シンプラル法律事務所
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遺留分減殺請求事件処理マニュアル | ||
★第1章 相談・受任 | ||
◆ | ◆第1 相談を受ける | |
◆ | ◆第2 受任手続をする | |
★第2章 遺留分減殺請求権の行使 | ||
◆ | ◆第1 遺留分減殺請求の対象を特定する | |
★第3章 遺留分侵害額の算定 | ||
◆ | ◆2 遺留分算定の基礎となる財産の確定 | |
◇ | ◇(1) 相続開始時に有していた財産の確定 | |
◇ | ◇(2) 贈与財産の確定 | |
■ | ■相続開始前1年間になされた贈与 | |
■ | ■遺留分権利者に損害を加えることを知ってなされた贈与(1030条後段)(p70) | |
「損害を加えることを知って」という点は、遺留分権利者が立証責任 ⇒争われた場合には立証が困難なことも少なくない。 |
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「遺留分権利者に損害を加えることを知って」とは、 遺留分を侵害する認識があればよく、 損害を加えるという加害の意図や具体的に誰が遺留分権利者であるかを知っている必要はない。 |
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東京地裁昭和51.10.22: 「遺留分権利者に損害を加えることを知って」行なった贈与かについて、 「贈与財産の全財産に対する割合だけではなく、贈与の時期、贈与者の年齢、健康状態、職業などから将来財産が増加する可能性が少ないことを認識してなされた贈与であるか否かによるものと解すべき」 |
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相続開始時までに、被相続人の積極財産が増加し、相続開始時には遺留分侵害の状態が解消されるものと認識⇒「遺留分権利者に損害を加えることを知って」という要件を満たさない。 (大審院昭和11.6.17) |
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■ | ■特別受益財産 | |
■ | ■持戻し免除された財産 | |
■ | ■無償処分 | |
■ | ■贈与目的物が滅失した場合(p72) | |
贈与目的物が滅失した場合や、目的物の価格に増減⇒相続開始時においてなお原状のままであるとみなして算定(1044条、904条) but 受贈者の責めに帰さない事由により滅失⇒その評価額はゼロ but 受贈者が保険金や補償金などの対価を得た場合等の特別の事情⇒当該利得を特別受益として評価 |
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◇ | ◇ケーススタディ | |
■ | ■ケース3 特別受益を受けた者が相続放棄 | |
◇ | ◇(3) 不相当な対価による有償行為の確定 | |
◇ | ◇(4) 債務の確定 | |
遺留分の基礎となる財産から控除される債務(相続債務) =被相続人の負担した債務 |
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私法上の契約に基づく債務だけでなく、税金や罰金など公法上の債務も含まれる。 | ||
相続財産に関する費用は、その財産から支出する(民885@) ex. 相続財産の固定資産税、地代、賃料、上下水道 鑑定・換価・弁済その他清算に必要な費用 財産目録調整費用、 管理・清算のための訴訟費用 but 相続財産に関する費用は減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない(民法885条2項)⇒遺留分算定において控除される債務には当たらない。 |
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遺言執行に関する費用は、相続財産の負担とする(民法1021条)。 ex.遺言書の検認費用、相続財産目録調整費用、遺言執行者の報酬等 but これによって遺留分を減ずることができない(民法1021条但書) ⇒遺留分算定において控除すべき債務には当たらない |
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相続税:相続財産に関する費用(885条)とは別 ⇒遺留分算定の際に控除される債務に当たらない。 |
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遺留分減殺請求⇒取得した相続分に変化⇒相続税の更正請求の対象 当事者間で相続税相当額の調整を行うことも見られる。 |
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葬儀費用:原則として遺留分算定の際に控除される債務に当たらない。 ←葬儀費用は相続債務ではない。 but 被相続人が相続人に対し遺言等で葬儀の方法や内容を定め、その費用を相続財産から支出することを求めていた場合や、相続人全員が葬儀の執行について合意 ⇒遺留分算定の際に、相続財産の評価額から控除。 |
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寄与分:遺留分減殺請求により取り戻された財産に対して主張することはできない。 | ||
