく重要であると考える。分割払いでの販売はこの世紀での偉大な科学的進歩のほとんどよりも、経済と市場により大きなインパクトを与えた。
AP:あなたの組織における価値を創造するイノベーションに対して目新しさのイノベーションを確認する。あなたは同じことをすることに飽きたから目新しいものを進めたのか?そうであれば、次の新たな製品やサービスが顧客のニーズに合致することを確かにする。
0303     Knowledge External to the Enterprise(企業の外の知識) 
●会社と産業に最大のインパクトを与えるであろう技術はその分野の外の技術である。
企業を変えた多くの変化はその会社の産業の外に起こった。3つの傑出した例がある。ファスナーはもともと海港で穀物のような重い荷物の梱を締めるために発明された。それを服に使うとは誰も考えなかった。衣類産業はそれがボタンに替わり得るとは考えなかった。発明者は、それが衣類産業で成功するとは夢にも思わなかった。
コマーシャルペーパー(ノンバンクの金融機関から起こった短期の手形)は銀行から起こったものではないが、彼らに大きな負のインパクトを与えた。米国法の下では、コマーシャルペーパーは証券と考えられ、商業銀行は扱うことができない。ゴールドマンサックス、メリルリンチ、GE キャピタル等の金融サービス会社はこれを発見したため、彼らは、世界の最も重要で主要な金融機関として、広く商業銀行にとってかわった。
電話産業を根本から変えたファイバーグラスケーブルは、米国や日本やドイツにおける偉大な電話研究所から出たものではない。それは、ガラス会社である、コーニングから起こった。
AP:あなたの企業を変えたか、変える可能性がある、産業外に起因する少なくとも1つの変化を指摘する。あなたの産業において収益的に利用され得る他の産業のアイデアを探す。
0304     In Innovation, Emphasize the Big Idea(イノベーションでは大きなアイデアを強調する)
●革新的なアイデアはカエルの卵ののようなものであり、1000のうち、1か2しか、生き残って成長しない。
革新的な組織は、イノベーションはアイデアからスタートすることを理解する。アイデアは赤ん坊のようなものである・・・彼らは小さく生まれ、未成熟で、定まった形もない。それらは、達成というより約束である。革新的な組織では、役員は「これはまぬけなアイデアだ」とは言わない。代りに、彼らは「この未発達の、不十分な、馬鹿げたアイデアを、意味があり、実行でき、我々にとっての機会とするには何が必要か?」と尋ねる。
しかし、革新的な組織はまた、ほとんどのアイデアは意味のないものとなることを知る。革新的組織の役員は、それ故、アイデアのある人々に、アイデアを製品、プロセス、事業あるいは技術にするために必要な作業を考えることを求める。彼らは「会社にあなたのアイデアにと取り組ませる前に、我々はいかなる作業をすべきか、何を理解し、学ばなくてはならないか?」を尋ねる。これらの役員は、小さなアイデアを成功する現実に転換することは、本当のイノベーションを起こすのと同じく困難でリスクがあることを知る。彼らは製品や技術における「改善」や「修正」を狙わない。彼らは、新たな事業を革新することを狙う。
AP:あなたの3つの最高のアイデアを挙げる。これらのアイデアが新たな事業へと花を咲かせることができる前に知る必要がある情報と行われるべき主要な作業のリストを作る。ベストなアイデアを追い、どれも現実的でなければ、再び始める。
0305      Managing for the Future(未来のためにマネジメントする) 
●未来の出来事の予想は無駄である。
未来を知るための出発点は2つの(相補的な)異なるアプローチの存在についての認識である:
@経済と社会における不連続の出現とその完全なインパクトとの間のタイムラグを発見と活用・・・人はこれを既に生じた未来の予想と呼んでいい。
Aまだ生まれていない未来に対する、やってくるものに方向と形を与えようとする新たなアイデアの押し付け。これは将来起こることの創作と呼んでいい。
既に生じた未来は現在の事業の中ではなく、外側にある、社会、知識、文化、産業あるいは経済構造における変化。それは、さらに、主要なトレンドであり、その中の変化というより、パターンにおける破壊である。既に生じた未来を探し、そのインパクトの予想は、観察者に新たな認知を伝える。必要なのは、自分自身がそれを見るようにすること。行われる得、行われるべきことが難しすぎで発見できないということは、通常ない。機会は、離れていなければ、不明瞭でもない。最初にパターンが認識されなくてはならない。
未来予測はあなたを面倒に巻き込むだけである。課題は、そこにあることをマネジメントし、起こり得、起こるべきことを創造するように取り組むことである。
AP:既に生じあなたの会社に機会を提供する経済や社会における不連続を見つける。事業にインパクトを与えるのに、この変化にどれだけの時間がかかるのかを決定する。この洞察を利用する事業プランを展開する。
0306      Innovation and Risk Taking(イノベーションとリスクテーキング)
●成功するイノベーションは保守的である。
私はかつて、多くの心理学者が話した起業についての大学のシンポジウムに参加した。彼らのペーパーは他の全てについて異なったが、彼らは全員「起業家的パーソナリティ」について話し、それは「リスクテーキングの傾向」によって特徴づけられるものであった。25年の間にプロセスベースのイノベーションを世界規模の事業に組み込んだ著名な成功したイノベーターで起業家はコメントを求められた。彼は言った。「私はあなたのペーパーに困惑している。私は、私自身を初めとして、誰よりも多くの成功したイノベーターと起業家を知る。私は「起業家的パーソナリティ」に出会ったことがない。私が知る成功者は全員、共通に1つのこと、それのみを持つ。彼らは「リスクテーカー」ではない。彼らは取らなくてはならないリスクを定義し、それをできるだけ最小化しようとする。そうでなければ、我々の誰も成功しなかった。」
これは私自身の経験とも一致する。私もまた、多くの成功した起業家を知る。その誰もが「リスクテーキングの傾向」を持っていない。実在の最も成功したイノベーターは精彩のない人物であり「リスク」を求めて突進するよりも、キャッシュフロー予測に時間を費やす。彼らは「リスクに集中」ではなく「機会に集中」する。
AP:あなたのアイデアのどれが最もリスクが少なく、最大の機会かをきめ、それらに集中する。
0307      Creating a True Whole(真の全体の創造)
●その部分の合計よりも大きな真の全体を創造する。
マネジャーはその部分の合計よりも大きな、真の全体を創造する仕事を持つ。1つの類似は交響楽団の指揮者の仕事である、その努力、ビジョン及びリーダーシップを通じ、各楽器の部分は音楽的パフォーマンスの生きた全体となる。しかし、指揮者は作曲家の楽譜を持つ。彼は解釈者にすぎない。マネジャーは作曲家と指揮者の双方である。
純粋な全体を創造する仕事はマネジャーに、その行動の全てにおいて、全体としての企業のパフォーマンスと同時性をもつパフォーマンスの達成のために必要な多様な活動を同時に考えることを要求する。オーケストラの指揮者との比較が最も適合するのは、おそらくここである。指揮者は常にオーケストラ全体と、例えば、セカンドオーボエの双方を聞かなくてはいけない。同様に、マネジャーは常に企業の全体のパフォーマンスと、例えば、必要な市場調査活動の双方を考えなくてはならない。全体のパフォーマンスを引き上げることにより、彼女は至上リサーチの範囲と挑戦を創造する。市場リサーチのパフォーマンスの改善により、彼女はより良い全体的な事業結果を可能にする。マネジャーは同時に2つの二面的な質問を尋ねなくてはならない。「どのようなより良い事業パフォーマンスが必要とされ、それはどのような活動を必要とするか?」及び「いかなるより良いパフォーマンスが可能な活動であり、事業結果におけるいかなる改善を彼らはすることができるか?」
AP:あなたは、自分の交響楽を創ったことがあるか?あなたのボスは自分のを持つか?あなたのプレイヤーとのリハーサルを始めたか?セカンドオーボエを聴くことができるか?カーネギーホールの準備はできているか?
0308    Turbulence: Threat or Opportunity?(激動:脅威か機会か?) 
●天来の恵みが降るとき、ある人は傘をだす。他の人は大きなスプーンを探す。
マネジャーはその仕事を見て尋ねなくてはならない。「危険、機会、そしてとりわけ変化に備えるために私は何をしなくてはならないか?」
第1にこれはあなたの組織が上体を曲げて素早く動くことができることを確かなものにする時である。これは、正当化できない製品と活動を体系的に捨てて止め、真に重要な仕事が適切にサポートされていることを確かめる時である。
第2に、彼女は、調査員、技術サービススタッフそして全てのマネジャーのような、高給の重要なグループのように、特にそれ(時間)が人の唯一のリソースであるところで、最も高価なリソースである時間に取り組まなくてはならない。
第3に、マネジャーは成長を管理し、多様な成長を区別することを学ばなくてはならない。あなたの総合的なリソースの生産性が成長ととともに向上するなら、それは健全な成長である。
第4に、人々の開発は将来において最も重要である。
AP:正当化できない製品と行動を止め、生産性向上の目標を設定し、成長を管理し、人々を開発する。
0309     Organize for Constant Change(不断の変化のために組織する。)
●今日の確実は、常に、明日の不合理となる。
先進国にとって、そしておそらく世界全体にとって、確かなことが1つある・・我々は長年深い変化に直面する。組織は不断の変化のために組織されなくてはならない。もはや企業家的イノベーションがマネジメントの外にあり、あるいはマネジメントの周縁にあると考えることは不可能となる。企業家的イノベーションはマネジメントの中心であり中核とならなくてはならない。組織の機能は企業家的であり、知識を仕事・・道具、製品、プロセス、仕事のデザイン、知識それ自身・・に投ずる。
イノベーションの計画的な強調は技術的変化がめざましい場所で、最も必要とされる。制約会社では全員が、会社の存続は10年ごとにその製品の4分の3を新しいものにかえる能力に依拠することを知る。しかし、保険会社のどれだけの人が、会社の成長、おそらく会社の存続すら、新たな保険の開発に依拠することを認識するであろうか?事業において技術的変化がよりめざましくなく、顕著でなければ、組織全体が硬直化する危険は大きくなり、従って、イノベーションの強調がより大切になる。
AP:あなたとあなとの組織には、硬直化の危険はあるか?いかにあなたとあなたの組織が体系的に革新でき、これをあなたのマネジメントプロセスに組み込むことができるかを決める。
0310     Searching for Change(変化を探す)
●変化は人々が行うものである。流行は人々が話すものである。
企業家は変化を普通のことで健全なことと見る。通常、彼らは自ら変化を引き起こさない・・・企業家は常に変化を探し、それに反応し、それを機会と見る。
全ての変化を見、全ての窓から外を見る。そして尋ねる。「これは機会であり得るか?」「この新しいものは純粋な変化かそれとも単なる流行か?」違いは非常に単純である。変化は人々が行うものであり、流行は人々が話すものである。多くの話は流行である。あなたは、また、これらの移行、これらの変化が、機会か脅威かを自問しなくてはならない。変化を脅威と見ることから始めれば、あなたは決して革新しない。これがあなたが計画したものでないからといって、排除しない。期待しないものは、しばしば、イノベーションの最高の源泉である。
AP:あなたの産業を押し流す変化について同僚と半時間議論し、最大の純粋な変化を突き止める。流行を無視し、純粋な変化をいかに利用するかを考え出す。
0311     Piloting Change(変化を案内する)
●研究、市場調査、コンピューターモデリングのいずれも、現実のテストの代わりとはならない。
改善されあるいは新しいものは全て、最初に小さくテストされる必要がある。それは、水先案内される必要があるということである。これをする方法は会社の中にその新しいものを本当に欲しい誰かを見つけることである。新しいものは全てトラブルに巻き込まれる。そして、それは擁護者を必要とする。「私はこれを成功させる」と言い、それに取り組む人を必要とする。これは組織の中の誰かである必要もない。
しばしば、新たな製品やサービスの水先案内の良い方法は、本当に新らしいものを求め、喜んで、製造者と一緒に、真に成功する新しい製品や新しいサービスを作ることに取り組む顧客を見つけることである。パイロットテストが成功すれば、・・それは、誰も予想しない問題を見つけるだけでなく、デザインであれ、市場であれ、サービスであれ、誰も予想しなかった機会を見つける・・変更のリスクは通常非常に小さい。
AP:あなたの組織のベストアイデアが市場におけるテストを乗り切るまで助ける熱烈な擁護者を持つようにする。
0312     The Purpose of a Business(事業目的)
●事業体は2つの基本的機能を持つ。@マーケティングとAイノベーションである。
事業とは何かを知りたければ、その目的から出発しなくてはならない。そして、目的は事業それ自体の外になくてはならない。実際、事業体は社会の器官であるから、それは社会になくてはならない。事業目的の唯一の有効な定義がある・・顧客を創造することである。顧客は事業の基礎であり、それを存続させる。顧客のみが雇用を与える。社会が富を生み出すリソースを事業体に委ねるのは、顧客に供給するためである。
顧客を創造することが目的であるため、どの事業体も2つの・・・2つだけの・・・基本的機能を持つ。マーケティングとイノベーションである。これらは企業家的機能である。マーケティングは、事業の、特徴的で特有な機能である。
AP:あなたの顧客が今日満たされることを望むニーズを見つける。あなたの製品が顧客のニーズをいかに良く満たすかを決める。
0313     Converting Strategic Plans to Action(戦略計画を行動に変える)
●最良の計画は、仕事に変わらなければ、良い意図にすぎない。
結果を生み出せる計画を示す区別は鍵となる人々の特定の仕事に取り組むコミットメントである。かかるコミットメントがなければ、約束と希望があるだけであり、計画はない。計画はマネジャーに「あなたの最良の人々の誰に今日この仕事に取り組ませたか?」と尋ねることによってテストされる必要がある。マネジャーは、そのほとんどがするように、振り返って「しかし、私は最良の人々をさくことはできない。私が明日取り掛からせることができる前に、彼らは今やっていることを完成させないといけない。」と言うが、それは彼が計画を持っていないことを認めるにすぎない。
仕事は、説明義務、期限、そして最後に結果の測定・・・仕事の結果からのフィードバック・・・を意味する。我々が何を早期停止、いかに測定するかは、何が意味があると考えられるかを決め、それによって、我々が何を見るかではなく、我々と他の人々が何をするかを決める。
AP:特定の数字的な基準と結果を測定する目標を立てる。これらの結果を達成するための、自分自身と自分の組織にとっての期限を決める。
0314    Universal Entrepreneurial disciplines(世界的企業の訓練)
●企業的訓練は好ましいだけではない。それらは、今日生き残りのための条件である。
事業に限らず、全ての組織は、その毎日のマネジメントに、変更に行われる4つの企業的活動を組み入れなくてはならない。
第1に、もはや最適なリソースの割当てではない、製品、サービス、プロセス、市場、流通経路等の組織的放棄である。
第2に、どの組織も、組織的な、継続的向上のため組織しなくてはならない。
第3は、組織的で継続的な(特にその成功の)開発のためのため組織しなくてはならない。
最後に、組織における今日の最も成功する製品でさえ陳腐化し、大いにそれにとってかわる、違う明日を創造する組織的なイノベーションを組織しなくてはならない。
私は、これらの訓練は好ましいだけでなく、今日生き残るための条件であることを、強調する。
AP:すたれようとするものをやめ、あなたの成功を開発するためのシステムを作り、イノベーションへの体系的アプローチを開発する。
0315    Managing for the Short Term and Long Term(短期と長期をマネジメントする) 
●ケインズの最も有名な言葉は「結局我々は全員死ぬ」であろう。ケインズが暗示したように、短期の最適化は正しい長期の未来を創造するということは、誤りである。
事業は短期の結果か「長期」のものかは、価値の質問である。金融アナリストは事業は同時に双方のために営まれ得ると信じる。成功する経営者はよりよく知る。確かに、全員は短期の結果を生み出さなくてはならない。しかし、短期の結果と長期の成長が衝突する場合、ある会社は長期の成長を選び、他の会社は短期の結果を選ぶ。これは、本来経済における意見の相違ではない。これは、基本的に、事業の機能とマネジメントの責任に関する価値の対立である。
AP:あなたの組織は短期の結果を生み出すために、企業の長期の富を生み出す能力を犠牲にするか。いかにこの罠から脱出しなお短期の利益を生み出せるかを議論する。
0316     Balancing Objectives and Measurements (目標と測定をバランスさせる)
●利益の最大化の伝統的な定理は捨てられなくてはならない。
事業をマネジメントすることは多様なニーズと目標をバランスさせることである。利益のみを強調することは、マネジャーを誤って導き、事業の存続を聞きに陥らせ得る。今日利益を得るために、彼らは未来を害する傾向がある。かれらは、最も容易に販売できる製品ラインを押し、明日の市場となるものを軽んじる。彼らは、リサーチ、販売促進その他の延期できる投資をごまかしがちになる。とりわけ、彼らはそれに対して利益が測られる投資資本ベースを増加させ得る資本的支出をしり込みし、その結果は装置の危険な陳腐化である。言い換えれば、彼らはマネジメントの最悪の実践に向かう。
パフォーマンスと結果が事業の存続と繁栄に直接かつ重要に影響する全ての分野において目標は必要である。パフォーマンスと目的が設定される必要がある8つの分野がある。@市場での地位、Aイノベーション、B生産性、C物理的・財務的リソース、D収益性、Eマネジャーパフォーマンス・開発、F労働者のパフォーマンス・態度、G公的責任。異なる鍵となる分野は異なる事業において異なる強調を必要とし、各事業の成長の異なるステージにおける異なる強調を必要とする。しかし、事業が何であれ、経済状況がどうであれ、事業の大きさと成長のステージがどうであれ、分野は同じである。
AP:利益目標の設定に加え、次の分野においてあなたの事業の目標を設定する。@市場での地位、Aイノベーション、B生産性、C物理的・財務的リソース、D収益性、Eマネジャーパフォーマンス・開発、F労働者のパフォーマンス・態度、G公的責任。
0317    The Purpose of Profit(利益目標) 
●利益は事業パフォーマンスの究極的なテストである
利益は3つの目的に役立つ。
第1は、それは事業の努力の正味の効率性と健全さを測る。
第2は事業にとどまるコスト・・置き換え、退化、市場リスクと不確実性・・をカバーする「リスクプレミアム」である。この観点から見ると、「利益」というものはない。「事業を行うコスト」と「事業にとどまるコスト」だけがあるにすぎない。そして、事業の課題は適切な利益を稼ぐことにより、これらの「事業にとどまるコスト」を適切に提供することである。
最後に、利益は、留保利益による自己資金により直接的に、あるいは、企業の目的に最も整合した形で、新たな外部資本の誘導を通じて間接的に、イノベーションと拡大のための将来の資本の供給を確保する。
AP: 事業にとどまるために必要なコストをカバーせずあるいは将来の成長のために十分な資金を提供しないのであれば、利益のない事業を止めることを決意する
0318      Morality and Profits(道徳と利益) 
●十分な利益があるか?
シュンペーターの「創造的破壊」による「革新者」はなぜ我々が「利益」と呼ぶものがあるかを説明する理論にすぎない。古典的な経済学者は、かられの理論は利益の根本理由を提供しないことをよく知る。実際、閉じた経済システムの均衡経済学において、利益の場所はなく、その正当化はなく、その説明もない。しかしながら、利益が純粋なコストであり、特に利益が仕事を維持し新たな仕事を創造する唯一の方法であれば、資本主義は再び道徳システムとなる。
利益インセンティブの道徳的基礎における弱さは、マルクスをして、資本主義者を、邪悪で不道徳であると批判し、資産は「科学的に」機能がないと批判することを可能にする。しかしながら、人が変わらない、自己充足の、閉じた経済の原理からシフトすると、利益と呼ばれるものは、不道徳ではない。それは道徳規範となる。実際、質問はもはや、「いかに経済を回すために資本家に渡されなくいてはならない利益と呼ばれる機能しない余剰の賄賂を最小化するよう経済は構築され得るか?」ではない。シュンペーターの経済学での質問は常に「十分な利益があるか?」である。将来のコスト、事業にとどまるコスト、「創造的破壊」のコストを提供するのに適切な資本形成があるか?
AP:資本コストをカバーしイノベーションの準備のために十分な利益を稼いでいるかを確認する。そうでなければ、どうするのか?
0319  Defining Corporate Performance(会社のパフォーマンスを定義する)
●企業の富の生産能力を最大化する。
1958年から1963年までGEのCEOであったコーディナーは、巨大な公的に所有される企業のトップマネジメントは「受託者」であると主張した。コーディナーは、シニアエグゼクティブは、株主、顧客、従業員、供給者及び工場コミュニティの利益がもっともよくバランスするよう企業を経営する責任があると論じた。これは、私たちが今「ステークホルダー」と呼ぶものである。コーディナーの答えは、なお、結果の定義と「バランス」に関しての「最高」の定義を要求する。我々はもはや大企業におけるパフォーマンスと結果をいかに定義するかについて理論づける必要はない。我々には成功例がある。
ドイツと日本は、高度に集中した機関的所有形態である。いかに、ドイツと日本の産業の機関的所有者はパフォーマンスと結果を定義するのか。彼らの経営は異なるが、同じ方法でそれらを定義する。コーディナーと違い、彼らは何も「バランス」しない。彼らは最大化する。しかし、彼らは、株主価値やいずれかの「ステークホルダー」の短期利益を最大化しようとしない。むしろ、彼らは富を作り出す会社の能力を最大化する。この目的は、短期と長期の結果を統合し、事業パフォーマンスのオペレーションの次元・・市場での地位、イノベーション、生産性並びに人々とその開発・・を財務的ニーズと結果に結びつける。株主であれ、顧客であれ、従業員であれ、全ての関係者が彼らの期待と目的の満足のために依拠するのも、この目的である。
AP:あなたの企業が行っている、長期のパフォーマンス変数・・市場での地位、イノベーション、生産性及び人材開発・・と短期の収益性の間のトレードオフを確認する。これらのトレードオフが企業にとって健全かどうかを決める。
0320     A Scorecard for Managers(マネジャーの採点カード) 
●「マネジメント監査」の提案者が話す、例えば高潔さや創造性は、小説家に委ねた方がいい。
「帳尻」はマネジメントパフォーマンスよりも事業パフォーマンスを測る。そして、今日事業パフォーマンスは過年度のマネジメントのパフォーマンスの結果である。マネジメントにおけるパフォーマンスは、未来のために今日の事業を準備する仕事の測定を意味する。事業の未来は4つの分野における現在のマネジメントのパフォーマンスにより形作られる。
@資本割当におけるパフォーマンス:我々は投資に対する収益を期待収益との比較で測定する必要がある。
A人の判断におけるパフォーマンス:仕事に投入される時に人のパフォーマンスにおいて期待されたものも、その任命が機能するかは、「無形」である。双方は比較的に容易に判断され得る。
Bイノベーションにおけるパフォーマンス:リサーチ結果は評価され得、リサーチ努力がスタートした時における約束と期待に投影される。
Cパフォーマンスと戦略:戦略が起きる期待したものが起こったか?実際の成り行きに照らして目標は正しい目標を設定したか?それらは達成されたか?
AP:自分自身とあなたに直接報告する人々のマネジメント監査を実行する。基準は@あなた/彼らが良い人の判断をしたか、Aあなた/彼らには革新的アイデアがあったか、Bあなた/彼らにの戦略的期待は起こったかを含むべきである。
0321     Beyond the Information Revolution(情報革命を越えて) 
●生まれることを待つサービスがある。
情報革命の真に革命的なインパクは感じられ始めたばかりである。しかし、このインパクトに燃料を供給するのは「情報」ではない。それは、 15年か20年前には、誰も予見せず、話もしなかったものである。e-commerce それは、1つの主要な、そしておそらく最終的には唯一主要な世界的な物、サービス、そして驚くべきことに、管理的そして専門的仕事の流通経路としてのインターネットの爆発的な出現である。これは、大いに、経済、市場そして産業構造を、製品、サービスそしてそれらの流れを、消費者区分、消費者価値そして消費者行動を、仕事と労働市場を変える。
新たな期待していなかった産業が急速に現れる。生まれることを待っているサービスがある。
AP: 2015年に向けての急速な前進。今日明らかにできる技術発展からあなたの産業において現れる3つの完全に新しい事業は何か?
0322     Internet Technology and Education(インターネット技術と教育)
●媒体は伝達される方法だけでなく、伝達されるものもコントロールする。
健康管理において、情報技術は既に信じられないようなインパクトを与えた。教育においても、そのインパクトは大きくなる。しかしながら、通常の大学のコースをインターネットにのせようとするのは誤りである。マーシャル マクルーハンは正しかった。媒体は、伝達される方法だけでなく、伝達されるものもコントロールする。ウェブではそれを違って行わなくてはならない。
あなたは全てをデザインし直さなくてはならない。
第1に、あなたは生徒の注意を保たないといけない。良い教師はクラスの反応を得るレーダーシステムを持つが、オンラインではそれをもたない。
第2に、あなたは学生に大学のコースでできること・・議論・・をできるようにしなくてはならない。オンラインで、あなたは、本の質とコースの連続性と流れを結びつけなくてはならない。なにより、それを文脈に置かなくてはならない。自宅でのオンラインコースでは、コースは背景、文脈、レフェレンスを提供しなくてはならない。
AP:ウェブベースの学習から健康管理やコンプライアンスまで、あなたの組織のオンラインサービスについて考える。 これらのサービスを利用する従業員にそれらに満足しているかを尋ねる。ヒント:耳栓を持っていく。
0323     The Great Strengh of E-Commerce(イーコマースの偉大な力) 
●販売は、もはや製造ではなく、流通と結びつく。
イーコマースと情報革命の関係は、鉄道と産業革命の関係と同じである。鉄道は距離を支配し、イーコマースはそれをなくした。インターネットは企業に、会社内で及び外部の供給者、外部の流通経路、及び顧客との間で、ある活動を他の活動に結び付け、即時のデータを広く利用できるる能力を提供する。それは、会社の崩壊への動きを強める。
しかし、イーコマースの偉大な強みは、消費者に、誰がそれらを作ったかに関係なく、全ての製品を提供することである。例はアマゾンやCarsDirect を含む。イーコマースは、初めて、販売と製造を分離する。販売はもはや製造ではなく、流通と結びつく。イーコマースの便益を1つのメーカーの製品やブランドに制限する理由は全くない。
AP:あなたの事業はアマゾンと同じか地域の本屋と同じか。後者であれば、反撃するためにいかにイーコマースを利用するかを決める。
0324     E-Commerce: The Challenge(イーコマース:挑戦) 
●それは我々の事業を食べようとしている。
我々はまだ、どのような商品やサービスがイーコマースに最も適していることになるかを知らない。しかし、我々は、事業者間であれ、事業者と消費者間であれ、イーコマースでの販売の成功は、スーパーマーケットや地方の仲介業者の地方オフィス等の伝統的な流通チャネルによって、脅威として見られつつあることを知る。「それは我々の事業を食べようとしている」と伝統的卸売業者は叫ぶ。実際、過去の経験が案内人であれば、それは、多くの場合、伝統的な事業に加え、実際それらの事業と利益を増加させる。これは新たな流通チャネルのよくある結果である。
しかし、我々は、何年もそれを知らない。また数年間、いかなる商品やサービスがイーコマースを通じた流通に向いているのかわからないだろう。そして、推測しようとするのは意味がない。イーコマースを押す計画にはリスクがある。しかし、最も重要なものでなくても、その製品やサービスの重要な流通チャネルとなるわずかな徴候があれば、イーコマースを押さないというリスクをとれる事業はない。
AP:イーコマースがあなたの流通チャネルを変えた主要な3つの方法とこの先数年にそのチャネルを変えるであろう3つの方法を挙げる。
0325      From Legal Fiction to Economic Reality(リーガルフィクションから経済の現実へ) 
●活動はどこに帰属する? 
ますます、経済的プロセスは提携、合弁及びアウトソーシングに基づく構造に依拠する。所有と支配ではなく、戦略に基づき組み立てられる構造は、グローバル経済における成長のためのモデルとなる。これらのパートナーシップ構造におけるエグゼクティブは企業戦略、製品計画及び製品原価計算を1つの経済全体として組織し、マネジメントすべきである。
消費者製品の一流の世界的製造者を例にとる。会社はかつて、より多く社内で製造する方がいいと考えた。今は「活動はどこに属するか」を尋ね、仕上げの活動を顧客がいる180もの国に置くことを決めた。しかし、製品のための基本的なj混合物を世界の数カ所でのみ自ら製造する。例えば、アイルランドの大工場は全てのヨーロッパとアフリカに供給する。会社は、品質管理を達成するため、基本的な混合物を社内で作るが、最終組立てを外注する。それは、全体的な価値連鎖を見、多様な活動をどこに配置するかを決める。
AP:あなたの仕事について考える。それは他の誰かが安くより良く行えるか?そうであれば、読み、調査し、人々を話すことで、食物連鎖を上がる新たなスキルを獲得する計画を立てる。
0326     Management of the Multinational(多国籍のマネジメント)
●2025年の多国籍企業はまとまっているが、戦略によってコントロールされる。
統計的に、多国籍企業は1913年と同程度、今日世界経済に占める。しかし、それらは、非常に異なる動物となった。1913年の多国籍企業は子会社が海外にある国内の会社であり、それぞれは自給的であり、政治的に定義された領域を担当し、高度に自治的であった。今日の多国籍企業は、製品又はサービスラインにそって世界的に組織される傾向がある。しかし、1913年の多国籍企業のように、それらはまとまっており、所有によってコントロールされる。対照的に、2025年の多国籍企業は、まとまっているが、戦略によりコントロールされる。もちろん所有はある。しかし、提携、合弁、少数利害関係、ノウハウ契約そして契約がますます同盟の建築用ブロックとなる。
この種類の組織は新たな種類のトップマネジメントを必要とする。ほとんどの国で、そして、多くの大きな複合企業においても、トップマネジメントは経常的なマネジメントの延長と見られている。明日のトップマネジメントは、しかしながら、明確で独立した器官となるであろう。それは会社を表す。
AP:あなたの専門性や上司の専門性は、部門を管理する仕組みにおけるものか、戦略的パートナーの広範囲にわたる連合を結びつけるものか?たの事業や文化についての本を読んだり、組ませる専門性を有する役員と話す等、戦略的パートナーとしてのあなたの個人的魅力を向上させるため、2つのことをする。
0327     Command or Partner(命令かパートナーか) 
●企業は最大の統合を目指すべきであるという原理は時代遅れである。
企業は最大の統合を目指すべきであるという伝統的な原理は新たな企業では時代遅れとなりつつある。企業の「分散」のための2つの説明がある。第1に、知識はますます専門化した。知識は、そのため、ますます高価となり、企業の中の全ての主要な仕事のために十分な集団を維持することはますます困難である。そして、知識は、継続的に使われない限り、急速に劣化するので、断続的にのみ使われる活動を組織内に維持することは役に立たないことを保証する。
第2に、今日まで新たな情報技術であるインターネットと e-mail は、実際上、コミュニケーションの物理的コストを削減した。これは、しばしば、組織する最も生産的で有益な方法は、分解と協力を意味した。これは、より多くの活動に広がっている。例えば、組織の情報技術、データ加工及びコンピュータシステムのマネジメントの外注は普通のこととなった。
AP:あなたの機能を外注する雇用者により仕事から「分離され」ようとしているかどうか考える。代替の計画を用意する。
0328     Information for Strategy(戦略のための情報) 
●事業の唯一の利益センターは顧客である。
戦略は、市場、顧客及び非顧客についての、自分の産業と他における技術についての、世界的なファイナンスについての、そして変化する世界経済についての情報に基づかなくてはならない。それは結果があるところだからである。組織の内部にはコストセンターがあるだけである。
主要な変化は常に組織外で始まる。小売業者はその店で買物をする人々について多くを知るかもしれない。しかし、どれだけ成功しても、小売業者はその顧客のように市場の小さな部分しか持たない。大きなマジョリティは非顧客である。基本的な変化が始まり重要になるのは常に非顧客についてである。過去50年において産業を変えた重要な新技術の少なくとも半分は、産業それ自体の外から来た。
AP:市場、顧客、非顧客及びあなたの産業の内外の技術についての情報を含む環境についての関係情報を集め組織するシステムを作る。
0329     Why Management Science Fails to Perform(マネジメント科学が失敗する理由) 
●部分は全体を考慮して存在する。
全てのマネジメント科学に横たわる1つの基本的な洞察がある。それは、事業会社は最も高度な秩序のシステムである。その部分が彼らの知識、スキル及び合弁事業への献身を自発的に貢献する人間であるシステムである。そして、
ミサイルのコントロールのような機械で操作するものであれ、木のような生物学的なものであれ、事業会社のように社会的なものであれ、1つのことが全ての純粋なシステムを特徴づける。それは、相互依存である。1つの特定の機能や部分が進歩し、より効率的になったとしても、全体のシステムは必ずしも向上しない。実際、システムはそれにより損傷し、破壊されることもある。いくつかのケースでは、システムを強化する最高の方法は、部分を弱める・・より不正確にしより非効率にする・・ことであり得る。いずれのシステムでも重要なのは全体のパフォーマンスである。これは、単なる技術的な効率性のではなく、成長の結果であり、ダイナミックなバランス、調整及び統合の結果である。
マネジメント科学における部分の効率化の強調は損傷に向かう。それは、全体の健康とパフォーマンスの犠牲の下、道具の精密さの最適化に向かう。
AP:全体のパフォーマンスをこうじょうさせるために、あなたの会社のどの部分・・財務やエンジニアリング・・を弱くできるかを決める。
0330      Nature of Complex Systems(複雑なシステムの特性) 
●短期の現象に関しては、システムはない。無秩序があるだけである。
現代の数学における急速に成長する分野は複雑さの理論である。それは、厳格な数学的証明により、複雑なシステムは予想を許さないことを示す。それらは、統計的に重要でない要因によりコントロールされる。これは「バタフライ効果」として知られる。それは、風変わりなしかし、数学的に厳格な(そして経験的に証明された)理論はアマゾンの熱帯雨林での蝶の羽ばたきは、数週間か数カ月後のシカゴの天気をコントロールでき、しばしばコントロールすることを示す。複雑なシステムにおいて、気候は予想可能であり、高度な安定性をもつ。「天気」は予想不可能であり、全体として不安定である。複雑なシステムは何も「外部」であるとして排除できいない。天気に関していえば、短期の現象について、システムはない。無秩序があるだけである。
経済と経済政理論策は短期の現象を扱う。それらはリセッションと価格変化を扱う。現在の経済と経済政策は、長期は、短期の政策、例えば金利の変化、政府の歳出、税率等により作られるというシステムを想定する。現代の数学が証明したように、複雑なシステムとして、これは単純に正しくない。
AP:あなたの組織に影響する長期の現象を挙げる。これらは、短期と長期の双方において、いかに、あなたの組織に影響するか?
0331     From Analysis to Perception (分析から知覚へ)
●生態学において、「全体」が見られ理解されなくてはならず、「部分」は全体を考慮してのみ存在する。
数学者と哲学者の世界において、知覚は「直観」であり、見せかけかあいまいで、つかまえにくい、神秘的なものである。機械的な世界観の資産である知覚は、「重大」なものでなく、それなしでやっていける「人生の細かいもの」に追いやられた。しかしながら、生物学においては、知覚は中心にある。そして、もちろん、どの「生態学」も分析よりも知覚である。生態学において、「全体」が見られ理解されなくてはならず、「部分」は全体を考慮してのみ存在する。300年前、デカルトは、「我思う、故に我在り」と言った。我々は今、「我は見る、故に我在り」と言わなくてはならない。
実際、この本が扱う新たな現実は形態であり、分析と同様知覚を要する。例えば、新たな多元論の動的な不均衡、多国籍で国境を超えた経済、大いに必要とされる「教育された人々」の新たな原型。
AP:組織についての次の記述における知覚と分析の双方の役割は何か。「どのシステムにおいても重要なのは全体のパフォーマンスである、これは、技術的な効率性ではなく、成長と動的なバランスと統合の結果である。」
■4月 
0401      Management as a Human Endeavor(人の努力としてのマネジメント) 
●マネジメントは人についてのものである。
現代の企業は人の社会の組織である。学問分野としてのそして実践としてのマネジメントは人と社会の価値を扱う。確かに、組織はそれ自身を超える目的のために存在する。事業会社の場合、目的は経済である。病院の場合、それは患者のケアとその回復である。大学の場合、それは教授と学習とリサーチである。これらの目的を達成するため、我々がマネジメントと呼ぶ近代の独特の発明は、共同のパフォーマンスのために人を組織し、社会組織を創造する。しかし、マネジメントが組織の人のリソースを生産的にすることに成功する時に初めて、望ましい外部の目的と結果を達成することができる。
マネジメントは薬以上に科学ではない。双方とも実践である。 実践は巨大な真の科学の体系から得る。薬が生態学、化学、物理学及びその他の自然科学から育つように、マネジメントは、経済、心理学、数学、政治理論、歴史及び哲学から育つ。しかし、マネジメントはまた、薬のように、自身の仮説、目的、道具及びパフォーマンスゴールと測定を持つ、それ自身の正当性における学問である。
AP:あなたにはエンジニア、経済学者、心理学者、数学者、政治学者、歴史学者あるいは哲学者の素養があるか?あなたの素養がマネジメントへのアプローチに影響する3つの方法を挙げる、。 
0402     The Responsible Worker(責任ある労働者) 
●責任ある労働者は結果達成に個人的なコミットメントをもつ。 
しかし、全ての人が自身を「マネジャー」と見、基本的に管理的責任を引き受ける組織を作り導く仕事がある。自分自身の仕事と作業グループの責任、組織全体のパフォーマンスと結果へのその貢献の責任、作業コミュニティの社会的役割についての責任。
責任は、したがって、外部と内部の双方である。外部的には、それは、誰かあるいは団体への責任であり、特定のパフォーマンスについての責任である。内部的には、それはコミットメントを意味する。責任ある労働者は特定の結果に責任があるだけでなく、これらの結果を生み出のに必要なことを行う権限を持ち、最終的に、個人的な達成としてこれらの結果に献身する労働者である。
AP:あなたは個人的に仕事で結果を得ることに献身しているか、ただ形だけ動いているだけか?結果を生み出す権限を欠いているか?いずれかであれば、他の仕事を探す。
0403    Spirit of Performance(パフォーマンスの精神) 
●組織の目的は普通の人に普通でないことを行わせることをできるようにすること。
道徳は、どのような意味をもっても、勧告、説教あるいは良い意図であってはならない。それは実行でなくてはならない。特に:
1.組織はパフォーマンスにフォーカスしなくてはならない。パフォーマンスの精神の第1の要請は、各人にとってと同様グループにとっての、高いパフォーマンス基準である。
2.組織は問題ではなく機会にフォーカスしなくてはならない。
3.配置、賃金、昇進、降格及び解雇等の人々に影響する決定は組織の価値と信念を表さなくてはならない。
4.最後に、人々の決定において、マネジメントは、誠実さはマネジャーの絶対的な必要条件であり、彼が持ち合わせていなくてはならない資質であり、後で得ることを期待できないものであることを示さなくてはならない。
AP:パフォーマンス、機会、人々及び誠実さにフォーカスする。
0404     Organizations and Individuals(組織と個人)
●組織が成長するほど、個人は成長することができる。
組織における個人が人として成長するほど、組織は目的を果たすことができる。これは、マネジャー開発と今日の進歩したマネジャー教育への全ての我々の注意の下にある洞察である。組織が真剣さと誠実さ、目的と能力において成長するほど、個人は成長し人として進化する余地がある。
AP:学びを継続する。あなたの会社の教育的恩恵を十分利用する。
0405     Picking a Leader(リーダーを選ぶ)
●私は常に自分に問う。自分の息子をその人の下で働かせたいかと。
組織のリーダーに選ぶに当たって何を探すか?第1に、私は候補者が行ったこと、彼らの強みを見る。あなたは、強みでのみ遂行でき、彼らはそれで何を行ったのか?第2に、私は組織を見て尋ねる「直ちに行うべき鍵となる挑戦は何か?」私は強みをニーズと合わせようとする。
そして私は誠実さを探す。リーダー、特に強力なリーダーは、手本を示す。彼あるいは彼女は、組織の人々、特に若い人々が、模範として真似をする。何年も前、私は非常に賢い年配の男性から学び、彼は非常に巨大な世界的組織のトップであった。彼は70歳代後半で、正しい人々を世界中の正しい企業に入れることで有名であった。私は彼に「あなたは何を探すのか」と尋ねた。そして彼は答えた。「私は常に自分に問う。自分の息子をその人の下で働かせたいかと。彼が西欧すれば、若い人たちは彼を真似する。私は自分の息子をこのように見たいと思うか?」私は、これは究極の質問だと思う。
AP:次回あなたが誰かを雇う時、あなたはあなたの息子か娘を彼/彼女のために働かせたいかを問う。
0406     Qualities of a Leader(リーダーの質)
●リーダーシップは人の視野をより高くに引き上げる。
基本的に自分自身にフォーカスするリーダーgは誤って導く。この世紀の3人の最もカリスマ的なリーダーは歴史におけるほとんどの他の3人組よりも人類により多くの苦しみを負わせた。ヒトラー、スターリンと毛沢東である。大事なのはリーダーのカリスマではない。リーダーシップは民衆扇動となり得る魅力のある人柄ではない。それは「親しくする、人々に影響を及ぼす」ものではなく、それはおだてである。
リーダーシップは人の視野をより高く引き上げることであり、人のパフォーマンスをより高い基準に引き上げることであり、その通常の限定を超えて人の人格を創るものである。組織の厳格な行動と責任の原則、高いパフォーマンス基準、個人とその仕事への存尊敬
の日々の実践を固めるるマネジメントの精神以上にかかるリーダーシップの基礎を用意するものはない。
AP:厳格な行動原則、高いパフォーマンス基準を設定し、人々のその仕事を尊重する。
0407     Base Leadership on Strength(リーダーシップを強みに基づかせる) 
●リーダーと平均の距離は一定である。
人の事柄において、リーダーと平均の距離は一定である。リーダーシップのパフォーマンスが高ければ、平均も上昇する。有能なエグゼクティブは、1人のリーダーのパフォーマンスを上げることの方が集団全体のパフォーマンスを上げるよりも簡単であることを知る。彼女は、そのため、リーダーシップの地位、基準の設定、パフォーマンスを出すポジションに、すぐれた、範を示す仕事をする強みを持つ人を投入する。これは、常に、人の(1つの)強みにフォーカスし、利用できる強みの配置を妨げない限り、弱みを無関係なものとして無視することを要求する。
エグゼクティブの仕事は人を変えることではない。むしろ、聖書が天分における寓話で語るように、仕事は、個人の中にある強みであれ、どのような健康、抱負であれ、それらを使うことにより、全体のパフォーマンス能力を増すことである。
AP:事業ユニットのパフォーマンスを上げるためには、強いリーダーに指揮をとらせる。
0408     Leadership Is Responsibility(リーダーシップは責任である) 
●十分な数の将軍が殺されなかった。
私が出会った全ての有能なリーダー・・一緒に働いたリーダーとただ観察しただけのリーダーの双方・・は4つの単純なことを知っていた。リーダーは次を持つ者である:@人気はリーダーシップではない。Aリーダーは結果である。Bリーダーは認識され、模範を示す。Cリーダーシップは地位、特権、肩書や金ではない。それは責任である。
私が高校の最終学年の時、私たちのすばらしい歴史の先生・・彼自身は大怪我をした復員軍人であった・・は私たちのそれぞれに、第一次大戦についての歴史の本から選び、それについてエッセイを書くよう述べた。我々が、これらのエッセイをクラスで議論した時、同級生の1人が「これらの本の全ては大戦は完全な軍の無能だと言っている。それは何故か?」と言った。私たちの先生は、躊躇することなく直ちに答えた。「十分な数の将軍が殺されなかったからだ。彼らは後方にいて、他の人間に戦わせ死なせた。」有能なリーダーは職務を委ねるが、委ねないことが1つあり、それが基準となる。彼らはそれをする。
AP:患者の治癒であれ、債券の販売であれ、あなたの企業の中心的機能を完全に委ねるなら、従業員の尊敬を持ち続けることを期待するな。
0409     Absence of Integrity(誠実さの欠如) 
●エグゼクティブは現実主義者であるべきである。そして、皮肉屋ほど現実主義者はいない。
誠実さは定義することが困難かもしれないが、誠実さの欠如を構成するものはマネジメントの地位について失格させるものとして重大である。人の強みより弱みに目を向ける者は経営的な地位に選任されるべきではない。常に人々ができないことを知り、彼らができることを見ない人は、組織の精神を傷つける。エグゼクティブは現実主義者であるあるべきであるが、皮肉屋ほど現実主義者はいない。
「何が正しいか」より「誰が正しいか?」に関心がある人は選任されるべきではない。「誰が正しいか?」を尋ねることは、その部下に、私利を図としても、安全を求めさせる。何より、それは部下をして、彼らが間違ったことを見つけると、それを正すのではなく、「隠そう」とさせる。マネジメントは誠実さよりも知性が重要だと考える人を選任すべきではない。強い部下を恐れることを示す人を昇進させるべきではない。自分の仕事について高い基準を設定しない人をマネジメントの仕事につかせるべきではない。
AP:誠実さを定義する。新たな従業員に求める誠実さの特性に取り組む。
0410     Crisis and Leadership(危機とリーダーシップ) 
●リーダーシップは悪天候の仕事である。
20世紀の最も成功したリーダーはチャーチルであった。しかし、1928年から1940年のダンケルクにかけての12年間、彼ははずされ、ほとんど信用されなかった・・・なぜなら、チャーチルは必要なかったから。仕事は日常業務であり、ある程度日常業務と見られた。激変が来た時、彼は有効となる。幸か不幸かどの組織においても予想し得るのは危機である。それは常に来る。あなたがリーダーに頼る時である。
組織のリーダーの最も重要な仕事は危機を予想することである。おそらく、それを避けるのではなく、それを予想することである。危機が直撃するのを待つことは責任放棄である。組織を、嵐を予想し、それに耐え、実際それに先立てるようにしなくてはならない。大災害を避けることはできないが、戦闘準備が整い、高い士気を持ち、いかに行動すべきかを知り、自身を信じ、人々がお互いを信じる組織を作ることはできる。軍の訓練において、第1のルールは、兵士に彼らの将校への信頼を染み込ませることである。なぜなら、信頼がなければ、彼らは戦わないからである。
AP:組織が面する主要な問題に立ち向かう。それらの本質を、率直かつ十分に伝える。それらを解決するのに必要な処置をとるため支援を集める。
0411     The Four Competencies of a Leader(リーダーの4つの適性) 
●自身ではなく、仕事に注目する。仕事が重要であり、あなたはその召使である。
ほとんどの組織は天候に関係なく導くことができる者を必要とする。重要なのは彼や彼女が基本的な適正に基づき働くことである。
第1の基本的な適性として、私は喜んで聞き、聞くことができ、自制して聞くことを挙げる。聞くことはスキルではない。それは訓練である。誰も後されをできる。あなたがすべきことは口を閉じることだけである。
第2の重要な適性は喜んで伝達し、自身を理解してもらうことである。これは果てしない忍耐を必要とする。
次に重要な適性は言い訳をしないことである。例えば「これは動くべき時に動かない。持ち帰って、作り直せ」。
最後の基本的な適性は仕事に比べ自分がいかに重要でないかを喜んで認識することである。リーダーは自身を仕事の下に置く。
有効なリーダーが自分の人格と個性を維持する能力を持つとき、全体として献身的であったとしても、仕事は彼らの後になる。彼らはまた、仕事の外に、他人としての存在を持つ。さもないと、彼らは、大義を進めるためと信じて、個人を大きくみせるために物事を行う。彼らは、自己中心のひとりよがりとなる。そして、結局、彼らは嫉妬深くなる。チャーチルの偉大な強みの1つは、彼が、最後に、若い政治家を押して進めたことである。
AP:毎金曜の午後に、4つのスキル(聞く、伝達する、間違いを設計し直す、自分のエゴを手元の仕事の下に置く)についての自身の1週間のレポートカードを作るために、10分とる。
0412     Fake Versus True Leader (偽者対真のリーダー)
●全ての人が1939年にできたことは、祈り願うことであった。
しかし、これは後知恵である。チャーチルは「経済人の終焉」に現れ大きな尊敬をもって扱われる。実際、私がその時に書いたものを今読むと、私はひそかにチャーチルがリーダーシップに現れることを望んだのではないかと思う。私は、また、 多くの著名な同時代人・・・例えば、多くのフランクリンルーズベルトのワシントンでの同僚・・・が解放を求めた、偽のリーダーを信じなかった。しかし、1939年、チャーチルは、70歳に近づく力のない老人であり、気持ちを高ぶらせる話術にかかわらず(あるいは、おそらくそれ故に)聴衆を退屈させるカサンドラであり、根っからダメな奴であり、しかしながら堂々と対立し、公職の要請に不適格であると証明したかもしれなかった。私は、フランスの陥落とダンケルクの退却のため、「ミュンヘンの男」が一掃され職を追われた1940年でさえ、今日信じがたいことに、チャーチルは決して必然的な後継者でなかったことを知る。
1940年のチャーチルの出現は、本が最初に出版されて1年以上後であり、「経済人の終焉」が祈り願った基本的なモラルと政治的価値の再言明である。しかし、1939年に全ての人ができたことは祈り願うことだけであった。現実はリーダーシップの不在であり、断言の不在であり、人と価値と原理の不在であった。
AP:自身の現実に立ち向かう。どのような脅威を避けてきたか?これらの問題を解決するため今日計画を立てる。
0413     Churchill the Leader(リーダーであるチャーチル)
●チャーチルが与えた者は、道徳の権威、価値の信念、理に適った行動の正義への忠誠であった。
経済人の終焉が明確に伝える30年代の最後の現実、全体のリーダーシップの欠如である。政治の舞台には多彩な人々がいた。過去にないほど、多くの政治家が熱狂的に働いていたように見える。これらの政治家のいくらかはしかるべき人物であり、非常に有能な人も何人かいた。しかし、双子の暗黒の君である、ヒトラーとスターリンを除き、彼らは情緒的な小人であり、凡人ですらいないと目立った。「しかし、チャーチルがいた」と今日の読者は異議を述べるだろう。確かに、全体主義の邪悪な力に対するヨーロッパの戦いにおけるリーダーとしてのチャーチルの出現は決定的な出来事であった。チャーチルの言葉を借りれば「運命の出来事」であった。
今日の読者は実際、チャーチルの重要性を過小評価しがちである。ダンケルクの撤退とフランスの陥落の後に、チャーチルが全ての場所の自由な人々のリーダーとなるまで、ヒトラーは絶対確実に進んだ。チャーチル後、ヒトラーは幸運にも「外れ」、タイミングと全ての敵の少しの動きも予測する異常な能力を持たなかった。30年代の洞察力のある計算者は40年代の野蛮な制御不能な突進者となった。65年経った今日、チャーチルがいなければ、米国がヨーロッパのナチの支配を受け入れたであろうことを認識することは難しい。チャーチルが与えたものは、まさに、ヨーロッパが必要としたもの・・道徳の権威、価値の信念、理に適った行動の正義への忠誠・・であった。
AP:あなたの組織で作用する鍵となる価値を記録する。これらをあなたのリーダーにより信奉される価値と比較する。正しい行動を生み出すために、作用する価値と信奉される価値をそろえる方法を勧める。
0414     Alfred Sloan's Management Style(アルフレッドスローンのマネジメントスタイル) 
●会社の中で「友好関係」を持つ CEO は公平であり得ない。
米国企業のトップでAlfred P. Sloan, Jr.ほど尊敬され崇敬されてきた者はほとんどおらず、彼はGeneral Mortorsにあり、その長い在職期間中トップであった。多くのGMのマネジャー達は、彼の静かであるが、親切、助け、アドバイスの決定的な行動、あるいは彼らが面倒に巻き込まれた時の温かい同情のため、彼に深い個人的感謝を感じた。しかしながら、同時に、スローンは、GM のマネジメントグループ全体から距離を保った。
「客観的で公平であることはCEOの義務である。」とスローンは言い、彼のマネジメントスタイルを説明した。「絶対的に辛抱強く、その人を好きかどうかは言うまでもなく、その人がいかに仕事をするかに関心を払ってはならない。唯一の基準はパフォーマンスと人柄でなくてはならない。それは、友好関係や社会的関係と両立しない。会社の中での「友好関係」を持ち、同僚と「社会的関係」を持ち、彼らと仕事以外を議論する CEO は、公平ではあり得ず・・・少なくとも、それは同様に傷つけ、彼はそのようなものとして見られない。孤独、隔たり、そして形式は彼の気質と矛盾するかもしれない・・・それらは常に私のとも矛盾する・・・しかし、それらは彼の義務である。」
AP:彼らを好きかどうかではなく、従業員のパフォーマンスと人柄に集中する。
0415      People Decision(人についての判断) 
●どの組織もそれが持つ人々以上にはできない。
人々についての判断は究極の・・・おそらく唯一の・・・組織のコントロールである。樋地墓地は組織のパフォーマンス能力を決める。どの組織もそれが持つ人々以上にはできない。人的資源からの産出は実際に組織のパフォーマンスを決める。そして、それは、基本的に人々についての判断・・誰を雇用しだれを解雇し、人々をどこに配置し、誰を昇進させるか・・により決められる。これらの人々についての決断の質は、単なる広報やレトリックではなく、組織が真剣に運営されるかどうか、そのミッション、価値及び目的が本当で人々に意味があるかどうかを決定する。
彼や彼女が人々を良く判断すると信じることからスタートするエグゼクティブは最悪の判断に終わる。人々の判断は単なる人に与えられる力ではない。かかる判断においてほとんど1000人の打率を持つ者は、彼らは人々を判断しないという、非常に単純な前提からスタートする。彼らは、診断的なプロセスへのコミットメントから始める。医療の教育者は彼らの最大の問題はよい目を持つ立派な若い医師であるという。彼は、それだけに頼らず、診断を行う我慢強いプロセスを経ることを学ばなくてはならない。そうでないと、彼は人を殺す。エグゼクティブもまた、人々の洞察や知識ではなく、平凡で退屈で誠実な段階的なプロセスに依拠することを学ばなくてはならない。
AP: 直観に基づいて人を雇わない。候補者を完全にリサーチしテストするプロセスを持つ。
0416    Attracting and Holding People(人々を惹きつけ保有する)
●産業の衰退の最初の兆候は有能な人々へのアピールの喪失である
人々の分野ではマーケティング目標が求められる。「我々が必要とし求める種類の人々を魅了し保有するために我々の仕事はどうであるべきか?労働市場で利用できる供給は何か?それを惹きつけるために我々は何をすべきか?」マネジャー供給、開発及びパフォーマンスのために特定の目標をたて、さらに被管理的労働における主要なグル^プのためにも特定の目的をたてることは極めて望ましい。労働者のスキルと同じくその行動についての目標が必要である。
産業の衰退の最初の兆候は適性があり有能で野心のある人々へのアピールの喪失である。例えば、米国の鉄道は第二次大戦後に衰退がはじまったわけではない。その時に明確で逆行できなくなっただけである。第一次大戦の頃に実際に衰退は始まった。第一次大戦前には、優秀な米国の工学の学校の卒業生は鉄道のキャリアを求めた。第一次大戦終了後、理由が何であれ、鉄道はもはや若い工学卒業生や教育を受けた若者を惹きつけなかった。その結果、20年後鉄道が非常な悪天候に入った時、新たな問題を処理でき、それに適任な者が、マネジメントに誰もいなかった。
AP:最高の人々を惹きつけ保有するための目標を設定し、それはパフォーマンス基準、労働者の態度とスキルのための目標を含む。
0417    Picking People: An Example(人々の選択:例) 
●人を彼らができないことで雇わない。彼らができることで雇う。
第二次大戦中に米軍の参謀長で、非常に偉大なリーダーであった米軍 マーシャルは正しい時に正しい場所に人々に投入する最もすばらしい記録を残した。彼は600人もの人を、失敗することなく、将官、師団の指揮官等に任命した。そして、これらの人々の誰もがかつて軍を命令したことがなかった。議論となれば、マーシャルの助言者は「大佐。何某は、人々の最高の訓練者ですが、上司とうまくやったことがありません。彼が国会の前で証言すれば、大失敗をやらかします。それほど無礼です。」と言う。マーシャルは尋ねる「割当ては何か?軍の訓練か?彼が訓練者として一流なら彼を投入しろ。あとは私の仕事である。」その結果、彼は、非常に少ない誤りで、最小の時間で、1300万人の、世界最大の軍を作った。教訓は、強みに集中することである。
AP:あなたが雇用する各人の強みを知る。
0418    Decision Steps for Picking People(人々を選任するための決定方法) 
●最も大事なことは、人と割当てがお互いに適合することである。
マーシャルは人々の決定をするにあたって5つの単純な決定ステップをとる。
第1に、マーシャルは注意深く割当てを考える。仕事の種類は長く続き得るが、仕事の割当ては常に変わる。
第2に、マーシャルは、様々な適性の人々を見る。履歴書に記載されるような公式の資格は出発点にすぎない。その欠如は候補者を失格とする。しかしながら、最も重要なことは、人と割当てがお互いに適合することである。最高に適合するには、少なくとも3〜5人の候補者を考えなくてはならない。
第3に、マーシャルは、各人が何をよくできるかを見るために、3〜5人の候補者のパフォーマンス記録を見た。かれは、候補者の強みを探した。人ができないことは重要ではない。その代わりに、彼らができることに集中し、この特定の割当てのためにそれらが正しい強みかどうかを決めなくてはならない。パフォーマンスは強みに基づいてのみ築かれ得る。
第4に、マーシャルは候補者について、彼らと働いたことがある人と議論した。最良の情報はしばしば候補者の以前の上司や同僚との非公式な議論から得られる。
第5に、決定がされると、マーシャルは、先任者が割当てを理解することを確かにする。おそらく、このための最善の方法は、新たな人に成功するために何をしなければいけないかを注意深く考えることを頼み、90日間仕事をさせ、それを書かせることである。
AP:誰かを雇うとき、これらの5つの決定ステップに従う。仕事を理解し、3〜5人を考え、彼らの強みを見つけるためにパフォーマンス記録を調査し、候補者についてのその同僚と話をし、雇えば、新たな従業員に割当てを説明する。
0419    Placements That Fail(失敗する配置)
●兵士には適切な命令がなされる権利がある。
人々の決定における完全な記録はない。成功するエグゼクティブは5つの基本的ルールに従う。第1に、エグゼクティブは失敗する配置の責任を受け入れなくてはならない。不実行者への非難は言い逃れである。エグゼクティブはその人の選任において誤った。しかし、第2に、エグゼクティブは実行しない者を取り除く責任がある。無能で不十分な実行者が仕事に残れば、全ての他人を困らせ組織全体の士気をくじく。第3に、人がその仕事を実行しないことは、その人が会社が辞めさせるべき悪い労働者であることを意味しない。それは彼や彼女が悪い仕事についてことを意味するにすぎない。第4に、エグゼクティブは全てのポジションについて正しい人の判断をするよう努めなくてはならない。そしきは、その個々の労働者の能力の範囲でのみ実行することができる。そのため、人々についての判断は正しくなくてはならない。第5に、新人は期待が知られ助けが利用できる確立されたポジションにつかせるのが最善である。新たな重要な割当ては主にその行動と修正が良く知られ、既に信頼を得ている人々にされるべきである。
AP:失敗した配置の責任を受け入れる。実行しない者を取り除く。
0420     The Succession Decision(承継の決断) 
●最も重要な人々についての決定で、最も取り消すことができないのが、トップの承継である。
トップの承継の判断は、全てのその判断ギャンブルであるため、最も難しい。トップの地位におけるパフォーマンスの唯一のテストはトップのポジションでのパフォーマンスであり、そのための少しの準備しかない。すべきでないことは単純である。あなたは去っていくトップのコピーを望まない。去っていくCEOが「ジョー(あるいはマリー)は30年前の私のようである」と言えば、それはコピーであり、コピーは常に弱い。18年間ボスにつき、彼や彼女の全ての望みを予想してきたが、1人で決断をしたことがない、忠実なアシスタントについて、すこし疑い深くなる。概して、決断する意欲がありそれができる人々は非常に長くはアシスタントの役割にいない。神聖なプリンスも外す。10のうち9は、それはパフォーマンスが重要で測定され、彼や彼女が間違え得る立場に置かれることを避けてきた人々である。それらは、パフォーマンスではなく、メディアイベントである。
承継判断を取り扱う積極的な方法は何か? 課題を見る。この組織で、次の数年にかけて、最大の挑戦となるのは何か?そして、人々とそのパフォーマンスを見る。証明されたパフォーマンスと必要性を合わせる。
AP:次の5年間にあなたの組織が直面するであろう最大の挑戦を決め、これらの挑戦を乗り越えた実績がある人を選ぶ。
0421    Sloan on People Decisions(人々の決断についてのスローン) 
●人の配置と彼を正しく配置するすることに4時間かけなければ、我々は誤りの後後始末に400時間かけることになる。
GMのトップ委員会の会議に出席した期間、会社は、資本投資、海外進出、自動車事業、付属品事業及び非自動車事業のバランス、組合との関係、財務構造等の基本的な決断をした。私は、すぐに、方針についての決断に費やされる時間に比べ、人々についての決断に費やされる不釣り合いの時間が気が付いた。ある時には、委員会は、ラインについてまで、仕事とポジションの割当て何時間も費やした。部屋をでると、私は振り返って言った「スローンさん。あなたはどういしてこのような小さな仕事に4時間も費やせるのですか?」彼は言った。「この会社は、重要な判断を行い、それらを正しくすることに対して、私に相当にいい給与を支払っている。デイトンの機械工長が悪ければ、我々の判断は水に書かれたのと同じである。かれはそれら(我々の判断)をパフォーマンスに変える。そして、多くの時間をとることについては、たわごとである。」「人の配置と彼を正しく配置するすることに4時間かけなければ、我々は誤りの後後始末に400時間かけることになる。そして、私はその時間をもたない。」彼は結論づけた。「人々についての決断は唯一の真に重要ものである。あなたも全ての人も、会社はより良い人々を持つことが出来ると考える。会社ができることは、人々を正しく配置することであり、そうすれば、パフォーマンスを得る。」
AP:人々についての決断・・選抜、配置及び評価・・はあなたの最優先である。
0422     A Good Judge of People(人々についての良い判断)
●人々の判断を正しくする人と人々の判断を誤り職を失い後悔する人がいるだけである。
スローンは続けた「あなたが私は人々についての良い判断者であるべきだと考えているが、本当のところ、そのような人はいない。人々についての判断を正しく、つまりゆっくりとする人々と、人々についての判断を誤って行い、職を失って後悔する人々がいるだけだ。我々は、人々についての良い判断者であるからではなく、念入りであることから、誤りをより少なくする。」
人々についての判断は通常ゼネラルモーターズの重役委員会で激論を引き起こした。しかし、ある時、委員会全体はある候補者に合意するように見えた。彼は、この危機にすばらしく対処し、問題を美しく解決し、冷静に火を消した。その時、突然スローンは割って入った。「あなた達のスミス氏は非常に印象的な記録を持っている」彼は言った。「しかし、彼が全てのこれらの危機にいかに取り組んでそのように輝かしく切り抜けたのか説明して欲しい」それ以上、スミス氏については聞かれなかった。しかし、ある時、スローンは言う「あなた達はジョージができないことを全て知る。彼がしたことはどうだ?彼は何ができる?」そして、スローンが告げられた時、彼は言う「わかった。彼は輝かしくないし、機敏でもなく、つまらなく見える。しかし、彼は常に実行しなかったのか?」そして、ジョージは困難な時期に大きな部門における成功した総支配人となった。
AP:人々についての判断を最優先にする。「失業して後悔」しなくていいように、これらの判断により多くの時間をかける。
0423      The Crucial Promotions(重要な昇進) 
●重要な昇進は明日のトップの人々が選ばれるグループへのものである。
会社が必要な貢献を得るには、それらを行う人々に報いなければならない。人々についての決断はと、特にその昇進は、組織が実際に信じる、実際に求めるもの、実際に表すものを確認する。それらは、言葉より声高に語り、いかなる数字より明確なストーリーを語る。
重要な昇進は、それは彼女とそのキャリアにとって最も重要かもしれないが、人の最初のものではない。マネジメントが小さな既に前もって選ばれたグループから選ばなくてはならない、トップへの最後のものでもない。重要な昇進は明日のトップの人々が選ばれなくてはならないグループへのものである。それは組織のピラミッドが突然狭くなる時点での判断である。この時まで、大きな組織では、全ての空位の職のため、40〜50人から選ばれる。その上では、選択は3〜4人から1人に狭まる。この時まで、1人は通常、1つの分野か機能で働く。その上では、彼女はその事業で働く。
AP: あなたの影響を使い上級のリーダーシップへの地位への昇進があなたの組織が真に表すものとなることを確保する。
0424     Social Responsibility(社会的責任)
●良い意図は常に社会的責任あるものとは限らない
少なくともその資本コストに匹敵する利益を示さない事業は無責任であり、それは社会のリソースを浪費する。経済的利益のパフォーマンスは、それなしでは、事業がいかなる他の責任も果たせず、良い雇用者、良い市民、良い隣人となり得ない基礎である。しかし、
教育的パフォーマンスが学校の唯一の責任であり、健康管理が病院の唯一の責任である以上に、経済的パフォーマンスは事業の唯一の責任ではない。
全ての組織はその従業員、環境、顧客及びそれが触れる人やものへの影響について責任を負わなくてはならない。それは社会的責任である。しかし、我々はまた、社会はますます、営利も非営利でも同様に、主要な組織に、主要な社会的病に取り組むことを期待する。そして、良い意図は社会的に責任があることとは限らないため、そこでは、我々は、用心深くあるべきである。組織にとって、それを追求することはもちろん、その主要な仕事とミッションを履行する能力を妨げる責任を引き受けることや適性のない行動をすることは無責任である。
AP:会社のの慈善行為について、あなたの会社がボールから目を離さないようにする。
0425     Sloan on Social Responsibility(社会的責任についてのスローン) 
●責任のない権威は違法であるが、権威のない責任も同じである。
アルフレッドスローンにとっての「公的」責任は、本職でないより悪い。それは無責任であり、権限の奪取である。「我々は高等教育に責任がある」と主要な米国企業のCEOが、スローンと私が出席した会議で言った。「事業における我々は高等教育に対して権限があるか?」とスローンは尋ねた。「何らかの権限を持つべきか?」「もちろん違う」が答えであった。「なら責任について話さないでおこう」とスローンは荒々しく言った。「あなたは大企業の上級役員であり、第1のルールを知っている。権限と責任は一致し、お互いに比例しなくてはならない。あなたが権限を求めなければ、それを持つべきではなく、責任について話すな。そして、あなたが責任を求めなければ、それを持つべきでなく、権限について話すな。」
スローンはこれをマネジメント原則にこれを置く。しかし、もちろん、それは政治理論と政治史の最初のレッスンである。責任のない権威は違法であるが、権威のない責任も同じである。双方とも専制に導く。スローンは、彼の職業的なマネジャーについて大きな権限を求め、高度な責任を負う用意があった。しかし、その理由で、彼は専門分野については権限を限定し、それら以外の分野における責任の存在や受入れを拒絶した。
AP:あなたの責任範囲はあなたの権限と見合うか?より見合うよう勧告する。
0426 Corporate Greed and Corruption(欲と腐敗)
●好況はペテン師をトップにする。
好況の時によく見せるのは簡単である。全ての好況・・私は4か5を経験した・・はペテン師をトップにする。1930年1月、若いジャーナリストとしての私の最初の仕事は、ヨーロッパで最大で最も誇り高い保険会社であった会社のトップマネジメントの公判の担当であったが、彼は会社を計画的に私消し、それは全て好況の後に続いた。唯一の新たなことは、最後の好況は帳簿をごまかす誘惑・・四半期の数字の強調と株価の強調、エグゼクティブは大きな金融上の利害関係を持つべきという善意でのしかしながら馬鹿げた信念、ストックオプション(私はをれを常にミスマネジメントへの開かれた誘いだと考えてきた)等・・を高めたことである。
それ以外は変わりはない。
AP:好景気は繁栄に加えて金融奪取者を生む。
0427    What Is Business Ethics?(事業倫理規範とは何か?) 
●事業倫理は、いくつかの理由により、通常の倫理のルールは事業に妥当しないことを想定する。
西洋の倫理の伝統が常に依拠する基本的な原理は、王子と乞食、金持ちと貧民、強者と弱者のために同じく妥当する、個人の行動についての唯一の倫理法典があるというものである。ユダヤ教の伝統における倫理学は、創造者が神、自然、あるいは社会と呼ばれようと、全ての男と女は等しい被造物であるという断言である。

