シンプラル法律事務所
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憲法(芦部信喜)

★★第一部 総論
★T 割賦販売法の全体像  
  ◆1 制定の経緯
  ◆2 制定後の法改正の経緯と概要
     
     
     
     
★★第二部 基本的人権  
     
     
     
     
     
★第11章 人身の自由  
  ◆一 基本原則 
   
     
  ◇2 適正手続 
  ■(一)憲法31条の意義 
    第三一条[法定手続の保障]
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない

人身の自由についての基本原則を定めた規定であり、アメリカ合衆国憲法の人権宣言の1つの柱とも言われる「法の適正な手続」(due process of law)を定める条項に由来。
修正14条「・・・いかなる週も、法の適正な手続によらないで、何人からも生命、自由または財産をうばってはならない。」
    公権力を手続的に拘束し、人権を手続的に保障していこうとする思想。
「自由の歴史は大部分手続的保障の歴史であった」
    31条:
@法律で定められた手続が適正でなければならないこと(たとえば、次に述べる告知と聴聞の手続)
A実体もまた法律で定められなければならないこと(罪刑法的主義)
B法律で定められたjひったい規定も適正でなければならないこと
を意味する。
    適正の具体的内容:
憲法33条〜39条に詳細に規定
but
告知と聴聞を受ける権利は、31条で保障される。
実体の適正:
法律の「規定の明確性」の原則(犯罪構成要件の明確性、表現の自由を規制する立法の明確性)
「規制内容の合理性」の原則
「罪刑の均衡」の原則
「不当な差別の禁止」の原則
  ■(二) 告知と聴聞 
    「告知と聴聞」:
公権力が国民に刑罰その他の不利益を科す場合には、当事者にあらかじめその内容を告知し、当事者に弁解と防御の機会を与えなければならない。
    最高裁:
貨物の密輸を企てた被告人が有罪判決を受けた際に、その付加刑として、密輸にかかる貨物の没収判決を受けたが、この貨物には被告人以外の第三者の所有する貨物がまじっていた。
⇒被告人は、所有者たる第三者に財産権擁護の機会を与えないで没収することは違憲であると主張。
このような第三者の権利侵害を援用する違憲の主張に適格性を認めて、「所有物を没収させられる第三者についても、告知、弁解、防御の機会を与えることが必要であ」る。
その機会を与えないでした没収判決は憲法31条、29条に違反する。
     
  ■(三)31条と行政手続 
    31条:直接には刑事手続についての規定。
but
その趣旨は、行政手続(税務調査などの行政調査のための事業所等への立入り、少年法による保護処分、(旧)伝染病予防法による強制収容など広く行絵師供壊死といわれる手続)にも準用される。
    判例:1970年第に、憲法35条、38条に関するかぎり、それが行政手続に及ぶことを原則的に認めた。
1992年の成田新法事件:
行政手続きが刑事手続きでないとの理由のみで、当然に31条の保障の枠外にあると判断すべきではない。
but
同条の保障が及ぶと解すべき場合でも、行政手続は刑事手続と性質が異なるし、多種多様

事前の告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、行政処分により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、行政処分によって達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合衡量して決定され、常にかなずそのような機会を与えることを必要とするものではない。
そういう条件つきで31状の行政手続への適用ないし準用を真正面から認めた。