◆ | ◆3 遺留分算定の基礎となる財産の評価 | |
◆ | ◆4 遺留分侵害額の算定 | |
◇ | ◇(1) 遺留分算定の基礎となる財産総額の算定 | |
◇ | ◇(2) 遺留分額の算定 | |
■ | ■ア 遺留分算定の基礎となる財産額 | |
= 被相続人が相続開始時に有していた資産+ 贈与財産の価額ー 相続債務の全額 |
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■ | ■イ 個別的遺留分の割合 | |
= 民法1028条所定の遺留分の割合× 法定相続分の割合 |
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■ | ■ウ 遺留分額の算定 | |
ア(遺留分算定の基礎となる財産額)× イ(個別遺留分の割合) |
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◇ | ◇(3) 遺留分侵害額の算定 | |
遺留分侵害額= 遺留分額ー (遺留分権利者が相続によって得た財産額ー相続債務負担額)ー (特別受益額+遺贈額) |
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■ | ■相続債務がある場合の処理 | |
最高裁H8.11.26: 相続債務がある場合の遺留分侵害額の計算は 算定された遺留分額から、 遺留分権利者が相続によって得た財産がある場合はその額を控除し、 同人が負担すべき相続債務がある場合はその額を加算して 算定。 |
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相続人の1人に対して財産全部を相続させるとの遺言 ⇒遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない。 遺留分権利者が相続債権者から相続債務について法定相続分に応じた履行を求められ、これに応じた場合: 履行した相続債務の額を遺留分に加算することはdけいない。(最高裁H21.3.24) |
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最高裁H21.3.24: 相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言により相続分の全部が当該相続人に指定⇒遺言の趣旨等から相続債務については当該相続人にすべてを相続させる意思のないことが明らかであるなどの特段の事情のない限り、当該相続人に相続債務もすべて相続させる旨の意思が表示されたものと解すべきであり、これによって、相続人間においては、当該相続人が指定相続分の割合に応じて相続債務をすべて承継することになる。 but 上記遺言による相続債務についての相続分の指定は・・・・相続債権者に対してはその効力が及ばない⇒各相続人に対し、指定相続分に応じた相続債務の履行を請求することは妨げられない。 遺留分の侵害額は、確定された遺留分算定の基礎となる財産額に民法1028条所定の遺留分の割合を乗じるなどして算定された遺留分の額から、遺留分権利者が相続によって得た財産の額を控除し、同人が負担すべき相続債務の額を加算して算定すべきものであり、その算定は、、相続人間において、遺留分権利者の手元に最終的に取り戻すべき遺産の数額を算出するものというべき。 ⇒相続人のうち1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされ、当該相続人が相続債務もすべて承継したと解される場合、遺留分の侵害額の算定においては、遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない。 遺留分権利者が相続債権者から相続債務について法定相続分に応じた履行を求められ、これに応じた場合も、履行した相続債務の額を遺留分の額に加算することはできず、相続債務をすべて承継した相続人に対して求償し得るにとどまる。 |
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★第4章 紛争の解決方法 | ||
◆ | ◆第1 協議により紛争を解決する | |
◆ | ◆第2 調停により紛争を解決する | |
◆ | ◆第3 訴訟により紛争を解決する | |
★第5章 現物返還・価額弁償の受領 | ||
◆ | ◆第1 現物返還を受領する | |
◆ | ◆第2 価額弁償を受領する | |
◆ | ◆第3 現物返還・価額弁償受領後の税務処理を行う | |
A:相続税申告前に減殺請求がなされた場合 申告期限までに現物返還等が 確定⇒減殺請求の結果に従って相続税の申告・納付 未確定⇒減殺請求がなかったものとして相続税の申告・納付 |
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B:相続税申告後に減殺請求がなされた場合: 受遺者等⇒更正の請求 遺留分権利者⇒期限確定後・修正申告と相続税の納付 |
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★第6章 遺留分の放棄 | ||
★第7章 遺留分に関する民法の特例 | ||