唯一の倫理規範、一式の倫理のルール、同じルールが全ての人に等しく適用される個人の行動のルールがある。
そしてこの基本的な原理を事業倫理は否定する。
事業倫理は、言い換えれば、西洋の哲学者や進学者により一般に使われてきた言葉としての倫理規範ではない。事業倫理は何らかの理由で倫理規範のルールは事業に適用されないことを想定する。それでは、事業倫理とは何か?
AP: 何が正しく何が誤りかの個人的価値を職場での実務に投入する価値を分けない。
0428     The Ethics Of Social Responsibility(社会的責任の倫理) 
●事業倫理とは何か?「それは詭弁である。」
事業倫理とは何か?「それは詭弁である」と西洋哲学の歴史家は答えるであろう。詭弁は
統治者は、その責任故に、個人としての彼らに適用される倫理規範の通常の要請と彼らのその王国に対する社会的責任のバランスをとらなくてはならないと断言する。しかし、これは一般人にとって何が倫理的かを決めるルールは、社会的責任ある人には、適用されたとしても、等しく適用されないことを意味する。彼らにとっての倫理規範は、その代わりに、個人の良心の要請と地位の要請に関係する費用便益計算であり、それは統治者はm、彼らの行動が他の人々に便益を与えるものと議論され得る場合には、倫理規範の要請から免除されることを意味する。
事業倫理の偉大なホラーストーリーは、詭弁家にとって、非利己的な事業の殉難でなければ、事業善行の例として現れる。1950年代後半の「電気器具謀議」において、数名の高い地位のGEの役員が刑務所に送られた。タービン等の重電設備のオーダーは、GE、Westinghouse、Allis Chalmers の3社の電気機器メーカーで分けられていたため、彼らは、独禁法違反の刑事的謀議の有罪となった。カルテルの目的は最弱で最も従属的な会社であるAllis Chalmers の保護であった。政府の行為がカルテルを壊すと、Allis Chalmers はタービン事業から撤退し、数千人を解雇しなくてはならなかった。
AP:あなたのキャリアにおいて詭弁がこれらの決断の背後の倫理の基礎であった2つの決断を記録するする。これらのケースにおいていかなる決断がなされるべきであったか?
0429 Business Ethics(事業倫理)
●第一に害をなさぬこと。
職業人の第1の責任は2500年前に、ギリシャの医師のヒッポクラテスの誓いに明確に記された。「なによりも、知りながら害をなさない。」彼女が、医師であれ、弁護士であり、マネジャーであり、職業人で、顧客のために善いことをすることを約束できるものはいない。彼女ができることは、試みることだけ。しかし、彼女は、知りながら害をなさないことは約束できる。そして顧客もまた、職業人が知りながら害をなさないことを信頼することができる。さもないと、彼は彼女を全く信用できない。そして、「知りながら害をなさない」は職業人の倫理の基本的なルールであり、公的責任の倫理の基本的なルールである。
AP:第一に害をなさぬこと.。
0430 Psychological Insecurity(心理的不安)
●不安は産業的状況全体に浸透する。
経済的ではなく心理的な不安は、産業状況全体に浸透する。それは、恐怖を創り出し、それは未知で予想できないものへの恐怖であることから、それはスケープゴートとや犯人探しに導く。彼の仕事を支配する力の合理性と予測可能性への労働者の信頼を回復する場合のみ、我々は産業的企業の方針が有効であることを期待できる。我々がそれほど早い達成を望むことができる分野は他にはない。全ての基本的な力・・・社会の客観的な要請、企業の客観的な要請、そして個人の客観的な必要と要請・・・は産業的企業が機能する組織とする方向で働く。
AP:あなたの知識分野のトップにいるよう計画を立てる。あなたの雇い主があなたに被雇用能力を維持するための訓練と経験を提供できないなら、転職を考える。
■5月 
0501 Managing Knowledge Workers(知識労働者のマネジメント)
●人々のマネジメントは「マーケティングの仕事」
経済と新興の技術におけるリーダーシップを維持する鍵は、知識専門家の社会的ポジションとその価値の社会的受入れにありそうである。しかしながら、今日、資本がキーリソースで財政家がボスであるという伝統的な思考様式を維持しながら、ボーナスとストックオプションを与えることにより知識労働者を買収して満足させ従業員としてとどまるという、どっちつかずの態度をとろうとしている。しかし、それは、機能するとしても、インターネット企業のように新興の産業が資本市場ブームを享受する限りでのみ機能する。
知識労働者のマネジメントは、「マーケティングの仕事」である。そして、マーケティングでは、「我々は何を求めるか?」という質問から始めない。「相手が何を求めるか?」「その価値は何か?」「そのゴールは何か?」「それは何を結果と考えるか?」から始める。知識労働者を動機付けるものはボランティアを動機付けるものである。ボランティアは、給料を得ないため、給料を得る従業員よりも、その仕事からより満足を得なくてはならない。彼らは、何より、挑戦を必要とする。
AP:あなたの最高の従業員に十分な挑戦を提供する
0502 The Network Society(ネットワーク社会)
●先進国は急速に「ネットワーク社会」に移行する
100年以上、全ての先進国は確実に組織の従業員社会に進んできた。今日、米国を先頭に、先進国は、組織とそのために働く個人の関係、そして異なる組織間の関係に関し、急速に「ネットワーク社会」に移行している。
米国の労働者のほとんどの成人は、組織のために働く。しかし、ますます、彼らは組織の従業員でなくなる。彼らは、契約者、パートタイマー、臨時雇いである。そして、組織間の関係は組織とそのために働く人々の関係と同じくらい早く変わっている。最も明らかな例は、会社、病院、政府組織がある活動全体をその種の仕事に特化した独立の会社に委譲する「アウトソーシング」である。より重要なのは、アライアンス(協力)への傾向である。個人の専門家と幹部は、自分自身をその立場に置く責任があることを、学ばなくてはならなくなる。それは、とりわけ、彼らがその強さを知り、販売される「製品」とみなさなくてはならないことを意味する。
AP:協力においてあなたが魅力的な10の理由をリストにする。
0503 Global Competitiveness (グローバルな競争)
●グローバルに考え、ローカルに行動する
戦略は新たなファンダメンタル(原則)を受け入れないといけない。いかなる組織も・・・ビジネスだけでない・・・(そのリーダーが)世界のどこにあろうとう各産業のリーダが設定した基準に対して自らを評価しなくてはならない。
情報伝達の容易さとスピードにより、殆どの組織はその活動と市場においてはローカルであり続けたとしても、知識社会における全ての組織はグローバルに競争的でなくてはならない。
なぜなら、インターネットにより、全ての場所の顧客は世界のどこで何がいくらで利用できるかを知るからである。イーコマースは、商業と富の配分のための新たなグローバルなチャネルを作る。
一例がある。ある起業家がメキシコの非常に成功したエンジニアリングデザイン会社を作った。彼は、その最もタフな仕事の1つは、社員と同僚に、もはや競争が単にメキシコ人だけでないことを分からせることだと言う。競争相手の物理的拠点がなくても、インターネットにより、顧客にグローバルなオファーを知り、メキシコで同じ品質のデザインを求める。この経営者は、社員に、会社が直面する競争はグローバルであり、会社のパフォーマンスはメキシコの競争相手ではなく、グローバルな競争相手と比べられなくてはならないことを分からせないといけない。
AP:国内と国外の競争相手のウェブサイトを見、それを自分の組織のウェブサイトと比べる。それが気に入らなければ、イーコマースによるい投資する。
0504 Characteristics of the Next Society(次の社会の特徴)
●知識社会での全ての組織はグローバルに競争的でなくてはならない。
次の社会は知識社会である。その3つの主要な特徴は
@ボーダレス:知識はお金より、容易に伝達する。
A上方への流動性:容易に得られる正規の教育を通じ、全ての人が享受できる。
B成功と同じく失敗の可能性:誰もが「生産手段」・・仕事のために必要な知識・・を得ることができる。しかし、全ての人が勝てるわけではない。
あわせて、これらの3つの特徴は知識社会を、組織と個人にとって、高度に競争的なものにする。
情報技術は、次の社会の多くの新たな特徴の1つにすぎないが、既に非常に重要な効果を持っている。
それは知識をほとんど瞬時に広め、全ての人々にアクセスできるようにする。
情報移動の容易さとスピードにより、知識社会における全ての組織(事業だけでなく、学校、大学、病院、そしてより多くの政府事務所もまた)は、そのほとんどがその活動と市場においてローカルであり続けるが、グローバルに競争的である必要がある。それは、インターネットが全ての場所にいる顧客に、世界のいかなる場所で、いかなる価格で、何が利用できるかを知らせるからである。
AP:インターネットが彼らに価格に精通させることで、どれだけの顧客を失いつつあるかを見つける。競争するために、価格を切り詰めるかどうかを決める。
0505 The New Pluralism(新しい多元論)
●新しい組織のそれぞれは、自らの目的を中枢で、究極の価値があり、本当に重要であると認める。
社会の新しい多元的組織は政府や統治に関心がない。以前の多元的組織と違い、それは「全体」ではない。そのようなものとして、その結果は、完全に外部にある。事業の成果は満足した顧客である。病院の成果は治った患者である。学校の「成果」は10年後学んだものを仕事に活かす学生である。
いくつかの点で、新しい多元論は、古い多元論より、はるかに柔軟で、不和を生じない。新たな組織は、中世の教会であれ、封建時代のバロンであれ、自由都市であれ、古い多元論の組織のように、政治的力を侵食しない。新しい多元論は、しかしながら、古い多元論と異なり、同一の関心を共有したり、同じ世界を見たりしない。新しい組織のそれぞれは、自らの目的を中枢で、究極の価値があり、本当に重要であると認める。全ての組織は、その自分の言葉を話し、自分の知識をもち、自分のキャリアの階段をもち、なにより、自分の価値を持つ。自らを、コミュニティ全体に責任をもつものとはみない。それは、誰か他人の仕事である。しかし、誰の?
AP:単一利益の多元論の我々の社会の政治的病を考える。
0506 Knowledge Does Not Eliminate Skill (知識はスキルを排除しない)
●スキルのない知識は非生産的である。
今日、「知識労働者」という言葉は、医師、弁護士、教師、会計士、化学技術者等、学理的な知識と学びを備えた人々を描写するのに広く使われる。しかし、最も著しい成長は、コンピュータ技術者、ソフトウェアデザイナー、臨床研究室の分析者、製造技術者、パラリーガル等の「知識技術者」においてとなる。これらの人々は、知識労働者であると同時に、肉体労働者である。実際、彼らは通常その頭脳をつかう以上に手を使って仕事をする。
知識はスキルを排除しない。逆に、知識は、急速にスキルの基礎となる。我々は、非常に進んだスキルを素早く獲得できるよう、ますます知識を使う。知識はスキルの基礎として用いられて初めて、生産的となる。例えば、致命的な脳出血となる前に脳動脈瘤の手術を準備をする外科医は、切る前の診断に何時間も費やし、それは高度に整えられた専門知識を必要とする。しかしながら、手術それ自体は、スピード、正確さ、均一性が強調される、反復的な手作業から成る肉体労働である。そして、これらの手術は、他の肉体労働と同じく、研究され、体系化され、学ばれ、実践される。
AP:あなたの仕事に必要とされるスキルの輪郭を示す。最適な品質と生産性のためlこれらのスキルを分析し、磨く。
0507 A Knowledge Society and Society of Organizations (知識社会と組織社会)
●専門知識は、それ自体としては、何も生み出さない。
ポスト資本主義社会は、知識社会であるとともに組織社会であり、それぞれは、互いに依存するが、そのコンセプト、視点、価値において大きく異なる。専門知識はそれ自体何も生み出さない。それは、仕事に統合されて初めて生産的となり得る。これが知識社会が組織社会でもある理由である。全ての組織(事業も非事業も同様)の目的と機能は、専門知識の一般の仕事への統合である。知識労働者が有効である必要があるという基本的継続を提供できるのは組織だけである。知識労働者の専門知識をパフォーマンスに転換できるのは組織だけである。
知識人は、組織を道具と見る。それは、その技術や専門知識の実践を可能にする。マネジャーは、知識を組織のパフォーマンスに向けた道具とみる。いずれも正しい。それらは反対であるが、矛盾としてではなく、対極として相互に関係する。2つが相互にバランスする時、創造と秩序、達成と使命が存在し得る。
AP:ボスと同僚にあなたが行おうとする貢献を記した手紙を書く。あなたの貢献がいかに同僚の貢献に統合され、組織の結果につながるかの理解を示す。
0508 Price of Success in the Knowledge Society(知識社会における成功の価格)
●失敗への恐怖は既に、知識社会に浸透している。
知識社会の上昇移動は、ラットレースの心理的プレッシャーと感情的トラウマという、高価な対価を支払う。敗者がいる場合にのみ、勝者が存在し得る。これは以前の社会とは違う。
日本の子ども達は、試験に合格するために夕方塾で過ごすため、睡眠不足に陥っている。そうでないと、彼らが望む評価の高い大学に入り、いい仕事につくことにならない。米国、英国、フランス等の他の国でも、学校は激しく競争的となっている。これが、30〜40年以内の短期間に起ったことは、いかに失敗への恐怖が知識社会に浸透したかを意味する。この競争的苦闘により、増加する高度に成功する、事業マネジャー、大学教員、博物館の管理者、医師等の知識労働者は、40歳台で安定期に入る。仕事が彼らの全てであれば、問題である。知識労働者は、そのため、真剣な外部的関心を持つ必要がある。
AP:外部的関心を充たす真剣なものを開発する。
0509 The Center of the Knowledge Society (知識社会の中心)
●教育は知識社会の中心となり、学校は鍵となる制度となる。
歴史を通じ、5年か7年の徒弟制度の後に取引を学んだ熟練工は、18歳か19歳までに、生涯に使う必要となる全てを学んだ。今日、新たな仕事は、相当な正規の教育と論理的・分析的知識の獲得・適用能力を必要とする。仕事への異なるアプローチと異なるマインドセットを必要とする。とりわけ、継続的な学びの習慣を必要とする。
いかなる知識の組み合わせが全ての人に必要か?学びと教えにおける「質」とは何か?それらは、必然的に、知識社会の中心的な関心となり中心的な政治的課題となる。私達が資本主義の時代と呼んだ2,3世紀に財産と収入の獲得が占めた場所を、知識社会の政治において正式な知識の獲得と分配が占めるであろうと予想することは、空想的に過ぎるものではない。
AP:学びを一生の習慣とする
0510 Sickness of Government(政府の病)
●古い女主人は残すが、我々の政府との情事は終わる。
政府と1918年から1960年にかけて成人となった世代との間以上に政治的蜜月になったことはない。この期間に誰かが行う必要があると感じたものは全て政府に委ねられ、全ての人が信じたように思われたが、仕事は確実に行われた。
しかし、今日、私達の行動は変化している。我々は急速に政府への疑問と不信に向かっている。我々はなお、習慣のみから、社会的な仕事を政府に委ねる。
我々はなお、不成功なプログラムを何度も手直しし、進行中の手直しが治癒しないであろうものは何も悪くないと断言する。しかし、私たちはもはや、不手際のプログラムを3度直す時には、もはやこれらの約束を信じない。我々はもはや政府からの結果を期待しない。例えば、誰が米国(又は国連)の対外援助プログラムの変更が急速な世界規模の開発を生み出すと信じるであろうか。長い間の人々との政府の間の情熱的なロマンスであったものは、今日、どうやって断ち切ればいいかがわからず、長引いて悪化し、いやになった、中年の関係となった。
AP:議会の議員に企業の仕事の論理を適用して社会問題を解決しながら、新たな政府資金を必要としないプログラムを提案する。
0511 Managing Foreign Currency Exposure (外国為替リスクを管理する)
●外国為替リスクは最も保守的なマネジメントを投機家にする。
古く十分にテストされた知見によれば、会社の事業が主に通貨や物資の取引に従事しなければ、会社は負けるし、いずれかに投機すれば深刻に負ける。しかし、外国為替リスクは、最も保守的なマネジメントを投機家にする。
経営者は、外貨での売買の損失、国内外の市場での販売と市場地位の喪失といった、様々な種類の外国為替リスクから企業を守ることを学ばなくてはならない。これらのリスクは除去することはできないが、最小にし少なくとも制限することはできる。とりわけ、それらは、ヘッジとオプションの利用により、他の保険プレミアムとさほど変わらない、既知の、予測可能な、管理された事業コストに転換できる。会社の金融の「国際化」はまた、純粋に国内企業が為替レートに基づく海外競争に対してある程度自分を守る、最高の、おそらく唯一の、方法である。
AP:リスクをヘッジすることで、為替リスクからビジネスを守る。
0512  The Manufacturing Paradox(製造パラドックス)
●いかにしてより少ない従業員でより多くを生産するか。
2020年に向けた最も信用できる予想は、製造での雇用は労働人口の10〜12パーセントに縮小するが、先進国の生産高は少なくとも2倍となるというものである。製造を変え、生産性を跳ね上げるのは、「リーン生産方式」といった新たなコンセプトである。情報やオートメーションは製造の新たな理論・・それは、80年前の大量生産の到来に匹敵する進歩である・・より重要でない。
富と仕事の創造者としての製造の減少は、必然的に、新たな保護主義をもたらし、かつて農業で起こったことを、繰り返す。農家の有権者が少なくなれば、「農家の票」はより重要になる。人数が減るに従い、農家は全ての金持ちの国で不釣り合いな影響力をもつ単一の特別利益集団となる。
AP:製造又はオペレーション機能において1人当たり生産高の成長率を決める。あなたの組織は製造パラドックスを経験している?余分な製造従業員を再教育するプログラムを勧める。
0513 Protectionism(保護主義)
●有効性に対する最大の障害は昨日の問題であり、それは我々のビジョンを制限する
富と仕事の創造者としての製造の衰退は、必然的に新たな保護主義をもたらす。激動の時期への最初の反応は外の冷たい風から自分の庭を守る壁を作ろうとすることである。しかし、そのような壁は、もはや世界基準に達しない組織・・・とりわけ事業・・・を守らず、それらをより脆弱にする。
好例が、1929年から50年間、国内経済を外界から独立させる計画的政策をとったメキシコである。外国との競争を排除するために保護主義の高い壁を構築しただけでなく、20世紀の世界においてメキシコ独自のものであるが、国内企業に事実上輸出を禁じた。近代の純粋なメキシコ経済を作ろうとしたこの試みは、惨憺たる失敗となった。メキシコは、実際には、食物と製造製品の双方において、より一層外国からの輸入に依存した。もはや必要な輸入品への支払が出来なくなったことから、ついには、外国に開かざるを得なかった。そして、メキシコの産業の多くは生き残ることができなかった。
AP:製造の仕事が少なくなれば、国の製造拠点は脅かされるか?先進国では、社会と経済がもはや肉体労働により支配されないことを受け入れることは、何故そんなに難しいのか。
0514 Splintered Nature of Knowledge Work (知識労働の細分化)
●殆どの組織で、知識労働は細分化する。
知識労働は専門化され、それゆえに、ほとんどの組織で細分化する。これらの専門を効率的に管理することは、知識ベースの組織にとって、大きな挑戦である。例えば、病院は、高度に専門化した知識労働者を管理゙し、配置し、満足させるために、PEOs(専門的雇用者組織)と人材派遣会社にアウトソーシングできる。これは、マネジメントの仕事の一部をアウトソースすることになる。近代の病院は知識作業の細分化とその結果としてのPEOと人材派遣会社へのアウトソーシングにより生み出された複雑なマネジメントの例を提供する。
275から300のベッドがあるそれなりの大きさの地域病院でさえ、およそ3000人が働き、その約半分はなんらかの種類の知識労働者である。2つのグループ・・看護師と事業部門の専門家・・はかなり大きく、それぞれ数百人いる。しかし、理学療法士と臨床ラボの人々、精神科のケースワーカー、腫瘍学の技術者、手術患者の準備を整える2ダースの人々、睡眠科の人々、超音波診断技術者、心臓科の技術者、その他の約30の「医療補助専門家」がいる。全てのこれらの専門家の管理が、近代の病院を最も複雑な組織とする。
AP:あなたの組織でアウトソースできる機能を考える。これらの機能をアウトソースし、パフォーマンスと品質を監視する。
0515 Use of PEOs and BPOs (PEOとBPOの利用)
●人事マネジメントをアウトソーシングすることで30%のコストを節約でき、同時に従業員満足を高めることができる。
会社は人事マネジメントにおいて重要な変化を経験しており、専門的雇用者組織(Professional Employer Organizations)、PEOs、はこれらの変化への1つの対応であった。この産業を成長させる主たる要因は人事機能を規制する複雑な法規制の増加と、その結果であるこれらの新たな現実を処理するため労働者を管理し維持するための専門的知見の必要性である。PEOsは主に中小規模の会社に集中する。PEOsを使うことで、マネジャーは解放され、雇用関係規制や事務処理ではなく、その中核能力に集中できる。20年前にはほとんど存在していなかったこの産業は、年間30パーセントの割合で成長している。
PEOsとは対照的に、Business Process Outsourcing firms、BPOsは、大企業、典型的には2万人以上の従業員がいる会社の人事機能に責任を負う。BPO産業での革新者でありリーダーである、Exultは、1998年に創業し、今日、グローバルフォーチュン500社の多くのために、賃金台帳、リクルート、配置、訓練、従業員データの管理、配置転換と解雇等、人事機能の全域を管理する。マッキンゼーの調査によると、これらの方法で人事マネジメントをアウトソースするマネジメントコンサルタント業は、30パーセントのコストを削減すると同時に、従業員満足を高めることができる。
AP:人事機能の一部をアウトソーシングするか?何故そうするか何故そうしない?
0516 Managing Nontraditional Employees(非伝統的従業員を管理する)
●経営者の挑戦は、全ての種類の労働者の努力を調整すること
フルタイムの労働者、PERsと臨時雇いに加え、新たな会社では、非伝統的従業員からなる、密接に関係するが別に管理される組織があり得る。ますます、労働者は早期に退職するが、仕事を止めない。彼らの「セカンドキャリア」はしばしば従来と違う形をとる。彼らは、フリーランス、パートタイム又は臨時雇い、または、外注業者のために、あるいは自身が契約者として働く。このように「早期退職しながら働き続ける」ことは特に知識労働者にとって普通である。
これらの多様なグループを引きつけ保有することは、新しい会社での人のマネジメントの中心的な仕事となる。これらの人々は事業と永続的な関係をもたない。彼らは管理される必要はないが、生産的なものとされなくてはならない。彼らは、その専門知識が最大の貢献をする場所に配置されなくてはならない。マネジャーは、これらの非伝統的労働者の専門的開発、モチベーション、満足、生産性について、外注業者の相手と、緊密に働く必要がある。
AP:非伝統的従業員を引きつけ、効果的にあなたの組織に統合する。
0517 The Corporation as Confederation (連合としての会社)
●会社から連合へ。
連合としての会社の2つの著名な例がある。80年前、GMは初めて、今日の大企業が依拠する、組織概念と組織構造を初めて生み出した。その80年のうちの75年を2つの基本原則に依拠した。我々は、製造するものをできる限り所有し、行うものを全て所有する。今日、スエーデンのサーブ、日本のスズキといすゞ等、競争会社の少数出資者となる試みを行い、フィアットの支配的少数派パートナーとなろうとしている。同時に、その製造するものの70〜80パーセントを手放した。
2番目の例はまさにもう一つの道を行く。それは、最近20年間最も成功している自動車会社であるトヨタである。トヨタは自らをその中核的機能(core competency)である製造を中心に再構築する。多様な部品・付属品供給者を止め、全ての地域に1か2だけにする。同時に、その製造機能をこれらの供給者を管理するのに使う。それらは、独立した会社であり続けるが、マネジメントから見れば、基本的にトヨタの一部である。
AP:あなたの組織とその競争相手が、よりGMに近いか、トヨタに近いかを分析し、あなたの産業の構造を理解する。
0518 The Corporation as a Syndicate(シンジケート(企業連合)としての会社) 
●シンジケートのモデルは19世紀の農家の協力である。
GMとトヨタのアプローチはどんなに違っても、伝統的な会社から出発する。しかし、全く会社モデルと離れた新たなアイデアがある。
1例はヨーロッパ連合の非競争的な製造者により試みられている「シンジケート」である。構成会社は、中規模の、家族所有で、所有者経営である。それぞれは、狭い、高度に設計された製品ラインでのリーダーである。それぞれは、大きく輸出に依存する。各会社は独立であり、独立に製品を設計し続ける。その主要市場に向け自分の工場で製造し、販売し続ける。しかし、他の市場、とりわけ新興の開拓されていない国に向けて、シンジケートは、メンバーのための製造用にシンジケートが所有する工場か、現地の契約製造業者により、製造を手配する。シンジケートは、全てのメンバーの製品のデリバリーを扱い、全ての市場でサービスをする。各メンバーはシンジケートの持分を保有し、シンジケートは、各メンバーの資本の一部を保有する。これが聞きなれたものであるとすれば、それはこのモデルが19世紀の協同農場だからである。
AP:あなたの組織が既存の又は新たなシンジケートの一部であることから利益を受けるかどうかを決める。
0519 People as Resources(リソースとしての人)
●人はリソース(資源)であり単なるコストではない。
日本人は、人々は同僚であり最も重要なリソースとして見られなくてはならないという私の考えに最初にかつ最も気を留めた。労働者へのかかる尊重を通してのみ、真の生産性が達成される。
人々はリソースであり単なるコストではない。最も正しいマネジャーは望む目的に向けて人をマネジメントすることで何が実現され得るかを理解することから始める。マネジメントは地位や特権を行使することではない。それは、「取り決めること」をはるかに超える。マネジメントは、事業と他の多くの側面において、人々とその生活に影響する。
AP:人を開発されるべきリソースとみる。人々と自分を最高のアイデアに触れさせ、それらの適用について訓練されるようにする。
0520 Making Manual Work Productive(肉体労働を生産的にする)
●知識労働は生産工学を必要とする肉体的作業を含む
テイラーの原則は人を誤らせるほど単純に聞こえる。肉体労働者を生産的にする第一歩は仕事を見て、その要素となる動作を分析する。次に、各動作と、そのための身体活動と時間を記録する。不要な動作は除去され得る。完成品を得るために必要なものとして残る各動作を、最も単純な方法、容易な方法、作業者への肉体的・精神的負荷が最も小さい方法、最も時間を必要としない方法で組み立てる。そして、これらの動作を論理的順序で「仕事」に統合する。最後に、その動作に必要な道具を設計し直す。
テイラーのアプローチは肉体労働が社会と経済の成長部門である国においては、なお統合原則である。先進国では、挑戦はもはや、肉体的作業を生産的にすることではない。中心となる挑戦は、知識労働者を生産的にすることである。しかし、高度に先進的な理論的知識を必要とする作業を含む莫大な量の知識労働があり、それらは肉体的作業を含む。これらの作業(肉体的作業)の生産性はまた、テイラーの方法論を実践する生産工学を必要とする。
AP:仕事に知識労働と肉体的作業の混合を理解し、後者に生産工学の基本原則を適用する。
0521 Productivity of Service Work (サービスワークの生産性)
●サービスワークの生産性の向上はマネジメントの第1の社会的責任である。
サービスワークの生産性向上の必要は、先進国で社会的な優先事項である。それが達成されないと、先進世界は、社会的緊張の増大、分極化や急進性の増大に直面する。ますます新たな階級戦争に直面し得る。サービスワークの生産性が急速に改善されない限り、大きな階級・・物を作って動かす人々の大きさはピークにある・・の社会的・経済的地位の双方は着実に下降する。実際の収入は、いかなる時も、生産性より高くなり得ない。サービスワーカーは、その数的能力を利用し、その経済貢献が正当化する以上の賃金を得るかもしれない。しかし、それは、全員の収入を下げ、失業を増やし、社会全体を貧しくするだけである。
あるいは、豊富な知識労働者の着実な賃金上昇との関係で、非熟練労働者の収入が下がり、その2つのグループ間の溝は大きくなり、階級への分極化が増大する。いずれの場合も、サービスワーカーは遊離し、ますます苦痛を味わい、離れた階級となる。
私達は、サービスワークの生産性を上げる方法を知る。これは生産作業であり、過去100年間に生産性増大について学んだことは、最小の調整で、その仕事に適用できる。課題は知られ実行可能であるが、緊急を要する。それは、実際、知識社会におけるマネジメントの第1の社会的責任である。
AP:サービススタッフの生産性上昇のための年間目標を設定し、これらの新たな目標を達成した人に報いる。
0522 Raising Service-Worker Productivity(サービスワーカーの生産性を上げる)
●郵便室を売る
サービスワーカーの生産性の改善は、組織構造における基本的変更を必要とする。多くのケースでサービスワークはサービスが提供される組織から外注される。これは、特に、メンテナンスのようなサポートワークや、多くの事務仕事に妥当する。「アウトソーシング」は、さらに、建築設計などの仕事や、専門図書室に適用される。実際、アメリカの法律事務所は既に、自前の法律図書室が行っていたもののほとんどを、外部のコンピュータ化された「データベース」に外注している。
生産性増大の最大の必要性は、組織内でシニアマネジメントへの昇進と結びつかない活動にある。シニアマネジメントの誰もが、この種の仕事に関心をもたず、十分に知らず、気にとめず、重要であると考えることもない。病院では、例えば、評価システムは医師と看護師のそれである。彼らは患者のケアに関係する。誰も、メンテナンスワーク、サポートワーク、事務仕事に多くの関心を持たない。我々は、それゆえに、短期間の間に、これらの仕事が、(競争し、この種の仕事をより生産的にするにあたっての有効性に対して支払を受ける)独立した組織に外注されることを期待すべきである。
AP:舞台裏の事務仕事を他人の表側の部屋にする。
0523 Knowledge-Worker Productivity(知識労働者の生産性)
●知識労働者の生産性は知識労働者がコストではなく資産として見られ扱われることを求める。
知識労働者の生産性への取組みはほとんど始まっていない。しかし、我々は多くの答えを知っている。我々はまた、答えをまだ知らない挑戦を知っている。
6つの主要な要因が知識労働者の生産性を決定する。
1.知識労働者の生産性は、「何が仕事か」という質問を問うことを求める。
2.それは我々が各知識労働者の生産性の責任を彼ら自身に負わせることを求める。
知識労働者は自分自身を管理しなくてはならない。彼らは自主性を持たなくてならない。
3.継続的イノベーションは仕事の一部であり、課題であり、知識労働者の責任である。
4.知識労働は知識労働者の側に継続的な学びを求めるが、同様に、知識労働者の側に継続的な教授も求める。
5.知識労働者の生産性はアウトプットの量の問題ではなく、少なくともそれは主要なものではない。質が、少なくとも重要である。
6.最後に、知識労働者の生産性は知識労働者がコストではなく資産として見られ扱われることを求める。それは知識労働者が、他の機会に優先して、その組織で働くことを望むことを求める。
AP:1から5までを知識労働に適用する。
0524 Defining the Task in Knowledge Work (知識労働の仕事の定義)
●知識労働では「いかに」は「何を」が答えられて初めて問題となる。
肉体労働では仕事は常に与えられる。使用人がいる家では、主人は彼らに何をするかを伝える。機械や組立ラインが工場労働者の作業を決定する。しかし、知識労働では、何をするかが最初の決定的に重要な問いである。知識労働者は機械によって作業を決定されない。彼らは、広く、自分の仕事をコントロールし、コントロールしなくてはならない。彼らは、そして彼らだけが、最も高価な生産手段(=その教育)と最も重要な道具(=知識)を所有しコントロールする。彼らは、もちろん、看護師のWであれエンジニアのコンピューターであれ、他の道具を使う。しかし、彼らの知識が、これらの道具が何のためにいかに使われるかを決める。彼らは、仕事を完成するために、どのステップが最も重要で、どの方法が用いられる必要があるかを知り、どの仕事が不要で取り除かれるべきかを伝えるのは彼らの知識である。
従って、知識労働者の生産性への取組みは、知識労働者自身への問いから始まる。あなたの仕事は何か?それは何であるべきか?何を貢献することが期待されているか?あなたの仕事をするに際し、何がそれを妨げ、取り除かれるべきか?「いかにして」は「何を」が答えられた後にのみ問題となる。
AP:「私は何に対して支払がなされるか」「何に対して支払がなされるべきか」を問うことで、知識労働者としての仕事を定義する。
0525 Defining Results in Knowledge Work(知識労働での結果を定義する) 
科学者の成果・・・科学知識の進歩・・・は組織とは関係ない。
仕事の定義は与えられた仕事の成果が何であるべきかを定義することを可能にする。正しい成果は何かという質問に対して、しばしば、複数の答えがある。販売員が、その成果を、顧客あたりの最大売上と定義することは正しいが、顧客を繋ぎとめることと定義することも正しい。
してがって、知識労働者を生産的にするための次の重要なステップは、知識労働者の仕事の成果を定義することである。これは、異論の多い決定であり、そうあるべきである。それはまた、リスクをとる決定である。とりわけ、それは、個々の労働者の仕事と組織のミッションが収れんし調和されるべきポイントである。
百貨店が取引あたりの最大販売を目指すか顧客あたりの最大販売を目指すかを決めるのは、マネジメントの責務である。患者と医師のどちらを病院の主たる顧客とするかを決めるのもマネジメントの責務である。この決断は、知識組織のマネジャーと経営者にとって恒久的な挑戦の1つであり続ける。
AP:あなたのポジションの成果を定義する。あなたが成果を定義する方法と組織があなたのポジションの成果を定義する方法の矛盾を調和させる。
0526 Defining Quality in Knowledge Work (知識労働の質の定義)
●知識労働の質の評価は手ごわい。実際には、自ら定義する。
いくつかの知識労働・・・特に、高度な知識を要求する仕事において・・・私達は、既に質を測定する。例えば、外科医は、困難かつ危険な手術での成功率・・例えば、開胸手術患者の生存率により、日常的に測定される。しかし、該して、多くの知識労働の質に関して、これまで、概ね、評価ではなく判断をする。しかしながら、主な問題は、質の評価の困難さではない。仕事が何で、何であるべきかの定義における難しさである。
最適な例は米国の学校である。米国の中心市街地の公立学校は大失敗の地域となった。しかし、その隣には・・・同じ場所で同種の子ども達のための・・・私立学校があり、そこでは子ども達は行儀もよく、よく学ぶ。これらの大きな質の違いを説明する憶測が繰り返される。しかし、主な理由は、その2種類の学校がその仕事を別に定義することにある。典型的な公立学校はその仕事を「恵まれない人々を助ける」ことと定義し、典型的な私立学校(特に、カソリック教会の教会区の学校)は、その仕事を、「学びたい子どもを学べるようにする」と定義する。そのため、一方は学校的に失敗し、他方は学校的に成功する。
AP:あなたの仕事の質を定義する。
0527 Management:A Practice (マネジメント:実践)
●マネジメントの方針のテストは、答えが正しいか間違っているかではなく、それが機能するかどうかである。
GMの役員は原則を発見し、それらの原則は、自然法則のように、絶対的なものだと信じた。私は、対照的に、この種の原則は、常に、人がつくったものであり、良くて実践的なものだとする。これがマネジメントに対する私のアプローチがこの主題についての著述家や理論家とは異なってきた理由であり、おそらく、私が学究的な世界に尊敬の目を向けなかった理由である。私は、基本的価値、特に人間的な価値が存在すると信じる。しかし、私は「正しい1つの答え」があるとは信じない。少なくとも、他の全てが失敗しない限り試みもしないような、高い確率で間違った答えであろうものはある。しかし、マネジメントや他の社会的規律での方法のテストは答えが正しいか間違っているかではなく、機能するかどうかである。マネジメントは神学の一派ではなく、実際は、臨床的な分野である。医学におけるように、テストはその治療が「科学的」かどうかではなく、患者が回復するかどうかである。
AP:パフォーマンスの改善に有用だと考える3つの「経験則」をあげる。あなたにとって役に立たなかった「教科書の原則」を引用する。
0528 Continuous Learning in Knowledge Work(知識労働における継続的学び)
●知識組織は学ぶ組織であるとともに教える組織である必要がある。
知識労働者はその課題に継続的な学びを組み入れなくてはならない。そして、知識組織は学ぶ組織であるとともに教える組織である必要がある。知識は今日、全ての分野において、速く変化するので、知識労働者は、継続的な学びを自分の仕事に組み入れない限り、かなり早く時代遅れになる。これは、エンジニア、化学者、生物学者や会計士等の高度な知識にのみ妥当するものではない。それは、ますます、心臓病の看護師、賃金台帳を扱う者やコンピュータの修理人にとっても妥当する。しかしまた、知識組織はその同僚が何を行い試みているかを理解する知識の専門家に依拠する。そして、彼らは異なる専門をもつ。知識労働者は、従って、とくに自身の専門の知識のベースが変化するときには、同僚の教育に責任を持つ必要がある。
これは、知識労働者が座って2つの質問に答えることが求められることを意味する。
1.報酬を得ている知識に遅れないため何を学ぶ必要があるか
2.自分の知識分野において、同僚は何を知り理解しなくてはならず、それは、何について、組織や彼らの仕事に貢献できる(すべき)か。
AP:最後の2つの質問に答える
0529 Raise the Yield of Existing Knowledge(既存の知識の生産高上げる)
●「つなげる」
学びと教えることにおいて、我々は道具に注目しなくてはならない。用法において、我々は、最終結果、課題、仕事に注目しなくてはならない。「ただつなげる」は偉大な英国の小説家、E.M.フォスターの説諭である。それは、常に、芸術家のホールマークであったが、同様に、偉大な科学者のホールマークでもある。彼らのレベルで、つなげる能力は生来のものであり、われわれが「天才」と呼ぶ不思議の一部である。しかし、かなりの程度、つなげる能力、かくして知識の産出をあげる能力は学ぶことができるものである。結局、それは教育可能であるべきである。それは、問題定義のための方法論を要求し、それは「問題解決」の方法論を必要とするよりも緊急である。
それは、既存の問題が必要とする種類の知識と情報の体系的な分析を求め、既存の問題が取り組まれるステージを組織化する方法・・我々が今日「システムリサーチ」と呼ぶものの根底にある方法・・を必要とする。それは、「無知の組織化」と呼ばれ得るものを要求し、知識が存在する以上により多くの無知が常に存在する。
知識への専門化は、我々に、それぞれの分野での大きなパフォーマンスの潜在力を与える。
しかし、知識があまりに専門化されるため、我々はまた、この潜在力をパフォーマンスに転換するための、方法、訓練、プロセスを必要とする。さもないと、利用できる知識のほとんどは、生産的なものとはならず、単なる情報にとどまる。知識を生産的にするため、我々はつなげることを学ばなくてはならない。
AP:決定前に問題を定義するため十分な時間をかける
0530 Rank of Kowledge Workers (知識労働者のランク)
●「哲学は科学の女王」と古い諺は言う。しかし、腎結石を取り除くには、論理学者より泌尿器科を欲する。
知識労働者は、働く組織があるため、働くことができる。その点で、彼らは依存する。しかし、同時に、彼らはその知識という「生産手段」を保有する。知識労働者は自分を、弁護士、教師、牧師、医者、昨今の公務員と違わない、別の「専門家」と見る。彼女は同じ教育を受ける。彼女は、収入と機会を組織に依存し、組織の投資なくして彼女の仕事がないことを認識するかもしれない。しかし、彼女はまた、組織も同様に彼女に依存することを、正しく認識する。
どの知識も他より上位ではない。組織におけるポジションは、固有の優劣や下位ではなく、普通との仕事への貢献により決定される。
AP:あなたの組織に最大の貢献するするためにあなたの知識をいかに使われ得るかを決定する。あなたがその貢献をいかにして最大化できるかについて、ボスと同僚の合意を得る。
0531 Post-Economic Theory (ポスト経済理論)
●私たちは、経済学を人の価値に結びつけるアプローチを持つ
明日の経済学は次の質問に答えないといけない。「いかに私たちは事業を経営する方法を結果に結びつけるか?」「結果は何か?」「利益」という伝統的な答えはあてにならない。利益哲学(bottom-line philosophy)の下では、我々は、短期を長期に結びつけることができないが、2つのバランスはマネジメントの決定的なテストである。
生産性とイノベーションの標識が我々の指針であるべきである。我々が、生産性の低下の下、あるいはイノベーションなしに利益を達成する場合、それは利益ではない。我々は資本を壊している。他方で、全ての鍵となるリソースの生産性や革新的立ち位置を改善し続けている場合、我々は収益的となりつつある。今日だけではなく、明日。人の仕事に適用される知識を富の源泉と見るにあたって、私達はまた、経済組織の機能も見る。初めて、私達は、経済を人の規律とし、人の価値と結びつけるアプローチ・・ビジネスパーソンに彼女が正しい方向に向かっているか、その結果が現実か幻想かの基準を提供する理論・・を持つ。私たちは、冨の産出について我々が知り理解することに基礎を置く、ポスト経済理論の入口にいる。
AP:組織のパフォーマンスを生産性とイノベーションという2つの経済的指針で測定又は評価する。
■6月 
0601 Managing Oneself(自分自身を管理する)
●知識労働者は自分自身の管理に責任を負わないといけない。
知識労働者はその雇用する組織より長生きする傾向にある。彼らの平均労働期間50年。しかし、成功するビジネスの平均寿命は30年に過ぎない。したがって、ますます、知識労働者は、雇用者より長生きし、複数の仕事に備えないといけない。そして、これはほとんどの知識労働者が自分自身を管理しなくてはならないことを意味する。彼らは自分自身を最大の貢献ができる場所に置かないといけない。彼らは自分自身の開発を学ばなくてはならない。自分がすることを、いかに、いつ変えるか、それをいかにするか、それをいつするかを学ばなくてはならない。
自分自身を管理するための鍵は知る事である。私は誰?私の強みは何?私は結果を達成するためにいかに働く?私の価値は何?私はどこに所属する?私はどこに所属しない?最後に、うまく自分自身を管理するための重要なステップは、フィードバック分析である。全てのカギとなる行動とカギとなる判断の期待する結果を記録し、9か月か1年後に実際の結果と比較する。
AP:自分の強み、価値及び最高のことができる場所を知ることで自分自身を管理する。そして、フィードバック分析をする。まず、カギとなる行動や判断の期待する結果を記録する。そして、9か月か1年後、実際の結果をそれらの期待と比較する。
0602 A Successful Information-Based Organization (成功する情報ベースの組織)
●システムは、各メンバーがその仕事をするために必要な情報を持つようデザインされるから、機能する。
中間層なしに、巨大で成功した情報ベースの組織の好例はインド総督府である。英国はインドを、18世紀中期から第二次大戦まで、200年にわたり統治した。広大で人口密度の高い亜大陸を統治するインドの文官は1000人以下であった。ほとんどの英国人は最も近い同国人に会うには1〜2日かかる、孤立した出先機関に住み、最初の100年間は、電報も鉄道もなかった。
組織構造は完全にフラットであった。各地区の官吏は州の長官である「COO」に直接報告した。9の州があり、各長官には、少なくとも100人の直接報告者がいた。毎月、地区の官吏は1日をかけ、州の首都にいる長官に詳細な報告を書いた。彼は、主要な課題のそれぞれを議論した。それぞれについて、起こると期待されたことと、実際に起こったことを詳細に記し、差異が生じた場合にはその理由を記した。彼は、カギとなる課題について、翌月に起こることが予想されることとそれへの対応を記し、方針について質問し、長期的な機会、脅威及び必要なものについてコメントしした。長官は、それに対し、詳細なコメントを返した。
AP:あなたの組織とインドの総督府との類似点を考える。
0603 The "Score" in Information-Based Organizations (情報ベースの組織における「スコア(楽譜)」)
●病院の全ての専門家は、病気のケアと治療という、共通の「スコア(楽譜)」を持つ。
情報ベースの組織の条件について何が言えるか?数百の演奏家とそのCEOである指揮者は、全員が同じスコアを持つため、一緒に演奏できる。同様に、病院での全ての専門家は、病気のケアと治療という、共通のミッションをもつ。診断は彼らの「スコア」であり、それはX線室、栄養士、理学療法士、その他の医療チームに特定の行動を指示する。情報ベースの組織は、言い換えれば、特定の行動に変換される、明確で、単純で、共通の目標を必要とする。
情報ベースの組織の「プレーヤー」は専門家であるため、いかにその仕事をするかを指示され得ない。ホルン奏者にいかにするのかを示すことはもちろん、フレンチホルンの1つの音符すら思うようにできる指揮者はほとんどいない。しかし、指揮者は、ホルン奏者のスキルと知識を、演奏者の共同のパフォーマンスに集約させることができる。この集約は、情報ベースのビジネスのリーダーが達成し得なくてはならないものである。情報ベースの事業は、すべてのメンバーが自己規律を発揮できるよう、企業と各部分と専門家についてのマネジメントのパフォーマンスの期待を明確に伝えるゴールの周りに、そして、結果とこられのパフォーマンス期待とを比較する組織化されたフィードバックの周りに、構築されなくてはならない。
AP:企業と各専門家についてのマネジメントのパフォーマンス期待を明確に述べ、期待を結果を比較する、組織のための共通の「スコア」を持つ。
0604 Taking Information Responsibility(情報責任を負う)
●情報の専門家は機械技師である。彼らは我々に布張りの釘を椅子に打つにはどのような道具を使うかを教えることができる。我々は、椅子に布張りをすべきかどうかを決める必要がある。
情報ベースの組織の条件は全ての人が情報責任を負うことである。オーケストラのファゴット奏者は音符を演奏する時に情報責任を負う。医師と医療補助者は記録と情報センターの精巧なシステムや患者の階のナースステーションと働く。インドの地区の官吏はレポートを提出する都度この責任の下行動した。かかるシステムへの鍵は全ての人が、「この組織の誰がいかなる情報について私に依拠するか?私は誰に依拠するか?」について尋ねることである。各人のリストは常に上司と部下を含む。しかし、最も重要な名前は、主たる関係が対等である同僚である。内科医と外科医と麻酔医の関係は1例である。しかし、生化学者、薬理士、臨床テストを担当する医師及び製薬会社でのマーケティング専門家の関係も異ならない。それはまた、各当事者に、十分な情報責任を負うことを要求する。
AP:正しい時期に、正しい情報を正しい人に伝えることで、情報責任を引き受ける。いかなる情報について誰に依拠するか、次に誰があなたに依拠するかについて、リストをつくる。
0605  
Rewards for Information Specialists (情報専門家への報酬)
●ミドルマネジメントのポジションがはるかに少ないという単純な理由により、「マネジメント」への昇進は例外である。
情報ベースのビジネス組織での専門家にとっての機会は、インドの文官はもちろん、オーケストラや病院のそれよりたくさんあるべきである。しかし、これらの組織におけるように、それらは、主に、専門内での昇進機会であり、限定的な昇進である。ミドルマネジメントのポジションがはるかに少ないという単純な理由で、「マネジメント」への昇進はは例外である。
しかし、プロの専門家にとって、そして、そのマネジメントの同僚にとって、唯一の意味ある機会はマネジメントへの昇進である。そして、実際上全ての事業で広く行われている報酬構造は、管理職のポジションと肩書に大きく偏向しているため、この傾向を強化する。この問題への簡単な答えはない。ほとんどのシニアパートナーが専門家であり、パートナーになれないアソシエイトは早い段階で外にでる大規模法律・コンサルティング事務所が参考になるかもしれない。しかし、最終的にどのような体制になるにしても、事業の価値と報酬体制が根本的に変更した場合にのみ、それは機能する。
AP:いかに組織の報酬体系を昇進が水平的か組織外になるという現実を反映したものに変更できるか?
0606 Hierarchy Versus Responsibility (ヒエラルキー対責任)
●伝統的な組織は指揮権限に基づく。情報ベースの組織は責任に基づく。
会社がその組織を現代の情報技術を中心に作る時、「誰がどの情報を、いつ、どこで、必要とするか。」を質問しなくてはいけない。役割が行動より報告であるマネジメントの地位と層は廃棄し得る。
しかし、情報ベースの組織は、1番目の主任からトップマネジメントまでの全てにおいて、自己規律と上方への責任を必要とする。伝統的組織は、指揮権限に基づくが、情報ベースの組織は、責任に基づく。流れは下から上へ、そして再び下へと循環する。情報ベースのシステムは、したがって、各人と各ユニットが、そのゴールと優先事項、その関係、そしてコミュニケーションについての責任を受け入れて初めて機能する。これは、素早い決断と反応を可能にする。これらの優位性は、理解、価値の共有、そして何より、相互の尊重がある場合にのみ得られる。全てのプレーヤーがスコア(楽譜)を知る必要があれば、共通の言葉と共通の統一の核がなくてはならない。組織が情報ベースであれば、財政的コントロールが唯一の言葉である多角化はバベルの塔(非現実的な計画)の混乱へと崩壊する。
AP:あなたの組織は財政上のコントロールにより、あるいは理解、価値の共有、そして相互の尊敬によって1つになっているか?あなたのゴール、関係、コミュニケーションを含む、自分自身と自分のユニットの責任を受入れる。
0607 Sudden Incompetence (突然の不適任)
●私が見た全ての組織でのリソースの最大の浪費は、昇進の失敗である。
なぜ、10年あるいは15年間適任であった人達が突然不適任となるのか?私が見た実際上全てのケースにおける理由は、人は新たな仕事でも、古い割当てで成功し、昇進につながったことを続けることである。彼らは、無能になったからではなく、誤ったことをすることにより、不適任となった。
新たな割当てが求めるものは、優れた知識や才能ではない。それは、新たな割当てが求めるもの・・新たな挑戦、仕事、課題にとって決定的なものへの集中を求める。
AP:新たな課題において、古い課題で成功したことを続けない。新たな課題に入る時、「新たな課題において、効果をだすには、どのような新しいことをすべきか」を尋ねる。
0608
Self-Renewal (自己革新)
●あなたは何で記憶されたいか?
私が13歳の時、活気を与える宗教の教師がいて、ある日、生徒の1人1人に「あなたは何で覚えられたいか」と尋ねた。もちろん、誰も答えられなかった。彼は笑って「君たちが答えられるとは思っていない。しかし、50歳の時までになお答えられないとしたら、人生を浪費したことになる」と言った。
私は常に「あなたは何で記憶されたいか」と尋ねている。それは、自分自身を、あなたがなることができる別人として見るようにさせるため、自分自身を新たにさせる質問である。幸運であれば、あなたが人生を送るにあたりそれを尋ね続けることができるよう、十分に早い時期に、道徳的権威のある誰かが、あなたにこの質問をするだろう。
AP:あなたは何で記憶されたいか?
0609 Individual Development (個人の成長)
●重要なのは、地位があることではなく、責任があることである。
個人の成長に最も責任があるのは、自分であり、上司ではない。自分の成長にとっての最優先事項は卓越に向けて努力することである。技量は、仕事の質の差をもたらすためだけでなく、仕事をする人の差をもたらすため、重要である。
あなたが自分の再生に取組む場合にのみ、興奮と挑戦と、古い仕事を何度も豊かなものにする変質を生み出す場合にのみ、仕事が刺激を与えることを期待する。
自己再生への最も効果的な道は、予期しない成功を求め、進めることである。
成功への決定的な要因は、自分を説明できるようにしておくことである、説明責任・である。他の全てはそこから出てくる。大切なのは、地位があることではなく、責任があることである。説明できるようになるには、「私は仕事まで成長しなくてはならない」と認識できるよう、真剣に仕事を受け止めなくてはならない。説明責任に集中することで、人は自分自身についてのより大きな視野を持つ。
AP:卓越に向けて努力する
0610 What to Do in a Value Conflict?(価値の衝突において何をすべきか)
●私は墓地で最も金持ちの男になることに意味を見出さなかった。
人の強みとその人が行う方法の間にはほとんど衝突はない。この2つは相補的である。しかし、人の価値とその人の強さの間にはしばしば衝突がある。人が上手く、それも極めて上手く、首尾よくすることは、しばしば、その人の価値体系に適合しない。それは、その人が貢献し、その人生(あるいは、その重要な部分)を捧げるべきものと思えないかもしれない。
私もまた、何年も前に、私が上手く首尾よくするものと私の価値との間で判断しなくてはならなかった。私は、1930年代の半ば、ロンドンの若い投資銀行員として、極めて上手く働き、それは明らかに私の強みに適合した。しかし、私は、自分自身を、アセットマネジャーとして貢献するものとは思わなかった。人々こそが私の価値であった。そして、私は、墓地で最も金持ちの男になることに意味を見出さなかった。私は、お金もなく、深刻な不景気のなかで他の仕事もなく、見通しもなかった。しかし、私は辞め、それは正しいことであった。価値は、言い換えれば、究極の試金石である。
AP:あなたが上手くすることは、あなたの価値体系に適合するか。
0611 Place Yourself in the Right Organization(正しい組織に身を置く)
●人として私はどこにあるべきか?
自身を開発させるには、正しい種類の組織で正しい仕事につかなくてはならない。基本的な質問は「人として私はどこにあるべきか?」である。これは、最善を尽くすため、いかなる仕事環境を必要とするか・・大きな組織か小さな組織か?他人と一緒に働くか1人で働くか?変わりやすい状況でか、そうでないか?締め切りのプレッシャーの下でか?・・の理解を必要とする。
「私はどこにあるべきか?」の考え抜かれた答えが今働いている場所でなければ、次の質問は何故?である。組織の価値を受け入れられないからか?組織が腐敗しているか?価値が自身のものと相容れない状況にいるのであれば、あなたは、冷笑的で自分を軽蔑するようになるため、あなたは確実に傷つけられる。あるいは、あなたは、政治屋で、あるいは自分のキャリアにのみ関心があることから、腐敗した上司のために働いているかもしれない。あるいは、最も油断ならないが、あなたが賞賛する上司が、有能な部下をサポートし、育て、昇進させるという、上司としての重要な役割を怠るかもしれない。間違った場所にいるなら、基本的に腐敗しているなら、あるいはあなたのパフォーマンスが認められないのなら、正しい判断は辞めることである。
AP:正しい組織にいるか?何故か、何故そうでないのか?そうでなければ、辞めるべきか?
0612 Management Education(マネジメント教育)
●数年のマネジメント経験のない人々のためのマネジメントコースは時間の無駄である。
私が求め、長年教えるにあたり私が実践してきたものは、次のとおり。
・すでに成果をだしている人のためのみのマネジメント教育。私は、数年のマネジメント経験のない人のためのマネジメントコースは時間の無駄だと信じる。
・民間、官庁そして、非営利目的のセクターからの人々を一緒にしてのマネジメント教育。
・学校においてでも、実際の組織における実際の課題についての、計画された、生徒による体系的作業・・・医師の病院実習に相当するもの。
・政府、社会、歴史そして政治プロセスの一層の重視。
・実際の挑戦を知る、実際のマネジメント経験と十分なコンサルティング実績のある教師
・利用できる数字の限界といかに数字を利用するかの理解における、より大きな量的(数字的)なスキルと同時に、 真の挑戦である数量化できない分野(特に事業外での数量化できない分野)の強調。
AP:現在のポジション、そしてあなたが望むポジションに適するエグゼクティブ開発コースをとる。そのコンセプトを直接仕事の課題に適用する。
0613 Attracting Knowledge Workers (知識労働者を惹きつける)
●知識労働者を惹きつけ維持するために、機能しないことを既に知っている。それは賄賂である。
知識労働者を惹きつけ、維持することは、人のマネジメントの2つの中心的な課題である。我々は、何が機能しないかを知っている:賄賂である。過去10年か15年、米国の多くの事業は知識労働者をひきつけ、維持するために、ボーナスかストックオプションを使用した。収益減のためボーナスがなくなり、株価下落のためオプションが無価値となれば、それは常に失敗する。そして、従業員とその配偶者は、にがにがしく、騙されたと感じる。もちろん、収入と手当についての不満は強力に意欲をそぐため、知識労働者はその賃金において満足させられる必要がある。しかし、インセンティブは違う。
知識労働者は、去ることができることを知っている。彼らは、流動性と自信をもつ。これは、彼らが、非営利組織のために働くボランティアと同様に、ボランティアとして扱われ、管理されなくてはならないことを意味する。これらの人々がまず知りたいのは、会社がしようとすることと、向かう場所である。次に、彼らは、個人的達成と責任に関心があり、それは彼らが正しい仕事につけられなくてはならないことを意味する。知識労働者は、継続的な学びと訓練を期待する。彼らは、特に、彼ら自身というより、その知識分野への尊重を求める。知識労働者は、自分の分野において判断することを期待する。
AP:会社がしようとすることと、向かう場所を定義することで、専門家をボランティアとして管理する。彼らを、正しい仕事に就かせ、教育的恩恵を与える。彼らとその専門分野を尊重する。彼ら自身の分野で、彼らに判断をさせる。
0614
Pension-Fund Shareholders (年金ファンド株主)
●短期の結果と長期のパフォーマンスは両立しないわけではないが、違うものであり、バランスされなくてはならない。
新たな会社は短期のパフォーマンスを年金ファンド株主の長期利益とバランスさせなくてはならない。短期のパフォーマンスの最大化は年金ファンド株主の利益を危険にさらす。
重要なことに、株主主権を可能にする事業利益の絶対的優先の要求はまた、会社の社会的機能の重要性を強調してきた。1960年か70年以来のその出現が株主主権を生み出した新たな株主は伝統的な意味での「資本家」ではない。彼らは、退職・年金ファンドを通じて事業と利害関係をもつ従業員である。2000年までに、米国の年金ファンドとミューチュアルファンドは、米国の大企業の株式資本の過半を保有するに至った。これは、株主に、短期の利益を求める力を与えた。しかし、確実な退職収入の必要性は、ますます、人々の関心を投資の将来価値に向けさせる。会社は、従って、短期の事業結果と退職給付の供給者として長期のパフォーマンスに注意を払わなくてはならない。この2つは、両立しないわけではないが、違うものであり、バランスされなくてはならない。
AP:短期の結果と、年金ファンド株主の利益を満足させる長期にわたっての結果をだすよう、会社をマネジメントする。
0615 Pension-Fund Regulation(年金ファンド規制)
●年金ファンド規制と不正利得からのその保護は難題である。
先進国における45歳より上のほとんどの人々にとって、年金ファンドにおける彼らの利益は彼らの最大の資産の1つである。19世紀を通じて、一般の人の最大の金融的ニーズは、早く死亡した場合に家族を守る生命保険であった。平均余命は19世紀のほとんど倍になり、今日の一般の人々の最大のニーズは、長く生き過ぎる脅威に対する保護である。19世紀の「生命保険」は「死亡保険」であった。年金ファンドは「老齢」保険である。それは、ほとんどの人が労働期間を超えて長年生きる社会での必須の制度である。
年金ファンド規制と不正利得からのその保護は、今後の政策担当者と立法者にとって難題である。おそらく、いくつかの卑劣なスキャンダルの後にのみそれは対応される。
AP:あなたの年金ファンドの現在の規制の弱点は何か。
0616 Pension-Fund Capitalism(年金ファンド資本主義)
●資本市場の判断は、将来投資をするであろう人々から、「慎重人準則(prudent man rule)」に従う人々に移行する。
資本市場の判断は、実際に「企業家」から「受託者」に、将来投資をするであろう人々から、「慎重人原則」に従わなくてはならない人々にシフトしており、それは、過去のパフォーマンスへの投資を意味する。ここに、新たな、新興の、小さな、成長事業を餓死させる危険が横たわる。しかし、それは、新技術に基づくものであれ、社会的・経済的ニーズを事業機会に転換するものであれ、新たな事業へのニーズが特に緊急な時に起きる。
新たなベンチャーへの投資と反対に、古い既存の事業に投資する場合、全く異なるスキルとルールが必要となる。既存のものに投資する人は、リスクを最小にしようとする。彼は、確立したトレンドと市場、実証された技術とマネジメントパフォーマンスに投資する。

企業家的投資家は、10の投資のうち7は、多かれ少なかれ全体的損失を伴い、うまくいかずに清算されるという想定で活動しないといけない。事前に、若い新しい事業への10の投資のうちどれが失敗し、どれが成功するかを事前に判断する方法はない。企業家的スキルは「投資選択」には存在しない。それは、結果がでないために、何を捨て、そして、いくつかの初期の失敗にかかわらず、「正しく見える」ため、何を全力で後押ししサポートするかを知ることにある。
AP:あなたの年金ファンド資産の一部を新たなベンチャーに投資する権威があり、過去にそれに成功した受託者に指示することを考える。
0617 Test of Pension-Fund Socialism(年金ファンド社会主義のテスト)
●資本形成へのペナルティは年金ファンド社会主義の下での社会が与えることができない贅沢である。
私たちはこの国において、資本形成は、その消費が勤労者の「偽りの貯蓄」から調達されなくてはならない年配の退職者の増加から生じる年金コストの上昇による実際の「貯蓄取崩し」との差引きにより増加し得るという過程について、ほどんど考えてこなかった。確かなものとして言える唯一のことは、資本形成の障害であり、それへのペナルティは、年金ファンド社会主義・・・そして多くの高齢者が退職によってサポートされなくてはならない社会・・・がほとんど与えることができない贅沢である。必然的に、消費より資本形成が、これからの国内経済政策の中心的な問題となり、米国の年金ファンド社会主義の経済力のテストとなる。
AP:いかに資本形成を増大できるか?
0618 The Business Audit (事業監査)
●支配的な所有者としての年金ファンドの登場は経済の歴史の中で最も驚くべき変化である。
米国最大の年金ファンドでさえ、1つの会社の資本のほんの一部しか保有せず、それをコントロールできない。ビジネスでなく、ファンドは詳細な商業的・事業情報にアクセスできない。彼らは、事業にフォーカスしないし、そうあり得ない。彼らはアセットマネジャーである。しかし、彼らはその保有する会社の詳細な事業分析を必要とする。そして、マネジメントの説明義務が埋め込まれた機関構造を必要とする。
私たちは、結局、おそらく独立の専門会計事務所の財務監査実務と類似する、正式の事業監査実務をつくり出すと思う。事業監査は毎年行われる必要はない・・・ほんとどのケースで3年ごとで充分かもしれない・・・が、それは予め決められた基準に基づき、事業パフォーマンスの体系的な評価を行う必要があり、マーケティング、イノベーション、生産性、人材開発、地域関係など、収益につながる全てを通じて、ミッションと戦略を持ってスタートする。
AP:あなたの組織でどの年金ファンドが大きな株主か知っているか?彼らはあなたの組織について情報を得るためにいかなるシステムを持っているか?
0619 Inflation Versus Unemployment (インフレーション対失業)
●インフレーションは、年金に依拠する退職した人々にとって最大の脅威である。
大恐慌以来、失業は、現代社会と経済に固有のそして最も危険な病気として見られてきた。年金ファンド社会主義の下で、インフレーションが代わりにこれらの役割を引き継ぎ得る。インフレは、年金に頼る退職者にとって最大の脅威であり、同様に、その退職給付の将来の購入力にますます利害関係をもつ50歳を越えた労働者にとっても脅威である。これらの2つのグループは、合わせて、成人人口のほとんど過半を占める。これらの2つのグループは、年金ファンド社会主義の結果として、かつて以上にインフレの防止に利益をもつ。この種類の有権者は、共通の関心を共有し、米国の政治システムにおいて重要な「利益グループ」であり、影響力のある政治力である。同時に、失業は、年金ファンドの「顧客」(退職者と高齢の労働者)にとって、脅威であるとしても、大した脅威ではない。
AP:インフレーションが失業よりも大きな問題であることに賛成する?
0620
When Regulation Is Required(規制が必要な時)
●正しい規制が制定されるようにすることはマネジメントの仕事である。
有害な事業的打撃の削減を事業機会とすることは、常に試みられるべきである。しかし、それは、多くのケースで行われ得ない。多くの場合、打撃の削減はコストの増大を意味する。一般大衆が苦しんできた「思わぬ影響」は事業コストとなる。したがって、産業における全事業者が同じルールを受け入れなければ、それは競争的不利となる。そして、ほとんどの場合、これは規制によってのみ行われ得、それは公的な活動によってなされることを意味する。
コストの増加なくして打撃が削減できない場合、最小のコストでそれを解決し、社会と事業に最大の利益をもたらす規制を考え実現することはマネジメントの責務となる。そして、正しい規制が制定されるようにすることはマネジメントの仕事である。マネジメント(事業マネジメントだけでない)はこの責任を遠ざけてきた。
AP:あなたの産業における有害な事業的打撃を、事業機会や有効な規制に転換できるか?
0621 Work(仕事)
●悪魔は怠惰な手に仕事を見る。
仕事は、重荷であるとともに必要であり、呪いであるととも祝福である。失業は、経済的貧困のためではなく、主に、自尊心を傷つけるために、ひどい精神不安をもたらす。仕事は、人格の拡張である。それは達成である。人が自分自身を定義し、自分の価値と人間性を測る、方法の1つである。
AP: 失業により自尊心を傷つけさせない。仕事以外に自分を定義する方法があることに気付く。
0622 ●Goal and Vision for Work(仕事のためのゴールとビジョン)
音楽家としての人生で、私は完璧に向けて努力した。それは、常に、私を避けた。私は、もう1度試みなくてはならなかった。
私はこれらの言葉を決して忘れなかった。それらは、途方もない感銘を与えた。ヴェルディは、私の年齢(18歳)の時、既に訓練を積んだ音楽家であった。私は、その時までに、綿織物の輸出では成功しそうにないこと以外、自分が何になるのかわからなかった。私は、18歳がそうであり得るように、未熟で、青二才で、純粋だった。15年後、30歳代前半になるまで、私は自分が何に向いていて、どこに属するかを知らなかった。しかし、私は、人生の仕事が何であれ、ヴェルディの言葉を私の道しるべとすると決めた。私は、年を経ても、決してあきらめす、続けると決意した。とにかく、私は、それが常に私を避けることを知りながら、完璧に向けて努力する。
AP:それが常にあなたを避けることを知りながら、自分の仕事で完璧を目指す。
0623 Self-Governing Communities(自治的コミュニティ)
マネジメントは、自治的工場コミュニティと責任ある労働者のアイデアを、その特権の「侵害」であるとして、拒絶しがちであった。
マネジメントと「産業的手順の解剖」についての私の仕事の中で、自治的工場コミュニティと責任を負う労働者の考えは、最も重要で独創的なものである。自治的工場コミュニティは、個々の従業員、作業チームそして、従業員グループによる、各人の仕事の構成、主要な仕事のパフォーマンス、並びに、シフト計画、休暇予定、残業割当、安全管理、そして、とりわけ、従業員給付等のコミュニティの事柄のマネジメントについての管理責任の引受けである。
しかし、マネジメントは、これらのアイデアを、その特権の「侵害」であるとして拒絶しがちであった。そして労働組合は完全に敵対的であり、彼らは、敵として戦うべき、目に見える「上司」が必要であると思っていた。しかし、第二次大戦でこれらの分野で達成されたのは、スエーデンの自動車会社での組立てラインを入れ替える試みのように、今日ブレークスルーとして吹聴されているものをはるかに超えた。これは、実際、ほとんど特に「寛容」でない会社である、IBMで、工場の作業チームが日常的に負う責任は言うまでもなく、米国産業で標準とされた組立ラインを超えるものでもない。
AP:彼らがその責任を引き受けることができるよう訓練された思えば、責任を全ての従業員に委ねる。
0624 Civilizing the City(都市の教化)
社会セクターのみが今日必要なもの(=市民のためのコミュニティ)を作ることができる。
都市の教化はますます全ての国・・特に、米国、英国及び日本のような先進国・・において最重要となる。政府も事業も、世界の全ての主要都市が必要とする新たなコミュニティを提供しない。それは、非政府的、非事業的、非営利組織の役割である。社会部門のみが、我々が今日必要とする、市民(特に、先進社会にますます多くなる高度な教育を受けた知識労働者)のためのコミュニティを作ることが出来る。この1つの理由は、非営利組織のみが、我々が必要とする実に多様なコミュニティ(教会から、専門家協会まで、ホームレスを世話する組織から、ヘルスクラブまで)を提供することができることである。
非営利組織はまた、有効なコミュニティの副次的ニーズである、有効な市民としてのニーズを満たすことができる唯一のものである。20世紀は、特に先進国で、政府と事業の爆発的な成長を見た。21世紀が特に必要とするものは、新たに支配的な社会環境である都市における、非営利的社会セクターの爆発的な成長である。
AP:あなたがお気に入りの非営利組織がいかに都市における新たなコミュニティの創設に役立つかを考える。
0625 Human Dignity and Status(人の尊厳と地位) 
正義と尊厳の統合、機会の平等と社会的地位・機能の統合を見つけることは、現代の会社におけるおそらく最も大きな仕事である。
レッセフェール経済と市場社会の子としての現代の企業は、その最大の弱点が社会における個人の地位と機能に対するニーズを見ることができないことにある信条に依拠する。成功しない多数との関わりを拒むことにおいて、市場社会は、救済のため選ばれない圧倒的多数に関係することを拒むカルヴァン主義の真の子どもであった。英国の思想家であるハーバートスペンサーを経て、この信念は、今日、神学上の言葉よりも、ダーウィンの「適者生存」の言葉で表される。しかし、これは、市場社会の哲学は、成功しない者は「君主から拒否された」とみなされ、憐みは君主の判断に疑問を抱くのと同じく罪深いとみなされる場合にのみ意味をなすという事実を変えるものではない。我々は、経済的に成功しないことが(a)常にその人自身の落度であり、(b)人として、そして市民として価値がないことの信頼できるしるしであると確信できる場合にのみ、経済的に成功しない人達の社会的地位と機能を否定できる。
AP:単純に彼らが人であるということから、共に働く全ての人に尊厳を与える。
0626
Enjoying Work(仕事を楽しむ)
●パフォーマーは彼らがすることを愛する。
することを愛する人々。彼らがすること全てを好きであると言うつもりはない。それは全く違うものである。全ての人は、多くのルーティ(実に膨大なルーティンがある)をしなくてはならない。全ての偉大なピアニストは、毎日3時間、音階を弾かなくてはならない。そして、誰もそれを愛するとは言わない。それはしなくてはならない。それは、面白くはないが、40年後でもなお指の上達を感じるから、それを楽しむ。何年も前に聞いたことだが、ピアニストはのすばらしい言葉がある。「私は指に私の魂を見るまで行う」。たしかに、それは単調なルーティンであるが、それを楽しむ。
同じことは、私が事業で見た仕事を楽しむ人々にも当てはまる。彼らのルーティンは、それはなされなくてはならないが、仕事を楽しむから、それを楽しむ。そして、それは、凡庸とパフォーミングの違いではなく、いわゆる「学ぶ組織」(そこでは組織全体が成長し、プロセスが変わる)と、うまくやるかも知れないが、5時を過ぎればだれもそれを気に留めない組織との違いである。
AP:指に自分の魂を見るまで実行する。
0627
Legitimacy of Management (マネジメントの正当性)
●人の強みを生産的にすることは、組織の目的であり、マネジメントの権威の根拠である。 
事業会社を始め、組織社会の制度を、社会と経済、コミュニティ、そして個人のために機能させることは、マネジメントの仕事である。これは、まず、マネジャーがその規律を知ることを求める。彼らが、マネジメントを知ることを求める。マネジャーの第1の仕事は、組織がそのためにデザインされた使命を実行するようマネジメントすることである。事業マネジャーの第1の仕事は、したがって、経済的パフォーマンスである。しかし、同時に、仕事を生産的にし、労働者に達成させ、社会と個人に生活の質を提供する課題に直面する。しかし、リーダーシップグループはまた、正当性を持たなくてはならない。それはコミュニティによって「正しい」ものとして受け入れられなくてはならない。彼らはその権威を、同時に組織の目的と性格を表す、道徳的コミットメントにおく必要がある。唯一のかかる道徳的原則がある。「人の強みを生産的にすること」が、組織の目的であり、それゆえ、マネジメントの権威の根拠である。組織は、それを通じて、人が、個人として、そしてコミュニティのメンバーとして、貢献と達成ができる手段である。
AP: あなたの権威的な地位をあなたが責任を負う人々の強みを引き出すことに使う
0628
Economic Progress and Social Ends(経済発展と社会目的)
●経済的拡大と増大はそれ自体が目的ではない。社会目的の手段としてのみ意味がある。
資本家の潜在的な経済的未来に関する限り、現在資本主義の偉大な老人であるヘンリーフォードは疑いなく正しく、資本主義の墓掘り専門家は間違っている。しかし、フォードは、彼の批評家と同じく、経済的拡大と増加がそれ自体目的ではないことを忘れた。それらは、社会目的の手段としてのみ意味がある。それらは、この目的を達成することを約束する限りにおいて望ましい。しかし、この約束が錯覚であるとなれば、その手段の価値は非常に疑わしくなる。
社会秩序としての、そして信条としての資本主義は、自由で平等な社会における個人の自由と平等に導くものとしての、経済発展の信念の表現である。全ての以前の信条は、私的利益の動機を社会的に破壊的な、または少なくとも中立的なものとみなした。彼らの社会秩序は、意図的に、個人の経済活動を、社会的に建設的と考えられる範囲と活動へのその悪影響を最小化するため、狭い制限に服させた。
AP:経済パフォーマンスの追及において人々を発展させる。
0629 The Social Sector (社会的部門)
●官僚主義は、政府が失敗する場面で非営利組織成功することを認めることができない。
「知識社会の社会挑戦を誰が担うのか」という質問への実際の答えは、「政府」でもなければ「雇用する組織」でもない。別の新たな社会的部門である。政府は社問題の解決に不適格であることを実証した。非営利組織は政府が失敗のために費やすよりはるか少なく結果のために費やす。
非営利組織への寄付を促進するために連邦租税システムを使う代わりに、内国歳入庁(IRS)は、非営利組織への寄付を削減することを次々と行う。これらの動きは「租税の抜け穴を埋める」ものとされる。
これらの行動の真の動機は官僚主義の非営利組織への敵意であり、これはかつての共産主義国における官僚主義の市場と民間企業への敵意とさほど違わない。非営利組織の成功は官僚主義の力を傷つけ、その考えを否定する。悪いことに、官僚主義は、非営利組織が政府が失敗する場面で成功することを認めることができない。必要なのは、非営利組織を、社会問題に対処する国の第一線として確立する政策である。
AP:社会問題に取組む努力において非営利組織をサポートする。
0630 Effective Management of Nonprofits (非営利組織の効果的なマネジメント)
●非営利組織は事業以上にマネジメントを必要とする。
1990年代、フロリダでの最初の刑期を宣告された人々は、ほとんどが非常に貧しい黒人かヒスパニックの若者であったが、仮保釈により救世軍の保護に入り、その数は年間役25,000人であった。統計によれば、これらの若者が刑務所に入れば、その大部分が常習の犯罪者になる。しかし、救世軍は、主としてボランティアにより運営される厳格な作業プログラムを通じ、彼らの80%を更生させることができた。そして、そのプログラムは、犯罪者を刑務所に入れておくのにかかる費用のほんの少しの費用しかかからない。
このプログラムと多くの他の効果的な非営利組織の努力の基礎をなすのはマネジメントへの委託である。40年前、マネジメントは非営利組織に関係する人々にとって汚れた言葉であった。それは、事業を意味し、非営利組織は汚れた商業主義から自由で、収益のような不潔な考えより上にあることに誇りを持った。
今日、彼らのほとんどは、非営利組織は、まさに収益という規律を欠くため、事業以上に、マネジメントを必要とすることを学んだ。非営利組織は、もちろん、「良いことをする」ことに専念する。しかし、彼らはまた、良き意図は、組織とリーダーシップ、説明責任、パフォーマンス及び結果の代わりにはならないことを理解する。それらは、マネジメントを必要とし、組織の使命から始める。
AP:あなたの非営利組織を効果的なマネジメントに委ねる。高いレベルの組織、リーダーシップ、説明責任、パフォーマンス、そして結果を採用する。
■7月 
0701 Theory of the Business
●直観よりも、明確で、単純で、徹底した事業の理論は、真に成功する企業家の特性をなす。
事業の理論には3つの部分がある。
第1に、組織の環境(社会とその構造、市場、顧客、技術)についての想定である。環境についての想定は何に対して組織が支払われるかを定義する。
第2に、組織の明確なミッションについての想定である。ミッションについての想定は、組織にとって意味のある結果は何かを定義する。それらは、いかに経済と社会において違いをもたらすのかを示す。
第3に、組織のミッションを達成するために必要な中核的能力についての想定である。中核的能力は、リーダーシップを維持するため、組織がどこで抜きんでなければならないかを定義する。
我々が知る偉大な事業の創設者の全て・・メディチ家から英国銀行の創設者、我々の時代のIBMのトーマスワトソンまで・・には、明確なアイデアがあり、行動と判断を形成する実に明確な事業理論があった。
直観よりも、明確で、単純で、徹底した事業の理論は、真に成功する企業家・・持続し、彼が死んでも長く成長する組織を作る人・・の特性をなす。
AP:昨日のみのスーパースターであった会社は不振になり管理できない危機に陥る。これは、会社の事業理論について何を述べるか?
0702 Reality Test of Business Assumptions
環境、ミッション、中核的能力についての想定は現実に適合しなくてはいけない。
環境、ミッション、中核的能力についての想定は、現実に適合しなくてはならない。

英国のマンチェスターからの無一文の4人の若者・・Simon Marks とその3人の義理の兄弟・・は1920年代に月並みなペニーマーケットは社会変化のエージェントとなるべきだと考えた。

第一次大戦は大いに国の階級構造を揺るがした。それはまた、(Marks and Spencer の最初の成功した製品カテゴリーであった)ランジェリー、ブラウス、ストッキングといった、品質の良い、スタイリッシュで割安な商品の新たな購入者の集団を生み出した。

Marks and Spencer は、組織的に、真新しい前例のない中核的能力の開発を行った。それまでは、商人の中核的能力はうまく購入する能力であった。Marks and Spencer は顧客を知るのは製造業者ではなく商人であると考えた。そこで、製造業者ではなく商人が、製品をデザインし、開発し、そのデザイン、スペック、コストにあった製品を作る生産者を見つけるべきであった。

この商人の新たな定義が進展し、自分達を「下請け」ではなく「製造業者」であると見ていた伝統的な供給者に受け入れられるまで5年から8年かかった。
AP:Marks and Spencerによって作られた環境、ミッション、中核的能力についての新しい想定は何か?
0703 Synagy of Business Assumptions 
3つの分野の想定はお互いに調和しないければいけない。
環境、ミッション、中核的能力についての想定はお互いに調和しなければいけない。Marks and Spencer は、第一次対戦が、ランジェリー、ブラウス、ストッキングといった、品質の良い、スタイリッシュで割安な商品の購入者の集団という新たな環境に導いたことを認識した。
20世紀中ごろまでに、安価な雑貨店を雑貨店の主要チェーンにした4人の義理の兄弟は、その富に満足していたであろうが、ビジネスのミッションを再考することを決めた。
Marks and Spencer の事業は小売ではないと、彼らは判断した。それは社会的変革であった。Marks and Spencer は、意図的に、そのミッションを、成功している雑貨チェーンから、明確な「専門店」マーケターに変えた。
既存の古いラインの製造業者は、わかりきった理由により、事業の仕方を指示しようとする成り上がり者に彼らのロットを投入しようとは思わなかったため、結局、正しい製造業者を探し、しばしば、その立ち上げを助けなければならず、それにより、新たな環境とミッションに求められる中核的能力を開発した。
AP:あなたの会社のミッションは環境に調和するか?中核的能力はミッションに調和するか? 
0704  Communicate and Test Assumptions
●事業の論理は訓練である。
事業の論理は組織の隅々まで知られ理解されなくてはいけない。
これは、組織の初期では容易であるが、成功すると、組織はますますその論理を当然のことと考え、それを意識しなくなる。組織が杜撰になり、近道をするようになる。正しいことではなく、得策を求めるようになる。思考や疑問をもつことを停止する。答えは覚えていても、質問を忘れる。事業の論理は「文化」になるが、文化は訓練の代わりにはならず、事業の論理は訓練である。
事業の論理は継続的にテストされなくてはならない。それは、石の銘板に彫られるものではない。それは仮説である。それは、絶え間ない変化の中にある事柄・・社会、市場、顧客、技術・・についての仮説である。だから、事業の論理には、自らを変える能力が組み込まれなければならない。いくつかの論理は強力で長い間続くが、結局、全ての論理は時代遅れとなり無効となる。それは、GMにもAT&TにもIBMにも起こり、急速に解明されている日本のケイレツにも起こっている。
AP:あなたの組織の中に、事業の理論を話し合い、組織的に監視し、テストするフォーラムを作る。
0705 The Obsolete Theory 
●退化的な疾患は先延ばしによって治癒しない。それは決め手となる行動を必要とする。
事業の論理をうまく変えたCEOは少ない。Merck を世界で最も成功する製薬会社にしたCEOは、特許で守られた、高いマージンの画期的な医薬品の研究開発に集中することでそれを行い、一般的な処方箋なしで買える医薬品の大きな卸売業者を獲得することで、会社の論理を変えた。Merck は上手くいっており、彼は「危機」なしにそれを行った。
我々は時代遅れとなった事業の論理を回復させるのに、奇跡を行う従業員に頼ることはできない。これらの奇跡を行うとに思われる人達と話すとき、彼らはカリスマ的資質や洞察力で行ったことを否定する。彼らは診断と分析から始める。彼らは、目的の達成と急成長は事業の論理の真剣な見直しを必要とすることを認める。彼らは予想しなかった失敗を、部下の無能の結果や事故として片付けず、「組織的失敗」の兆候として扱う。彼らは、予想外の成功を自分の手柄とせず、それを想定への挑戦として扱う。彼らは、論理の陳腐化は退化的で致命的な疾患であると認め、外科医の、時の試練を経た原則である、有効な意思決定の最古の原則を受け入れる。退化的な疾患は先延ばしよって治癒しない。それは決め手となる行動を必要とする。
AP:あなたの事業の論理は陳腐なものか?そうであれば、先延ばししない。想定を分析し考え直し、最新の論理を生み出す。
0706 Focus on Excellence 
●我々の特有の知識は何か?
事業の特有の知識の有効な定義は単純である。知識分析を上手くするには、実践と規則正しさを必要とする。
最初の分析は、我々の事業は、コミュニケーション、搬送、エネルギーといった、当惑させるほどの一般化から始まるかも知れない。これらの一般的な用語は、販売員大会のいいスローガンとなるかもしれないが、それらを事業上の意味に転換すること、つまりそれらで何かをすることは不可能である。
しかし、繰り返すことで、我々の事業の知識を定義しようとする試みはは容易になり、報われる。
 「我々の特有の知識は何か」といった質問は、マネジメントに、自分自身を客観的に、探求的に、生産的に見させる。
会社は、多くの知識分野で卓越することはできない。それは、複数の分野で卓越できるかもしれない。成功する事業は、1つの知識分野で卓越するのに加え、十分多くの知識分野で少なくとも有能である必要がある。しかし、市場が経済的報酬を支払う真の知識を持つには、少数の事柄をすばらしくうまくすることに集中することが必要である。
AP:あなたの組織が素晴らしくできる少数の事柄は何か。それらに集中する。
0707 Creating Customer Value 
●価値を加えない活動を除去しても、顧客への損失はない。
活動に基づくコスト計算は、顧客価値の創造に必要とされる様々な手順という分析への統合のための根拠を提供する。
活動コストを出発点として、事業は、顧客に価値を加える活動とそうでない活動を分け、後者を除去することができる。
価値分析で明らかになる価値創造活動の連鎖は、価値創造の基礎となるプロセスの分析のための出発点である。プロセス分析は、製品・サービスの特性の進化、コストを削減しながらのプロセスの再構築、そして品質の維持・向上を目指す。
自動車会社におけるプロセス分析は、事前に決められたコスト目標の下、各機能を実行するため、部品と副次的機能のデザインとその見直しを含む。
例えば、自動車の基本的機能は輸送の提供であるが、二次的機能は、快適さ、燃費及び安全を含む。
基本的機能と副次的機能のそれぞれは、顧客のための価値を創造する部品やサービスを必要とする。
それぞれはまた、コストに貢献するとともに、自動車の性能に貢献する。
プロセスチームは価値連鎖活動を行う人員で構成され、しばしば、サプライヤーと顧客を含む。
チームの仕事は、コスト目標を満たしながら、価値達成目標と品質目標をもち、製品とサービスが果たすべき機能を明らかにし、各機能につながる部品とサービスを分析することである。
AP:価値を創造しない活動を除去する。価値創造活動の基礎をなすプロセスを分析し、顧客価値を高めるために必要であれば、そのプロセスを見直す。
0708 Identifying Core Competencies
●中核的能力は顧客価値を製造者の特別な能力と結びつける。
リーダーシップは、他ができないか、不十分にするのも困難なことができることにある。これは、市場又は顧客価値を製造者又はサプライヤーの特別な能力に結びつける中核的能力に依拠する。
いくつかの例:小さな漆箱に風景を描く300年の芸術的伝統に基づく、電子部品を小型化する日本企業の能力や、80年にわたり成功する買収を行ってきたGMのほとんど独自の能力。
しかし、既にもつ中核的能力と事業がリーダーシップの地位を獲得し維持するために必要なそれを、いかにして明らかにするのか。
いかにして、その中核的能力が向上しあるいは弱まっているかを判断するのか。
それはなお、正しい中核的能力であるか、あるいはいかなる変更を必要とするか。
最初の手順は、自らと競争相手のパフォーマンスを注意深く追跡し、うまく行うべき分野での、予想外の成功あるいは悪い仕事を特に探す。
成功は、何が市場価値であり、対価を得られるものか示す。
不成功は、市場が変わり、会社の能力が弱まっていることの、最初の兆しとして見るべきである。
AP:あなたの組織の中核的能力を明らかにする。それらは、向上しているか、弱くなっているかを決める。
0709 Each Organization Must Innovate 
●全ての組織は1つの中核的能力・・イノベーション・・を必要とする
中核的能力は全ての組織にとって異なり、それらは、いわば、組織の個性の一部である。しかし、事業に限らず、全ての組織は1つの中核的能力・・イノベーション・・を必要とする。そして、全ての組織は、その革新的パフォーマンス記録し評価する方法を必要とする。すでにそれを行っている組織・・その中でも、いくつかの一流の製薬会社・・において、出発点は会社自身のパフォーマンスではない。それは、一定の期間における分野全体でのイノベーションの注意深い記録である。それらのうちどれが真に成功しているか。いくつが我々のものか。我々のパフォーマンスは我々の目的、市場の方向、我々の市場での地位、研究費に釣り合ったものか。我々の成功的なイノベーションは、最大の成長と機会の分野にあるか。真に重要なイノベーション機会のどれだけを我々は逃したか。それは、我々がそれらを見なかったためか、見ながら退けたのか、しくじったのか。いかにうまく、イノベーションを商品に転換しているか。その多くは、測定というより、評価である。それは、質問への回答というより、正しい質問を生み出す。
AP: あなたの分野でのイノベーションを注意深く記録し、定期的に、あなたの組織のイノベーションパフォーマンスを評価する。
0710 Exploiting Success 
●チェンジリーダーは問題を餓死させ、機会に餌を与えるべきである。
第1に、そして、通常最善であるが、成功する変化の機会は自分自身の成功を開拓し、その上に築く。問題は無視できず、深刻な問題は対応されなくてはいけない。しかし、チェンジリーダーになるには企業は機会に集中しなくてはならない。彼らは問題を餓死させ、機会に餌を与えなくてはいけない。
これは小さいが基本的な手続上の変化を求める。
月次報告に「最初の頁」を加え、それは問題を記す頁の前におかれる。
それは、売上であれ、収益であれ、利益であれ、あるいは量であれ、期待以上の結果がでたところに焦点を置く。従来問題の頁に費やされたのと同じ時間が新たな最初の頁に費やされるべきである。チェンジリーダーであることに成功する企業は機会に人を配置する。これをする方法は1頁に機会を列挙し、もう1つの頁に組織の実行と有能な人員を列挙する。そして、有能で最も実行する人々を最高の機会に割り当てる。おそらく、最適な例は日本企業のソニーである。大小含め、組織的に次々と成功を開拓することで、多くの主要な事業において世界のリーダーとなった。
AP:毎月、売上であれ、収益であれ、利益であれ、あるいは量であれ、期待以上の結果がでた分野を含む、機会を列挙する頁を用意する。続く頁に、組織の最も有能な人々を列挙する。そして、最善のパフォーマーを最高の機会に割り当てる。
0711 Organized Improvement 
●どの分野であれ、継続的改善は、オペレーションを変える。
チェンジリーダーのための次の施策は組織的改善である。会社が内的・外的に行うこと・・製品・サービス産出過程、マーケティング、サービス、技術、訓練、人材開発、情報利用・・は、組織的にそして継続的に改善される必要がある。どの分野であれ、継続的改善はオペレーションを変える。
しかしながら、継続的改善は大きな判断を求める。既存の分野で何が「パフォーマンス」を構成するか。パフォーマンスが改善されるべきであるなら、我々は明確に「パフォーマンス」が何を意味するかを定義する必要がある。
例えば、主要な商業銀行がその支店でのパフォーマンスを改善する方法は新たな先進的な金融「商品」をを提供することだと判断した。しかし、支店で新たな商品を導入すると、銀行は急速に顧客を失った。その時にはじめて、銀行は、顧客にとって、銀行支店のパフォーマンスは日常業務のために並ばなくていいことだと分かった。銀行の解決は、支店の出納係に、スキルも時間も必要としない、単純な、反復性の、日常業務に集中させることであった。新たな金融商品は別のテーブルに移動した別のグループに割り当てられた。そうすると、事業は、従来のサービスでも新たなサービスでも、機敏になった。
AP:組織的な改善を優先する。
0712 Systematic Innovation 
●成功する企業家は「ミューズが彼らにキスする」まで待たず、聡明なアイデアを与える。彼らは仕事に行く。
組織的イノベーションはイノベーション機会の7つの源泉の監視を意味する。最初の4つの源泉は、ビジネスか公共サービス組織に関係なく、また産業かサービスセクターに関係なく、事業内にある。
予想外・・予想外の成功、予想外の失敗、予想外の外部の出来事
不調和・・現実と想定されるあるいは「あるべき」事実との間の不調和
プロセスの必要性に基づくイノベーション
気付かれずに全ての人をとらえる産業構造又は市場構造の変化

イノベーション機会の源泉の第2のセットは企業又は産業の外での変化に関係する
人口統計(人口変化)
知覚、気分及び意味における変化
科学的あるいは非科学的な新たな知識
イノベーション機会のこれらの7つの源泉の領域の境界は不明確で、それらの間には相当な重なりがある。それらは、同じ建物の異なる側にある、7つの窓につながり得る。
それぞれの窓は、いずれかの側の窓からもまた見ることができる、いくつかの特徴を示す。
しかし、それぞれの中心からの眺めは、はっきりしていて、異なる。
AP:イノベーション機会の7つの窓を監視する:@予想外、A不調和、Bプロセスの必要、C産業構造又は市場構造における変化、D人口統計の変化、E知覚、気分及び意味での変化、F新たな知識。
0713 Unexpected Success
●予想外の成功を自分の最高の機会と気付くには努力がいる。
それがイノベーションの肥沃な源泉であるのは、予想外がまさに、我々を揺さぶり、既存概念、我々の想定、確実性から、引き離すからである。これほど、リスクが少なく、追跡しやすいイノベーションの機会は他にはない。しかし、予想外の成功はほとんど無視され、さらに悪い場合には、マネジメントは積極的にそれを拒絶する。
マネジメントが予想外の成功を受け入れることが難しい1つの理由は、相当期間継続したものは「正常」であり、「永遠に」続くと信じる傾向があることである。
これは主要な米国の鉄鋼会社が、1970年頃、「小型製鋼所」を拒否した理由を説明する。
マネジメントは、その製鋼所が急速に陳腐化し、現代化するには数十億ドルの投資が必要であることを知っていた。新しい「小型製鋼所」はその解決であった。ほとんど偶然に、その「小型製鋼所」が獲得され、急速に成長し、キャッシュと利益を生み出し始めた。鉄鋼会社の一部の若い従業員は利用できる投資資金を、さらなる「小型製鋼所」の獲得や新設のために使われるべきだと提言した。トップマネジメントは、憤然として、その提言を拒否した。「統合された製鋼プロセスは唯一の正しいものだ」「それ以外は、一時的流行で、不健全で、続かないごまかしだ」とトップマネジメントは言った。言うまでもなく、30年後、米国の鉄鋼産業で、健康で、成長し、合理的に成功していたのは「小型製鋼所」だけであった。
AP:予想外の成功を無視あるいは拒否しない。それを確認し、吸収し、そこから学ぶ。
0714 Unexpected Failure
●失敗は常にイノベーション機会の兆しと見られるべきである。
予想外の失敗は、あなたに、外に出て、調べ、聞くことをも求める。競争相手の予想外の成功と失敗は同様に重要である。失敗は、常に、イノベーション機会の兆しと見られ、そのようなものとして真剣に考えられるべきである。「分析」するだけでなく、外に出て調査する。多くの失敗は、もちろん、単に、間違いであり、欲の結果であり、愚かさであり、思慮のない流行への便乗であり、あるいは設計か施工の不適格である。しかし、慎重に計画され、慎重に設計され、念入りに施工されたにもかかわらず失敗した場合、それはしばしば、潜在的な変化とそれについての機会を示す。
予想外の失敗は、しばしば、私たちに顧客価値と認知における潜在的変化を知らせる。製品やサービス、その設計や市場戦略が基礎とする前提は、すばやく時代遅れとなり得る。おそらく、顧客はその価値目的を変えた・・同じものを買っていても、実際には異なる価値を購入している。例えば、Edsel の失敗の後、フォードは所得区分はもはや自動車産業に適用されず、顧客にとって意味があるのはライフスタイル区分であると判断した。
AP:自分のものか競争相手のものかに関わらず、重要な予想外の失敗を確認する。失敗についての信頼できそうな説明を確認する。これらの教訓の事業に適用する。
0715 Ingongruity
●不調和は潜在的「欠点」を示す。
しばしば「現状」とマネジメントが「そうあるべき」と考えるものの間に不一致があり、それは産業、市場及びプロセス内での不調和を意味する。不調和は、産業、市場又はプロセス内のもしくはそれに近い人々に、明確に見えるかもしれない。内部者はそれに気づいても、「常にそうだった」と考え、変わろうとしないかもしれない。チェンジリーダーは、これらの不調和を組織の優位に活用する。
例えば、自動車の購入者と販売者の情報の相違がある。自動車の購入について、我々のほとんどが嫌いないくつかの事柄がある。これらは、価格交渉、誤解させる広告、販売員がセールスマネジャーと私たちの間を行き来する、販売代理店での無駄な時間等を含む。多くのオンライン組織は、全てのタイプの車両についての、保証、融資及び保険を含む、完全かつ正確な情報とともに、中古車と新車のための、ワンストップショッピングを作り上げた。それらは、消費者のためグラウンドを平らにした。
AP:プロセスやあなたの市場内であなたの優位に利用できる不調和はないか?
0716 Process Need
●必要は発明の母である
最初の2つのイノベーションの可能性(@予想外とA不調和)は機会に導かれるものである。しかし、3番目のものは、「必要は発明の母」という古い諺につながれている。ここでは、必要は、イノベーションの源泉であある。私はそれを、「プロセスニーズ」と呼ぶ。組織の全員はつねにプロセスニーズがあることを知るが、通常、誰もそれについて何もしない。しかしながら、イノベーションが生じると、即座にそれは「明らかなもの」として受け入れられ、まもなく「標準」となる。
プロセスイノベーションは、なされるべき仕事とともに始まり、5つの基本特性の存在を必要とする。@自己充足のプロセス、A弱い又は失われた結合、B目的の明確な定義、C解決のための明確に定義された仕様、そしてDより良い方法があるべきという広い認識の5つである。
例えば、米国の芝生ケア製品製造業者のリーダーである、O.M.Scott and Company を見る。それは、ユーザーが均等に適切な分量の芝生ケア薬品を散布できるプレーダーという単純な装置によりリーダーシップの地位を得た。その道具がなければ、既存のプロセスに内部的な不調和が存在し、この不調和は薬品を均等に散布できない消費者を不満にした。今日多くのスプレーダーがある。
AP:失われた結合を持つあなたの組織でのプロセスを明確にする。@プレセス、Aプロセスの目的、B失われた結合の存在が知られているレベル、C失われた結合、そしてD解決のための仕様を描く。
0717 Industry and Market Structure 
●市場と産業構造は壊れやすい。1つの小さなかき傷で、しばしば急速に、崩壊する。
産業と市場構造はしっかりしたものであるから、産業内の人々はそれらをあらかじめ定められたものであり、自然の秩序の一部であり、永遠に続くものと思いがちである。市場又は産業構造の変化はイノベーションの主要な機会である。産業構造において、変化は、産業の全てのメンバーからの企業家精神を必要とする。それぞれに、新たに「我々の事業は何か」を問うことを求める。そして、各メンバーは、異なる、とりわけ新たな答えを見つけなくてはいけない。
巨大で、支配的な製造者と供給者は、長年成功し、挑戦されず、傲慢でありがちである。最初、彼らは、新参者を取るに足らない、実に素人だととる。しかし新参者がより大きなシェアをとったときでも、対抗するため体制を整えることが困難であるとわかる。
例えば、米国の郵便局は、UPSとフェデックスがその事業の大きなシェアを奪っても、反撃しなかった。郵便局をそれほど脆弱にしたのは、時間が重要な書類と小包の緊急配達への需要の急成長であった。
AP:「我々の事業は何か」を問い続ける。
0718 Demographics 
●人口統計の変化は、高度に生産的で高度に信頼できるイノベーション機会である。
全ての外的変化のなかで、人口統計・・人口、その大きさ、年齢構造、構成、雇用、教育状況、収入・・は明確である。それらは曖昧ではない。それらは、最も予想できる結果である。それらは、何が、誰によって、どれだけ購入されるかに大きなインパクトを与える。
人口統計のシフトは本来予想できないのかもしれないが、そのインパクト前に長いリードタイムがあり、リードタイムは予想できる。
特に重要なのは、年齢分布であり、それは、人口比重の中心において高度に予想可能な価値変化を伴い、ある時期の、最大かつ最速に成長する年齢コホート(集団)を構成する。

1960年代の米国では、これは、最速に成長するグループであるティーンエージャーへのシフトであった。これらのシフトにより、「典型的」行動における変化が生じた。ティーンエージャーは、もちろん、ティーンエージャーのように行動し続ける。しかし、これは、社会的行動の本質的価値における変化としてみられるより、ティーンエージャーの行動方法として見られたため、広く問題とされなかった。
統計は、出発点にすぎない。現場にでて、見聞しようとする人々にとって、変化する人口統計は高度に生産的かつ信頼できるイノベーション機会である。
AP:あなたの製品又はサービスの市場に影響を与える人口統計要素は何か?これらの要素について今後5年から10年を予測する。これらはいかなる機会を生み出すか?
0719 Changes in Perception 
●一般的な認知が、グラスを「半分入っている」という見方から「半分空っぽ」という見方に変われば、大きなイノベーション機会がある。
数学的には、「グラスに半分入っている」と「グラスは半分空っぽ」に違いはない。しかし、これらの2つの説明は全く違い、結果も異なる。一般的な認知が、グラスを「半分入っている」という見方から「半分空っぽ」という見方に変われば、大きなイノベーション機会がある。
予想外の成功や予想外の失敗は、しばしば、消費者にとっての認知と意味の変化の兆候である。認知における変化が生じる時、事実は変わっていない。その意味は変わる。
例えば、米国の健康心配性は、健康統計への反応よりも、若さへの礼賛といった、米国の価値の変化をあらわす。40年前、国民の健康における小さな改善でさえ大きな前進と見られた。今日、劇的な改善にもほとんど注意は払われない。認知での変化は、新たなヘルスケアマガジン、薬の代替品、フィットネスセンター、その他の「健康」グッズとサービスの巨大な市場をつくり出した。
AP:あなたの産業に影響する、認知における主要な変化を明らかにし、その変化を活用する。
0720 New Knowledge
●イノベーションと企業家精神の理論と実務において、聡明なアイデアのイノベーションは付録に属する。
新たな知識は成功するイノベーションの最も信用できあるいは最も予想できる源泉というわけではない。科学ベースのイノベーションの注目、魅惑と重要性のため、それは実際最も信頼できず、最も予測できないものである。知識ベースのイノベーションは、イノベーションの中で最長のリードタイムをもつ。第1に、新たな知識の発生とそれが技術に適用できるようになるまでに長いスパンがある。そして、新たな技術が市場での製品、プロセス又はサービスとなるまで長い期間がかかる。
イノベーションの導入は刺激を生み出し多くの競争相手を魅了し、それはイノベーターは最初に正しくないといけないことを意味する。彼らに2回目のチャンスが回ってくる見込みはない。

成功するイノベーターでさえ、ほとんど即座に、彼らが求める以上の会社を持ち、嵐に備えなくてはならない。例えば、アップルコンピューターはパーソナルコンピューターを発明した、IBMは、創造的模倣を通じて、アップルから市場リーダーシップをもぎ取ることができた。アップルは、直面する競争を予測できず対応できなかったため、そのリーダーシップポジションを維持することができず、ニッチプレイヤーとなった。イノベーションと企業家精神の理論と実践において、賢明なアイデアのイノベーションは付録に属する。しかし、そえは評価され、報われるべきである。それは、社会が必要とする質・・イニシアティブ、野心及び発明の才・・を表す。
AP:あなたとあなたの組織は発明者か模倣者か?前者であれば、あなたの成功的発明がもたらす競争を予想し、それへの対応を計画する。
0721 Innovation in Public-Service Institutions
●公的サービス機関でのほとんどのイノベーションは部外者か大変動によって押しつけられる。
政府機関、労働組合、教会、大学と学校、病院、共同体と慈善組織、専門家の同業組合等は、事業と同様に、企業家的であり革新的である必要がある。実際には、より以上に、そうある必要があるかもしれない。
今日の社会、技術そして経済における急速な変化は、彼らにとって、大きな脅威であると同時に大きな機会である。しかし、パブリックサービス機関は最も「官僚的な」会社よりも革新的であることが難しい。
「現存すること」は障害であるように思われる。たしかに、全てのサービス機関は大きくなりたがる。収益テストが存在しない状況で、大きさが、サービス機関にとっての成功の1つの基準であり、成長が目的となる。そして、もちろん、常に行われる必要がある多くの事柄がある。
しかし、「常に行われてきた」ものを止め、新しいことをすることは、同じく、サービス機関にとって呪いであり、少なくとも、苦しめることとなる痛みである。公的サービス機関でのほとんどのイノベーションは部外者か大変動によって押しつけられる。例えば、19世紀半ばの米国の大学は、国の伝統的カレッジと大学が死に、もはや生徒を引きつけることができなくなった時に、生まれた。
AP:あなたの非営利的機関で、「常に行われてきた」ことをするだけの官僚主義と戦う。あなたの機関を打ちのめす急速な社会的、技術的または経済的変化に取り組む新しいことをする。
0722 Service Institutions Need a Defined Mission
●私達は試みていたことを達成した。
第1に、公的サービス機関はそのミッションの明確な定義を必要とする。何をしようとするのか?何故それは存在するのか?それは、プログラムやプロジェクトより、目的に集中する必要がある。プログラムとプロジェクトは目的への手段である。それらは常に一時的で、短期のものと考えられるべきである。
第2に、公的サービス機関は、目的の現実的な陳述を必要とする。
それは、「私達の仕事は空腹をなくすること」よりも「私達の仕事は飢餓の軽減である」と言うべきである。それは、真に達成可能なもの、よって、現実的目標へのコミットメントである必要があり、最終的に「私達の仕事は終了した」と言うことができなくてはならない。
ほとんどの目的は、最大の言葉ではなく、最適な言葉で、表されることができ、そうあるべきである。よって、「我々は試みていたことを達成した」と言うことができる。
第3に、目的達成の失敗は、目的が間違っており、少なくとも間違って定義されたことの徴表として考えられるべきである。複数の試みによって、目的が達成されなければ、それが間違ったものだと仮定すべきである。目的達成の失敗は、目的の有効性について疑問に対する明らかな理由であり、それは、ほとんどの公的サービス機関が信じるものの真逆である。
AP:あなたの非営利機関のミッションを書く。それは達成できるか、それとも開放型の、願望的表明か?後者であれば、それを、現実的かつ真に達成可能な目的の表明に代える。
0723
Optimal Market Standing
市場支配はイノベーションに対する巨大な内部抵抗をつくり出す。
マーケティング目標の基礎にある主要な判断は市場での地位である。一般的なアプローチの1つは、「我々はリーダーになりたい」である。他は、「売上が上昇する限り、マーケットシェアは気にしない」である。両方とももっともらしく聞こえるが、誤りである。
市場シェアを失うのであれば、会社の売上が上昇しても良くはない、つまり、市場が会社の売上より早く拡大する場合である。市場の小さなシェアしかもたない会社は、結局、市場でぎりぎりの存在となり、極めて脆弱になる。
独占禁止法がなかったとしても、それを超えることは賢明でない上限の市場地位もある。市場独占は、リーダーを眠らせれがちになり、独占者は、公的な抵抗ではなく、自己満足の上でまごつく。市場独占は、イノベーションに対する巨大な内部抵抗をつくり出し、変化を危険なまでに困難にする。市場では、また、独占的供給者への依存に対するゆりぎない抵抗がある。誰も、独占的供給者に左右されたくない。
目指すべき市場での地位は最大ではなく、最適である。これは、顧客、製品又はサービス、市場セグメント及び販売チャネルの注意深い分析を必要とする。それは、市場戦略を必要とし、高リスクの判断を必要とする。
AP: 顧客、競争相手、市場セグメント及び販売チャネルを注意深く分析し、あなたの機関の最適な市場シェアを定義する。あなたの市場戦略を、単純な市場支配や市場シェアの拡大ではなく、最適な市場シェアに置く。
0724  Worship of High Profit Margins:
●高い利ざやは競争相手に保護を与える。
ほとんどのビジネスパーソンは利益は利ざやと同じではないことを知っている。利益は利ざやに資本回転を掛けたもの。
最高の収益性と利益の流れは、@最適の市場地位とAそれによる最適な資本回転を生み出す利ざやによって得られる。
何故高い利ザヤの礼賛が、破壊でないとしても、事業に損害を与えやすいのか。それは、競争相手に傘をさしかけるだけでなく、競争を事実上リスクフリーとし、実質的に競争相手による市場獲得を保証する。

ゼロックスは複写機を発明し、事業の歴史の中で、ゼロックスの複写機ほど成功した製品はほとんどない。しかし、ゼロックスは利ざやを追い始めた。それは、機器に多くの仕掛けをほどこし、それらは、主として、利ザヤを高めた。しかし、これらの新たな附属品はまた、機器を高額にし、おそらくより重要であるが、機器のサービスを困難にした。そして、ほとんどのユーザーは、追加的機能を必要としなかった。そして、日本企業のキャノンは、ゼロックスマシンの原型のレプリカとさほど変わらないものを開発した。キャノンのモデルは単純で安価で、サービスしやすく、1年以内に米国市場を攻め落とした。
AP:あなたの組織は高い利ざやを礼賛する罪を犯しているか?
0725 Four Lessons in Marketing:
●ヘンリーフォードは「それがすばらしい利益をもたらすからこそ、我々はモデルTを低価格で販売できる」と言ったであろう。
21世紀の熾烈な競争のためのマーケティングの教えの中で、最も決定的なものは、「(犠牲を払っての)顧客の獲得は機能しない」ということである。ヒュンダイの崩壊は見事なマーケティングの失敗であった。車に悪いところはなかった。しかし、会社はそれを大幅に安く売った。その結果、プロモーション、サービス、ディーラー、または車自身の改良に再投資する利益がなかった。

いかに市場を定義するかは、2番目の教え・・マーケティングの成功と主要なマーケティングの大失敗の双方の教え・・である。ファクスマシーンによる米国市場の征服。日本人は「この機械のための市場は何か」とは問わず、代わりに、「それが行うことの市場は何か」を問うた。そして、フェデックスのような宅配サービスの成長を見た時、即座に、ファクスマシーンの市場が確立したことがわかった。

次の教えは、マーケティングは我々の顧客ではなく、市場における全ての顧客について出発することである。

最後の教えは、人口変動をマーケティング機会として利用した、新たな「田舎の」教会の成功のそれである。
AP:これらの4つのマーケティングの教えを自分のビジネスに当てはめる。@(犠牲を払って)顧客を獲得しようとしない。A「製品が行うことの市場は何か」を問う。B市場における全ての顧客を考える。C人口変化を利用する。
0726 From Selling to Marketing
●消費者主義は「マーケティングの恥」である。
マーケティングやマーケティングアプローチの強調にかかわらず、実に多すぎる事業にとって、マーケティングは現実というよりレトリックである。「消費者主義」はこれを証明する。
消費者主義が事業に求めるもののためのものが、実際マーケットである。
それは、事業が、顧客のニーズ、現実、価値からスタートすることを求める。
それは、事業が、その目的を、顧客ニーズの満足であると定義することを求める。
それは、事業が、その報酬を顧客への貢献に基づかせることを求める。

何年ものマーケティングレトリック後に、消費者主義が強力で人気のある運動となったことは、マーケティングが実戦されていなかったことを意味する。消費者主義は「マーケティングの恥」である。

実際、販売とマーケティングは、類義語や補完的というより、正反対である。
人は、販売のためのニーズが常にあると想定できる。しかし、マーケティングの狙いは、販売を不要にすることである。マーケティングの狙いは、顧客を理解し、製品やサービスが顧客に適合し、自らを売ることである。

理想的には、マーケティングは買う用意ができている顧客を生み出す。
私達は、この理想からほど遠いかもしれない。しかし、消費者中心主義は、ビジネスマネジメントのための正しいモットーは、ますます、「販売からマーケティングへ」であるべきことの明確な示唆である。
AP:あなたの機関の製品とサービスは、あなたの顧客の真のニーズを満たしているか?そうでなければ、これは、あなたのマーケティングの難点を説明するか?
0727 Cost-driven Pricing:
●顧客は、製造者が利益を確保することを自分の役割だとは見ない。
ほとんどの米国とヨーロッパの会社は、その価格を、コストを積み上げ、それに利ざやを上乗せして決める。そして、製品やサービスを導入するとすぐ、彼らは価格を切り下げ、莫大な費用をかけて製品を変更し、損失を被る。そしてしばしば、誤って値決めされたがために、完全に良い製品やサービスをやめなくてはならない。
彼らの議論?「我々ははコストを回収し利益を出さなくてはならない。」しかし、値決めのための唯一の健全な方法は、市場が喜んで支払うであろうものからスタートし、その価格仕様に合わせて設計することである。価格からスタートし、コストを削ることは最初により多くの作業を必要とする。しかし、結局は、間違った価格からスタートし、何年も損失を出してコストを合わせるよりも、はるかに少ない作業となる。
価格に導かれた原価計算は米国の発明で100年の歴史がある。それによって、GEが、発電所における世界的リーダーシップを得たのは20世紀の初めに遡る。GEが、タービンと変圧器を、顧客の電力会社が支払える価格に合わせて設計し始めた時である。それらは、顧客が支払え、喜んで支払う価格から設計され、顧客はそれらを購入でき、購入した。
AP:あなたの値決めの実務を検証する。顧客の現実に従い価格を設定し、その価格で必要な利益が出せるコスト構造を実現するためのチームを作る。
0728 Cost Control in a Stable Business 
●コスト管理において、1オンスの予防は、1ポンドの矯正の価値がある。
我々は全て、5ポンド減らす方が、最初にそれを加えないより、はるかに大変であることを学んだ。それは、1オンスの予防が1ポンドの矯正の価値がある、コスト管理の場面で最も妥当する。必要なのは、コストが収入と同じ速度で上昇しないよう、そして、逆に、リセッションとなり収入が下がれば、収入と同じ速度で下がるよう、鷹のように監視することである。
このルールに従う1例は、1965年から1995年にかけて、インフレ調整後で、ほとんど8倍の成長を遂げた、世界最大の製薬会社の1つである。 この30年の間に、コスト増加を収入増加の一定割合・・10%の収入増加毎に最大6%のコスト増加・・に抑えた。5〜6年試すことで、下落期間には、収入が下落するのと同じ割合で確実にコストを下げる方法も学んだ。この作業に数年かかったが、今ではこの会社の第二と天性となっている。
AP:営業費用の増加を営業収入の増加の一定割合に抑える。営業収入の下落の場合、営業費用を同じ割合で確実に下げる。
0729 Cost Control in a Growth Business 
●成功する場合この新たな会社でどれだけの事業を期待できるか?最初にどれだけの投資が正当化されるか?
事業を成長させるには、人は最初に資金を投入しなくてはいけない。この資金は明日の収益を生み出すものに投資され、これらの初期投資は、しばしば長期間、コストでのみあってリターンはない。人はいかにコスト管理を維持するためこれを管理するか。ます第1に、これらの活動を切り離して予算を組む。私はこれを「機会予算」と呼ぶ。2番目のルールは、従って、これらの投資から将来そしていかなる期間にどのような結果を期待するかを考える。
私が知る最良の例は、いかにしてシティバンクが1970年代と1980年代に世界の唯一の成功した国境を越えた銀行になったのかである。理由は、シティは最初、新たな支店にどれだけの初期投資が正当化され得るかを考えた。新たな地域での最低限の結果はどのようなものかを考えた。シティバンクは「成功しマーケットリーダーになれば、この新たな国で、どれだけの事業を期待できるか?そして、初期投資が潜在的結果の一定割合を超えてはならないとすれば、いくらの初期投資が正当化されるか?」を尋ねた。そして、シティは、自らの経験から、この新たな支店が収支とんとんになる前、つまり、それが収益をあげ始める前に、どれくらいの期間かかるかを知った。
AP:開発プロジェクトを切り離して予算を組む。予想される結果について最も有りそうな見積もりをする。結果を監視しそれに従い期待を修正する。
0730 Eliminating Cost Centers
●我々がこの仕事をやめれば、天井は崩壊する?
いかにうまく事業がコスト上昇を阻止しても、なおコストを削減しなくてはならない。これは、事業は人のようであり、人は、どれだけ注意深くエクササイズをし、食事を管理し、飲み過ぎを避けていても、しばしば病気になるからである。そこで、常にコスト削減が必要である。コスト削減を始めるため、マネジメントは通常「いかに我々はこのオペレーションをより効率的にできるか?」を問う。しかし、これは誤った質問である。質問は「我々がこの仕事をやめれば、天井は崩壊する?」である。そして、答えが、「おそらく違う」であれば、そのオペレーションを排除する。我々が行ういかに多くの物事がなくてすむかは常に驚くべきである。しかし、実際にコスト削減に成功する事業はコストを削減しなくてはならない時まで待たない。彼らは、コスト削減を通常の業務に組み込む。日常業務に、組織的な廃棄を組み込む。そうでないと、活動の除去とオペレーションは、極端な政治的抵抗に至る。
AP:全ての製品、プロセス及びサービスを見直す体系的プロセスを作る。顧客の価値にもはや貢献しないものを捨てる。
0731 Making Cost-Control Permanent
●コスト管理は、コスト削減ではなく、コスト防止である。
大事なのは実は方法ではない。それは、活動のコスト効率はそれが組織化される方法に依拠することの理解である。それは、コスト管理が、コスト削減ではなく、コスト防止であるという前提を受け入れることに大きく依拠する。そして、コストは流されず、コスト防止は終わりのない作業である。組織がいかにうまく構築されても、そのコスト効率は繰り返し見直される必要がある。いかに注意深くコストを管理しても、その活動とプロセスは数年ごとに試される必要がある。
このプロセスはまた、従業員全体がコスト管理に取組み受け入れることを確保する。それを機会として見、脅威と見るべきではない。コスト管理がコスト削減と見られるなら、従業員はそれを仕事への脅威であると見、そのサポートを拒否する。しかし、コスト管理がコスト防止として見られ、実践されるなら、従業員はそれを機会として見、少なくとも、よりよい確保された仕事のため、コスト管理をサポートする。
AP:あなたの組織の全ての活動を、2年か3年毎に見直す。
 ■8月
0801 Diversification
靴屋はあなたの靴型に執着する(自己の本分を守る。)
古い決まり文句は、なお正しいアドバイスである。事業は多様でないほど、管理しやすい。単純は明快さにつながる。人々は、自分の仕事を理解し、結果との関係と全体のパフォーマンスとの関係を見る。努力は集中する。期待は定義され、結果は容易に評価され測定される。事業がより複雑でなければ、間違った方向にいくものも少なくなる。事業が複雑になれば、何が悪いかを理解し、正しい治癒的行動をすることはより難しくなる。複雑さは、コミュニケーションの問題を作る。事業が複雑になれば、マネジメントの階層が増え、様式と手続が増え、会議が増え、決断が遅くなる。
多様性が調和により統一性を得る方法は2つだけである。
事業と技術、製品と製品ライン、そして活動が統一した共通の市場にある場合、事業は高度に多様化しても、基本において統一性をもつ。
事業、市場、製品と製品ライン、そしてその活動が共通の技術の中で結びつく場合、事業は高度に多様化しながら、基本において統一性をもつ。
AP:事業を検証する。それは集中しているか分散しているか。分散しているなら、統一の基礎として市場か技術を用い、多様性から統一をもたらす計画を展開する。
0802 Being the Wrong Size (間違った大きさ)
●間違った大きさの事業は生存と繁栄のために正しいニッチを持たない事業である。
間違った大きさであることは、慢性的で、衰弱させ、消耗させる・・・そして極めて一般的な・・・病である。間違った大きさであることは、多くの場合、治癒できる。しかし、治癒は簡単でなければ、愉快でもない。兆候は明らかで、常に同じである。間違った大きさの事業では、つり合いを失って肥大化した、1つ又は(多くとも)非常に少ない、分野、活動、機能又は努力がある。この分野は大きく、大きな努力を必要とし、事業に大きなコストを課し、経済的パフォーマンスと結果を不能にする。古いアメリカンモーターズが例を提供する。アメリカンモーターズは、積極的に新たな強いディーラーをリクルートし、その売上を高める継続的計画を示した。事業を生存可能な大きさにするであろう販売高を得るため、事業を生存不能とする費用が増加されなくてはならなかった。そして、これはまさに、事業が負担できないものである。
問題に対応する最も報われる戦略は事業の性格を変える試みである。間違った大きさの事業は生存と繁栄のために正しいニッチを持たない事業である。アメリカンモーターズとフォルクスワーゲンの比較は、区別の欠如の結果としての間違った大きさと明確なニッチを捉えることによる正しい大きさの違いを示す。
あなたの事業を分析する。小さすぎて事業で競争できない?そうであるなら、あなたが効率的に競争できる収益性のあるニッチを開拓する。
0803 Growth(成長) 
●量におけるのみで、より高い全体的生産性を生まない成長は肥満である。それは汗を流して絞らないといけない。
マネジメントはその会社が必要とする最低の成長を考える必要がある。生存するためではなくても、それなくしては会社が強さ、活気及び実行する力を失う最低の成長は何か?会社は生存可能な市場的地位を必要とする。そうでないと、限界的な存在となる。それはすぐに、実際、間違った大きさとなる。そして、国内であり世界的であれ、市場が拡大すれば、会社は、その生存力を維持するため、市場とともに成長しなくてはならない。そのため、しばしば、会社は極めて高い最低成長率を必要とする。
事業は間違った成長と正しい成長を、筋肉、脂肪と癌を区別する必要がある。ルールは単純である。短期間の間に、会社のリソースの全体的生産性を増大させる成長は健全な成長である。それは、栄養を与えられ、サポートされるべきである。しかし、より高い全体的な生産性を導かない量の増加は、再び汗を流して絞られるべきである。最後に、生産性の低減に導く量の増加は根本的な手術によって除去されなくてはならない。
AP:あなたの組織の市場的地位を維持するための最低の成長率を決定する。
0804 Managing the New Venture(新たなベンチャーをマネジメントする)
●全ての新たなプロジェクトは幼児であり、幼児は育児室に属する。
革新的努力、特に、新たな事業、製品又はサービスの開拓を目指すものは、通常、直接「イノベーション担当の役員」に報告すべきである。それらは、既存のオペレーションに責任をもつラインマネジャーに報告すべきではない。不幸にも、これはよくある誤りである。
新たなプロジェクトは幼児であり、予見できる将来のための存在であり、幼児は育児室に属する。「大人」であり、既存の事業や製品に責任を持つ役員は、幼児のプロジェクトのための時間も理解もない。このアプローチの最も著名な実践者は、3つの米国の会社・・・石鹸、洗剤、食用油そして食品の製造者であるProcter & Gamble、衛生とヘルスケア供給者であるJohnson & Johnson、産業製品と消費者製品の主要な製造者である3M・・・である。これらの3つの会社は実践の詳細において異なるが、本質において同じ方針をもつ。それらは、新たなベンチャーを、最初から別個の事業として立ち上げ、担当のプロジェクトマネジャーを置く。
AP:幼児の事業を幼児室におく。「幼児」と「大人」を分ける。
0805 Calculated Obsolescene(計算された陳腐化)
●あなたの製品、プロセス又はサービスを陳腐化させる者であることは、競争相手がそれをすることを避ける唯一の方法である。
革新する組織は昨日を守るために時間もリソースも費やさない。昨日の組織的な廃棄のみがリソースを自由にし、特に最も不足するリソースである有能な人々を新しいもののための仕事に向けさせる。
あなたの製品、プロセス又はサービスを陳腐化させる者であることは、競争相手がそれをすることを避ける唯一の方法である。これを理解し受け入れた米国の主要な企業はデュポンである。1938年にナイロンが現れた時、デュポンは直ちに化学者にナイロンと競争する新たな合成繊維の開発に取り組ませた。それははまた、ナイロンの価格を下げ、デュポンの特許を回避しようとする潜在的競争者にとって魅力的でなくした。これが、デュポンがなお、世界の主要な合成繊維メーカーであり、デュポンのナイロンがなお市場にあり収益性がある理由である。
AP:競争相手がする前に、あなた自身の製品を共食いする。
0806  Tunnel-Vision Innovation(視野の狭いイノベーション)
●特定の病気のための処方の薬はしばしば他の異なる病気に用いられる。
新たなベンチャーが成功する時、多くの場合もともと意図されたのとは違う市場で、企画されたものではない製品やサービスで、その多くが、当初思いもよらなかった顧客により購入され、製品が最初に計画された以外の目的で使われる。新たなベンチャーがこれを予想しない場合、その予想外の市場を利用するために組織する。全体として市場に焦点をおかず、市場に駆り立てられたものでなければ、競争相手のための機会の創造になるだけである。
新たなベンチャーは、したがって、その製品又はサービスがデザインされた時に誰も考えなかった使用のため、誰も考えない顧客や市場を見つけるかもしれず、 新たなベンチャーが予定する分野外の、そして、知られてすらいなかった顧客により購入されるかもしれないという想定でスタートする必要がある。新たなベンチャーが極めて早い段階から、マーケットフォーカスでなければ、競争相手のために市場を作るだけになりがちである。
AP:イノベーションをおこなう場合、あなたの考えたアイデアではなく、市場反応とともにする。新たなベンチャーについてのあなたのお気に入りのアイデアと結婚しない。
0807  Social Innovation:The Research Lab(社会的イノベーション:リサーチ研究室) 
マネジメントはますます社会的イノベーションの動因となる。
リサーチ研究室(リサーチラボ)は1905年に遡る。それは、最も初期の「リサーチマネジャー」の1人である、ドイツ系米国人の物理学者であるCharles Proteus Steinmetzによって考案され、GEのためにニューヨークのスケンクティディに建設された。Steinmetzは最初から2つの明確な目的・・・@意図的な技術的イノベーションのため科学と科学的作業を組織化することとAイノベーションを通じての継続的自己更新を新たな社会現象とすること・・を持った
Steinmetzの研究室は、リサーチにおける科学と技術の関係を抜本的に再定義した。プロジェクトの目標設定において、Steinmetzは望ましい技術的結果を達成するために必要な新たな理論科学を明らかにし、必要な新たな知識を獲得するため、適切な「純粋な」リサーチを組織した。Steinmetzは元々は理論物理学者であった。しかし、彼の「貢献」の全ては、彼が、例えば数馬力のモーター等、新たな製品ラインをデザインし創り出すプロジェクトの一部として、計画し明記したリサーチの結果であった。広範に保有される伝統的知恵である技術は、「応用科学」である。Steinmetzラボでは、「純粋なリサーチ」の最も純粋なものを含む科学は、技術に駆り立てられるものであり、技術的目標の手段である。
AP:Steinmetzの例に従い、市場に駆り立てられるリサーチと開発を行う。
0808 Social Innovation: The Lab Without Walls (社会的イノベーション:壁のないラボ)
●Steinmetzの技術に駆り立てられる科学は多くの学術的科学者にとってアナテマ(呪い)である。
Steinmetzのイノベーションは、また、巨大な科学的・技術的プログラムへの米国の特定の主要な貢献である「壁のないラボ」に至った。これらの最初は、フランクリンルーズベルト大統領の以前のlaw partner であるバジルオコナーにより考えられマネジメントされた、小児麻痺のため政府機関(小児麻痺救済募金運動)であり、1930年代の初めに、ポリオに取り組んだ。このプロジェクトは、25年を越えて続き、半ダースの学問分野から多くの科学者を、計画された、段階的な努力にまとめ、国全域の1ダースの異なる場所で、それぞれは自分自身のプロジェクトについて、しかし中心的戦略と全般的な指揮の元働いた。
これは、それから第二次世界大戦プロジェクトへのパターンを作った:レーダーラボ、リンカーン研究室、そして最も大規模なのは、マンハッタンの原子力プロジェクトであった。国が、スプートニクの後に、人を月に送ると決めた時、NASAは、同様に、「壁のないリサーチラボ」を組織した。Steinmetzの技術に駆り立てられる科学はなお、高度に論議の的となる。それはなお、例えばエイズが1984年から85年にかけて主要な医療上の問題となった時、新たな科学的問題が現れるときは常に、それは我々が求める組織である。
AP:テロは文明世界に直面する主要な社会問題である。いかに、この問題を「マンハッタン」タイプのR&Dプロジェクトとできるか?
0809 Research Laboratory: Obsolete?(リサーチラボは時代遅れ?)
●技術は産業を行き来し、信じられないほど速く伝わる。
多くの主要企業のリサーチラボの衰退は何が原因か?会社が所有するリサーチラボは19世紀の最も成功した発明の1つであった。今日、多くのリサーチディレクターやハイテク産業の人々の多くは、それらのラボは時代遅れとなっていると信じる。何故?技術は産業を行き来し、信じられないほど速く伝わり、もはやほとんどがユニークなものとならない。そして、ますます、既存の産業に必要とされる知識は、その産業の人々が全く不慣れな、全く異なる技術からのものとなる。その結果、過去の巨大なリサーチラボは時代遅れとなる。
巨大電話会社のリサーチラボであり、有名な米国のベル研究所は、何十年も、電話産業における全ての主要なイノベーションの源泉であった。しかし、その産業の誰も、ファイバーグラスケーブルに従事せず、それを聞いたことがなかった。それは硝子会社により開発された。しかしそれは世界的にコミュニケーションを変革した。
AP:今あなたを助けることができる、他の産業での技術開発状況を調べる。
0810 The Infant New Venture(幼児の新たなベンチャー) 
●事業は顧客を矯正することで支払いを受けるものではない。
なにより、新たなベンチャーを運営する人々は外で過ごす必要がある:市場で、顧客とともに、そして自らの販売員とともに、見て聞く。新たなベンチャーは組織的なプラクティスにおいて、「製品」や「サービス」は製造者ではなく、顧客によって定義されることを思い起こすようにする必要がある。製品やサービスが顧客に貢献する効用や価値について、継続的に挑戦する必要がある。
新たなベンチャーにとって最大の危険は、製品やサービスが何であり、何であるべきか、それがいかに購入されるべきか、そしていかに使用されるべきかについて、顧客より「より良く知る」ことである。とりわけ、新たなベンチャーは、予期しない成功を、その専門性への侮辱ではなく、機会と見る必要がある。そして、マーケティングの基本原則を受け入れる必要がある。事業は顧客を矯正することで支払を受けるのではない。顧客を満足させることで支払を受ける。市場集中の欠如は典型的に「新生児」・・幼児の新たなベンチャー・・の病気である。それは、新たなベンチャーの、その初期段階での、最も深刻な苦悩であり、生き延びるものの成長を永続的に妨げ得る。
AP:新たなベンチャーの予想外の成功を、問題ではなく、機会と見る。
0811 The Rapidly Growing New Venture(急速に成長するベンチャー)
●新たなベンチャーがより成功すれば、金融見通しの欠如はより危険となる
適正な金融焦点と正しい金融政策の欠如は成長の次のステージにある新たなベンチャーにとって最大の脅威である。それは、とりわけ、急成長する新たなベンチャーにとって脅威である。新たなベンチャーがその製品やサービスを成功的に市場に出し、速く成長する場合を想定する。「急速に増加する利益」が報告され、バラ色の見通しが出てくる。特にそれがハイテクかそうでなくても現在流行の分野であれば、株式市場は新たなベンチャーを「発見する」。予想は新たなベンチャーの売上は5年以内に10億ドルに達するであろうというものであふれる。
18か月後、その新たなベンチャーは崩壊する。突然赤字となり、275人の従業員のうち180人をレイオフし、社長を解任し、巨大企業に安値で売られる。原因は常に同じである:キャッシュの不足、拡大のために必要な資本が調達でいないこと、そして入り乱れた経費、在庫及び受取勘定の中でのコントロールの喪失である。これらの3つの金融的苦悩はしばしば同時に起きる。しかし、それらの1つでも、それ自体、新たなベンチャーの(生命でないとしても)健康を危険にさらす。この金融的危機が爆発すれば、それは大きな困難と損失を伴ってのみ治癒され得る。
AP:新たなベンチャーに対する健全な金融計画とコントロールを展開する。財務の人々を「経理屋」とみない。
0812 Managing Cash in the New Venture(新たなベンチャーにおけるキャッシュのマネジメント)
●人は請求書は60日早く支払い、受取手形は60日遅く支払われることを想定するようにという、古い銀行家の常識がある。
新たなベンチャーをスタートする企業家がお金を心にとめないことはほとんどない。逆に、彼らは一般的に貪欲である。彼らは、そのため、利益にフォーカスする。しかし、これは新たなベンチャーにとって悪いフォーカスであり、むしろ、それは最初ではなく最後にくるべきである。キャッシュフロー、資本及びコントロールがより前にくるべきである。それらがなければ、利益の数字は作り話である・・・12から18カ月はいいであろうが、おそらくその後、それは消えてなくなる。成長には栄養が必要だえる。資金的にはこれは、新たなベンチャーの成長は、それを持ち出すのではなく、更なる資金の追加を必要とすることを意味する。新たなベンチャーが健康であり、それが急速に成長すれば、より多くの資金補給が必要となる。
新たなベンチャーはキャッシュフロー分析、キャッシュフロー予測、そしてキャッシュマネジメントを必要とする。ここ数年の米国の新たなベンチャー(ハイテク会社の重要の例外があるが)がかつてそうであった以上にそうしてきたのは、米国の新たな企業家が企業が金融的マネジメントを必要とすることを学んだからである。キャッシュマネジメントは、信頼できるキャッシュフロー予測があれば、難しくない。そこでの「信頼できる」とは希望ではなく、「最悪の場合」の想定を意味する。予測が過度に保守的であれば、起こり得る最悪の場合は、一時的な余剰資金である。
AP: 新たなベンチャーのキャッシュフローとキャッシュ予測の「最悪のケース」を見積もる。受取勘定と在庫のレベルをしっかりと監視する。
0813 Management Team for the New Venture(新たなベンチャーのマネジメント) 
●キーとなる活動は本では見つからない。それらは、特定の企業の分析から明らかになる。
新たなベンチャーの客観的な経済指標が事業が3年あるいは5年以内に2倍になるかもしれないことを示す時、創業者は、新たなベンチャーがすぐに必要となるマネジメントチームを作らなくてはいけない。なにより、創業者は、会社の他のキーとなる人々と一緒に、事業のキーとなる活動を考えなくてはいけない。その事業の生き残りや成功が依拠する特定の分野は何か?いずれかのメンバーがそれに属すると考える全ての活動はリストに記録されるべきである。
次のステップは、グループの各メンバーにとって、創業者から順番に、「私が上手くできる活動は何か?」「この事業のキーとなる仲間のそれぞれが実際にうまくできる活動は何か?」と尋ねることである。次に「我々のそれぞれが、その強みに合致することから、キーとなる活動のどれについて一義的に責任を負うべきか?」「誰がどのキーとなる活動に合致するか?」と尋ねる。そして、チーム作りは始まり得る。全てのキーとなる活動はパフォーマンス能力を証明した誰かによってカバーされる必要がある。
AP: あなたの企業の中であれ外であれ、成功する新たなベンチャーを考察する。イノベーターはキーとなる活動を定義し、それらを適任であることを示した人々に割り当てることに成功したか?
0814 Utilizized business potential (事業ポテンシャルの活用)
●機会は、それがあなたを見つけるところではなく、「あなたがそれを見つけるところにある」
幸運やチャンスや大失敗は、全ての人の努力と同様に、事業に影響する。しかし、幸運は事業を作らない。繁栄と成長は、体系的にそのポテンシャルを見つけて活かす事業にのみ訪れる。どれだけうまく、事業が挑戦と現在の機会に向けて自らを組織化しても、それはなお、その最適なパフォーマンスよりもはるかに低い。そのポテンシャルは、常に、その実現した現実より大きい。
危険と弱みは事業のポテンシャルを探す場所を示唆する。それらを、問題から機会に転換することは、すばらしいリターンをもたらす。

機会は、会社の経験並びにその過去の成功及び失敗に反映されなくてはならない。
しばしば、この変態を達成するのに必要なものは、経営者の態度の変化である。
3つの質問は事業の隠れたポテンシャルを明らかにする。
@事業を脆弱にする制約と限界は何か?
A事業の不均衡は何か?
B我々は何を恐れ、事業への脅威として何を見、いかにそれを機会として利用できるか?
AP:自社のためこれらの3つの質問に答え、最適なパフォーマンスに近づく。
0815 Finding Opportunitieis in Vulnerabilities (脆弱性に機会を見る)
●事業のポテンシャルを見つけ実現することは、心理的に難しい。
事業のポテンシャルルを見つけ認識することは、心理的に難しい。それは、古い確立された慣習を壊すことを意味するため、常に内部に反対される。それはしばしば、熟練の人々が誇りにしているものを捨てることを意味する。脅威と戦い、不均衡を管理し、とりわけ、その固有の脆弱性にかかわらずプロセスを効率的にすることは、大きな努力を必要とする。
会社の脆弱性、制約、そして弱さの中に、機会のポテンシャルを探すことは、彼らの地位、プライド及び力へのへの直接的な攻撃として、その最も熟練した人々によって憤慨されやすい。これが、機会がしばしば産業のリーダーでなく、部外者又はそれに近い人々により実現される理由である。この分野は、客観的及び心理的の双方において、難しいという事実は、事業はそれに猛烈に取り組み、マネジメントは強くストレスをかけなくてはいけないことを意味する。
AP:事業の脆弱性を機会に転換する
0816   Exploiting Innovative idea(革新的なアイデアを活用する):
●創造性はセクシーであるが、実際の問題は健康な新たな製品やサービスのひどく高い死亡率である。
ごたごたした会社でも、通常、活用され得るよりも、より多くの良いアイデアがある。実際の問題は健康な新たな製品やサービスのひどく高い死亡率である。過去の幼児の死亡率のように、新たな製品やサービスの死亡率は全く不要である。それは、すみやかに大きなお金を費やすことなく下げることができる。その多くは、単に企業戦略無視の結果である。正しい企業戦略には非常に高い成功のチャンスがある。
市場リーダーシップを狙う4つの企業戦略がある。「最大の数で第1番に」「いないところを撃つ」専門化した「生態学的ニッチ」を見つけ占領する、製品、市場又は産業の経済的特性を変更する。
これらの4つの戦略は相互に排他的ではない。企業はしばしば2つを、時には3つの要素を、1つの戦略において、結びつける。なお、これらの4つのそれぞれはその必要条件をもつ。それぞれは、ある種のイノベーションと調和し、他とは調和しない。それぞれは、企業の側に特定の行動を必要とする。最後に、それぞれは制約をもち、リスクを負う。
AP:成功のためのこれらの4つの戦略を記憶し、革新的アイデアを活用するにあたって、組織的にする。
0817 First with the Most(最大の数で第1番に)
●最大の数で第1番に
「最大の数で1番に」は、内戦での騎兵隊の徹底した勝利を表すために連合国軍の司令官により用いられた。事業では、イノベーターが、徹底的な優位でなくても、リーダーシップを得るための戦略を表す。これは、潜在的に最も高い報酬となる企業的戦略であるが、最もリスクのあるものでもある。誤りは許されずセカンドチャンスはない。 結果は、市場及び産業リーダーシップが何もないかにいずれかである。企業は、最初に正しくないといけなく、そうでないと失敗する。この戦略で成功する全ての革新者にとって、多くの失敗がある。しかし、「最大の数で第1に」戦略が成功すれば、革新者は莫大な報酬を刈り取る。それは、3M、Proctor&Gamble、インテル、マイクロソフト等の巨人の成功と市場リーダーシップの基礎にある戦略である。
しかし、この戦略には特別なリスクがある。最初の成功を達成するために、次の企業戦略「いないところを撃つ」を実行する者に出し抜かれる。例えば、金融的な支援者や事業経験のないかの有名なガレージでアップルコンピューターを始めた2人の若いエンジニアは、最初から、産業を創りそれを支配することを狙った。しかし、彼らはすぐに、IBMに出し抜かれた。
AP:あらたな製品、プロセス又はサービスを開発する時、側面を守ることを記憶する。
0818
  
Hitting Them where they Aren't(いないところを攻撃する)
●「いないところを攻撃する創造的模倣によりリーダーの側面に回り込む。
イノベーターは主要な新たな製品やサービスを創造せず、誰か他の者に創造されたものをとり、それに改善を加える。これは模倣である。しかし、イノベーターは新たな製品やサービスを練り直し、顧客の欲求とニーズをより満足させるよう改善するため、創造的模倣である。イノベーターが顧客が望むものの創造に成功すると、リーダーシップを達成し、市場をコントロールする。
完全な例はいかにIBMが1970年代にPCの指導的製造者になったかである。アップルはPCを発明した。アップルが現れた時、それは瞬間的にンセーションだった。IBMはアップルを出し抜くよう用意した。それは、「アップルの欠点は何か」と尋ねた。18カ月以内にIBMは、PCの顧客が必要とし欲したがアップルに欠けていたもの・・ソフトウェア・・を行うPCをだした。その後1年内にIBMのPCは世界的にマーケットリーダーとなり、そのポジションを10年以上維持した。そして、アップルは限界的な存在となった。アップルは沈み、20数年後の1990年代後半に、尊敬されるニッチプレーヤーに転換した。
AP:競争相手の成功するイノベーションを探し、それを改善する。そして競争相手を出し抜く。
0819 Entrepreneurial Judo(企業家的柔道)
●企業家的柔道は、マーケットリーダーが自分の強みと思っているものを、それを打ち負かす弱みに転換する。
日本の柔道の達人は、相手の誇りと喜びである強さを探す。彼は考え、敵は戦いにおいてその戦略をこの強さに置くと想定する。そして、柔道の達人は特定の強さへの継続的信頼が敵を脆弱かつ無防備にすることを理解する。そして、彼は、相手の強みを、その致命的弱点に転換し、相手を倒す。
事業は、柔道家のように、行動を準備する。企業家的柔道は市場リーダーが自分の強みと思うものを、それを打ち負かす弱みに転換する。例えば、日本人は、米国市場で、次々とリーダーになった。まずコピーで、そして工作機械で、消費者電子機器で、自動車で、そしてファクスマシーンで。戦略は常に同じである。彼らは米国人がその強みと思っていたものを弱みに転換し、米国企業を打ち負かした。アメリカ人は高い収益性をその最大の強みと見た。そして、市場の高級顧客にフォーカスし、大衆市場を、供給不足やサービス不足のままにした。日本人は、最低限の機能の低価格製品により入っていた。アメリカ人は、彼らと戦おうとすらしなかった。しかし、日本人が大衆市場を獲得した時、彼らはキャッシュフローを獲得し、高級市場にも入ってきた。そして、大衆市場と高級市場の双方を支配した。
AP:機敏で、競争相手の強さを認識し、彼らが無視した市場に機会を探す。
0820  Changing Economic Characteristics:(経済的特性を変える)
●成功するイノベーターは顧客が支払うもの(対象)に従い値をつける。
他の企業戦略の下では、イノベーターは革新的製品やサービスを必要とするが、ここでは、戦略自体がイノベーションである。革新的戦略は既存の製品やサービスを、その効用、価値及び経済的性質を変えることで新たなものに転換する。新たな経済価値と新たな顧客がいるが、新たな製品やサービスはない。しばしば、製品やサービスの経済的特性を変える有効な方法は、その値決めを変えることである。結局、相当多くはないとしても、製造者は少なくとも同額を得る。しかし、値決めが構築される方法は、製造者の現実ではなく、顧客の現実を反映する。
ここに例がある。インターネットは情報ネットワークとしてデザインされた。そして、ほとんどのプロバイダーは、メールアドレスのホスティングのように、それへのアクセスに課金した。しかし、ヤフーと他の会社は、インターネットアクセスを与える。顧客がオンラインに接続する時に見なくてはならない広告の広告主から料金をえる。ヤフーは「顧客は誰か」を問い、その答えは、「潜在顧客へのアクセスを望むサプライヤー」であった。これは、産業の性格を変えた。それは、インターネットに新たな特性を与えた。
AP:顧客が本当に買うものを決める。彼らのニーズをより満たすよう提供し、あなたの組織の経済的結果の増大を創造する。
0821 Ecological niche:Tollbooth strategy:(生態学的ニッチ:料金所戦略)
●イノベーターが成功する場合、ほとんど突き通せないポジションをもつ。
4つめの主要な企業戦略である、生態学的ニッチの独占は、革新者に小さなニッチ市場で、実質上の独占を確立させる。最初のニッチ戦略は料金所戦略である。料金所戦略の下では、イノベーターはより大きなプロセスにおける不可欠の部分である製品やサービスを創造する。製品を使用するコストは結局は関係なくなる。ニッチを最初に占める者は誰でも効率的に他の参入を阻止することができるくらい、市場は限定的でなくてはならない。
ここに例がある。1950年代の終わりに主要な製薬会社のセールスマンが始めた会社のAlconである。彼は、眼の老齢白内障の手術に大きな不適合があることを知った。手術には、外科医が眼を破壊する軽微な出血リスクを伴い、筋肉繊維を切らなくてはならないという、危険な手続きがあった。イノベーターはこの筋肉について調べ、ほとんどすぐに、出血や切断なしに、酵素がそれを解決することを見つけた。しかし、この酵素の分解を阻止し、貯蔵寿命を可能にする方法がなかった。イノベーターは1890年以来、酵素に安定と貯蔵寿命を与える多くの物質が開発された。彼は酵素についてのこれらの物質の1つについて特許申請し、18カ月以内に、その素材の世界市場を得た。
AP:料金所戦略を利用する内部プロセスにおける不適合を活用する
0822
Ecological niche: Specialty-Skill strategy(生態学的ニッチ:専門スキル戦略)
●専門スキルが適切に維持される場合、イノベーターは通常競争から守られる。
2番目の生態学的ニッチは、専門スキル戦略である。ここでは、イノベーターが占めるニッチは料金所戦略におけると同じくユニークであるが、それはより大きい傾向がある。例えば、誰もが米国の主要な自動車製造業者を言うことができる。しかし、どれだけの人が、これらの車のブレーキパッド、電子回路やヘッドランプを作る会社を知っているか?これらの広く知られていない会社は生態学的ニッチにおいて専門スキルポジションを占める。新たな産業や市場における非常に早期での高度なスキルの開発はこのポジションを獲得する。一旦市場が成長し始めると、イノベーターは潜在的競争者に対して重要なヘッドスタートを得、標準的産業供給者となる。
最高の例は、米国の指導的な20世紀の発明者である Charles Ketteringである。Kettering は、その全ての発明で巨大な収益性のあるニッチ事業の創造を目指した。そして、彼の最初の、そしておそらく世界で最も収益性のある発明は、専門スキルニッチ市場の創造を狙った。それは、セルフスターターであった。それまで、自動車は手動でクランクを回すことでスタートされなくてはならず、それは大変で危険であった。しかし、自動車産業で最も急速な成長の期間であった約15年間、全ての自動車製造者は、Kettering のセルフスターターを買わなくてはならなかった。それは、自動車のコストに非常に小さい金額、おそらく1〜2パーセントを加えた。しかし、Kettering の利益マージンは500%以上であった。
AP: あなたの産業に既存のオペレーションを改善する専門スキルを提供することで、急速に成長するセグメントを開拓する。
0823    Ecological Niche: Specialty Market(生態学的ニッチ:専門市場)
●専門市場戦略では、イノベーターは小さいが収益性のある新たな市場を創造しなくてはいけない。
最後のニッチ戦略は、収益性がある程度大きいが潜在的な競争相手が襲ってくる価値がない程度に小さい専門市場ニッチの創設である。例えば、1919年から第二次大戦とその後10年まで、20年以上の間最も収益性のある金融商品は、専門市場ニッチである、アメリカンエクスプレスのトラベラーチェックであった。トラベラーチェックは多くの現金を持ち運ぶよりはるかに安全で、どこでも使用可能・・例えば、ヨーロッパの全てのホテルで利用できた・・であった。銀行は、チェックを販売し、各取引につき少額の手数料を得た。これは、アメリカンエクスプレスにチェックを売り出す必要をなくすだけでなく、銀行に競争的サービスに乗り出させなかった。そして、チェック所有者は、それを現金化するまでに、数か月、あるいは数年もチェックを保有し、その間アメリカンエクスプレスは、チェック保有者が支払った利息不要の資金である「フロート」を持つため、アメリカンエクスプレスは多くの資金を作った。金融産業の人であれば、トラベラーズチェックがいかに収益性があるかを知った。しかし、市場が小さいため、大銀行にとって、強引にそれに割り込む意味がなかった。
AP:3つの生態学的ニッチイノベーション戦略・・料金所、専門スキル及び専門市場・・の例をあげる。これらの生態学的戦略の1つか複数を開拓する。
0824 Threatsto Niche Strategies:ニッチ戦略への脅威
●それが続く間、ニッチ戦略は最も収益性のある企業戦略である。
すべてのニッチ戦略に共通なのは、それらが永遠に続くものでないということである。ニッチにとっての1つの脅威は、特に技術変化により、出し抜かれることである。それはAlconに起こった。世界的にほぼ独占状態になって15年後、チェコスロバキアの誰かが新たな白内障手術であるインプラントレンズを考案し、目の筋肉は切除されずに維持される。そして、Alcon の解決策は歴史となった。
もう1つの脅威は、ニッチが主要なマス市場となる場合である。それはトラベラーズチェックに起こった。第二次大戦前、米国人のヨーロッパ旅行はなお珍しかった。今、大西洋横断のジェットは、2日で、第二次大戦前に、ヨーロッパと米国の間を、蒸気船が1年に運ぶより多くの乗客を運ぶ。そして、新たなマス旅行者はクレジットカードを使う。
第一次大戦の間に米国で、第二次大戦後にヨーロッパと日本で、自動車産業がマスマーケットとなった時、コストカットへの強烈なプレッシャーは、専門スキルに依拠するニッチサプライヤーであることがニッチの利益を生み出すことをやめたことを意味する。これらのプレイヤーに、自動車会社がコスト削減のために、大きなプレッシャーをかける。そして、彼らは、屈するしかない。
AP:あなたの製品、プロセス及びサービスの、陳腐化の脅威を評価する。あなたの企業の製品とサービスへの回避できない脅威を相殺するイノベーションの体系的プログラムを維持する。
0825 イノベーションについての3つのケーススタディー:
3つの製薬会社・・・Able、Baker、Charlie は世界的に最も成功する製薬事業である。Able とBaker は非常に大きく、Charlieは中規模だが、急速に成長している。これらの会社は、その収益のほとんど同じ割合をリサーチに使っている。そこで、類似性は終わる。其々のリサーチへのアプローチは非常に異なっている。
Able Company:Research Strategy:(エーブル会社、リサーチ戦略)
●Able の狙いは、主要な分野で早期のリーダーシップを、支配を獲得し、このリーダーシップポジションを維持することである。
Able会社は、大きなリサーチ資金を注意深く選択された分野に一度に投入する。それは、大学での純粋なリサーチが最初に純粋なブレークスルーを示唆する分野を取り上げる。それから、商品を出せるまでの長期間、その分野で最高の人々を雇い、仕事をさせる。これらの分野外では、しかしながら、リサーチ費用は使わず、全く要因としない。会社は、初期段階で、大きな分野で大きなポジションを、大きなリスクで得るが、また報酬も大きい。
AP:Able会社は【最大の数で第1番に】戦略と機会の【新たな知識】の窓を追及している。
0826   
Baker Company:Research Strategy:(ベーカー社、リサーチ戦略)
●ベーカー社の狙いは、それぞれの分野で、明らかに優れた薬を提供し、医療実務に大きな進歩をもたらすことである。
ベーカー社の戦略は全く異なっている。そのリサーチラボは、おそらく、製薬産業で最も有名で、実に多くの分野で取り組む。それは、しかしながら、基礎的な科学理論的作業が行われるまで参入しない。それから活動する。そのラボから生み出される10製品当たり、会社が市場に出すのは2か3までである。リサーチラインから有効な薬が生まれることが合理的に明らかになると、会社は製品と分野全体を精査する。
第1に、新たな製品は医学的に優れており、新たなスタンダードとなるか?第2に、(大きなものであっても)1つの専門分野に限定されず、ヘルスケア分野と医療実務の隅々にまで、大きなインパクトをもちそうか?そして最後に、競合製品に追い抜かれず、長年「スタンダード」として残りそうか?
これらの3つの質問のいずれかに対する答えが「No」であれば、それを自社製品にするより、開発をライセンスするか売却する。これは2つの方法で、高度に収益的であった。それは、自社の名前で製造販売する薬による利益とほとんど同じだけのライセンス収入を生み出した。そして、それは、会社の製品が医療のプロから「リーダー」と考えらることを確かなものにした。
AP:自社の革新的戦略を、ベーカー社のそれに対して、テストする。
0827 Charlie Company:Research Strategy:(チャーリー社、リサーチ戦略)
チャーリー社はリサーチをしない。それは、小さいが重要な領域で、単純な開発がほとんど独占的ポジションをもたらす分野を探す。
チャーリー社はリサーチをしない。同社が行うことは開発である。エーブル社やベーカー社が魅力的だと考える製品には取り組まない。既存の製品が良い仕事をせず、単純な変更が医師の外科的パフォーマンスを大きく改善できる、医療と外科実務に分野を探す。分野が小さく、一度真にすぐれた製品があれば、他社が参入し競合するインセンティブがない分野を探す。
その最初の製品は、白内障手術を事実上出血をなくし、眼科医の仕事を極めて容易にする、(実際に40年間知られていた)単純な酵素であった。行ったことは、酵素の貯蔵期間を延長する方法を見つけることであった。次の製品は、幼児のへその緒につける単純な軟骨で、感染を予防し回復を促すものであった。それは、世界中の産婦人科でスタンダードとなった。会社はその後、新生児が感染予防のために洗われるに用いられる有毒な溶液に変わる製品を出し、それはまた、発見ではなく組合せであった。それぞれの分野で、世界市場は限定的・・・おそらく2000万ドルまで・・・であり、1つの供給者が、真にすぐれた製品を提供するなら、最小の競争と実際上価格への圧力なしに、ほとんど独占的ポジションを占めることができる。
AP:あなたの組織のイノベーション戦略を、チャーリー社のそれに対して、テストする。
0828 Success Always Creates New Realities:(成功は常に新たな現実を作り出す)
●おとぎ話だけが、「彼らは幸せに暮らしました」で終わる。
成功は常にそれを達成した行動を陳腐化する。それは常に新たな現実を作り出す。常に、とりわけ、それ自身の異なる問題を作り出す。成功している会社のマネジメントにとって、「我々の事業は何か」を問うことは容易ではない。会社の全ての人は、答えは明らかで、議論の価値もないと考える。成功している時に議論することは人気がなく、ボートを揺することも人気がない。しかい、会社が成功している時に、「我々の事業は何か」を尋ねないマネジメントは、実質的に、ひとりよがりで、怠惰で、傲慢である。成功が失敗に変わるまで長くはない。
1920年代に2つの最も成功した米国産業は、無煙炭の採掘と鉄道であった。双方とも、神が彼らに揺るぎない独占を永遠に与えたと信じた。彼らの事業の定義は明らかであり、行動はもちろん、考える必要もないと信じた。マネジメントが成功を当然だと思わなければ、いずれもリーダーシップのポジションから転落する必要はなかったであろう・・無煙炭産業は完全に忘れ去られた。特に、マネジメントが会社の目的に達する時、それは常に「我々の事業は何か」を真剣に尋ねるべきである。これは自制と責任を必要とする。他の選択肢は衰退である。
AP:あなたの組織の製品やサービスを取り上げる。いかに市場シェアは計算されるか?市場でのあなたのシェアは何か?あなたの市場の定義を広げる(例えば、鉄道から輸送に)。より広い市場でのあなたのシェアは何か?
0829 The Opportunity-Focused Organization(機会に集中する組織)
●実行する組織はすることを楽しむ。
組織は引力を持ち、重さは絶えず問題に集中するよう作用し、人はいつもそれと格闘しなくてはいけない。私が「成功の開発」と呼ぶものが得意な組織は多くない。今日の世界最大の消費エレクトロニクス・エンターテイメント会社であるソニーを見る。ソニーが行ってきたことは、基本的に、テープレコーダーを発展させ、その成功をもとに事を進めたことである。しかし、それを組織に込み、全ての人にそれを求めるなら、あなたは問題集中ではなく機会集中の受容力を創造する。そして、とりわけ、あなたは喜びを作り出す。私は、これが、学問的にまともなものでないことを知っているが、実行する組織はしていることを楽しむ。私はいつも、いかにしてどのような組織を顧客として受け入れるべきかを知るかを尋ねられる。ドアを通れば、2分で、彼らがそれを楽しんでいるかがわかる。彼らが楽しんでいなければ、私は彼らのために働きたくない。しかし、彼らがそれが好きで、明日がよりよくなると感じているなら・・・それは全く異なる環境を作り出す。
AP:あなたが楽しむことをする。
0830    Finding Opportunity in Surprises(驚きの中に機会を見る) 
●成功ゆえにそれらを無関係とすることによる問題を克服する。
全ての驚きは、真剣にとられるべきものである。全体の報告システムは機会と驚きを無視するが、それを変えるのは難しくない。50年前、私の友人でありメンターは大企業で用いられるシステムを発明し、それは非常に成功した。全てのマネジャーは、第一線の管理者まで、毎月1つの主題・・予想外・・について手紙を書く。正しかったことや間違ったことではなく、予想外である。そして、彼らは会議をし、「これは我々に何かを語るか」という質問とともに、これらを見る。ほとんど何も語らず、逸話のようなものであるが、通常3つか4つは関係する。この中から、会社、製薬会社であるが、はほとんど重要でないコモディティの製造者から世界的リーダーの1つへと成長した。そして、医師が薬を想定されていないものに使い、驚くべき結果が出た時のような、驚き、臨床的驚きから生じた。あなたは成功に、特に予想外の成功にフォーカスし、それを発展させなくてはならない。
AP:各月にボスに想定外の出来事を記載する手紙を書く。予想外の成功をとりあげ、追跡する。
0831   Maintaining Dynamic Equilibrium(ダイナミックな均衡を保つ)
●マネジメントは変化と継続の間のダイナミックな均衡を維持しなくてはならない。
日本での私の出版社であるダイヤモンド社は、最近、「既に生じた未来」というタイトルで、この50年に書かれた、私のエッセイ集を出版した。この本のため、私は、本の最終章となる、知的な自伝を書いた。その中で、私は60年以上前の私の最初の仕事を記録するが、それは変化と継続との間の均衡についての関心であった。10年後に、私をマネジメントの研究に導いたのは、この関心であった。マネジメントは、変化と継続の間のダイナミックな均衡を保たないといけない社会の特有の機関であり、それがなければ、社会も、組織も、個人もだめになる。
AP:変化を導く組織的なイノベーションプロセスを構築する。
■9月 
0901    Know Thy Time(あなたの時間を知る) 
●効率的なエグゼクティブはその時間から始める
「あなたの時間を知れ」という古い叡智は、死を免れない人にとって、ほとんど不可能なほど難しい。 しかし、全ての人は、それを望めば、「あなたの時間を知れ」という指令に従うことができ、それは貢献と効率性への道でもある。
エグゼクティブの仕事のほとんどの議論は、その仕事を計画せよというアドバイスから始まる。これは、もっともらしく聞こえる。その唯一の悪いところは、ほとんど機能しないことである。計画は常に紙の上に留まり、よい意図のままである。それらはほとんど達成に変わらない。効果的なエグゼクティブは、私の観察によれば、その仕事から始めない。彼らはその時間から始める。そして、彼らは計画から始めない。彼らはその時間が実際にどこに向かうかを見つけることから始める。それから、彼らは、その時間を管理し、その時間への非生産的要求を削減する。最後に、彼らは、その「自由な」時間を最大かつ可能な継続的単位に統合する。この3段階のプロセス:
@時間を記録する
A時間を管理する
B時間を統合する
は、エグゼクティブの効率性の基礎である。
AP:あなたの時間を記録し、管理し、統合することで、あなたの時間が向かう場所を見つける。
0902  Record Time and Eliminate Time Wasters(時間を記録し時間の浪費を削減する)
●人がすべきことは、活動が何も貢献しない場合、「ノー」ということを学ぶことである。
エグゼクティブの効率性への最初のステップは実際の時間使用を記録することである。かかる時間記録を自分自身でつけるエグゼクティブもいるし、秘書につけさせる場合もある。重要なのは、それが行われ、記録が「実際の」時間についてなされることである。かなり多くの効率的なエグゼクティブはかかる記録を継続的につけ、毎月定期的にそれを見る。それぞれの実例をみて、彼らは再考しスケジュールを作り直す。第1に、行われる必要のないこと、何の結果ももたらさない純粋な時間の無駄、を明らかにし、削減するよう努める。これらの時間の無駄を見つけるため、人は時間記録の全ての活動について、「それがなされないとどうなるか?」を問う。その答えが「何も起こらない」であれば、明らかに結論はそれをすることを止めるである。
AP:あなたの活動の時間記録を作る。時間の無駄である活動を削減する。
0903 Consolidate Time(時間を統合する)
●効率的なエグゼクティブは削減しすぎることはほとんどないことを知る。
タイムマネジメントの最後のステップは、記録と分析によれば普通に利用できエグゼクティブの管理下にある時間を統合することである。効率的であるために、全てのエグゼクティブはかなり大きな塊の時間を持つ必要がある。これは、特に、人々との作業のための時間・・それはもちろん、エグゼクティブの仕事の中で中心的なものである・・についてそうである。自分が計画、指示そして部下のパフォーマンスを15分で議論できると考えるマネジャーは思い違いをしている。
時間を統合する方法はかなり多い。ある人は週の何日かを家で作業する。他のエグゼクティブは全ての経常的な仕事・・会議、検討し、問題セッション等・・を週の2日に予定し、他の日の朝を主要な問題の一貫した継続的作業にあてる。しかし、裁量的時間を統合する方法はアプローチよりはるかに重要ではない。効率的なエグゼクティブは、どれだけの裁量的時間を現実に自分のものと呼べるかを見積もることから始める。そして、後に、他のことがこの取っておいた時間を侵食する場合、彼らはその記録を再び精査し、さらに必要な時間をより非生産的活動からはずす。
AP:あなたの時間を統合し、主要な仕事のため、大きな塊の時間をどける。
0904   Practices of Effective Executives(効率的なエグゼクティブの実践) 
●効率的なエグゼクティブが共通に持つのは、正しいことを行う能力である。
私が見てきた効率的なエグゼクティブは、気質と能力、することと方法、個性、知識、関心・・実際、人を特徴づけるほとんど全て・・において大きく異なる。しかし、私が知っている効率的なエグゼクティブは必要な仕事のみをし、不要なものを排除する。
効率的であるためには、5つの実践が必要である。効率的なエグゼクティブは彼らの時間がどこに向かうかを知る。彼らの管理下にありもってこられる少ない時間を体系的に管理する。
効率的なエグゼクティブは外への貢献に焦点を置く。
効率的なエグゼクティブは、自分と他人の強みに基づく。彼らは弱みに基づかない。
効率的なエグゼクティブは卓越したパフォーマンスがすぐれた結果を生み出す場所で卓越したパフォーマンスに集中する。彼らは重要なことに留まる。
効率的なエグゼクティブは効率的な判断を行う。彼らはこれがシステム・・正しいjシーケンスでの正しいステップ・・であることを知る。彼らは、拙速に判断することは間違って判断することであることを知る。
私は、人が、どれだけ知性、勤勉さ、創造力又は知識においてすばらしくても、これらの実践を遵守しない時、効率性におけるエグゼクティブの欠陥を見る。
AP:これらの5つの課題を憶え実践する:@あなたの時間がどこに向かうかを知る、A外部への貢献に集中する、B強みに基づく、C卓越したパフォーマンスに集中する、そしてD効率的判断をする。
0905
    
Focus on Contributuion(貢献に集中する)
●「私は何を貢献すべきか」という質問は、責任を与えるために、自由を与える。
ほとんどのエグゼクティブは下方に集中する傾向がある。彼らは、結果より努力に占められる。彼らは、組織と上司が彼らに「借りがあり」彼らのためにすべきものを気にする。そして、彼らは、とりわけ、彼らが「持つべき」権威を意識する。その結果、彼らは非効率的となる。効率的なエグゼクティブは貢献に集中する。彼は仕事から見上げ、目的に向けて外を見る。彼は「私は自分が奉仕する組織のパフォーマンスと結果に重要に影響する何を貢献できるか」と質問する。彼のストレスは責任に基づく。
仕事(中身、レベル、基準、影響)において、他(上司、部下、同僚)との関係において、そして、会議や報告といったエグゼクティブの道具の使用において、貢献への集中は効率性への鍵である。
貢献への集中は、エグゼクティブの関心を自分の専門、その狭いスキル、部門からはずし、全体のパフォーマンスに向ける。それは彼の関心を結果が存在する唯一の場所である外部に向ける。
AP:不断にあなたが組織にでき、すべき貢献に集中する。
0906 Performance Appraisals(パフォーマンス評価)
●評価とそれらの背後にある哲学は「潜在性」に関係する。
効率的なエグゼクティブは通常独自のパフォーマンス評価方式を考える。それは、現在と過去のポジションにおいてその人から期待される主要な貢献の記述とこれらのゴールに対する彼のパフォーマンスの記録で始まる。

そして、それは4つの質問をする。
1.何を彼(彼女)は上手くやったか?
2.従って、彼は何を上手くやれそうか?
3.彼の強みから十分な利益を得るには彼は何を学びあるいは得なくてはならないか?
4.私に息子か娘がいれば、この人の下で働かせたいか?
(a)イエスならなぜか?(b)ノーならなぜか?

この評価は実際、通常の手続よりも批評的な見方をする。しかし、それは強みに集中する。欠点は強みの十分な活用への制限、並びに、達成、効率性及び業績への制約として見られる。最後の質問(b)は主として強みに関係しない唯一ものである。特に元気で若く野心のある部下は力のある上司に倣って自分自身を形作る傾向がある。したがって、組織において、力があるが基本的に堕落したエグゼクティブ以上に堕落し破壊的なものはない。従って、ここに、弱みが、パフォーマンス、能力及び強みへの制限ではなく、それ自体が欠格となる1つの領域がある。
AP:パフォーマンス評価をする際に、4つの質問をする。
0907 How to Develop People(いかに人を開発するか)
●どの組織も人を開発する。それは、彼らを形作るかもしれないし、形をくずすかもしれない。
どの組織も人を開発する。選択の余地はない。それは、彼らの成長を助けることもあれば、妨げることもある。人の開発について我々は何を知っているか?ほんの少しである。我々は、確かに、すべきでないことを知っており、すべきでないことはすべきことをあげるより簡単である。

第1に、人々の弱みに基づくようにしないこと。大人が習慣と行動を発展させ、スキルと知識を学ぶことを期待できる。しかし、人の性格は、我々が望む方法ではなく、あるがまま使わなくてはならない。

第2のすべきでなことは、人の開発について狭い、近視眼的な見方をすることである。人は特定の仕事のための特定のスキルを身につけなくてはならない。しかし、開発はそれ以上のものである。それはキャリアのためであり人生のためでもある。特定の仕事はこの長期の目的に調和しないといけない。

我々が知るもう1つは、皇太子を作らないことである。常に、約束ではなく、パフォーマンスを見る。可能性ではなくパフォーマンスにフォーカスすることで、エグゼクティブは高度な要求をすることができる。人は常に、基準を緩めることができるが、それを上げることはできない。

次に、エグゼクティブは人々の強みを配置することを学ばなくてはならない。
人の開発において、教訓は強みにフォーカスすることである。そして真に厳しい要求をし、パフォーマンスの調査に時間と労をかける(それはハードワークである)。人々と席に着き「これはあなたと私が1年前にコミットしたことである。いかにしたか?なにをうまくやったか?」と言う。
AP:人を開発する。第1に、彼らの強みにフォーカスする。そして、人の強みに基づき高い要求をする。最後に定期的に彼らのパフォーマンスを調査する。
0908
  
Knowledge Worker As Effective Executive(効率的エグゼクティブとしての知識労働者)
●強み・・自分のと同じく他人のも・・・を生産的にするエグゼクティブは組織のパフォーマンスと個人の達成を両立する。
エグゼクティブの効率性に向けた自己開発は、組織のパフォーマンスへの社会の客観的ニーズと、達成と充実に対する個人のニーズの双方を満足させる唯一の利用可能な答えである。それは、組織の目標と個人のニーズが和解する唯一の方法である。強み・・自分のと同じく他人のも・・を生産的にするエグゼクティブは組織のパフォーマンスと個人の達成を両立する。彼らはその知識分野を組織の機会とする。そして、貢献にフォーカスすることで、自分自身の価値を組織の結果とする。
知識労働者は経済的報酬も要求する。それらの不存在は抑制的である。しかし、その存在は十分ではない。彼らは機会を必要とする。彼らは達成を必要とする。彼らは充実を必要とする。彼らは価値を必要とする。彼ら自身を効率的なエグゼクティブにすることによってのみ、知識労働者はこれらの満足を得る。効率的なエグゼクティブのみが、社会を2つのニーズ・・@個人から必要な貢献を得ると言う組織のニーズとA組織を彼らの目的達成のための道具として奉仕させるという個人のニーズ・・に調和させることができる。
AP:強みを知る。それらをあなたが貢献できるあなたの組織の分野に利用する。あなたの価値と組織の価値が両立することを確信する。
0909     Take Responsibility for Your Career(自分のキャリアに責任をもつ)
●脚立はなくなり産業の暗黙の構造としての縄梯子もない。それはむしろつるのようなものであり、あなたは自分のなたをもってくる。
グレーのフランネルスーツに身を包んだ若者が一生の会社タイプを表したとすれば、今日のイメージは何か?個人の責任をとり特定の会社に依拠しない。同様に大切なのは、自分のキャリアを管理することである。あなたは次に何をしているかを、あるいは、民間オフィスで働くか、巨大な大講堂で働くか、自宅をでるのかすら知らない。あなたは、発達するにつれ、そして家族があなたの価値と選択の要因となるにつれ、正しい仕事を見つけることができるよう、自分自身を知ることに責任を持たなくてはならない。
明らかに、自分自身の仕事を選ぶ用意ができている米国人は少ない。「何が得意か知っているか?自分の制限を知っているか?」と問うと、彼らはうつろな眼差しであなたを見る。あるいは、彼らはしばしばあいまいな知識で返答し、それは誤った答えである。彼らが自分の履歴書を用意する時、彼らは階段を昇るようにポジションを列挙する。仕事やキャリアパスをかつて我々が次から次へと割当を引き受けることで考えたように考えることをあきらめる時である。我々は、客観的基準を探すことを飛び越え、主観的なもの・・私がコンピテンスと呼ぶもの・・に入らなくてはならない。
AP:自分自身のキャリアに責任をもつ。あなたの強みと制限を列挙する。どのような割当てをあなたは次に引き受ける用意があるか?現在の組織の内外を問わず、これらの割当を引き受ける用意をする。
0910 Defining One's Performance(パフォーマンスを定義する)
●パフォーマンスは全弾を牡牛の目に命中させることではない・・・それはサーカスである。
組織の健康の最初の条件はパフォーマンスについての高い要求である。実際、目的によりマネジメントの要求が厳しく、それが課題の客観的条件にフォーカスする主な理由の1つは、マネジャーに自分自身のパフォーマンスの高い基準を設定させる必要である。これは、パフォーマンスが適正に理解されることを要請する。
パフォーマンスは全弾を牡牛の目に命中させることではない。パフォーマンスは、むしろ、長期間、様々割当てにおいて、結果を生み出す堅実な能力である。
パフォーマンス記録は誤りを含まなくてはならない。それは失敗を含まなくてはならない。それは、人の強みとともに、その制約を明らかにしなくてはならない。
信用できないのは誤りをせず、へまをせず、試みを失敗しない人である。彼はいんちきか、あるいは、安全な、立証済みの、取るに足らないものとともにあるかである。より優れていれば、彼はより多く誤る。なぜなら、より多くの新しいことを試みるからである。
AP:パフォーマンスを「打率」と定義する。誤ることが許される雰囲気を作る。人のパフォーマンスを「比較的長期間にわたり結果を生み出す堅実な能力」として評価する。
0911     Results That Make a Difference.(違いを出す結果)
●違いをだすためにいかなる結果が達成されるべきか。
「私は何を貢献すべきか」を決めるために1つの質問が尋ねられなくてはならない。「どこで、そしていかにして、私は、違いをだす結果を得ることができるか」この質問への答えは多くの事柄を考量しなければならない。結果は達成が困難なものであるべきである。流行りのことばを使うなら、「背伸び」が必要なものであるべきである。しかし、それらは手が届くものであるべきである。達成できない・・あるいは最もありえない環境でのみ達成できる・・結果を目指すことは、「野心的」ではない。それはばかげたことである。同時に、結果は有意義なものであるべきである。それらは違いを出すべきである。そして、それらは目に見え、できれば、計りえるものである。
「私は何を貢献すべきか」についての判断は3つの要素を考量する。
第1に「状況は何を求めるか」という質問がくる。
それから、「私は、自分の強み、行動方法、価値をもって、いかなるニーズに対して、いかにして、最大の貢献ができるか」という質問がくる。
最後に、「違いをだすにはいかなる結果が達成されなくてはならないか」という質問がある。これは、何をすべきか、どこで始めるべきか、いかに始めるか、いかなる目的と期限を設定すべきか、という行動の決定をを導く。
AP:違いをだす、あなたのポジションのための結果を定義する。強みに基づき、いかにして最大の貢献ができるか?それらのため目的と期限を設定する。
0912    Managing Oneself: Identify Strengths(自分をマネジメントする。強みを確認する。) 
●一級のパフォーマンスを素晴らしくする方が、無能を並みにするよりもはるかに少ないエネルギーですむ。
フィードバック分析により、自分の強みを確認することを学ぶことができる。これは、あなたの全ての重要な決定と行動をあなたがそれらが達成すると期待する結果と一緒に書き留める、単純なプロセスである。9か月から12か月後に、実際の結論を期待と比べて確認する。2,3年使うと、あなたは、実際の結果が基準に達せず、あるいは期待を上回しながら、これらの決定と行動を追跡することで、ことで自分の強みを知る。フィードバック分析を通じて自分の強みを確認すれば、あなたはこの知識を、パフォーマンスと結果の改善に利用することができる。あなたはこれを5つの方法でできる。
まず、あなたの強みに集中する。第2に、強みの改良に取り組む。あなたは新たな知識を学び、あるいは、古いものを最新のものにすることを学ぶ必要があるかもしれない。第3に、ダメにする習慣を認識する。最悪の、そして最も一般的なものは、傲慢である。しばしば、貧弱なパフォーマンスは自分の狭い専門性の外の知識を求めようとしないことから生じる。第4に、悪い習慣と悪い態度を治す。しばしば、先送りという悪い習慣と悪い態度は、協力とチームワークを不可能にする。そして、第5に、あなたがすべきでないことを理解する。
AP:あなたの強みを確認するためにフィードバック分析を用いる。そして、強みの改良に取り組む。強みの十分な開発を妨げる悪い習慣を確認し排除する。何をすべきかを理解し行う。最後に、すべきでないことを決める。
0913 Managing Oneself:How Do I Perform?(自分自身をマネジメントする。いかに行うか?) 
●あなたの価値を破るパフォーマンスは腐敗し、それはついには、あなたの強みを奪い破壊する。
異なる人々が異なる強みと弱みを持つように、彼らは異なる方法で働き行動する。例えば、ある人は読むことで学び、他の人は聞くこと学ぶ。そして、読む人のほとんどは成功する聞く人とならず、逆も真である。学習方式は人の仕事の方式を形作る多くの要因の1つである。答えられるべき他の質問がある。他人と協同する時に最高に働くか、1人で作業する時に結果を出すか?他人と一緒の時が最高に働ける場合、それは通常、部下としてか、同僚としてか、上司としてか?あなたは予想できる、整えられた作業環境が必要か?プレッシャーの下で育つか?
あなたはまた、自分の個人的な価値を考えなくてはならない。それらはあなたの強みと類似し、少なくとも両立できるか?価値と強みの間に衝突があれば、常に価値を選ぶ。あなたの価値を破るパフォーマンスは腐敗し、ついには、あなたの強みを奪い破壊する。これらは、答えられなくてはならない質問の一部である。大切なのは、あなたの独自の仕事の方式を理解することである、
AP:ここに記載された質問に答えることで、あなたの仕事の方式を考える。あなたの価値を考える。あなたの強みをあなたの価値を破壊する場所に使わない。あなたの価値と両立できる場所を見つける。
0914  Managing Oneself: What to Contribute?(自分自身を管理する。何を貢献するか?) 
●成功するキャリアは幸運や計画の産物ではない。それらは自分の強みに合致する機会をつかむことができる人々によりつくられる。
あなたは自分の強みと仕事スタイルを見つけると、正しい機会を探し始めることができる。これらはあなたの強みを利用でき、あなたの仕事のスタイルに合致し、あなたの個人的な価値システムに適合する割当である。これらはまた、あなたが正しい貢献をすることを助ける割当である。しかし、あなたは、最初、あなたの貢献がなにであるべきかを決めなくてはいけない。
正しい貢献を理解することは、あなたが知識から行動に移ることを助ける。あなたは、自分が何を貢献すべきだと考えるか?言い換えれば、あなたの組織の中でいかにして違いを作り出すことができるか?これらの質問に答えることは、あなたが正しいものを探すにおいて、機会を分析することを助ける。かかる機会が現れる時、それらがあなたにそしてあなたの仕事方法に合うのであれば、それらを受け入れるのがベストである。それは、あなたが特定の状況、あなたの最大の貢献可能性、そして達成されなくてはならない結果のの条件を考えることを求める。それらは幸運や計画の産物ではない。それらは自分の強みに合致する機会をつかむことができる人々によりつくられる。
AP:あなたにその強みを適用させ、あなたの仕事スタイルと価値と合う機会を探す。
0915  Managing Oneself: Work Relationships(自分自身を管理する。仕事の関係。)
●組織は信頼の上に作られ、信頼はコミュニケーションと相互理解の上に作られる。 
自分の強み、仕事のスタイルおよび価値を知ることが重要であるように、あなたの周りの人々の強み、仕事の仕方、および価値を知ることもまた、重要である。それぞれに個性があり、あなたと他人との間に大きな違いが存在しがちである。しかし、かかる違いは重要ではない。重要なのは、すべての人が役割を果たすかどうかである。堅実なグループパフォーマンスはグループの各人が個人として役割を果たせる場合にのみ、達成され得る。そして、これを生じさせるために、あなたは他の人々の強み、他の人々の仕事スタイルそして他の人々の価値に基づかなくてはならない。
あなたが自分の強み、仕事のスタイルと価値を、あなたの貢献が何であるべきかとともに、確認すれば、他の誰がそれを知る必要があるかを考えなくてはならない。あなたに依拠し、あなたが依拠するすべての人は、いかにあなたが働くかについての情報を知る必要がある。コミュニケーションは双方向のプロセスであるため、あなたは、同僚に、自分の強み、仕事のスタイルおよび価値を考え定義することを頼むことを、気持ちよく感じるべきである。
AP:あなたの貢献に依拠する人々と各人が必要とする特定の貢献をを列挙する。あなたが依拠しする人々と各人からあなたが必要とする貢献を列挙する。双方のグループに知らせ、あなたを含む各人が適切に奉仕されることを確実にする。
0916 Managing the Boss(ボスをマネジメントする)
●成功し速く昇進する上司以上に成功の助けとなるものはない。
ほとんどすべての人は、少なくとも1人のボスをもつ。そして、知識労働者は、より多くのボスをもち、その承認と評価に依拠し、そのサポートを必要とする、より多くの人を持つ。 
ボスをマネジメントするための鍵がある。
第1に、「上司リスト」に、あなたが報告責任がある全員、あなたと仕事を評価する全員、あなたがあなたとチームの仕事を効率的にするために依拠する全員を記載する。
次に、少なくとも1年に1度、上司リスト上の人々のところに行き、「あなたの仕事を助けるために、私と私のチームが何をすべきか」を尋ねる。そして、「あなたを妨げ、あなたの生活をより困難にすることを我々はしているか」と尋ねる。あなたのボスが、ユニークな個人として、その仕事スタイルに従い、役割を果たせるようにすることは、あなたの仕事である。あなたの上司は、あなたが、彼らの強みに作用し、それらを制約と弱みから守ることを、気持ちよく感じるべきである。
AP:「上司リスト」を作る。上司リストに記載された人々に、ここに書かれている質問をする。
0917    Managing Oneself:The Second Half(自分自身をマネジメントする:第2の人生) 
●第2の人生をどう過ごす?
知識労働者は肉体的に、高齢になっても働き続けることができ、伝統的な引退年齢をたやすく超えることができる。しかし、彼らは新たな危険を冒す。彼らは、精神的にだめになるかもしれない。40才台の知識労働者のほとんどの一般的な苦悩である、一般的に「燃え尽き」と呼ばれるもののほとんどは、ストレスの結果ではない。その一般的な原因は仕事に退屈することである。
非常に成功した大企業で、トップマネジメントが私に、「エンジニアが仕事をやめかけている。理由を見つけて欲しい?」と言った。そして、私は、約1ダースの、非常に有能で成功し高給を得ているエンジニアと話した。彼らは全員、「私の仕事は会社の成功にとって重要で、それが好きだ。私はそれを10年間やってきて非常にうまくでき、それを誇りに思っている。しかし、私は今ではそれを眠りながらでもできる。それはもはや私にとって挑戦ではない。私はただ、退屈なんだ。私はもはや毎朝オフィスに来ることが楽しみではない」と言った。しかし、人々を循環させるという明らかな答えは、間違った答えである。これらの人々は、一流の専門家である。彼らが必要としたものは、本当の関心を回復することである。そして、それを得れば・・彼らの1人は、例えば、高校生への数学と科学の指導を始めた・・突然彼らの仕事は再び満足するものとなる。
AP:現在の仕事の外に目的を設定する。これらの目的をいま求め始める。
0918 Managing Oneself:Revolution in Society(自分自身をマネジメントする:社会における変革)
●自分自身のマネジメントははこれらの現実に基づく:労働者は組織より長生きし、知識労働者は流動的である。
自分自身のマネジメントは人に関する諸事における変革である。それは個人、特に知識労働者、から新たな先例のないものを求める。事実上、それは知識労働者に、最高経営責任者として考え行動することを求める。それはまた、知識労働者の考えと行動に、我々のほとんどが当然のことと思っている思考方法と行動方法から、180度の変化を求める。
(仕事かボスによって)言われたことをする肉体労働者から自分自身を管理する知識労働者へのシフトは、大いに社会構造に挑戦する。既存の社会にとって、最も「個人主義的な人」でも、無意識的であれ、2つのことを当然だとする。組織は労働者より長く続きほとんどの人々は組織に留まる。自分自身のマネジメントは全く逆の現実に基づく。米国では流動性は受け入れられる。しかし、米国ですら、組織より長生きする従業員・・それにより第2の異なる人生への準備の必要・・は実際上誰も準備ができていない変革である。既存の組織の、例えば、既存の退職システムも準備ができていない。
AP:満たされる第2のキャリアを考え始める。非営利組織でのボランティアを含め、関心のある仕事の分野を列挙する。
0919
A Noncompetitive Life(競争しない人生)
●誰も、生活や仕事において、深刻な後退を経験せずに長生きすることを期待できない。
競争の苦闘の中で、より多くの成功する知識労働者・・事業のマネジャー、大学の教師、美術館のディレクター、医師・・は40代で安定水準に達する。彼らは、その達成するであろう全てに達成したことを知る。彼らの仕事が彼らがもつ全てであれば、厄介なことになる。知識労働者は、そのため、できれば若い間に、非競争的な生活と彼ら自身のコミュニティと職務外の真剣な関心を開発する必要がある。この職務外の関心は職場を超えて、個人的な貢献と達成の機会を与える。
誰も、生活や仕事において、深刻な後退を経験せずに長生きすることを期待できない。42歳で会社での昇進で抜かれた有能なエンジニアがいる。そのエンジニアは、彼が仕事で非常に成功することはないことを知る。しかし、外部の活動・・例えば、地域の教会での財務担当・・で、彼は成功を得る。家族はバラバラになるかもしれないが、外部の活動において、コミュニティが存在する。
AP:仕事で直面する競争のプレッシャーを受けない関心を開発する。この分野の職務外の関心においてコミュニティを見つける。
0920 Staffing Decisions(人員配置の判断)
●山があるところには、谷がある。
人についての判断は大きなギャンブルであるが、人が何ができるかに基づくなら、それは少なくとも理にかなったギャンブルとなる。効率的なエグゼクティブは強みを生産的にする。彼らは、人が、弱みを最小にするのではなく、強みを最大にするために何ができるかに基づき、地位を満たし、昇進させる。強い人々には常に強力な弱みがある。山があるところには、谷がある。「良い人」のようなものはない。「何について良いのか」が問題である。多方面でまあまあできるパフォーマンスではなく、1つの主要な分野での卓越さを探す。人の卓越は1つの分野で、多くても、きわめて少数の分野で、達成され得るだけである。常に、人がうまくできるものからスタートし、彼(又は彼女)が実際にそれをすることを求める。
弱みがそれ自体重要で意味がある1つの分野がある。人格と誠実さは、それ自体、何事も成し遂げない。しかし、その欠如は他のすべてを毀損する。ここれに、弱みが絶対的な欠格となる分野がある。
AP:人についての判断をするとき、仕事を理解する。そして、新たな仕事に求められるスキル分野での強みを証明した候補者を選ぶ。
0921 ”Widow-Maker”Posisions(「Widow-Maker(命取りの)」ポジション)
●命取りのポジションは続けて2人の有能な人をつぶす
「widow-maker」は19世紀のニューイングランドの造船技師が、うまく造られたのに、立て続けに2つの致命的な事故を起こす新しい船を表すのに使った言葉である。船の問題を直そうとするかわりに、次の事故が起きないよう、彼らは即座にそれを壊した。組織において、widow-makerは、続けて2人の有能な人をつぶす仕事である。それは、いかに有能であろうと、ほとんど確実に3人目をつぶす。すべきことは、widow-makerのポジションを廃止し仕事を再構築することである。widow-makerは、組織が急速な成長や急速な変化を経験するときに、典型的に生じる。私は、多くの組織でこの現象を見てきた。例えば、10年内に、主に学部学生を教えるものから、研究大学にかわった大学がそうであった。それは、古い方法で構築されて以来総長となった2人のすばらしい人をダメにし、途中、多くの学部長もダメにし、これらのポジションは、大学が徹底的に再構築された後にはじめて、問題なく満たされることとなった。
「widow-maker」の仕事は通常、事故の結果である。通常1人の人に見られないきまぐれな性格を結合した1人の人が、その仕事を作り、立派にふるまった。言い換えれば、理にかなった仕事のように見えるものは、純粋な機能の結果というよりパーソナリティの事故である。しかし、人はパーソナリティを入れ替えることはできない。
AP:あなたの組織に「widow-maker」ポジションはあるか?そのポジションを再構築するか廃止する。
0922
Overage Executives(標準年齢を過ぎたエグゼクティブ)
●組織の救済を助ける場にいないのであれば、判断に加わらない。
雇用者は、管理職であれ専門職であれ、60歳代を超える人のために方針を整えるべきである。基本のルール、そして明確に規定厳格に履行されるべきは、、60代前半を超える人々は主要な管理的責任を解かれるべきということである。その判断が数年後に問題を引き起こす時に、その人が会社の救済を助ける場にいないのであれば、判断に加わらないということは、エグゼクティブだけではなく、全ての人にとって賢明なルールである。

高齢のエグゼクティブは「ボス」であるより、自分で行う仕事に移るべきである。このように、彼や彼女は、「マネジャー」として働くのではなく、1つの主要な貢献、アドバイス、指導、争いの解決に特化して貢献する。日本人は「相談役」を持ち、彼らは、しばしばその80歳代まで、非常に効率的に働く。
AP:シニアエグゼクティブのための退職方針を開発する。これらのエグゼクティブを、その結果がこれらのエグゼクティブの任期を超えて生じる判断における唯一の意思決定者としない。
0923  Controls, Control, and Management
●出来事が有意義である可能性は、出来事それ自体以上に重要なデータである。
我々は、技術の大きな進歩、特に大きなデータを素早く処理し分析する能力に基づき、急速に事業や他の社会的組織での controls をデザインする大きな能力を獲得する。これは、「control」にとって何を意味するか?特に、マネジメントへのよりよい control を与えるためのこれらの大きく進歩した controls の条件は何か?マネジャーの仕事において、controls は純粋に結果のための手段であり、結果が control である。我々が社会的組織において人を扱う場合、 controls は control に導く個人的なモチベーションとならなくてはならない。 controls により生み出される情報が行動の基礎となる前に、翻訳・・ある種の情報の他への翻訳で、我々は認知と呼ぶ・・が求められる。社会的組織において、第2の複雑さ、第2の「不確定原則」がある。社会的状況における出来事への適切な対応を前もって示すことはほとんど不可能である。
しかし、「利益が落ちている」という control-reading は、その幅はもちろんのこと、「値上げ」という対応を示唆しない。「売上が低下している」という control-reading は「価格の切下げ」といった対応を示唆しない。出来事自体に意味はなく、意味があるとしても、何を意味するかも確かではない。
AP:組織をマネジメントするために使うパフォーマンス測定基準を見直す。組織の結果に意味のない基準を廃止する。
0924 
Controls: Neither Objective nor Neutral(Controls:客観的でも中立的でもない) 
●測定行動は出来事と観察者の双方を変える。
我々が企業で扱う社会状況において、測定行動は客観的でなければ中立的でもない。それは主観的で、必然的に偏ったものとなる。それは、出来事と観察者の双方を変える。社会状況における出来事は、測定のために選別されることで価値を得る。これらの現象が「管理される」ために選別されることは、それが重要と考えられるという合図である。事業のような社会的機関でのコントロールは目的設定と価値設定である。それらは「客観的」ではない。それらは、必然的に、道徳的なものである。controls はビジョンを創造する。それらは、測定される出来事と観察者の双方を変える。それらは、出来事に、意味だけではなく、価値も授ける。これは、基本的な質問が、「我々はいかに管理するか?」ではなく「我々の管理システムにおいてなにを測定するか?」であることを意味する。
AP:「あなたが測定することはあなたが得るものである」ことを覚えておく。すべてのパフォーマンスの測定基準が組織の目的や価値の達成に適合することを確かめる。さもないと、組織への指導を誤る危険を冒すことになる。
0925   Controls Should Focus on Results (Controls は結果にフォーカスすべきである。)
●今日の組織が必要とするものは、外部に対する統合的な感覚組織である。
全ての社会的組織は社会、経済および個人に貢献するために存在する。そして、結果は外部・・経済、社会、そして顧客・・にのみ存在する。利益を生み出すのは顧客だけである。事業の中のすべてはコストのみを生み出し、「コストセンター」でしかない。しかし、結果は、事業的である。しかし、われわれは、外部について、信頼できるものはもちろんのこと、適当な情報ももたない。管理的な、内部の現象、出来事およびデータの辛抱強い分析の世紀や、辛抱強い、事業内の個人のオペレーションと課題について熟練の仕事の世紀は、事業的仕事に関して対応物をもたない。我々は容易に記録でき、したがって効率性を定量化でき、それは努力である。それが誤った製品をデザインすれば、最も効率的なエンジニアリング部門をもつ価値はない。そして、おそらく、50年代と60年代のIBMの非常な拡大の期間において、そのオペレーションがいかに「効率的か」ということは、重要でなかったであろうし、その基本的な事業のアイデアは正しく、効率的なものであった。
結果の領域である外部は内部よりもはるかにアクセスできない。大組織のエグゼクティブの中心的な問題は外部からの隔離である。そのため、今日の組織が必要とするのは、外部に対する統合的な感覚組織である。現代のcontrols が貢献のためにあるとすれば、それはとりわけ、ここにある。
AP:環境についての重要な情報を収集する組織的な方法を開発する。その情報は、顧客満足、顧客でない者の購入習慣、技術開発、競争相手および関係する政府の施策の知識を含むべきである。
0926
Controls for Nomeasurable Events(測定できない事柄への controls)
●測定可能なものと測定不能なものの間のバランスはマネジメントの中心的かつ不断の問題である。
他の機関のように、事業は測定できない重要な結果をもつ。経験あるエグゼクティブは、有能な人々を惹きつけずまた有能な人々を持たないため、絶滅に向かう会社や産業を知る。これは、全ての経験あるエグゼクティブが知ることであるが、会社や産業について、昨年の損益説明より重要な事実である。しかし、説明は、「定量化」は言うまでもなく、明確に定義され得ない。それは「実体のない」ものではなく、非常に「実体のある」ものである。それはただ、測定できない。そして、測定できる結果は10年間暴露しない。
測定可能なものと測定不能なものの間のバランスは、したがって、マネジメントと真の判断分野の中心的かつ不断の問題である。測定不能の説明に関する想定を記述しない測定は、したがって、誤ったものである。それらは、実際に、誤解させる。しかしながら、真に測定可能な分野を定量化できるほど、それらを全面的に強調する誘惑にかられる。したがって、よりよくコントロールされているように見えるものが、全くコントロールされない事業とは言わなくまでも、コントロールされていない危険がより大きくなる。
AP:あなたの組織の目的の達成に重要な測定不能と測定可能な変数を挙げる。測定できる変数の量的な評価と重要な質的変数のための質的な評価を開発する。
0927
★  
The Ultimate Control of Organization(組織の究極的なコントロール) 
●人々は彼らが報われあるいは罰せられるのに従って行動する。
社会的機関における controlsに対する、根本的な、修正できない、基本的制約がある。社会的機関は、自分自身の目的、野望、アイデアニーズを持つ人々からなる。機関がいかに権威主義的であっても、メンバーの野望とニーズを満たさなくてはならず、制度的な賞罰、インセンティブと抑止を通じてそれを行う。この表明は、給与の上昇のように、量化できるかもしれない。しかし、システムそれ自体はその特性において量的なものではなく、量化され得ない。
機関の実際のコントロールがある。人々は賞罰に応じて行動する。このため、彼らに対してすべきは、機関の価値と、みせかけのものではない、真の目的と役割の正しい表明である。組織の究極の control と整合しない controls のシステムは、人々の判断の下に横たわり、そのため、非効率的である。悪ければ、それは果てしない軋轢を引き起こし、機関を制御できなくする。組織のために controls をデザインするにあたって、人は事業の実際の control である人々の判断を理解し分析しなくてはならない。最も強力なコンピューターを完備した「インスツルメント ボード」でさえ、人の組織の見えない質的コントロールである賞罰並びに価値とタブーのシステムに対して、二次的なものである。
AP:組織において、昇進判断の手続きを含む、報酬と罰のシステムを明確にする。 組織におけるパフォーマンス基準を評価する。パフォーマンス基準に基づくよいパフォーマンスが報酬、昇進及び罰につながるようにする。
0928 Harmonize the Immediate and Long-range Future(短期と長期の将来とを調和させる) 
●マネジャーは、いわゆる、こつこつ働き続けながら、丘に目を向ける・・・実に曲芸的な妙技である。
マネジャーには2つの特有の仕事がある。
第1は、部分の合計よりも大きい真の全体、投入されるリソースの合計を超えるものを生み出す生産的実在の創造である。
マネジャーの第2の特有の仕事は、全ての判断と行動において、短期の要求と長期的将来の要求を調和させることである。
マネジャーは企業を危険に晒すことなく、そのいずれも犠牲にできない。
マネジャーが次の100日を気にしなければ、次の100年はない。
マネジャーが行うことは、基本的な長期の目的と方針においてと同じく、短期においても健全であるべきである。2つの次元を調和できなくても、少なくともそれらをバランスするべきである。
彼は、即時の利益を守るために、企業の長期の将来への犠牲を、あるいは、明日のための今日の犠牲を計算しなければならない。
彼は、いずれかの犠牲も、できるだけ限定しなくてはならない。そして、彼は、それが負わせる損害をできるだけ速やかに修復しなくてはならない。彼は、2つの次元で生きて行動し、企業全体と構成要素である自分自身のフォーマンスに責任を持つ。
AP:組織の富の生産能力の最大化に導くパフォーマンス測定のシステムを開発する。量的及び質的測定に加えて、短期の測定と長期の測定の双方を含む。
0929
Misdirection by Specialization(専門による誤った指示)
●私は教会を建てている。
古い物語は何をしているのかを尋ねられた3人の石工について語る。1人目は、「生計を立てている」と答えた。2人目は、「全国で最高の石工の仕事をしている」と言いながら、ハンマーで作業を続けた。3人目は、先を見通すように目を輝かせて顔を上げ、「私は教会を建てている」と言った。3人目の男は、もちろん、真のマネジャーである。
1人目の男は、彼が仕事から得たいものを知り、それを行う。彼は、その日の支払のためにその日の仕事をする。しかし、彼はマネジャーではなく、決してマネジャーにはならない。
問題は2人目の男である。技量は重要である。そのメンバーに、彼らが得られる最高の技量を求めない組織は、堕落する。しかし、真の熟練工、真の専門家は、実際は、ただ石を磨き、あるいは脚注を集めているのに、何かを成し遂げていると信じる危険がある。事業体において技量は促進されなくてはならない。しかし、それは常に、全体のニーズと関連付けられなくてはならない。
AP:それによって組織の各人が、その製品の製造や企業のサービスへの貢献を理解するプロセスを開発する。
0930 Compensation Structure(報酬体系) 
●報酬は常に安定をもった個人の承認とグループの維持バランスをとるよう努める。 
人々は給与を支払われなくてはならないが、すべての報酬システムは誤った指示を与えがちである。報酬は常に、企業と社会における地位を表す。それは、人々のパフォーマンスの判断とともにその価値の判断を伴う。それは感情的にすべての我々の公正さ、正義及び平等についてのアイデアと結びつく。お金は、もちろん、量化できる。しかし、報酬システムにおけるお金は、最も実体のないものであるが、同時に最も傷つきやすい、価値と質を示す。報酬のための「科学的公式」の試みは、したがって、完全には成功しない。
最善の可能な報酬プランは、必然的に、個人とグループに対する報酬の多様な機能と意味の中での妥協である。最善のプランでさえ、なお、組織化するとともに混乱させ、指示するとともに誤って指示し、正しい行動とともに誤った行動を促す。好ましいのは、複雑なものではなく、シンプルな報酬システムである。報酬システムは、全ての人に1つの公式を課すよりも、判断を許し、個人の仕事にふさわしい支払いを可能にするべきである。人がすることができるものは、報酬システムが間違った行為に報いたり、誤った結果を強調し、公益のためのパフォーマンスから引き離す指示をすることのないようにすることである。
AP:個人の報酬を全体としての組織の継続を維持することを助ける報酬とバランスさせる、個人のパフォーマンスに報いる報酬システムを開発する。
10月 
1001     Pursuing Perfection(完璧を追求する) 
●神が見ている
古代ギリシャの最も偉大な彫刻家であるフィディアスは、紀元前440年ころに、2400年後の今日もアテネのパルテノンの天井に残る彫刻を作った。フィディアスがその請求書を提出したとき、市の会計担当は「これらの彫刻は寺院の天井にあり、アテネの最も高い丘にある。誰もその正面しか見ることができない。しかし、あなたは周りの彫刻、つまり、裏側の彫刻についても請求し、それは誰も見ることができない」と支払を拒否した。フィディアスは「あなたは間違っている」と切り返した。「神が見ることができる」
人々が、私の本のどれが最高だと思うかと聞くときはいつも、私は笑って言う。「次のだよ」。私は、しかしながら、ジョークとして言っているのではない。私はそれを、ヴェルディが、80歳で常に彼を避けてきた完璧さを求めてオペラを書いていることを話すときに、彼が意味したように言ってる。今、私はヴェルディが「ファルスタッフ」を書いた時よりも高齢だが、私は、2つの本について考え作業しており、私は、それが、私の以前のどの作品よりも良いものとなり、卓越に少しでも近づくことを望む。
AP:いかに手に入れにくくても、仕事で完璧を追求する。
1002 Decision Objectives(判断の目的) 
●判断は、効率的であるには、境界条件を満足させる必要がある。
判断過程は判断が達成すべきものについての明確な仕様を求める。判断が達成しないといけない目的な何か?科学においてはこれらは「境界条件」として知られる。判断は、効率的であるには、その目的にとって適切である必要がある。より簡潔かつ明確に境界条件が示されれば、判断がより効率的なものとなり、それが示すものを達成するようになる。逆に、これらの境界条件の定義が深刻に不十分であれば、いかにすばらしく見えようが、ほとんど確実に、判断は非効率的となる。
「問題を解決するのに必要な最低は何か?」は境界条件が通常求める様式である。「部門のトップの自治権を奪うことで、我々のニーズは満たされ得るか?」Alfred P. Sloan は、おそらく、1922年に彼がGMを指揮した時に、自問した。彼の答えは、明らかに否定であった。かれの問題の境界条件は、作業トップに権限と責任を求めた。これは中心と全体でのコントロールと同じく、必要とされた。境界条件は個性の調整よりも、組織の問題への解決を要求した。そして、これは、彼の解決を持続的なものとした。
AP:あなたが今日直面する判断を取り上げる。判断によってあなたが満たそうとする目的と必要を明確にする。
1003 Decision Making (判断)
●受けいられれるものより正しいものからスタートする
人は、常に最後には妥協しないといけないから、受け入れられるものではなく正しいものからスタートしなくてはいけない。しかし、何が正しいかを知らなければ、人は正しい妥協と誤った妥協を区別できず・・・結局は悪い妥協をすることになる。私は、1944年にGMのマネジメント構造とマネジメント方針の研究という、最初の大きなコンサルティングの課題に取り組んだ時に、これを教わった。 会社の会長でありCEOであったAlfred P. Sloan, Jr が最初に私をオフィスに呼び「あなたに、何を研究すべきか、何を書くべきか、結論が何であるかを言わない。あなたへの唯一の指示は、あなたが正しいと考えること書くことである。我々の反応を心配するな。そして、なにより、あなたの勧告が受け入れられるために必要な妥協に関わるな。この会社には、あなたの助けなしにいかに妥協するかを知らないエグゼクティブは誰もいない。しかし、最初に何が正しいかを伝えなければ、正しい妥協はできない。」と言った。 
決断を考え抜くエグゼクティブは、ネオンライトの下で、これを自分自身の前に置くかも知れない。
AP:前の読み物における、あなたの要求を完璧に満足させる判断の結果を定義する。
1004     The Right Compromise(正しい妥協) 
●半分のパンはないよりまし
常に、最後には妥協しなくてはならないので、人は(誰が正しいかはももちろん)何が受け入れられるかよりも何が正しいかからスタートすべきである。しかし、人は仕様と境界条件を満たすのに何が正しいかを知らなければ、正しい妥協と間違った妥協を区別することができず、間違った妥協に終わる。
2種類の妥協がある。1つは「半分のパンはないよりまし」という古い諺に表されている。もう1つは、ソロモンの判断の物語に表れており、それは明らかに、「半分の赤ん坊はなしよりまし」という認識に基づく。第1に、境界条件はなお満たされている。パンの目的は食べ物の提供であり、半分のパンは食べ物である。半分の子供は、しかしながら、境界条件を満たさない。半分の赤ん坊は、生きて育つ子供の半分ではない。それは、2片の遺体である。
AP: 2つの前の読み物で特定された問題を考える。半分のパンという妥協を伴う判断をするが、理想の解決に向けた正しい方向に向かう。そして、「全くパンがない」という妥協を考える。
1005      Building Action into the Decision(行動を判断に組み込む)
●判断は、その実行が誰かの担当と責任となり、期限が定められない限り、希望でしかない。
判断は行動へのコミットメントである。正しいことが起こるまで、判断はない。当然のものとして考えられることが1つある:行動すべき人はほとんど判断した人ではない。判断は、実際、その行動が誰かの担当と責任となり、期限が定められるまで存在しない。それはまだ、単なる希望である。
判断は、必要な行動が最初から組み入れれらない限り、有効ではない。判断の行動への転換は、いくつかの質問への回答を必要とする。
・誰がこの判断を知らなくてはならないか?
・どのような行動がとられなくてはならないか?
・誰がそれをするか?
・それをすべき人がそれをできるためには、その行動はどうであるべきか?
行動はそれを実行すべき人々の能力に適したものでなくてはならない。これは、人々が、判断を効果的にするために、その行動、習慣や態度を変えなくてはならない場合、特に重要となる。
AP:あなたが行った判断を考え抜く。誰がその判断を知らなくてはならないか?どのような行動が取られるべきか?誰が行動をとらなくてはならないか?行動をとるべき人がそれができるようにする。
1006     Organize Dissent(意見の相違をまとめる)
●効果的な判断は意見の相違をまとめる。
エグゼクティブが行わなくてはならない種類の判断は喝采によってはよく行われない。それらは対立する見方の衝突、異なる視点間の対話、異なる判断の中での選択に基づく場合にのみよく行われる。判断における第1のルールは不一致がない限り判断しないということである。
Alfred P. Sloan,Jr はGMの最高委員会の1つの会議で、「皆さん、われわれ全員はここでの判断に完全に賛成のようです」と言い、テーブルの全員がうなずいて同意した。Mr.Sloan は、「そこで、意見の相違を作り出し、判断がどういうものになるかについて理解を得るための時間を得るため、この議題についてのさらなる議論を次回の会議に持ち越すことを提案する。」と続けた。意見の相違が必要となされる理由は3つある。
第1に、判断者を、組織の囚人となることから守る。全員が特別の擁護者であり、しばしば完全に誠意により、彼が賛成する判断を得ようとする。
第2に、意見の相違のみが、判断への代案を提供する。代案のない判断は、それがどれだけ注意深く考え抜かれたとしても、すてばちのギャンブラーの賭けである。
とりわけ、意見の創意は、創作力を刺激するために必要である。
AP:
異なる視点を持つ人々を判断プロセスに入れることにより、特定の判断のため意見の相違をまとめる。「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」に基づき選ぶ。
1007     Elements of Decision Process(判断プロセスの要素) 
●プロセスにおけるたった1つの要素を無視すると、地震における悪く建てられた壁のように、判断は崩壊する。
良い判断者は、判断はその独自のプロセスと明確に定義された要素とステップがあることを知る。すべての判断にはリスクがある:それは現在のリソースを不確実なわからない未来への投入である。しかし、プロセスが誠実に順守され、必要なステップがとられれば、リスクは最小化され判断は成功に転化する良い機会を持つ。
良い判断者は
・いつ判断が必要かを知る
・判断の最も重要な部分が判断が正しい問題についてなされることであることを知る
・いかに問題を定義するかを知る
・何が正しい判断かを考えるまで、何が受け入れ可能かについて考えすらしない
・それらは、十中八九、最後に妥協しなくてはならないことを知る
・その実行と効果を組み入れるまで、判断ではないことを知る
AP: 今直面している苦境を取り上げる。問題は何か?問題を完全かつ正しく診断したと確信するまで、判断へのステップをとらない。
1008     Is a Decision Necessary?(判断は必要か?)
●良い外科医が不要な手術をする以上に不要な判断をしない。
不要な判断は時間とリソースの無駄であるだけでなく、すべての判断を無効にする。したがって、必要な判断と不要な判断を区別できることが大切である。外科医は、1000年にわたって日常的にスクをとる判断をしなくてはならかったので、おそらく効果的な判断の最適な例を提供する。リスクのない手術はなく、不要な手術は避けなくてはならない。判断において外科医が用いるルールは次のものである。
ルール1:患者へのリスク、危険又は大きな痛みなく、自然に治癒し又は安定するであろう場合、定期的に観察・確認をする。しかし、手術はしない。そのような状況で手術をすることは、不要な判断である。
ルール2:退行性又は生命をあやうくする状況で、できることがある場合、素早く、根本的にそれをする。それは、リスクにかかわらず、必要な判断である。
ルール3:その間が問題であり、おそらく最大の単一の範疇である・・退行性でなく、また生命をあやうくするものではないが、自動回復するものではなくかなり深刻である場合。これは、外科医が機会とリスクを天秤にかけなくてはならない場合である。そして、この判断が、一流の外科医と凡才を分ける。
AP:あなたが現在直面する3つの問題を挙げる。これらの問題をルール1,2,3に該当するか分類する。不要な判断を行わない。
1009      Classifying the Problem(問題を分類する) 
●最も一般的な誤りは、一般的な状況を一連の独自の出来事のように扱うことである。
エグゼクティブは4種類の基本的な問題に直面する:
1.組織の中でそして産業において一般的な出来事
2.組織にとって独自であるが産業において一般的な出来事
3.真に独自の出来事
4.独自に見えるが、新たな一般的な問題の出現であるもの
真に独自の出来事以外のすべては、一般的な解決を必要とする。一般的な問題は標準的なルールと実践により回答され得る。正しい原則が開発されれば、同じ一般的な出来事はすべて、標準的な原則の適用によって処理され得る。エグゼクティブがしなくてはならないのは、特定の問題の具体的な状況への原則の適合である。独自の出来事は、しかしながら、独自の解決を必要とし、個別に扱われなくてはならない。真に独自の出来事はめったになく、組織が直面する事実上全ての問題は、すでに誰かが解決している。標準的なルールや原則を適用することで、ほとんどの種類の問題を解決することができる。
AP:直面する問題で一般的な解決があるものの例を挙げる。その解決は何か?直面する問題で独自の解決を必要とするものを挙げる。効果的な判断のルールに従い、独自の解決を開発する。
1010      Defining the Problem: An Example(問題を定義する:例)
●誤った問題に対する正しい対応は直すのが非常に難しい。
問題を定義することは、効果的な決断をするに当たり最も重要な要素かもしれない・・・そして、エグゼクティブが少なくとも注意を払うものである。正しい問題に対する誤った対応は、概して、訂正され救われる。しかし、誤った問題に対する正しい対応は、診断が難しいため、直すことが非常に難しい。
ある米国最大の製造会社のマネジメントは安全記録を誇った。 同社はその産業での従業員1000人当たりの事故数が最低であり、世界における製造場所での事故数も最低であった。しかし、労働組合は、ひどい事故率を非難し続け、労働安全衛生局も同様であった。会社は、広報の問題だと考え、そのほぼ完ぺきな記録の宣伝に多額の金を費やした。しかし、組合の攻撃は続いた。全ての事故を合計し従業員1000人当たりの事故を計算すれば、高い事故率のところはなかった。しかし、会社が事故を部門ごとに分けると、全ユニットの3%にあたる場所で、平均以上の事故率であることがわかった。そして、非常に高い事故率の、より限られた場所があった。組合はそれらの場所から苦情を聞き、それらの場所が報道され、労働安全衛生局の報告となった。
AP:製造会社はその上記の定義された事故の問題を広報の問題として表した。この問題定義はいかなる「事実」を無視し、誤った定義を行ったか?
1011     Defining the Problem: The Principles.(問題の定義:原則) 
●問題の定義がすべての観察できる事実を説明し包含できなければ、定義は不完全か誤っている。
効果的な判断者がいかにして何が正しい問題かを決めるか?
効果的な判断者はたずねる:
・これは何についてのものか?
・何が関係するか?
・この状況の鍵は何か?
これらの質問は新しくはないが、問題の定義において決定的に重要である。正しい問題が取り組まれるよう、問題は全ての角度から考えられなくてはならない。問題が正しく定義されるようにする1つの方法は観察できる事実についてそれをチェックすることである。問題の定義がすべての観察できる事実を説明し包含できなければ、定義は不完全であり、おそらく間違っている。しかし、問題が正しく定義されると、決断自体は通常容易である。
AP:組織の誰かが誤った問題に対して正しい対応を行った例を示す。正しい問題が取り組まれるに、何を異なって行うべきであったか。
 1012     Getting Others to Buy The Decision (決定を買わせる)
●決断してから「売り」始めるのでは、効率的になる見込みはない。
組織が決断を「買う」のでなければ、非効率であり続ける。それは、良い意図でありつづける。そして、決断を効率的にするには、決断プロセスの最初から、買われることが組み入れられなくてはならない。これは、日本のマネジメントから学んだことである。決断のプロセスが始まるとすぐ、決断がなされるかなり前に、日本のマネジメントは決断を売る。
決断・・例えば、欧米の会社との合弁や潜在的な米国の潜在的ディストリビューターと関係をもつ場合・・により影響を受けるであろう全員は、その決断がいかに彼の仕事、職務、部隊に影響するかを書き留めるよう求められる。彼は意見を持ったり、あり得る動きを推奨したり反対することは禁じられる。しかし彼はそれを考え抜くことが期待される。そして、トップマネジメントは、これらの人々がどこに位置するかを知る。そして、トップマネジメントはトップダウンで決断する。日本の組織には「参加方式のマネジメント」は多くない。しかし、決定により影響を受ける全ての人は、好きかどうかにかわらず、それが何についてのものかを知り、その覚悟をさせられる。それを売り込む必要はない・・・既に売られている。
AP:決断を実行しなくてはならない全員を決断プロセスに巻き込む。そして、彼らの貢献に基づき、誰が決断を効率的に実行しそうかを決める。
1013     Testing the Decision Against Results(決断を結果とテストする) 
●「哀れなアイクよ・・今・・彼は命令をだしても、何も起こらないだろう。」」
決断の基礎にある期待の実際の出来事に対する継続的なテストを行うため、フィードバックが決断に組み込まれなくてはならない。決断は人々により行われるが、人々は誤りを免れない・・よくても彼の言葉は長くもたない。最善の決断ですら、誤っている可能性が高い。最も効果的なものでも、結局は陳腐化する。
General Dwight D. Eisenhowerが大統領に選ばれた時、前任者の Harry S. Trumanは「哀れなアイクよ、彼が将軍であった時、彼は命じ、それは実行された。今、彼は大きなオフィスに座ろうとしており、彼は命じるであろうが、何も起こらないだろう」と言った。「何も起こらない」理由は、将軍が大統領より権威があるからではない。軍は、ほとんどの命令は無駄であり命令の実行をチェックするためにフィードバックを組織化することを、古くから学んだ。彼らは、古くから、自分自身が行ってみることが唯一の信頼できるフィードバックであることを学んだ。報告・・大統領が通常動員できるもの・・はたいした助けにならない。
AP: 外にでて「ちょっと点検」し、現場でのフィードバックを得る。決断がその意図した結果を達成したかを確認する。
1014      Continuous Learning in Decision Making(決断における継続的学び)
●それがなされた時の期待に対する決断の結果からのフィードバックは、普通の能力のエグゼクティブを有能な決断者にする。
継続的な学びをエグゼクティブの仕事に組み込む決断における以上に重要な分野はない。そして、これをする方法は決断の結果からそれが行われた時の期待へのフィードバックをすることである。エグゼクティブが重要な決断をするときはいつも、彼らはどのような結果が期待でき、それはいつかを書き留める。そして、エグゼクティブは、9か月か1年後に、実際の結果から期待されたものへのフィードバックを始め、決断が実施されている間、それを続ける。例えば、買収において、エグゼクティブは買収が統合されるのにかかる2〜5年の間、実際の結果を期待されたものと比較する。
これをすることで我々がどれだけ、そしていかに素早く学ぶかは驚くほどである。そして医師は

処方した治療の結果・・すなわち医師の決断の結果として、患者の状態にいかなる推移を期待するかを書き留めることを、2400年前のギリシャにおけるヒポクラテスの時代から教えられてきた。そして、すべての経験ある医師がいうように、それは並みの能力の医師を、数年以内に、有能な臨床医とする。
AP:重要な決断をする時、期待する「予測」を書き留める。すると、特定の決断にとって適当な時に、いかなる結果が生じたかを出て見る。結果とあなたの予測を比べる。学んだことを、その後の決断状況で使う。
1015     Placing Decision Responsibility 判断の責任を定める
●エグゼクティブは決断するのに必要な権威をもつために十分高くあるべきであるし、詳細な知識を持つために十分低くあるべき。
ビジネス判断の性質を決定する4つの基本的性質がある。
第1に、判断における未来性の度合いがある。どれだけ長く将来にわたり、それは会社にコミットするか?
第2は、決断が他の機能、他の分野、あるいは事業全体に与えるインパクトである。
決断の性質はまた、そこに入れられる質的なファクターの数により決定される。行動の基本原則、倫理的価値、社会的及び政治的信念等。
最後に、決断は、それらが定期的に繰り返される決断か、(ユニークでないとしても)めったにない決断かによって分類され得る。
決断は常に、最低の可能なレベルにおいて、できるだけ行動の場面に近く、なされるべきである。しかし、決断は常に、影響を受ける全ての活動と目的が十分に考慮されるレベルでなされるべきである。
最初のルールは、いかに低く決断がなされるべきかを教える。
第2は、いかなるマネジャーが決断を共有し、それを知らされなくてはならないかと同じくそれはいかに低いところでなされ得るかを教える。これらの2つは、一緒になって、一定の活動がどこに定められるかを決める。
AP:決断をできるだけ行動に近いところですべきである。しかし、決断が組織に長い間コミットするほど、他の機能へのそのインパクトが広くなるほど、多くの質的要素が関係するほど、そして最後に、その決断がめったにないほど、決断は組織の高いところでなされなくてはならない。
1016    Legitimate Power in Society (社会における正当な力)
●決定的な社会的力が正当なものでなければ、社会は社会として機能できない。
正当な力は個人の社会的地位と職務が依拠する人の本性とやりがいについての社会の基本的信念に由来する。実際、正当な力はその正当性を社会の基本的エートス(精神)に置く支配者として定義され得る。全ての社会において、かかる原理に関係のない多くの力があり、その達成のためにデザインされたり奉仕されることのない機関が存在する。言い換えれば、常に、自由な社会で多くの「不自由な」機関が、平等な社会で多くの不平等が、聖人の中に多くの罪人がいる。しかし、われわれが支配者と呼ぶ決定的な社会的力は、自由、平等、又は高徳さの要求に基づき、これらの理想的な目的の達成に向けてデザインされた機関を通じて行使される限り、社会は自由な、平等な、あるいは高徳な社会として機能し得る。その制度的な構造は正当な力の1つである。
AP:サダムフセインが倒れた後、イラクにおける正当な力の創造の問題について考える。いかなる「不自由な」機関が残っていそうか?正当な力が確立されても、いかなる不平等が存続しそうか?
1017    The Conscience of Society(社会の良心)
●宗教は真の神の国を捨てない限りいかなる社会も受け入れない
「経済人の終焉」は、教会は結局、ヨーロッパ社会とヨーロッパの政治のための基礎を提供しないという結論に達した。それらは、同世代人がそれらを無視するという理由によるものではないが、失敗しなくてはならない。宗教は実際、個人の絶望とその存在に関する苦悩をへの答えを提供し得る。しかし、それは大衆の絶望への答えを提供しない。私は、この結論は今日でも妥当すると思う。西洋人・・今日人全体・・はこの世界を廃棄する用意ができていない。

彼は実際、救済を期待するなら、現世の救済を求める。そして教会、特にキリスト教の教会は、「社会的福音」を、伝道できる、伝道すべきである。
しかし、それらは、政治を神の恵みに替え、社会科学を贖罪に替えることはできないし、すべきではない。宗教は社会の批評家であり、いかなる社会も、真の神の国、神とともにある魂の国、を捨てることなしに、社会的プログラムも、受け入れることはできない。そこに、社会の良心としての教会の強さとその社会の政治的そして社会的力としての矯正できない弱さの両方がある。
AP:宗教は政治的力としてではなく、社会の批評家として尽くすべきである。いかに、この原理を現在の米国における宗教の役割と比べるか。
1018     Capitalism Justified(正当化される資本主義)
●社会の体制としてのそして信条としての資本主義は自由で平等な社会における個人の自由と平等へと導く経済発展における信念の表現である。
資本主義は私的利益を社会的行動の最高の支配者につかせることの帰結としての自由で平等な社会を期待する。資本主義は、もちろん、「利益動機」を発明したわけではない。利益は常に主たる動機づけの1つであり、常にそうであり続ける・・・人が住む社会の秩序に関係なく。
しかし、資本主義者の信条は、それによって理想的な自由で平等な社会が自動的に実現する手段として、利益動機を積極的に評価した最初のそして唯一の社会的信条である。全ての従前の信条は利益動機を、社会的に破壊的な、ありは少なくとも中立的なものとみなした。
資本主義は、それゆえ、経済領域に独立と自治を与えなくてはならず、それは経済活動は非経済的な効力に服従するものであってはならず、より高い位置になくてはならない。経済発展は社会的繁栄を約束するため、的全ての社会的エネルギーは経済目的の推進に集中されなくてはならない。これが資本主義であり、この社会目的なしには、それは意味も正当性もない。
AP:どれだけ、あなたの経済活動やあなたの組織のそれが、社会的目的に貢献するかを考える。
1019     Moving Beyond Capitalism(資本主義を超えて) 
●私は、マネジャーが大きな利益を収穫しながら、労働者を解雇するのは、社会的にも道徳的にも許されないと信じる。
私は自由市場に賛成である。それがうまく働かないとしても、それ以外は機能しない。しかし、それは、経済を最も大切なものとして崇拝するため、私はシステムとしての資本主義について深刻な留保をする。それは1つの次元である。例えば、私はしばしばマネジャーに、憤慨と士気の低下が会社に打撃を与えるのを望まないのであれば、上級エグゼクティブと平のホワイトカラー従業員の間の20対1の給与の比率が、それを超えることができない限界であるとアドバイスした。
今日、私は、マネジャーが大きな利益を収穫しながら、労働者を解雇するのは、社会的にも道徳的にも許されないと信じる。社会として、我々は、ミドルマネジャーと労働者の間にこれが作り出す軽蔑のため、我々は多くを支払う。要するに、人であり、人として扱われることを意味するものは、資本主義の経済の計算には組み入れられていない。そのような近視眼的なシステムが生活の他の面も支配することはいかなる社会にとってもよくない。
AP:あなの組織のエグゼクティブは、労働者をレイオフしながら、自分たちのために莫大な利益を収穫していないか。これらの方針が軽蔑と士気の低下に導く方法を列挙する。
1020     The Efficiency of the Profit Motive(利益動機の効率性) 
●利益動機だけが物への支配を通じて達成を与える
唯一の実際的で意味ある質問は、利益動機は、権力への衝動が導かれ得る、利用できる指図の中で社会的に最も効率的なものかである。我々は、利用でき知られているチャネルである利益動機は、最高でなくても、非常に高い社会的効率性を持つ。
権力への熱望が表され得る他の知られている方式は、野心のある人に仲間への直接的な力と支配を与えることで、満足を提供する。利益動機のみが、物への支配を通じて達成を与える。
AP: 物への支配は人への支配よりも社会的に危なくない。
1021     The Megastate(メガステート) 
●政府は、規則制定者、まとめ役、保険者、支払エージェントであることをやめた。それは、実行者でありマネジャーとなった。
国民国家は帝国と全体主義国家の世紀には唯一の政治的実体でであったが、それは最近100年間で、大いに変容した。それは、メガステートに変異した。国民国家からメガステートへのシフトは19世紀の最後の10年に始まった。メガステートへの最初の小さなステップは、ドイツの首相であったビスマルクの1880年代の福祉国家の発明である。第二次世界大戦直後の他の主要な社会的プログラムである、英国の国民健康保険制度は、政府を保険者や提供者の役割を超えさせた最初のものであった。国民健康保険制度の下、病院と病院での治療は政府に引き受けられた。病院で働く人々は政府の被用者となり、政府が実際上病院を経営する。
政府は全ての社会問題や社会的課題のための適当なエージェントであることは、1960年代までに、全ての先進西洋諸国で受け入られる政策となった。そして、これは1990年代まで続いた。
AP: インターネットで英国の国民健康保険制度のサービスを調べる。この例やあなたが知っている他の例に基づき、非営利及び営利組織に対する、健康保険制度の提供者としての国の効率性についての意見をまとめる。
1022     Purpose of Government(政府の目的)
●全ての政府は「形式上の政府」である。
政府は貧弱なマネジャーである。それは、必然的に、手続きに関係し、必然的に、大きく扱いにくい。政府はまた、公的資金を扱い、最後の1ペニーまで説明しなくてはならないことを意識する。それは、「官僚的」にならざるを得ない。政府が「法律の政府」か「人の政府」かは議論の余地がある。しかし、全ての政府は、定義上、「形式上の政府」である。これは、必然的に、高コストを意味する。
しかし、政府の目的は、基本的な判断をし、それらを効率的にすることである。政府の目的は、社会の政治的エネルギーに集中することである。それは、論点を脚色する。それは、基本的な選択肢を提示する。政府の目的は、言い換えれば、統治することである。これは、我々が他の機関で学んだように、「行動」と相容れない。大規模に統治と「行動」を統合する試みは、決断能力を麻痺させる。事業は、より小さな規模で、政府が今日直面する問題である「統治」と「行動」の相互排除と、直面しなくてはならない。事業のマネジメントは、この2つは分離されなくてはならず、決断者であるトップの機関は「行動」から分離されなくてはならないことを学んだ。さもないと、かれは決断しないし、「行動」もなされない。事業では、これは「集中排除」の名前で呼ばれる。
AP:政府機関よりも社会的問題によりよく取り組む非営利組織の明確な例は何か?
1023     Government Decentralization(政府の集中排除)
●民営化は病気で無力となった政府の強さとパフォーマンス能力を復活させる。
政府に適用される「集中排除」は中央政府よりも地方が課題の「実行」を担う「封建主義」の別の形ではない。それは、むしろ、パフォーマンス、オペレーション、執行のための実際の「行動」を、組織の社会の非政府機関を用いる、体系的な方針である。
政府は「いかにこれらの機関は機能し、それらは何ができるか?」と尋ねることからスタートすべきである。そして「いかに政治的・社会的目的が、これらの機関にとってパフォーマンスの機会となる方法において、処方され組織化され得るか?」と尋ねる。そして「政治的目的の達成のためのいかなる機会をこれらの機関の能力は政府に提供できるか?」と尋ねる。集中排除は政府を弱めない。実際、その主な目的は気で無力となった政府の強さとパフォーマンス能力を復活させることである。我々は政府が通ってきた道に沿って遠くにいくことはできない。この方法で得られるのは、パフォーマンス向上のない、さらなる官僚化である。
AP:社会的プログラムをあなたの組織やあなたがスタートするものの機会に転換する提案を起案する。
1024     Strong Govenment(強い政府) 
●政府はそれぞれの楽器が何をするために最もよくデザインされているかを考える「指揮者」である。
我々はカールマルクスが約束したように、「国政の衰退」には直面しない。逆に、我々は、精力的な、強い、活動的な政府を必要とする。しかし、我々は、大きく重要な政府と、自分自身を決断と指示に限定し、行動を他にゆだねる、強い政府との選択に直面する。我々は、経済が放任される「レッセフェールへの回帰」には直面しない。全ての重要な分野で、我々は、この多元的な組織社会・・機関がそれらが最もよく行うことができるよう装備されたことに用いられる有機的な多様性・・において新たな選択をもつ。
政府は、その政治的目的を、自治的機関にとって魅力的なものにするために、いかに構築するかを理解する。そして、我々が作曲家のフレンチホルン、ヴァイオリンやフルートのパフォーマンス特性を最高に引き出す「演奏できる」音楽を書く能力を賞賛するよう、我々は特定の課題を、多元社会の自律的で、自治的な、民間組織に最も適するように構築する立法者を賞賛できる。
AP:政府のプログラムが非政府機関によりマネジメントされ、政府のプログラムが不十分な場面で、社会問題を解決できるよう、政府のプログラムを構築する立法者を讃える手紙を書く。
1025      Govenment in the International Sphere(国際分野での政府)
●環境保護は海外援助の最も生産的な目的である。
我々は、国際社会と世界経済のため、機能する超国家的機関のため、統治権を犠牲にすることができるよう、国際分野において、強い効率的な政府を必要とする。
環境保護は今日、国際環境法を必要とする。我々は、汚染物を「隔離」し人の居住環境を深刻に汚染し損害を与える状況・・例えば、海洋汚染、大気の気温上昇、オゾン破壊・・の下で作られた物の国際交易での船積みを禁じる。これは、「主権国家への干渉である」と非難され、実際そうである。それは、おそらく、豊かな先進国が貧しい途上国に、下水処理工場のような高コストの環境保護を補償することを求める。実際、環境保護は海外援助の最も生産的な目的であり、開発援助より成功する。
AP:環境保護のための海外援助の使用をサポートする。
1026     Needed:Strong Labor Unions(強力な労働組合の必要性) 
●再びダイナミックで、効率的な、正当な機関となるため、労働組合は変わらなければならない。
先進国における労働運動の真の強さは道徳・・現世の社会の政治的良心であるとするその主張・・であった。
マネジメントは、・・誰が「所有」し、それが、事業、政府機関又は病院であっても・・相当な力と権威・・事業の必要性に基づき能力に基礎を置く、力と権威・・を持たなくてはならない。そして力は、米国憲法の起草者が知っていたように、対抗する力により制限される必要がある。それぞれが強いマネジメントを求める組織社会である現代社会は、労働組合のような機関を必要とする。ここ数年の出来事は、十分にこれを示した。しかし、再び、ダイナミックで、効率的で、正当な機関となるためには、労働組合は、めざましく変わらなくてはならない。さもないと、組合は的はずれなものとなる。
AP:労働組合が事業、政府及び病院の力をチェックできる建設的方法を考える。
1027     Political Integration of Knowledge Workers(知識労働者の政治的統合) 
●知識労働者は、斬新な言い方をするなら、「uniclass」である。
新たな多数派である「知識労働者」はいずれの利益集団の定義にも適合しない。知識労働者は、農家でも、労働者でも、事業でもない。彼らは組織の従業員である。しかしながら、彼らは「プロレタリア」ではなく階級として「搾取される」とは感じない。集合的に、彼らは、その年金ファンドを通じて「資本家」である。彼らの多くはボスであり、「部下」を持つ。しかし、彼らはまた、ボスを持つ。彼らは中間層ではない。彼らは、その一部は他よりも儲けるが、斬新な言い方をするなら、「uniclass」である。彼らが、事業で、病院で、あるいは大学で働こうが、彼らの社会的ポジションに絶対的に違いはない。知識労働者が、事業の会計の仕事から病院の会計の仕事に移っても、社会的あるいは経済的地位に変化はない。彼らは仕事を変える。
この地位は特定の経済的あるいは社会的文化を意味しない。これまで、彼らに合う政治的概念も政治的統合もない。
AP: 知識労働者は、古い意味と新しい意味の双方において、資本家である。これらの新たな資本家の利益と取り組む政党がある?
1028     The Corporation as a Political Institution(政治的機関としての会社) 
●主たる仕事の外の支持者を扱うにあたり、マネジャーは政治的に考えなくてはならない。
事業における経済的商品やサービスであれ、病院における健康管理であれ、大学における学問や高度教育であれ、機関の主たる仕事のパフォーマンスについては、ルールは最適化である。そこでは、マネジャーは決断を、何が受け入れられるかではなく、何が正しいかに基づかなくてはならない。しかし、この主たる仕事の狭い定義の外やそれを超えての支持者については、マネジャーは、そうしないと拒否権を行使する支持者グループをなだめ、鎮め、静かにさせるのに必要な最低限において、政治的に考えなくてはならない。マネジャーは政治家ではありえない。彼らは、「小さな結果で良しとする」決断に自らを限定することはできない。しかし、彼らは、その機関のパフォーマンスの中心的分野における最適化のみに関わることもできない。彼らは、継続的な意思決定過程において、双方のアプローチをバランスさせなくてはならない。企業は経済的な機関である。しかし、それはまた、政治的機関でもある。
マネジャーは効果的に拒否権を持ち決断を妨げる支持者は何であり、彼らの最低限の期待とニーズが何であるべきかを考えなくてはいけない。
AP:あなたの企業の支持者を挙げる。次に、いかにあなたが顧客のニーズを最適化し、少なくとも、他の支持者の各々の最低限の期待を満たすのかの計画を挙げる。
1029     Converting Good Intentions into Results (良い意図を結果に転換する)
●ブルックリン橋をあげるよりも売る方が簡単。
非営利組織は単にサービスを提供するだけではない。それはエンドユーザーをユーザーではなく実行者にすることを求める。それは人に変化を起こさせるサービスを用いる。それは、単なる供給者ではなく、受け手の一部になろうと試みる。
非営利組織は、マーケティングは必要ないと考えていた。しかし、偉大な19世紀の詐欺師による有名な古い言葉がある。「ブルックリン橋をあげるよりも売る方が簡単。」ただで何かを提供すれば誰もあなたを信用しない。あなたは最も有益なサービスでさえマーケティングする必要がある。しかし、非営利部門でのマーケティングは販売とは全く異なる。それはあなたのサービスを受け手の視点から見ることである。あなたは何を売るのか、誰に売るのか、そしていつ売るのかを知らなくてはならない。
AP: 救世軍のミッションは市民を拒絶から救い出すことである。このサービスは受け手の視点からはどのように見えるか?救世軍はそのサービスをいかにマーケティングすべきか?
1030     Fund Development in the Nonprofit(非営利における資金開発)
●資金集めは托鉢僧の鉢のようなもの。
非営利機関は資金開発戦略を必要とする。資金の源泉は、非営利と事業や政府との、おそらく、最大の違いである。事業はその顧客への販売により資金を得、政府は課税による。非営利機関は寄付者から資金を得なくてはならない。それは、大儀への参加を求めるが、受益者ではない人々から、資金(少なくともその大きな部分)を集める
資金集めの囚人となる非営利機関は深刻な困難にあり、アイデンティティの危機にある。資金集めの戦略の目的は、まさに、非営利機関がミッションを資金集めに従属させることなく、そのミッションを実行できるようにすることにある。これは、非営利の人々がその言葉を「資金集め」から「資金開発」に変えた理由である。資金開発は、その価値故に、組織をサポートする支持者の創造である。それは、与えることを通じて参加する会員の開拓である。
AP:資金集めの囚人となる非営利機関は、深刻なアイデンティティの危機にある。非営利との関係でこの例を見たことがあるか?
1031     Effective Nonprofit Boards of Directors (効率的な非営利の取締役会)
●この役員会の役員の地位は力ではない。それは責任である。
効率的であるためには、非営利は役員会の仕事をする強力な役員会を必要とする。役員会は、機関のミッションを考えることを助けるだけでなく、それはミッションの監視者であり、組織がその基本的ミッションにしたがって行動することを確かにする。役員会は非営利が有能なマネジメント(そして正しいマネジメント)をもつことを確かにする責任がある。役員会の役割は組織のパフォーマンスを評価することである。役員会はまた、非営利組織の第1の資金集めの器官である。
非営利の役員室のドアには、「役員会の役員の地位は力ではない。それは責任である」という、大きな文字の銘があるべきである。役員会のメンバーの地位は、組織に対するものだけではなく、役員会それ自体、スタッフそして機関のミッションに対する責任を意味する。一般的な問題は、悪く分裂した役員会である。論点が生じる都度、役員会のメンバーはその基本的方針の亀裂に決着をつける。ミッションが重要であるため(そしてそうあるべきであるが)、これは非営利機関においてより起こりやすい。役員会の役割は、そのため、より重要となるとともにより論争的となる。その点において、議長とCEOの間のチームワークは絶対的に重要となる。
AP:あなたは1又は複数の非営利組織の役員会のために働いたことがあるか?これらの役員会は、非営利のミッションの実行を助けたか、あるいは阻んだか?
11月 
1101     Organizational Agility(組織的な機敏)
●ノミは自分の高さを何度も飛べるが、象は飛べない。
大きな組織は融通がきかない。大きな組織は、その機敏さを通じてよりも、その集団を通じて、その効率的である。集団は、組織を1人か小さなグループに結びつくことができるよりも多くの種類の知識とスキルを働かせることを可能にする。しかし、集団はまた制限でもある。組織は、何をするにしても、1度に少数の課題のみに取り組むことができる。これは、よりよい組織や効率的なコミュニケーションが治癒できるものではない。組織の法律は集中である。
さらに、現代の組織は変われないといけない。実際、それは変化を開始できなくてはならず、それがイノベーションである。
それは希少で高価な知識のリソースを生産性が低い分野から達成と貢献の機会に移せなくてはならない。これは、しかしながら、リソースの浪費を止める能力を求める
AP:あなたの大きな組織が行っている少数の仕事は何か?そうでなければ、それらを継続せず他に集中する。
1102    Business Intelligence Systems(ビジネスインテリジェンスシステム)
●誤った想定は悲惨である。
ビジネスインテリジェンスシステムは、事業環境についての情報を統合する体系的プロセスである。それは、外部の情報を集め、まとめ、その情報を判断への統合する。環境についての統合された情報は実際の及び潜在的な世界中の競争相手を含む。しかしながら、全ての外部情報が利用できるわけではない。しかし、情報が利用できるときでも、多くの情報ははっきりしない。産業を変容させる新たな技術の半分は産業の外からやってくるもので、これらの新しい技術についての情報は利用可能である。分子生物学と遺伝子工学は巨大な製薬産業により開発されたんものではないが、それらはヘルスケア産業全体を変えている。これらの発展についての情報は利用可能であり、製薬産業の会社はこれらの発展に遅れてはならない。
AP:あなたの産業の外からやってきて、あなたの事業を変容させる3つの技術をあげる。これらと他の新興の技術についての情報を集め、競争相手よりも先にそれらを利用するインテリジェンスシステムを立ち上げる。
1103     Gathering and Using Intelligence (インテリジェンスを集め使用する)
●情報はその事業の理論についての会社の想定をテストするために統合されなくてはならない。
会社の戦略をテストするため、情報は統合されなくてはならない。それは、会社の事業の理論についての想定をテストしなくてはならない。これは、その環境(社会と構造、市場、顧客及び技術)についての会社の想定のテストを含む。そして環境についての情報は、主要な脅威と機会が生じそうな場面では、ますます切迫したものとなる。そして、会社の特定のミッションについての想定がある。第3に、そのミッションの達成のために必要とされる組織のコアコンペテンスについての想定がある。ソフトウェアは、病院、大学、損害保険会社のような特定のグループに合った情報を提供するようデザインされ得る。
会社は、顧客や非顧客についての情報のような、その必要とする情報を作ることができる。しかし、大企業でさえ、必要な情報を得て統合する助けとして外部の専門家を雇わないといけない。ソースは単純に多様でありすぎる。企業が環境について知る必要があるもののほとんどは、外部のソース(あらゆる種類のデータバンクとデータサービス、多くの言語での新聞、同業組合、政府の刊行物、世界銀行レポート、科学論文、専門的な研究)からのみ利用可能である。
AP:あなたの会社の戦略と想定を吟味するのに必要な情報を持つか?
1104    The Test of Intelligence Information(情報のテスト)
●情報システムの究極的なテストは驚きがないことである。
情報システムの究極のテストは驚きがないことである。事柄が大事になる前に、エグゼクティブはそれらに適応し、分析し、理解し、適切な行動をとる。1例は、1990年代に、アジア大陸の崩壊に驚かなかった非常に少数の米国の金融機関である。彼らは、アジアの経済と通貨について「情報」が意味するものを考えた。彼らは、徐々に、これらの国における子会社や関連会社の中からの全ての情報(それらは単に「データ」だと認識し始めた)を無視した。その代わりに、彼らは、短期借入と国の支払残高のレイシオや外国短期負債に利用できる資金に関する情報といったそれらのことについての情報を統合し始めた。これらのレイシオが好ましくないものとなり、アジア大陸でのパニックを回避できないものとするはるか前に、これらのエグゼクティブはそれが起きると認識した。彼らは、これらの国から撤退するか、長期において残るかを決断しなくてはならないことを認識した。言い換えれば、彼らはいかなる経済データが新興国について意味があるかを知り、それらを統合し、分析し、解釈した。彼らは、データを情報に変え、行動が必要となるはるか前にいかなる行動をとるべきかを決断した。
AP:あなたの環境においてカギとなる変数を特定する。驚きを最小限にするために、これらの変数のそれぞれについての情報を持つことを確かなものとする。
1105     The Future Budget(将来の予算)
●将来のための予算はいい時も悪い時も安定する。 
ほとんどの企業において、そして事業だけに限らず、唯一の予算があり、それは事業サイクルに合わせられる。良い時においては、支出はあらゆる点で増加する。悪い時には、支出はあらゆる点で削減される。これは、しかしながら、実際には将来において失敗する。チェンジリーダーの最初の予算は、現在の事業を維持するための管理と資本支出を示す経営予算である。この予算は常に「経営の継続のために支出する必要がある最低額は?」という質問によりアプローチされるべきである。そして、悪い時には、それは実際に、下方調整されるべきである。
そして、チェンジリーダーは将来のため、第2の別の予算を持つ。将来予算は「これらの新たな活動が最適な結果を生み出すのに必要な最大の資金は何か」という質問によりアプローチされるべきである。時期が壊滅的で支出の維持が企業の生存を脅かす場合でない限り、その金額はいい時も悪い時も維持されるべきである。
AP:機会を開発するための資金を含む「開発予算」を用意する。その予算がいい時も悪い時も安定性を提供することを確かにする。
1106      Winning Strategy「勝利する戦略」
●「人は奇跡のために祈るが結果のために働く」聖アウグスティヌスは言った。
「良い意図は山を動かさないがブルドーザーは動かす」という古い言葉がある。非営利組織のマネジメントにおいて、ミッションと計画は、それが全てであれば、良い意図である。戦略はブルドーザーである。それは、あなたがやりたいことを達成に転換する。それらは特に、非営利組織において大事である。戦略はあなたを結果のために働くよう導く。それらは、あなたに、結果を得るために、あなたがリソースと人として持つ必要があるものを伝える。 
私はかつて、「戦略」という言葉に反対した。私はそれが軍じみたところががありすぎると思った。しかし、私は少しずつ変わった。それは、多くの事業と非営利組織において、計画が知的な活動であるからである。あなたは、それをきれいに装丁して棚に置き、そのままにしておく。全員が高潔であると感じ、我々は計画を作る。しかし、それが実際の仕事になるまで、あなたは何もしていない。他方で、戦略は、行動にフォーカスされたものである。そこで、私は、戦略があなたが希望するものではないことが明らかであることから、しぶしぶその言葉を受け入れた。戦略はあなたがそのために行動すべきものである。
AP:戦略を実施する。
1107     The Failed Strategy(失敗する戦略) 
●自然にまかせる人々のほとんどは、白骨以外残さない。
戦略や行動が機能しないように思われる時、ルールは「最初にうまくいかなければもう1度試みる。それから、他のことをする。」である。最初は、新たな戦略はしばしば機能しない。そして座って学んだことを問う。おそらく、サービスが正しくない。それを改善するよう試み、変更し、他の努力をする。おそらく、これを勧めることは躊躇するが、あなたは3番目の努力をしてもいい。その後、結果があるところに行く。多くの時間と多くのリソースと多くのなされるべき仕事がある。
例外がある。あなたは25年の間に人々が自然にまかせて働き、偉大な達成を見ることができる。しかし、これらの例は非常に珍しい。自然にまかせる人々のほとんどは、白骨以外残さない。成功、失敗そして結果に関係なく、大儀に捧げる真の信者がおり、我々はそのような人々を必要とする。彼らは我々の良心である。しかし、そのほとんどが目的を達しない。おそらく彼らの見返りは天国にある。しかし、それも確かではない。聖アウグスティヌスは1600年前に、全ての砂漠に教会を建てていた修道士に、「空の教会以上に天国での喜びはない」と書いた。結果がでなければ、もう1度試みる。そして注意深く見て、他の何かに移行する。
AP:最初に成功しなければ、座って学んだことを尋ねる。アプローチを改善し、もう1度試みる。おそらく、3回目を試みる。そして、他の何かをする。
1108      Strategic Planning(戦略的計画)
●戦略的計画は、現在の決断の未来を扱う。
伝統的な計画は「最も起こりそうなのは何か?」を尋ねる。不確定への計画は、かわりに、「未来を創るであろう何がすでに起こったか」を尋ねる。
戦略的計画はトリック、テクニックの束、の箱ではない。それは、分析的思考であり、リソースの行動への投入である。それは、現在の企業的決断を体系的に行い、その未来についての最大の知識をもって、これらの決断の実行のために必要とされる努力を体系的に組織し、組織化され体系化されたフィードバックを通じて、これらの決断の結果を期待に対して評価する、継続的プロセスである。戦略的決断者が直面する質問は、その組織が明日何をすべきかではない。それは、「不確かな明日に備えるためぬい今日我々は何をしなくてはならないか」である。質問は、将来何が起こるかではない。それは「いかなる未来を我々は現在の思考と行動に組み入れなくてはならず、いかなる期間我々は考えなくてはならず、いかにこの情報を今合理的な決断をするために使うか?」である。
AP:あなたの組織の将来の幸福についての現在の判断にフォーカスする戦略的計画プロセスを開発する。これらの戦略的決断の導入と監視のための責任を確立する。戦略的な決断における効率性を改善させるため、それぞれの戦略的判断の結果を検査する。
1109     Long-Range Plannning(長期計画)
●十分に強く望めば、将来は起きない。
将来は決断を必要とする(今)。それはリスクを課す(今)。それは行動を必要とする(今)。それはリソース(特に人的リソース)の割り当てを求める(今)。それは行動を必要とする(今)。
長期計画のアイデア(とその現実)は、多くの誤解に基づく。長期は、たいてい、短期の判断により行われる。長期が組み込まれない限り、そして、短期の計画と判断に基づかない限り、最も精巧な長期計画は無駄なものとなる。そして、逆に、ここでの今における判断である短期の計画が行動の統一的な計画に統合されなければ、それらはご都合主義で、あてずっぽうで、見当違いである。「短期」と「長期」は決まった期間によって決められない。判断は、その実行に数か月しかかからないから短期となるわけではない。重要なのは、それが効果を及ぼす期間である。長期計画はマネジャーを無批判に今日のトレンドを将来に広げさせないよう、今日の製品、サービス、市場と技術を明日のそれらであると想定しないよう、そして特に、そのリソースをエネルギーを昨日を守るためぬい専念させないようにすべきである。「計画される」全ては即座に仕事とコミットメントとなる。
AP:「今日の事業の何を捨てるべきか?何を軽く扱うべきか?何に新たなリソースを供給すべきか?」といった質問に基づく判断における長期計画に焦点を置く。
1110     How to Abandon(いかに捨てるか)
●廃棄は体系的になされなくてはならない。 
「何を捨てる?」と「いかに捨てる?」は体系的に行われなくてはならない。そうでないと、それらは、「人気のある」政策ではないため、常に「先延ばし」される。
ほとんどの途上国でアウトソーシングサービスを提供するかなり大きなある会社では、毎月の第1月曜は、トップマネジメントから各分野の主任レベルまで全てのマネジメントレベルにおいて、廃棄会議のためあけられる。これらのセッションのそれぞれは、事業のある部分を検討する・・・ある月曜にサービスの1つを、1か月後に、会社が事業をする1つの地域を、3か月目の月曜の朝に、そのサービスが組織化される方法等。
会社は、この方法で、1年内に自らを完全に検討し、それは例えば人事政策を含む。

1年を通じ、3から4の重要な決断が会社のサービスの「何」について行われ、おそらく「いかに」を変える決断はおそらくその2倍行われる。

しかし、また、毎年、新たに行うことへの3〜5のアイデアがこれらのセッションから生まれる。

何かを廃棄するかどうか、行う方法を破棄するかどうか、新たなことをするかどうかといった、何かを変えるためのこれらのセッションは、毎月、マネジメントの全メンバーに報告される。そして、1年に2度、全てのマネジメントレベルは、彼らのセッションの結果実際に何が生じ、いかなる行動がとられ、どこ結果についてとられたかを報告する。
AP:毎月の第1月曜日を廃棄ミーティングにあてるように、体系的廃棄のプロセスを導入する。
1111     Divestment(売却) 
●あなたの娘の夫を探す場合、「誰が彼女にとっての最高の夫となるか」ではなく、「どのような男が彼女をよい妻にするか」を問えという、古い言葉がある。
売却は、「売却」よりむしろ「マーケティング」問題である。問題は、「何をいくらで売却したいか」ではなく、「誰のために、いかなる条件で、この事業は価値があるか」である。ポイントは、売り手にとって合わないものが完全に適合する、潜在的な買い手、売却される事業がその最悪の問題を解決する最高の機会を提供する買い手、を見つけることである。
主要な印刷会社は、所有する大衆雑誌は、せいぜい部分的にしか適合せず、売却すべきだと決断した。雑誌は当初、印刷契約を維持するものとして購入された。l彼らは「雑誌出版会社にとっての価値は何か」「成長している出版会社の場合」と問い、その答えは、「最大のニーズはキャッシュである。成長する出版会社は、数年間、流通の樹立に大きな投資が必要である」というものであった。次の質問は、「いかに潜在的買い手のこのニーズを提供し、提案を引き立たせることができるか」であった。その答えは、「彼に、工場への印刷代の支払について、慣例の30日ではなく90日を与えることによる」であった。印刷会社は、即座に、その要請を満たす出版会社を見つけた。
AP:あなたの「部分適合」の事業を特定する。誰にとって、この不適合は完全な適合になるか。
1112        The Work of the Manager(マネジャーの仕事)
●マネジャーは、これらの構成的な活動のパフォーマンスを改善することにより、そのパフォーマンスを改善することができる。
マネジャーの仕事には5つの基本的なオペレーションがある。
マネジャーは、第1に、目標を設定する。彼らは、目標が何であるべきかを決める。彼らは、目標の各分野におけるゴールが何であるべきかを決める。彼らは、これらの目標のそれぞれが達成されるためには何がなされるべきかを決める。彼らは、そのパフォーマンスが達成のために必要とされる人々にそれらを伝えることで目標を効率的にする。
第2に、マネジャーは組織化する。彼らは活動、決断及び必要な関係を分析する。彼らは、仕事を分類する。彼らは、それを管理できる活動に分け、さらにその活動を管理できる仕事に分ける。彼らは、これらのユニットと仕事を組織構造にまとめる。彼らは、これらのユニットと仕事がなされるための管理のための人々を選ぶ。
次に、マネジャーは、動機づけし、コミュニケートする。彼らは、多様な仕事に責任をもつ人々からなるチームを作る。
マネジャーの仕事における第4の基本的要素は評価である。マネジャーは判断基準を制定し、そのいくつかは、組織とその中の全ての人ののパフォーマンスにとって重要である。
最後に、マネジャーは、自分たちを含め、人々を開発する。
AP:目標を設定し、組織化し、動機づけし、コミュニケートし、評価し、自分を含む人々を開発することにより、管理する。
1113     Management by Objectives and Sel-Control.(目標と自制によるマネジメント)
●「コントロール」はあいまいな言葉である。
目標によるマネジメントの最大の利点はおそらくマネジャーが自分自身のパフォーマンスをコントロールすることを可能にすることである。セルフコントロールはより強い動機づけ・・なんとか切り抜けるのに十分ではなく最高への願望・・を意味する。それは、より高いパフォーマンス目標とより広いビジョンを意味する。目標によるマネジメントが会社に方向のとマネジメントチームの努力の統一を与えるために必要でなかった場合でも、セルフコントロールによるマネジメントを可能にすることは必要である。
「コントロール」は自分自身とその仕事を指示する能力を意味する。それはまた、人による人の支配を意味し得る。目標は第1の意味で「コントロール」の基礎である。しかし、それは、決して、第2の意味での「コントロール」の基礎とはならない。実際、目標によるマネジメントの主要な貢献の1つは、セルフコントロールによるマネジメントが支配によるマネジメントにとってかわることである。いかなる行動と方法について、会社が非倫理的、非専門的、あるいは不健全として禁止するかは明確に理解されるべきである。しかし、これらの制限内において、全てのマネジャーは自由にすることを決められなくてはならない。
AP:目標によるマネジメントは広く用いられるが、セルフコントロールはそうでもない。なぜか?
1114     How to Use Objectives(目標をいかに使うか)
●目標は運命ではない。それらは指示である。
目標がただの良い意図であれば、それは無価値である。それは仕事に変わらないといけない。そして、仕事は常に特定のものであり、常に、明確で、明白な、評価できる結論、期限及び特定の実施義務の割当てを持つ(又は持たなくてはいけない)。しかし、厳しい締め付けとなる目標は害する。目標は、常に期待に基づく。そして、期待は、せいぜい、情報に基づく推測である。世界は止まっていない。
目標を使う適当な方法は航空会社がスケジュールとフライトプランを使う方法である。スケジュールはロスからボストンまでの午前9時から午後8時までのフライトを準備する。しかし、その日にボストンでブリザードとなれば、飛行機はピッツバーグに着陸し、嵐の間じっとしている。フライトプランは、3万フィートで飛行し、デンバーとシカゴに飛ぶことを定める。しかし、パイロットが乱気流や強い逆風に会えば、彼は管制にもう5000フィート高度を上げ、ミネアポリスーモントリオールルートをとる許可を求める。しかし、スケジュールとフライトプランなしにはフライトは運航されない。いかなる変更も、即座に、新たなスケジュールとフライトプランを作るためにフィードバックされる。目標は運命ではなく、指示である。それは命令ではなく、責任である。それは未来を決めるものではなく、事業のリソースをエネルギーを未来を作るために動員する方法である。
AP:目標を設定し、航空会社がスケジュールとフライトプランを使う方法で、目標を使う。
1115     The Management Letter(マネジメントレター)
●マネジングマネジャーは、共通の指示を作るだけでなく、誤った指示を排除する、特別な努力を要求する。
目標設定は非常に重要であり、私が知る最も効率的なマネジャーの幾人かは部下に年に2回「マネジャーの手紙」を書くことを求める。彼の上司に対するこの手紙において、各マネジャーはまず、彼が考える、上司の仕事と自分の仕事の目標を定義する。それから、彼に適用されると信じるパフォーマンス基準を書く。次に、彼はこれらのゴールを達成するためにしなくてはならない物事と彼自身のユニットにおいて彼が大きな障害と考える物事を列挙する。彼は、上司と会社の行為で彼を助けることとと彼を妨げるののを列挙する。最後に、彼は、彼のゴールに到達するために、翌年彼が行うことを提案することの概略を書く。上司が彼の声明を受け入れると、「マネジャーの手紙」はマネジャーが稼働する憲章となる。
相互理解は「下へのコミュニケーション」によっては達成され得ないし、会話によっても創造され得ない。それは「上へのコミュニケーション」からのみ生じる。それは、上司の聞こうとする希望と下のマネジャーが聞かれるようデザインされたツール必要とする。
AP:年に2回、上司へのマネジメントレターを書く。
1116     The Right Organization(正しい組織) 
●組織において自己発展するのは、無秩序、軋轢及び実行不全だけである。
1世紀前のマネジメントの先駆者は正しかった:組織構造は必要である。現代の会社は組織を必要とする。しかし、先駆者はその想定・・1つの正しい組織があり、そうあるべきだという想定・・を間違った。正しい組織を探す代わりに、マネジメントは課題にフィットする組織を探し、開発し、テストすることを学ぶ必要がある。
いくつかの組織の「原則」がある。1つは、組織は透明でなくてはならない。人々は、仕事をしようとする組織構造を知り理解する必要がある。組織の誰かが与えられた分野で最終判断をする権利を持たなくてはならない。権威は責任に比例するということはまた、健全な原則である。組織の誰もが1人だけの「マスター」をもつべきであることは健全な原則である。これらの原則は建築家の仕事に妥当するものと違いはない。それらは、彼に、何が制限かを伝える。そして、これは組織構造の多様な原則がすることである。
AP:組織が透明か、決断権限が明確か、権威は責任と比例するか、各人は1人だけマスターを持つかを考える。
1117     Limits of Qualification(定量化の制限)
●社会生態学におけるほとんどの現象の定量化はミスリーディングであり、よくて無価値である。
私が定量化しない最も重要な理由は、社会でのできごとにおいて、重要なことは定量化できないからである。例えば、利益を最大化する方法は独占者になること・・これは、生産を低くおさえ、価格を高くする・・という一般的な経済的知見に対する、1900年か1903年での、ヘンリーフォードの無視は、儲けるための、価格を低く設定し、生産を高めるという方法に導いた。この、「大量生産」の発明は、完全に産業経済を変えた。しかしながら、フォードの成功が彼を米国で、そしておそらく世界で最も金持ちの産業資本家とした後の、1918年や1920年でも、その影響を定量化することは不可能であった。彼は、産業生産、自動車産業、そして経済一般に変革を起こし、とりわけ、我々の産業の認識を完全に変えた。
世界を変えるユニークな出来事は「辺境での」出来事である。それが統計的に重要になる時までに、それはもはや「未来」ではない。それは、もはや「現在」でもない。それはすでに「過去」である。
AP:今日定量化できない影響をもつが、次の10年にあなたの組織を変えるであろう、ユニークな出来事を見つける。外に出て、それが提供する機会を利用する。
1118     Hierarchy and Equility(階層と平等)
●人は今日「階層の終わり」について良く聞くが、それはばかげたことである。
感情的な平等主義者がそうであるように、それが形式的な平等の代わりに序列に基づくことからの産業社会への攻撃は産業と社会の双方の性質の誤解である。他人の努力を社会目的に統合する全ての他の組織と同様に、会社は階層に基づいて組織されなくてはならない。しかし、ボスから用務員まで、全員がその会社の成功に等しく必要である。同時に、大きな企業は功績への平等の機会を提供しなくてはならない。これは、単純に、正義への伝統的な要請であり、人の尊厳のキリスト教の概念の結果である。
機会の平等の要請は、しばしば誤って想定されるように、報酬の絶対的な平等を求めるものではない。逆に、機会の平等は、自動的に、報酬の不平等を当然のこととする。正義の概念は報酬が不平等なパフォーマンスと不平等な責任に従って与えられることを意味する。
AP:あなたの組織はボスと用務員の貢献を評価するか、それともボスだけか?
1119     Characteristics of Organizations(組織の特性) 
●組織は道具である。どんな道具にもいえるが、その仕事がより専門的であれば、そのパフォーマンス能力はより大きい。
組織は特別の目的の機関である。それらは、1つの仕事に集中するから効率的である。米国肺協会に行き「米国成人の90%が食い込んだ爪にかかっている。我々はリサーチ、健康教育及びこのひどい悩みをなくすための予防におけるあなたの専門的知見を必要とする。」と言うと、「我々はおしりと肩の間にあるものにのみ関心がある」という答えられるだろう。これは、米国肺協会、米国心臓協会、その他の健康分野の組織が結果をだす理由を説明する。
社会、コミュニティ、家族は、何であれ生じる問題を扱わなくてはならない。1つの組織でそれをすることは「多様化」である。そして、組織での多様化は、分裂を意味する。それは、事業、労働組合、学校、病院、コミュニティサービス、あるいは教会であれ、いずれの組織でも、パフォーマンス能力を破壊する。組織は、それぞれが狭い知識分野を持つ、専門家により構成されるため、そのミッションは極めて透明でなくてはならない。組織は、共通目的を持つべきであり、そうでなければ、メンバーは混乱する。それらは、一般的な仕事への適用ではなく、その専門性を負う。それらは、その専門性において「結果」を定義し、その自らの価値を組織に課する。明確で、焦点の絞られた共通のンミッションのみが、組織を1つにし、結果を出すことを可能にする。
AP:あなたの組織が明確なフォーカス、全員がわかるミッションをもち、それが結果を出すことに集中するようにする。
1120     The Federal Principle(連邦制の原則)
●連邦主義はトップマネジメントを運営義務から解放し、適切な機能に集中する自由を与える。
企業が必要なものは中心と部分の双方に純粋な経営上の機能と権限を与える原則である。この原則は連邦制であり、そこでは、企業全体が自律的ななユニットから成ると考えられる。連邦制の企業とそのユニットは、同じ事業にある。同じ経済的要因が全てのユニットと全体の未来を決める。同じ基本的な判断がそれらのすべてについてなされなくてはならない。同じ種類のエグゼクティブが必要とされる。そして、全体は(いかなる事業を会社が行うか、人事の組織、選択、訓練及び将来のリーダーのテストについての判断といった)基本機能について統一的なマネジメントを必要とする。
同時に、各ユニットはそれ自体が事業である。それは、明確な市場のため自身の製品を作る。各ユニットは、それゆえ、全体のマネジメントの一般的な判断による制限内において広範な自治をもつ。各ユニットは自身のマネジメントを持たなくてはならない。地方のマネジメントは種に運営上のマネジメントである。それは、基本方針よりも、主に、現在及び目先の将来に関係する。しかし、制限された範囲において、それはまた真のトップマネジメント機能を履行する。
AP:連邦制の原則を最大限利用する。
1121     Federal Decentralizetion:Strengths(連邦制の分権化:強さ)
●連邦制の原則の最大の強みは、全ての知られている組織の原則の中で、これだけが、早い段階で、人々に、トップマネジメントの責任への準備をさせ、テストする。
「連邦の分権化」において、会社は多くの自律的ビジネスに組織される。各ユニットは自らのパフォーマンスとその会社全体への貢献に責任を持つ。各ユニットは実際自らの「自律的事業」を経営する自らのマネジメントをもつ。、
連邦的に組織された構造において、各マネジャーはそれらにフォーカスするため事業パフォーマンスと事業結果に近い。連邦制の原則は、それゆえ、巨大で複雑な組織を小さく単純でマネジャーが彼らが何をしているかを理解しその仕事、努力及びスキルの囚人となる代わりに、自らを全体のパフォーマンスに向けることを可能にする多くの事業に分割することを可能にする。目的とセルフコントロールによるマネジメントが効率的であるため、1人のマネジャーの下での人々とユニットの数はもはやコントロールの範囲に制限されない。それは、より広い管理的責任の範囲にのみ制限される。連邦制の原則の最大の強みは、しかしながら、マネジャー開発に関するものである。これが、その原則を他に優先して使用されるものとする。
AP:連邦制の原則に従い組織することにより、人々に最大の責任を負わせる。多くの非飛び地を開発する組織になる。
1122     Federal Decentralization: Requirements(連邦制の分権化:必要条件)
●ユニットは、単に会社の利益に貢献するよりも、最低限として会社の利益に貢献しなくてはならない。
連邦制の分権化には、厳格な必要条件がある。連邦制の分権化は、会社が真に多くの純粋な「事業」に組織され得る場合にのみ適用できる。これは、基本的な制限である。ユニットは、最低限として会社の利益に貢献しなくてはならない。そしては、それは市場の客観的な判断による純粋な利益でなくてはならない。
連邦制の分権化は、トップマネジメントの仕事が明確に定義され考え抜かれる場合にのみ機能する。連邦制は、適切に適用されると、オペレーションについて心配する必要がなく、指揮、戦略、目的及び将来のための重要な判断に集中できるため、トップマネジメントは正確に自らの仕事ができる。連邦制の原則は、自治的な事業であるオペレーティングユニットに大きな責任を求める。それらは最大の自治が与えられ、それは最大の責任を負うことを要請する。連邦制の分権化は中心によるコントロールと共通の評価を要請する。自治的事業とトップマネジメントの双方のマネジャーは各事業に何が期待され、「パフォーマンス」が何を意味し、いかなる開発が重要かを知らなくてはならない。自治を与えることができるためには、人は信頼を持たなくてはならない。そして、これは意見を不要とするコントロールを要請する。会社の連邦制のユニットは自治的であるが、独立ではないし、そうあるべきではない。その自治は、会社全体のよりよいパフォーマンスに向けた手段である。
AP:自治的ユニットのエグゼクティブが最大の自治と最大の責任を持つようにする。パフォーマンスとその欠如を明らかにするコントロールのシステムを確立することにより、これを実行する。
1123     Reservation of Authority(権威の保留)
●中央マネジメントが全体としての事業やその長期の将来的繁栄に影響し判断を有する一種の「至上条項」がなくてはならない。
分権化された会社のトップマネジメントは注意深く、いかなる判断をそれが保有するかを考えなくてはならない。会社全体、その健全さ、そしてその将来についてどうするかの判断がある。これらの判断は、全体を見、全体に責任をもつ人によってのみなされ得る。事業が分裂せずに全体としてまとまるには、特に、3つの分野がなくてはならない。
トップマネジメントは(そして、トップマネジメントだけが)、いかなる技術、市場及び製品に参入するか、いかなる事業を始めるか、いかなる事業を破棄するか、そして会社の基本的な価値、信念及び原則は何かについて判断できる。第2に、トップマネジメントはキーとなる資金の割当てのコントロールを持たなくてはならない。資金の供給とその投資は連邦制の組織の自治的ユニットに委譲できないトップマネジメントの責任である。
第3に、他のキーとなるリソースは人である。連邦的に組織された会社における人々と、特にマネジャーとキーとなる専門家は、1つのユニットではなく会社全体のリソースである。人々についての会社の方針と分権化された自治的ビジネスにおけるキーとなる任命は、(もちろん、自治的な事業マネジャーはそれらに積極的に参加する必要があるが)トップマネジメントの判断である。
AP:一定のキーとなる判断・・特に、組織のミッション、価値及び方向についてのもの、資本の割当て、及びキーとなる人々の選択・・をトップマネジメントに留保する。
1124    Simulated Decentralization(仮想分権化)
●主なルールは、仮想分権化を最後の手段としてのみ考える。
ユニットが事業として作られ得る時はいつでも、デザイン原則は連邦制の分権化と整合し得ない。我々は、しかしながら、多くの巨大企業は純粋に事業に分割され得ないことを学んだ。しかし、それらは明らかに、機能的あるいはチーム構造として、大きさと複雑さの限界を超えて成長した。ますますその組織的問題への答えとして「仮想分権化」に転換する会社がある。仮想分権化は事業ではないが、最大の可能な自治、その自身のマネジメント及び少なくとも損益責任のみせかけをもつ、まるで事業であるように作られた構造的なユニットを作る。それらは、外の市場によるのではなく、内部で決められる「移転価格」を使ってお互いに売買をする。それらの「利益」はそれに対するコストの内部割当により生まれ、しばしば、コストの20%といった「標準料金」が加えられる。
AP:可能であれば、「小さな」プロフィットセンターを使うことにより、内部競争を作る。収入を各ユニットに帰属させ、収入とそのコストを組み合わせる。
1125     Building Blocks of Organization(組織の塊を作る) 
●貢献は序列と位置を決める。
どの活動を一緒にし、どの活動を別にするか?貢献の種類により活動を分類する探求的分析が必要である。貢献によって区別すれば4つの主要な活動のグループがある。
第1は、結果を生み出す活動であり、それは会社全体の結果とパフォーマンスに直接・間接に関係し得る、測定可能な結果を生み出す活動である。
第2は、サポート活動である。それは、必要であり本質的でありながら、それ自身は、結果を生み出さないが、事業における他の要素がその「アウトプット」を使うことによってのみ、結果がでる。
第3に事業の結果に直接・間接に関係のない活動であり、真に補助的な活動である。それらは、衛生的・管理的活動である。
第4に、トップマネジメント活動である。
結果を生み出す活動の中で、いくつかは直接収益を生み出す(サービス機関の場合、直接「患者のケア」や「学び」を生み出す)。ここに、革新的活動、販売並びに体系的かつ組織的な販売活動をするのに必要なすべての仕事が属する。また、事業に資金を供給し管理する財務機能もまたここに属する。
キーとなる活動はそうでない活動に従属させるべきではない。収益を生み出す活動は収益を生み出さない活動に従属させるべきではない。そして、サポート活動は収益を生み出すそして、結果に貢献する活動と混合すべきではない。
AP:結果を生み出す活動を組織で良く見えるようにしておく。サポート活動は結果を生み出す活動に従属させるべきである。従業員の福祉活動は従業員チームにまかせる。
1126     Fundamentals of Communications(コミュニケーションの基礎) 
●コミュニケーションを改善するためには、発言者ではなく聞き手に取り組む。
コミュニケートするのは受け手である。聞く人がいなければ、コミュニケーションはない。ノイズがあるだけである。人は知覚できるもののみ知覚できる。人は受け手の言語や用語でのみコミュニケートできる。そして用語は経験に基づくものである必要がある。我々は、原則として、我々が知覚すると期待するものを知覚する。我々は、たいてい、見ると期待するものを見、聞くと期待するものを聞く。期待していないものは、通常、全く受け取られない。コミュニケーションは、常に求める。それは常に、受け手が誰かになり、何かを行い、何かを信じることを求める。それは、常に、モチベーションに訴える。それが、受け手の抱負、価値、モチベーションに逆らうなら、それは受け取られず、良くて抵抗される。、
コミュニケーションは知覚であり、情報は論理である。そのようなものとして、情報は純粋に形式的であり、意味を持たない。情報は常に記号化される。使われるためには言うまでもなく、受け取られるために、記号は受け手に知られ、理解されなくてはならない。これは合意の前に、コミュニケーションに要求する。
AP:受け手に情報の交換を始めることを頼むことにより、コミュニケーションを改善する。「あなたの責任分野において次の四半期、いかなる目的が適当だとあなたは信じるか」といった質問を考案する。
1127     Rules for Staff Work(スタッフ業務のルール) 
●スタッフ業務は知識のためになされるものではない。その唯一の正当化は仕事をする人々と組織全体のパフォーマンスの向上である。
第1に、スタッフは長年続く主たる重要な仕事に集中すべきである。永遠には続かない主たる重要な仕事・・例えば、会社のマネジメントの改革・・は1度の割当てとしよりよく処理される。スタッフ業務は高い優先順位の少数の仕事に限定されるべきである。スタッフサービスの増加はm、効率性を奪い取る。より悪くは、それは結果を生み出す人々である作業者の効率性を破壊する。スタッフ業務の数をきっちりとコントロールしないと、スタッフは、作業者の最も希少なリソースである時間をどんどんむさぼる。
効率的なスタッフ業務は特定のゴールと目的、明確なターゲットと期限を要請する。「我々は、3年以内に常習的な欠勤を半分にする」や「今から2年で、我々は市場のセグメンテーションを十分に理解し製品ラインを少なくとも3分の1に減らす」。これらのような目的は生産的なスタッフ業務に役立つ。「従業員の態度を扱う」や「顧客のモチベーションの研究」のようなあいまいなゴールは役に立たない。3年ごとに、全てのスタッフユニットと座り「過去3年にこの会社に真の違いをもたらすどのような貢献をしたか」と尋ねることは重要である。
AP:サポートスタッフを小さく少数にする。すべてのスタッフ業務に明確なゴールと期限を設ける。そのゴールは、組織のゴールと直接結びつくようにする。
1128     Rules for Staff People(スタッフ職員のルール)
●スタッフ職員はオペレーションで自分自身を証明しないかぎり、彼らはオペレーションの人々の信頼を欠き、「理論家」として放逐される。
スタッフ職員のルールはスタッフ業務のルールと同じく重要である。いくらかのオペレーション業務(複数の機能的分野であることが望ましい)を経験しない限り、その人をスタッフ業務につかせない。スタッフ人員にオペレーションの経験がなければ、彼らはオペレーション・・それは常に「立案者」には単純に見える・・について尊大になる。しかし今日、事業における以上に政府において、ビジネススクールやロースクールを卒業したての若者を、分析者、立案者あるいはスタッフカウンセルとして、かなり上位のスタッフ業務につかせる。彼らの尊大さとオペレーティング組織による彼らの拒否は、彼らが全体的に非生産的となることを保証する。
少ない例外を除いて、スタッフ業務は人の「キャリア」とされるべきではなく、そのキャリアの一部であるべきである。5年から7年スタッフ業務についた後に、人々はオペレーティング業務に戻るべきであり、約5年はスタッフの仕事に戻るべきではない。そうでないと、彼らは、舞台裏での操り人形師、腹心の手先、キングメーカー、立派な人の仲を裂く人となる。
AP: スタッフ人員をオペレーション業務と行き来させる。
1129      Role of Public Relations(パブリックリレーションの役割) 
●「パブリックリレーション」は売込み、宣伝及びごまかし策の意味を得た。
一般社会にとって、「パブリックリレーション」はパブリシティ・・製品広告から製造者の広告まで、本質的に広告の延長・・を意味する。しかし、会社の美徳や達成を確信させるより、広範な社会に企業の問題を知らせることが強調されるべきである。これは、その問題をもって社会に達するには、企業は社会の問題をまず理解しなくてはならないことの認識に導く。
巨大企業の全ての主要な判断は、労働者、消費者、市民として、社会に影響する。従って、社会は、意識的あるいは無意識に会社が行う全ての動きに反応する。しかしながら、この反応に、会社の判断の効率性は依拠する・・言い換えれば、会社は社会に生きる。エグゼクティブの判断の効率性は、彼の事業の問題に理解だけでなく、かれの問題に対する社会の態度の理解に基づく。このように、パブリックリレーションのプログラムは本部と部門のエグゼクティブに社会の行動と信念の知識と、その背後にある理由の理解を与える。
AP:会社の判断に対する社会の反応を理解する。会社への社会の態度を理解し、それを評価する。会社は社会の意のままに存在することを認識する。
1130     Control Middle Management(ミドルマネジメントをコントロールする)
●ミドルマネジメントのウェイトコントロールを始める
今がミドルマネジメントのウェイトコントロールをする時である。1つの方法は自然減である。退職、死亡、辞職によって仕事が空けば、それを自動的に埋めない。6か月から8か月空いたままにして、何が起きるかを見る。その仕事を埋めろという圧倒的な要請がなければ、それを捨てる。これを試みた少数の会社は、6か月後に、約半数の「空位」がなくなったと報告する。
ミドルマネジメントの大きさを減らす第2の方法は、昇進の代わりに職務拡大を行うことである。若いマネジャーとエグゼクティブ(そして、その下に働く若い人々)に満足と達成を提供する唯一の方法は、優れたパフォーマンスへの報いとして、昇進ではなく、ますます異なる課題への横への移動を伴いながら、仕事を、より大きく、より挑戦的に、より厳しい、より自治的にすることである。
40年前、我々は管理職の人々のパフォーマンスレビューに「昇進への準備があるか?」という質問を入れた。今、我々は、その質問を「より大きな、より要求の厳しい挑戦の準備と既存の仕事への新たな責任を加える準備があるか?」という質問に代える必要がある。
AP:フラットな組織を作る。その構造、中身、方向を処理する情報を使い、組織が機敏で効率的であるようにする。
12月 
1201     The Work of the Social Ecologist(社会生態学者の仕事)
●この変化が関連性があり意味があるものであれば、それはいかなる機会を提供するか?
社会生態学者の仕事は:第1に、質問をすることで社会や共同体を見ることである。「「全ての人が知るもの」と整合しない、いかなる変化が生じたか。」「「パラダイム変化」とは何か?」「これが変化であり、一次的な流行でないことの証拠はあるか?」そして、最後に、「この変化が関係があり意味があるなら、それはいかなる機会を提供するか?」
単純な例は主要なリソースとしての知識の発生である。何かが起こっていることを私に知らせた出来事は第二次大戦後の米国の復員兵援護法であった。これは、全ての退役軍人に国の費用負担で大学に通う権利を与えた。それは、全く、先例のない進展であった。これらの考えは、私を質問に導いた。「これは、期待、価値、社会構造、雇用等にどのようなインパクトを与えるか?」そして、この質問が訊ねられると・・私は1940年代の終わりに初めて訊ねた・・人類の歴史において初めて、知識が生産的リソースとして社会で地位を得たことが明らかになった。我々は、明らかに、大きな変化の入口にいた。10年後、1950年代の半ばまでに、人は自信をもって、経済の中心として「知識社会」や「知識作業」について、新たな支配的な要員として「知識労働者」を話すことができた。
AP:既に生じているが「全ての人が知るもの」と整合しない変化を見つける。これらの存在する機会を利用する。
1202      Turbulent Times Ahead(前途の激動の時期)
●激動の時期、マネジメントの最初の仕事は一撃を生き抜く組織の能力を確実にすることである。
激動の時期、マネジメントの最初の仕事は、組織の生き抜く能力を確実にし、その組織的強さ、一撃を生き残る能力、突然の変化への適応を確実にし、新たな機会を利用することである。激動は、定義において、異常な、非線形の、不規則なものである。しかし、その下にある原因は分析でき、予想でき、管理できる。
マネジメントがマネジメントすべきで、できることは、激動の下にある単一の最も重要な新たな現実・・人口構造と人口力学における著しい変化と、特に西の先進国と日本における人口構造と人口力学のシフトである。これらのシフトは既に、世界中において、経済統合の状態を変えている。それらは、多くの分野において財務コントロールに基づく古い「多国籍企業」にとってかわる、生産協力と市場コントロールに基づく、新たな「国境を超えた連合」に導く。それらは、新たな消費者市場を創造し、既存の古い消費者市場を並べ替える。

それらは、「固定の退職年齢」の概念とともに捨てることを強いる。そして、それらは、マネジメントに対して・・新たな機会とともに・・余剰人員に対する組織的計画を行う新たな要請を創造する。
AP:あなたの企業に今日影響する激動の下にある原因を定義する。あなたの組織を守るため、今いかなる行動をとり、激動の中において栄えることを許すか?
1203    The New Entrepreneur(新たな企業家)
●歴史はらせん形に進む。以前のポジションに戻るがより高いレベルであり、らせんの道による。
我々は再び企業を強調すべき時代に入った。しかしなが、それは、自身が経営でき、コントロールでき、取り組むことができる事業を組織する1人の能力であった、1世紀前の企業ではない。それは、新たなもののために、組織を創造し管理する能力である。我々は、ここ80年の管理的基礎の上に新たな企業構造を作ることができる人を必要とする。しばしば観察されるが、歴史は、らせん形に進む。人は、以前のポジションや以前の問題にもどるが、より高いレベルであり、らせんの道による。このように、我々は単一の起業という低いレベルからマネジャーへと導く道を通って起業に戻って行き、今再び、高いレベルであるが、企業に戻った。事業者は多くの新たな能力・・そのすべては既存の企業家的である・・を得なくてはならないが、そのすべては管理的組織において、それを通じて行使される。
AP:あなたの組織に企業家的文化を作る。
1204     Information on Cost and Value(コストと価値の情報)
●我々はコストと価値についての情報を持つまで、結果は達成できない。
基本的な構造的情報は顧客のために創造される価値とそのために使用されるリソースに焦点をおく。会計の概念と道具は今、その基本的変化の産みの苦しみにある。新たな会計の道具は取引の記録の視点の違いではなく、事業は何か、結果は何かについて、異なる概念表す。開発研究所のリサーチマネジャーのように、会計での仕事から離れたエグゼクティブでさえ、会計におけるこれらに変化に表される基本的理論と概念を理解する必要がある。これらの新たな概念と道具は、活動ベース原価計算、価格が導く原価計算、経済チェーン原価計算、付加価値及びベンチマーキングを含む。
活動ベース原価計算は顧客が実際に製品を購入するまでの、製品やサービスの全てのコストを報告し、コストと価値を1つの分析に統合する基礎を提供する。
AP:行動ベース原価計算に基づく帳簿をとりあげ、この会計概念の戦略的、概念的及び手続き的問題にふさわしくする。
1205     Price-Led Costing(価格主導の原価計算) 
●問題は技術ではなく、メンタリティーである。
伝統的には、西洋の企業はコストからスタートし、望ましい利ざやを乗せ、価格を決めた。これは、コスト主導価格である。価格主導コストでは、顧客が喜んで支払う価格が、デザインコストからサービスコストに至るまで、許容可能なコストを決める。マーケティングが、製品とサービスが提供する価値に顧客が喜んで支払う価格についての情報を提供する。
職務をまたぐチームがこの価格を与えられたものとして分析を始める。チームは会社の資本投資とリスクを補うのに必要な利益を控除し、製品やサービスのために許容できるコストを出す。そして、製品によって提供される有用性と許容可能なコストとのトレードオフを行う。価格主導原価計算の下では、税対的な経済的枠組みは、投資に対する必要な率のリターンを稼ぎながら、顧客のための価値の創造と原価目標の達成に焦点を置く。
AP:組織におけるコストと価格設定の手続きを検証する。それらは、原価主導の価格設定か、価格主導の原価設定か?顧客のための価値の創造にフォーカスし、価格主導の原価計算を導入する。
1206      Activity Costing(活動原価計算) 
●活動に基づく原価計算は、全くことなる思考方法である。
伝統的な原価計算技術は今日活動ベースの原価会計にとってかわられている。伝統的な原価計算は、コストをボトムアップで積み上げた・・人件費、原材料及び諸経費。それは主に、製造関係コスト、いわゆる在庫可能コストに集中する。活動ベースの原価計算は終わりからスタートし、尋ねる。「コスト対象に関係する活動の完全な価値連鎖の実行に、いかなる活動の関係費用が使用されるか?」活動ベースの原価計算は品質及びサービスコストを含む。
設計ステージで、品質を製品及びサービスに設計することにより、設計コストは増加するかもしれないが、保証及びサービスコストは減少が見込め、連鎖の着手段階でのコスト増を克服する。
AP:活動ベースの原価計算は、全く異なる思考方法であり、特にその財務報告が活動コストを必要としない会計士にとってそうである。会計スタッフと一緒にこの問題に取り組む。
1207    Obstacles to Economic-Chain Costing(経済チェーン原価計算の障害)
●経済チェーン原価計算への変更は全体的なチェーンに沿った統一的な会計システムを必要とする。
実際のコストは全体のプロセスのコストであり、そこでは最大の会社も1つのリンクである。会社は、よって、原価計算を、その自らの組織内でのものから、全体的な経済プロセス(経済チェーン)の原価計算にシフトし始めている。経済チェーン原価計算の導入には障害がある。多くの事業にとって、経済チェーン原価計算に代えるのは苦痛である。それは、チェーン全体の全ての事業について、統一的な、あるいは少なくとも矛盾のない会計システムを必要とする。しかし、その各々は、独自の方法でその会計を行い、そのシステムは唯一の可能なものであると確信する。さらに、経済チェーン原価計算は会社中での情報共有を必要とする。しかし、同じ会社の中ですら、人々は情報共有に抵抗する傾向がある。いかなる障害があろうと、経済チェーン原価計算が行われるべきである。さもないと、最も効率的な会社でも、コストでの不利を被る。
AP:経済チェーン原価計算の導入への障害を突き止め、組織に経済チェーン原価計算を導入する。
1208     EVA as a Productivity Measure(生産性指標としてのEVA) 
●事業がその資本コストを上回る利益を上げるまで、それは富を創造せず、それを破壊する。
要因全体の生産性の評価は知識労働の時代のエグゼクティブが直面する大きな挑戦である。肉体労働にとっては、量の評価で通常十分である。知識労働では、我々は、量と質をの双方を管理しなくてはならないが、どうすればいいかを知らない。我々は、収入と費用の共通の分母を使ってで、要因全体の生産性を評価することを試みなくてはならない。資本コストを含む、全てのコストに対して加えられた価値の測定により、EVA(econonic value added analysis)(付加価値分析)は、実際、清算の全ての要因(あるいは使用された全てのリソースにより生産された真の経済的コスト)の生産性を測定する。
あたかも利益が出たかのように、事業は税を支払うことに注目する。それは、利益が資本コストを超えるまで、コストをカバーしない。事業が資本コストを上回る利益を得るまで、それは損を出す。そしてこれが、EVAが広まっている理由である。それ自身は、ある製品やサービスが価値を加えない理由やそれについてどうすべきかを示さない。それは、どの製品、サービス、オペレーションあるいは活動が、通常でない高い生産性を持ち高い価値を加えるかを示す。そして、我々は「これらの成功から何を学ぶことができるか」を自問すべきである。
AP:組織のあるいは提供する製品やサービスの「経済的付加価値」を計算する
1209    Benchmarking for Competitiveness(競争のためのベンチマーキング) 
●ベンチマーキングは、少なくともリーダーと同レベルであることは、競争的であることの必要条件であると、想定する。
EVA(economic value added analysis)はグローバル市場での企業の競争力を評価するのによいスタートであるが、そのためには、我々はベンチマーキングを加えなくてはならない。ベンチマーキングは、企業が、世界的に競争的かどうかを伝えることを助ける道具である。ベンチマーキングは、ある会社が、他の会社が常に行うことができるものを同様に行うことを、正しく想定する。「ベストパフォーマー」は、しばしば、組織内、競争相手内、また、産業外の組織内の同じサービスや機能に見られる。同時に、EVAとベンチマーキングは、全体要因生産性を図りそれを管理するための、診断的道具を提供する。それらはエグゼクティブが企業内で進行するものを図り管理するために理解すべき新たな道具の例である。併用されることで、それらは我々が利用できる最高の基準である。
AP:比較できる組織から(産業外からでも)製品、サービス又はプロセスのデータを集めることで、ベンチマーキング研究をさせる。最高のパフォーマーと競争できるようにするため、パフォーマンス基準を置く。
1210      Resource-Allocation Decisions(リソース割当判断) 
●資本と人の割当ては組織が上手く行うかどうかを決める。
資本と実行する人々の割当はそのすべてをマネジメントはその事業について知っている活動へと変わる・・・それらは組織が上手く行うかどうかを決める。組織は人的資源を意図的に、資本の割当と同じくよく考えて割り当てるべきである。資本投資を理解するために、会社は4つの基準をもつ:@投資の収益、A回収期間、Bキャッシュフロー、C割引現在価値。4つの基準のそれぞれは、エグゼクティブに予想資本投資について異なるものを示す。それぞれは異なるレンズを通して、投資を見る。判断者は、資本投資を単独で評価すべきではなく、プロジェクトのクラスターの一部として評価すべきである。彼らは機会とリスクの間の最高の比率を示すクラスターを選ぶべきである。資本支出の結果は次の会計検査手続で、期待に対して評価されるべきである。手続で集められた情報は、将来の投資についての判断のために用いられ得る。
雇用、解雇、昇進の判断はエグゼクティブの最も重要な判断である。それらは資本割当判断よりも難しい。組織は人の決定のための体系的プロセスを持つ必要がり、それは資本についての判断のためのものと同じく厳格なものであるべきである。エグゼクティブは期待に対して人々を評価する必要がある。 
AP:過去の資本割当判断を見直す。それらは期待を満たしているか?過去の雇用と昇進判断を見直す。それらは期待を満たしているか?フィードバック分析に基づきリソース割当手続を変える。
1211     Six Rules of Successful Acquisition(成功する買収の6つのルール) 
●買収は成功すべきであるが、実際はほとんどしない。
買収は成功すべきであるが、実際はほとんどしない。この不成功の理由は常に同じ・・よく知られ、よくテストされた成功する買収のルールの無視である。
成功する買収の6つのルールは:
1.成功する買収は、財務戦略ではなく、事業戦略に基づかなくてはならない。
2.成功する買収は買収者が買収に貢献することに基づかなくてはならない。
3.2つの会社は、市場、マーケティング、技術あるいはコアコンピテンスのような、統一の共通の核を共有しなくてはならない。
4.買収者は、被買収者の価値と同じく、事業、製品及び顧客を尊重しなくてはならない。
5.買収者は、短期間、長くて1年以内に、被買収者の事業にトップマネジメントを提供する準備がなくてはならない。
6.成功する買収は買収する事業の人々と買収される事業の人々の双方の前進への目に見える機会を急速に創造しなくてはならない。
AP:3つの買収見通しについてこれらの6つのルールに対して評価する。あなたの組織が追求するどれをあなたは推薦するか。
1212    Business Not Financial Strategy(事業は財務戦略ではない)
●「掘り出し物はない」そして「支払ったものを超えては得られない」
成功する買収は財務分析ではなく、事業計画に基づく。買収対象は取得会社の事業戦略に適合しなくてはならない。さもないと、買収は失敗する。20世紀の最後の10年の最悪の買収の記録はW.R.Graceの長期間のCEOであったPeter Grace のそれであった。彼は、すばらしい男であった。彼は、1950年代に財務ベースの買収を通じて世界規模の多国的企業を作ることを計画した。彼は、財務分析の最優秀なグループを作り、彼らに、世界中から低い価格/収益レイシオの産業と会社をスカウトさせた。彼はこれらの会社をバーゲン価格で買った。それぞれのGraceの購入の財務分析は完全なものであった。しかし、事業戦略は全くなかった。
対照的に、買収による会社成長で最も成功した例は、1981年から2001年にかけてJack WelchがCEOであった時のGEのすばらしいパフォーマンスを際立たせるものであった。売上と収益における会社の成長の最大の理由と、その結果の会社の市場価値の上昇は、GE Capital の買収に基づく拡大であった。もちろん、それらの全てがうまくいったわけではない。実際、証券会社の買収という、大きな失敗があった。しかし、GE Capital の買収は素晴らしくうまくいった。それらの全ての基礎にあったのは、健全な事業戦略であった。
AP:あなたの組織による買収を考える。買収の基礎にあるものは、戦略か財務か?それはいかに機能したか?
1213    What the Acquirer Contributes(買収者が貢献するもの) 
●成功する買収は買収会社の買収への貢献に基づく
買収は、期待できる「シナジー(相乗効果)」が、いかに魅力的に見えようとも、買収者が、買収された会社が買収者に貢献できるものではなく、それが購入する事業に貢献できるものをよく考える場合にのみ、成功する。買収する会社が貢献するものは異なり得る。それは、マネジメント、技術又は流通における強みかもしれない。貢献は金以外の何かである必要がある。金はそれ自体では十分ではない。
TravelersによるCitibankの買収は、買収企業である Travelers がそれが Citibank に効果的に貢献できるものをよく考え、計画したために、成功した。Citibankは実際上世界中の国において成功的に拠点を置き、同時に国境を超えたマネジメントを樹立した。しかし、その製品とサービスにおいて、Citibankは第1に伝統的な銀行であり、その分配的・マネジメント方法は商業銀行が生み出し提供する製品とサービスを超えた。そして、Travelears には、多くのこれらの製品やサービスがあった。それが、自分自身が貢献することができるものは、すばらしいCitibankの世界的中に及ぶ販売システムとマネジメントが販売することができる、商売の量を、少額追加コストあるいは追加コストなしで、大いに増やすことであった。
AP:買収前に、シナジーではなく、貢献に焦点を置く。
1214      Common Core of Unity(統一的な共通の核) 
●「共通の文化」あるいは、少なくとも「文化的類似性」がなくてはならない。
買収による成功的多角化は、全ての成功的多角化と同様、統一的な共通の核を要請する。時折類似の生産プロセスは、共通の言葉とともに、十分な経験と専門知識の統一を提供し、会社を1つにするが、2つの事業は、市場か技術のいずれかで共通でなくてはならない。かかる統一的な共通の核がなければ、多角化、特に買収によるものは、機能しない。財務的な結びつきだけでは不十分である。
1例は、(シャンパン、高級デザイナー、高級腕時計、香水、手製の靴といった)あらゆる種類のぜいたく品の製造者を取得することで作られた、大きなフランスの会社である。それは最悪のコングロマリットのように見えた。製品は、共通なものはないように見えた。しかし、それらの全ては同じ理由・・それはもちろん、利用価値や価格ではない・・によって顧客に購入された。かわりに、人々は「ステータス」であることから、それらを購入する。この成功する買収者の買収が共通に持つものはそれらの顧客の価値である。シャンパンはハイファッションとは異なって売られる。しかし、それは同じ理由により購入される。
AP:買収において、2つの会社の間に共通の文化か文化的類似性があることを確かめる。
1215    Respect for the Business and its Value(事業のその価値の尊重)
●買収は「感情的な適合」でなくてはならない。
買収は、買収企業の人々が、対象会社の製品、市場及び顧客への尊重を持たない限り、機能しない。多くの巨大な製薬会社が化粧品会社を買収したが、どれも大きな成功をしなかった。薬理学者と生化学者は健康と病気に関係する「真剣な」人々である。彼らにとって、リップスティックとその使用者は取るに足らないものである。同じく、大きなテレビネットワークその他のエンターテイメントでかれらが獲得した書籍出版さhを成功させた例はほとんどない。本は「メディア」でなく、本の購入者も著者も・・・ほんの出版社の2つの顧客・・・ニールセンの視聴率が「視聴者」と呼ぶものと似ていない。遅かれ早かれ、通常早くであるが、事業は意思決定を要請する。その事業、製品、使用者を尊重せず、快く思わない人々は、意思決定を誤る。
AP:あなたが買収を取り上げる。2つの会社の間に感情的な適合はあるか?いかに、会社がお互いを尊重し、あるいは尊重しないか?
1216     Provide New Top Managment(新たなトップマネジメントの提供) 
●人々が売る事業は彼らの「子供」である。
1年以内に、買収者は、取得する会社に、トップマネジメントを提供できなくてはならない。買収者は彼らが買った会社のトップの在職者を失う準備しなくてはならない。トップの人々はボスであったわけで、彼らは「事業マネジャー」でありたくない。彼らがオーナーか共同オーナーであれば、買収は彼らを金持ちにし、それを楽しまなければ留まる必要はない。彼らが、持分を持たない、プロのマネジャーであれば、他の仕事を簡単に見つける。新たなトップマネジメントを募集するのはギャンブルであり、ほとんどうまくいかない。
これは、特に、対象会社を初めから立ち上げたCEOに妥当する。多くの場合、このCEOが買収を始める。 彼(彼女)は、一般的に、買収者が、彼(彼女)が躊躇した変化を起こすこと・・例えば、親しい友人であり、会社の成長とともに、誠実に働いてきたが、会社がその仕事に対し大きくなりすぎた、古い従業員の除去・・を期待する。しかし、これらの人々が売る事業は彼らの「子供」である。それが誰かに所有される時、彼らは保守的になり、その役割を、今それを所有する無情な「よそ者」「子供」を守ることだと思う。
AP: あなたの会社か他の会社による最近の買収を調べる。買収された会社のトップマネジメントに何が起こったか?
1217     Promote Across Line(ラインを超えることを促進する) 
●政治的に、取得される会社の人々は、「彼ら」に対してその事業を守る、「我々」となる。
全てのルールが誠実に順守されたとしても、多くの買収は失敗に終わり、永遠に期待に応えられない。法律的には、獲得された会社は買収会社の一部である。しかし、政治的には、獲得された会社の人々は、「我々」となり、買収会社の人々である「彼ら」に対しておその事業を守る。買収会社の人々は、同様に、「彼ら」に対する「我々」として考え、行動する。しばしばこれらの目に見えないが突き通せない境界が壊れるのに、1世代かかる。したがって、買収後の最初の数か月内に、双方の側の多くの人々がラインを超えてよりよい仕事に昇進することが、重要である。このように、双方の側は買収を個人的な機会とみる。
目的は、双方の会社のマネジャーに、買収が彼らに個人的な機会を与えることを確信させることである。この原則は、トップに近いエグゼクティブだけでなく、若いエグゼクティブや専門家、その献身と努力に事業が主として依拠する人々に妥当する。彼らが、買収の結果ブロックされるとみれば、彼らは「その場を離れ」、原則として、新しい仕事を見つけることができる。
AP:買収に引き続いて人々を昇進させる。
1218     Alliance for Progress(成長への提携)
●マネジメントの実践は、その射程は法的なものではなく、経済的チェーン全体であるという、新たな想定に基づかなくてはならない。
世界の異なる場所における事業の成長と事業の拡大は、ますますM&Aに基づかず、新たな100%所有会社にもよらなくなっている。それらは、ますます、他の政治的管轄にある組織との提携、パートナーシップ、合弁及び全ての種類の関係に基づかなくてはならない。それらはますます、法律的ではなく、それ故政治的でもなく、経済的ユニットである構造に基づかなくてはならない。
今後成長が直接的な所有や命令と支配ではなく、あらゆる種類のパートナーシップに基づく多くの理由がある。よりやむにやまれぬ理由は、世界経済と分裂した政治の双方で運営する必要である。パートナーシップは決してこの問題に対する完璧な解決ではない。しかし、経済的ユニットが法律的ユニットでなく、
政治的・法的外観が経済的実体から分離され得る関係である、パートナーシップ、提携、合弁であれば、少なくとも経済的現実と法律的現実の間の衝突は大いに小さくなる。
AP: 非常に成功している米国企業が南米に多くの工場を建設した。少数の著名な米国企業は南米の既存の会社との協力の形成を決めた。第2の会社は成功したが、第1の会社はみじめに失敗した。第2が成功し第1が失敗したことについて、本稿でどのような洞察が提供されるか。
1219     Rules for Successful Alliances(成功する提携のためのルール)
●提携はそれらが成功する時深刻な問題を抱える。
初期の段階での失敗率は新たなベンチャーよりも高くないが、提携は、成功する時、しばしば致命的である、深刻な問題に直面する傾向がある。しばしば、提携が上手くいくとき、パートナーの目標が両立しないことが明らかになる。
問題は予測でき次の5つのルールによって防ぐことができる。
1.提携が完結する前に、当事者は「子ども」の目標を考えなくてはならない。
2.いかに合弁企業が経営されるべきかについて事前の合意が、同様に重要である。
3.次に、提携を誰がマネジメントするかについて慎重に考えなくてはならない。
4.各パートナーはその自身の構成において、合弁会社や他のパートナーへの関係のために準備する必要がある。特に大きな組織において、最善の方法は、全てのそれらの「危険な連携」を1人のシニアエグゼクティブに委ねることである。
5.最後に、意見の相違をいかに解決するかについて事前の合意が必要である。最善の方法は、前もって、全ての側が知り、尊敬し、その判断が彼らの全てに受け入れられる、仲裁人について合意することである。
AP:提携は「危険な連携」として描かれてきた。提携に入ることについて何がそれほど危険なのか?
1220     The Temptation to Do Good(良いことをする誘惑)
●公的サービス期間は最適化より最大化しようとする。
イノベーションへの最も重要な障害は公的サービス機関が結局「良いことをする」ために存在することである。これは、彼らがそのミッションを経済的あるいはコスト/利得の計算としてよりも道徳的に絶対的なものと見る傾向があることを意味する。経済はより高い産出物を得るために常に同じリソースの異なる割当てを求める。公的サービス機関では、より高い産出物としてのそのようなものはない。「良いことをする」なら、「より良い」ものはない。実際、「良い」もの求めるにあたって目的に失敗しても、それはより一層努力することが必要なことを意味するだけである。
Crusade Against Hunger は「1人の子どもが飢えて寝る限り、我々のミッションは完了しない」と言った。「我々のミッションは既存の配分ルートで到達できる最大の可能な数の子ども達が発育阻害にならないだけ食べられれば完了する」であれば、彼は職を解かれるだろう。しかし、目的が最大化であれば、それは達成され得ない。実際、人は目的に近づけば、より努力が求められる。最適化に到達すれば、追加的結果は指数関数的に落ちるが、追加コストは指数関数的に上昇する。従って、公的サービス機関がその目的に近づくほど、より達成は阻まれ、既に行ったことをより精力的にする。
AP:囚人フェローシップは釈放された囚人が再犯により再び投獄される率を減らそうとする。囚人フェローシップにとっていわゆる「常習的犯行性」をなくそうとすることが賢明ではないのは何故か?
1221     The Whistle-blower(密告者)
●密告は倫理的に曖昧である。
今日の組織の倫理の議論は「密告者」となる義務と密告者の上司や組織からの報復や弾圧に対する保護について大きな注意を払う。これは、高潔に聞こえる。確かに、部下には、義務でないとしても、上司や組織の法律違反は言うまでもなく、上司の悪事を公表し修正的行動を起こす権利がある。しかし、相互依存の倫理の文脈では、密告は実に曖昧である。
確かに、部下(又は友達、子どもあるいは妻)が黙っていられない、甚だしく財産や法律を踏みにじる上司や組織の悪事がある。これは結局、「重罪」という言葉が暗示するもので、報告せず、内々に済ませることで人は重罪のパートナーとなり、刑事的に責任を負う。しかし、そうでなければ?密告はを推奨することは上司を部下と結びつける信頼の繋がりを蝕むものではない。密告の推奨は部下をして上司の人々を守る意欲と能力に対する信頼を失わせる。
AP:Sarbanes-Oxley法は会社の違法の場合に、内部からの密告を奨励する。この法律はいかに部下と上司の間の結束に影響するか。
1222     Limits of Social Responsibility(社会的責任の限界) 
●「事業にとってうまくすることは十分でない。良いことをしなくてはならない。」しかし「良いことをする」たんは、事業は第1に「うまくし」なくてはならない。 
事業が経済的パフォーマンスの限界を無視し、経済的にサポートできない社会的責任を引き受けるときはいつでも、それはすぐにトラブルに巻き込まれる。
Union Carbide は、その工場をウエストヴァージニアのヴィエナに移すときに社会的責任はなかった。工場は最初からかろうじて収益がでる程度だった。製法は旧式のものであった。良くて、工場はかろうじて水面に頭をあげている状況であった。そして、工場はその自身のインパクトに対してすら社会的責任を負うことができないことを意味した。工場は最初から経済的でなかったため、Union Carbide はそれをきれいにするという要求に抵抗した。この要求は仕事への関心が環境への関心よりはるかに重みをもった1940年代には予想できなかった。しかし、いくつかの要請は常に予測できた。社会的責任から経済的に不合理で擁護できないで何かをすることに責任はない。結果は常に、より大きな損害である。
AP:なぜこれが真実なのかを説明する:事業にとって「良いことをする」には、それは第1に「うまくし」なくてはならない。 
1223     Spiritual Value(精神的価値) 
●同情のみが助ける。私自身の責任の無言の知識は少しも神の子らでない
これは魂の知識である。
社会は、精神的価値に戻る必要がある・・・物質的なものと相殺されることなく、十分に生産的にする。大衆のためこの実現がいかに遠かろうとも、今日物質的な豊富さか、少なくとも物質的な十分さの約束がある。人は思いやりを必要とするため、精神的価値に戻る必要がある。より高い宗教が共有するあなたと私は1つであるという深い経験を必要とする。我々のような、テロ、迫害、大量殺人の時代、倫理的無感覚の堅い殻は生き残るのに必要かもしれない。それなしでは、我々は、麻痺させる絶望を生み出すであろう。しかし、倫理的無関心はまた心と魂の恐ろしい病気であり、恐ろしい危険である。それは、残虐と迫害を許さないとしても、扇動する。19世紀の倫理的な人道主義が人が野獣になることを阻止できないことを学んだ。
個人は、人は生物学上・生理学上の存在ではなく、精神的存在でもあり、その創造主のために、それに服する被造物であり存在であることを再確認することによってのみ、現在の人の状況で生き残ることができるため、精神的な価値に戻る必要がある。このように、個人は、種の瞬時の肉体的崩壊の恐れは、その自身の存在、意味そしてその責任を無効化しないことを知る。
AP:即時の崩壊の恐れの存在において、我々は精神的価値なしに、意味と責任を維持できるか。
1224     Human Existence in Tension(緊張における人の存在) 
●キルケゴールにとって、人の存在は、精神における個人としてそして、社会における市民として同時に存在する人生の間の緊張の中でのみ可能である。
社会の合理的な性格と個人と社会の合理的な関係の崩壊は我々の時代の最も革命的な特性である。
社会が、人が社会でのみ生活し得ることを望むなら、人が絶望なく死ぬことを可能にしなければならない。そして、それは、個人の生活を無意味にするという、方法でのみそれをし得る。あなたが、人類の木の葉、社会の細胞に過ぎないのであれば、あなたの死は本当の死ではない。集団的な再生のプロセスと呼ぶ方がいい。しかし、それでは、あなたの命は本当の命ではない。それは、命全体の中の機能的プロセスであり、全体の文脈以外でいかなる意味もない。社会における人の存在を宣言する楽観主義は絶望へと導く。そして、この絶望は全体主義にのみ導く。人の存在は絶望にない存在、悲劇にない存在としてのみ可能である。誠実における存在としてのみ可能である。誠実は神においては不可能は可能であり、彼においては時と永遠は1つであり、生と死は意味があるという信念である。
AP:次をよく考える:「人の存在は、精神における個人としてそして、社会における市民として同時に存在する人生の間の緊張の中でのみ可能である。」
1225     The Unfashionable Kierkegaard(●のキルケゴール) 
●誠実は人が死ぬことを可能にするが、生きることも可能にする。
私の仕事は完全に社会にあった。しかし、1928年に遡ると、私の人生は完全に社会にはなく、社会を超える存在に関する次元を持たなくてはならないはずであった。まだ、私の仕事はこのキルケゴールについてのエッセイを除き、完全に社会にある。
キルケゴールの誠実は恐ろしい孤立、人の存在の隔離地と不調和を克服することはできないが、それを意味あるものとすることで、耐えうるものにできる。全体主義者の信条の哲学は人が死ぬことができるようにする。かかる哲学の強さを過小評価することは危険である。悲しみと苦しみ、破滅と恐怖の時に死ぬことができることは偉大である。しかしそれは十分ではない。キルケゴールの誠実もまた、人が死ねるようにする。しかし、それはまた、人が生きることができるようにする。誠実は神においては不可能は可能であり、彼においては時と永遠は1つであり、生と死は意味があるという信念である。誠意は人は被造物であり、自律的でなく、主人でなく、終わりでなく、中心でないが、責任と自由があるという知識である。それは、死に向かう時ですら、神が常にともにいるという確実性により克服される、人の本質的な孤独の受け入れである。
AP:社会による救済は常に結局は失敗する。社会におけるのと人としてとの双方であなたを支える目的を見つける。
1226     Return of the Demons(悪魔の復帰)
●自由が安全と相容れなければ、大衆は安全をとる。
大衆は、これが世界の合理性の再確立を約束するのであれば、自由を捨てる用意がある。自由が平等と両立しなければ、彼らは自由をあきらめる。安全と両立しなければ、安全をとる。自由は悪魔を捨てることを助けないため、自由であるか、2番目の質問はないかである。「自由な」社会は悪魔におどされる社会であるため、自由を非難し自由の放棄を通じて絶望からの回復を期待することは、もっともらしく以上に見える。
AP:この節は戦争と抑圧の悪魔を避けるため、ナチのヨーロッパによる包囲に言及する。なぜ、社会は、強い組織がない時に、完全な統制と全体主義に陥りやすいのか。
1227     Integrating the Economic and Social(経済と社会の統合) 
●我々の時代の叫びの下にあるのは、我々の産業の現実を統合できる、機能する産業的社会の不存在である。
彼の生物的存在において呼吸する空気を持たなくてはならないように、その社会的、政治的存在における人は機能する社会を持たなくてはならない。しかしながら、人が社会を持たなくてはならないことは、それを持っていることを意味しない。誰も、難破船での、組織されない、狼狽する、どっと動き出す人の塊を「社会」とは呼ばない。グループとしての人はいても、社会はない。実際、パニックは直接的に社会の崩壊により、それを克服する唯一の方法は、社会的価値、社会的訓練、社会的力そして社会的関係によって社会を再建することである。
社会的生活は社会なしに機能できない。しかし、全く機能しないことは想像できる。過去25年間の西洋文明の証拠によっては、我々は、我々の社会的生活が機能することから、機能する社会が存在することは明白であると言うことができない。
AP:上記の一節は、第二次大戦中に書かれた。産業的前進の世紀の後に他の社会的機関において同様の前進はなかった。社会の経済的次元が最高位にあるとすれば、社会的そして政治的次元はどうか?
1228     The Family-Managed Business(家族経営の事業)
●どこでも事業の多数は家族がコントロールし経営するものである。
米国やその他の先進国を含むどこでも、事業の多数は、家族がコントロールし経営するものである。そして、家族経営は、決して、小規模・中規模の会社に限られない。家族はいくつかの世界最大の企業を運営する。デュポンは、(1802年の創業以来、1970年代の中頃に専門のマネジメントに引き継がれるまでの)170年間、家族のメンバーによってコントロールされ経営され、世界最大の化学会社へと成長した。そして、無名なコイン業者がその息子を送り出してヨーロッパ資本の銀行を設立させた2世紀後、ロスチャイルドの名前を冠し、ロスチャイルドによって運営される金融会社なお、世界の第一党の銀行家である。
しかし、経営書と経営コースはほとんど完全に公開され専門的に経営される会社を扱い、ほとんど家族経営ビジネスに言及しない。もちろん、全ての機能的仕事・・リサーチ、マーケティング又は会計・・については、専門的にマネジメントされた事業と家族でマネジメントされる事業に変わりはない。しかし、マネジメントについては、家族事業はその独自の非常に異なるルールを要求する。これらのルールは、厳格に守られなくてはならない。さもないと、家族経営は、繁栄はもちろん、生き残らないであろう。
AP:家族所有の会社の30%未満しか次の代に生き残らず、3代まで続くのは10%、4代まで続くのは4%である。何故家族事業は世代から世代に引き継ぐのが難しいのかを考える
1229     Rules for the Family-Managed Business(家族経営事業のルール) 
●「家族経営事業」の支配的言葉は「家族」ではない。それは「事業」でなくてはならない。
第1のルールは、加速のメンバーは、彼らが少なくとも家族でない従業員と同様に有能で、同じくら熱心に働かない限り、事業の仕事をしない。
第2のルールは、同様に単純である。どれだけ多くの家族のメンバーが会社のマネジメントにおり、彼らがいかに効果的であっても、1つのトップの仕事は常に家族のメンバーでない外部により満たされる。典型的に、これは、財務エグゼクティブかリサーチのトップであり、それらは、技術的能力が最も重要である。
第3のルールは、家族経営事業は、非常に小さいものを除き、ますます重要なポジションに家族でない専門家をあてる必要がある。製造であれ、マーケティングであれ、財務であれ、リサーチであれ、人事であれ、必要とされる知識と専門的判断は、より大きなものとなり、最も有能な家族のメンバー以外の誰かにより満たされなくてはならない。
前の3つのルールを誠実に遵守する家族経営の事業でも、事業承継においてトラブルに巻き込まれ、しばしば解体する。事業が必要とするものと、家族が求めるものは衝突しがちである。唯一の解決がある。それは、承継判断を家族の一員でもなければ事業の一部でもない、外部の人間に委ねることである。
AP:家族所有の事業のトップマネジメントを知るべきである。いかに彼らが「次の世代への」経営承継の問題を扱う計画かをメンバーに尋ねる。計画が事業の問題、家族の問題、あるいは2つの組み合わせにより推進されるかを決める。
1230     Innovations for Maximum Opportunities(機会の最大化のためのイノベーション)
●既に可能なものを有効にするために欠けているものは何か?
イノベーターの特性は他者には無関係で、別個の要素であるものをシステムとして描く能力である。既に存在する要素を転用する最小の欠けた部分を見つけ提供することは成功する試みである。イノベーションが最大の機会を創造する分野を見つけるため、人は以下を尋ねる。「既に可能なものを有効にするには何がが欠けているか?どのような1つの小さなステップが我々の経済的結果を変容させるか?どのような小さな変化が我々の社会の全体的な能力を変えるか?」
必要を描写することはそれを満たさない。しかし、必要の描写は好ましい結果の仕様を提供する。それらが得られそうかどうかは判断できる。イノベーションは事業のポテンシャルの発見と未来の創造に適用できる。
AP:自分自身に上記の3つの質問をする。
1231      From Data to Information Literacy(データから情報能力へ) 
●エグゼクティブと知識労働者は1つの道具だけを持つ・・・情報。
情報は組織をまとめるものであり、各知識労働者を効率的にする。企業と個人はいかなる情報を必要とし、いかにそれを得るかを学ばなくてはならない。いかに情報をそのカギとなるリソースとして組織するかを学ばなくてはならない。
データ能力から情報能力への移行において、2つの主要な質問に答える必要がある。「我々の企業はいかなる情報を必要とするか?」と「私はいかなる情報を必要とするか?」である。これらの質問に答えるために、あなたは再考しなくてはならない:
・あなたの仕事が何で、それは何であるべきか
・あなたの貢献は何で、それは何であるべきか
・あなたの組織の基礎は何か
あなたは、それぞれが独自のコンセプトをもつ、3つの異なる種類の情報を必要とする。3つの主たるタイプの情報は、外部情報、内部情報、組織をまたぐ情報である。あなたの成功と組織の成功は、これらの答えを正しく得ることに依拠する。
AP:これらの質問に答える。「私の仕事は何か?私の貢献は何であるべきか?組織の基礎は何か?」そして、「いかなる情報を私の組織は必要とするか?」「いかなる情報を私は必要とするか?」に応える。