シンプラル法律事務所
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民事保全の実務


★★第1章 総論
☆7 民事保全手続における疎明(実務3版上p29)
規定   民事保全法 第13条(申立て及び疎明)
保全命令の申立ては、その趣旨並びに保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性を明らかにして、これをしなければならない。
2 保全すべき権利又は権利関係及び保全の必要性は、疎明しなければならない。
■    ■疎明による立証
被保全権利及び保全の必要性の立証は、その迅速性、暫定性から、任意的である口頭弁論を開くと否とにかかわらず、疎明で足りる。
保全命令に対する不服申立手続である保全異議、保全取消し及び保全抗告においても、
被保全権利及び保全の必要性の存否は疎明により判断される。

保全執行の停止の裁判等における保全命令の取消しの原因となることが明らかな事情及び保全執行により償うことができない損害を生ずるおそれの判断も疎明による。(法27@、38A、39A、42@)
■    ■疎明の意義 
証明:裁判官が事実の存否について十分な確信を得た状態又はこの確信を得させようとして証拠を提出する当事者の努力をいい、それは合理的な疑いを容れることができないほど高度の蓋然性のあるものでなければならない。
疎明:証明に比し、確信の程度に至らず、一応確からしいとの推測を得た状態又はこの推測を得させようとして証拠を提出する当事者の努力(いわば優越的蓋然性)。
仮の地位を定める仮処分において双方審尋をしてこれを発する場合の疎明の程度

これを行わないで仮差押えや係争物に関する仮処分を発する場合のそれよりは高度であり、通常の民事訴訟の請求認容の場合の心証の程度と大差がないと思われる。

双方審尋をしてこれを発する仮の地位を定める仮処分は、その執行により本案訴訟の確定前に強制執行がされたのと同様な結果を生ずる等債務者に決定的なダメージを与えることが多く、その仮処分の性質に照らして、高度の疎明を求める実務の運用は相当。
■    ■疎明の対象と疎明責任 
疎明の対象:被保全権利及び保全の必要性を基礎付ける具体的事実。
被保全権利の関係で債権者が疎明すべきは、原則として、本案訴訟において債権者が立証責任を負担する事実。
本案訴訟と異なり債務者審尋を行わない事件について、抗弁に相当する事実に対する反対主張や疎明をどの程度債権者に求めるか?
事案によっては、消滅時効等の抗弁事実が記録上認められるか、当然に予想される場合がある
⇒抗弁事実に相当する事実を揺るがす程度の疎明ないしは再抗弁に相当する事実の疎明がなければ、被保全権利についての疎明があったとすることはできないというべき。
  ■疎明の即時性
  ■疎明代用保証・宣誓の不許 
     
★★第2章 保全命令の申立てについての手続き
★第1節 申立て  
     
     
★第2節 審理  
     
     
☆30 仮の地位を定める仮処分命令 
■    ■法23条4項本文の趣旨 
規定 民事保全法 第23条(仮処分命令の必要性等) 
係争物に関する仮処分命令は、その現状の変更により、債権者が権利を実行することができなくなるおそれがあるとき、又は権利を実行するのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに発することができる。
2 仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるためこれを必要とするときに発することができる。
3 第二十条第二項の規定は、仮処分命令について準用する。
4 第二項の仮処分命令は、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない。ただし、その期日を経ることにより仮処分命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、この限りでない。
  仮処分命令ののうち
係争物に関する仮処分命令:金銭債権以外の特定物の給付請求権について、将来の権利執行を保全するために発せられる(法23@)
仮の地位を定める仮処分命令:争いがある権利関係について、本案確定までの間の暫定的な法律状態を形成することにより、債権者に生ずる著しい損害又は急迫の危険を避けるために発せられる
仮の地位を定める仮処分命令は、原則として、口頭弁論又は債務者が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、これを発することができない(法23C)

@暫定的な法律状態を形成するという性質上、仮の地位を定める仮処分は、債務者に極めて大きな影響を与える一方、
Aその申立の内容が債務者に知られたとしても、目的を達し得なくなるおそれは少ない
と考えられる。
実務的には、口頭弁論が開かれるのは極めて例外的な場合であり、ほとんどの事例においては、審尋の手続によって審理が進められる。
   
■    ■仮の地位を定める仮処分の類型 
「争いがある権利関係」について、債権者に著しい損害が生じ、あるいは危険が急迫している場合に認められるもの。

被保全権利は、金銭債権や特定物の給付請求権のような「権利」に限定されず、権利の不存在確認を求め得る地位のような「権利関係」も被保全権利となり得る。
ア:通常民事事件を本案とするもの
@不動産明渡しの断行の仮処分、自動車引渡しの断行の仮処分
A金員仮払いの断行の仮処分
B占有移転禁止の仮処分で債務者使用を許さないもの
C立入禁止、建築工事禁止、営業禁止、面談強要禁止、街宣活動禁止、貸金取立禁止、ストーカー行為禁止等の不作を命ずる仮処分(禁止命令)
D占有使用妨害禁止、建築妨害禁止、営業妨害禁止、通行妨害禁止等の不作為を命ずる仮処分
E出版又は放送の差止めを求める仮処分、インターネット上の書込みの削除や発信者情報の保存を求める仮処分
F地位保全の仮処分、継続的供給契約に関する仮処分

イ:労働事件を本案とするもの
従業員としての地位保全、賃金仮払いの仮処分など

ウ:商事事件を本案とするもの
株主の議決権行使差止めの仮処分、取締役の職務執行停止・代行者選任の仮処分など

エ:知財事件を本案とするもの
特許権に基づく製造、販売等禁止の仮処分、著作権に基づく複製禁止の仮処分など

アBについては、仮処分の性質としては、将来の権利執行の保全を目的とする係争物に関する仮処分であると解すべきであるが、暫定的に債務者の占有を排除する点で、仮の地位を定める仮処分としての性質をも有し、債務者に与える影響も小さくないと解されることから、法23条4項を適用するのが実務の取扱い。
     
★第3節 裁判等の終了原因  
     
 仮処分命令決定の記載事項 (実務3版上p148)
規定   民事保全法 第3条(任意的口頭弁論)
民事保全の手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
 民事保全法 第16条(決定の理由)
保全命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。
民事保全規則 第9条(決定書の作成)
第一条第一号から第五号までに掲げる申立てについての決定は、決定書を作成してしなければならない。
2 前項の決定書には、次に掲げる事項を記載し、裁判官が記名押印しなければならない。
一 事件の表示
二 当事者の氏名又は名称及び代理人の氏名
三 保全命令を発する場合にあっては、当事者の住所
四 担保額及び担保提供方法
五 主文
六 理由又は理由の要旨
七 決定の年月日
八 裁判所の表示
3 第一項の決定の理由においては、主要な争点及びこれに対する判断を示さなければならない。
4 第一項の決定の理由においては、口頭弁論又は債務者の審尋を経ないで保全命令を発する場合を除き、保全命令の申立書その他の当事者の主張を記載した書面(以下「主張書面」という。)を引用することができる。
  ■概説
現行法は、民事保全の手続に関する裁判はすべて決定の方式をもっている、いわゆるオール決定主義を採用。
 
決定については、その性質に反しない限り、判決に関する規定が準用される(民訴122条)。
民訴法 第122条(判決に関する規定の準用)
決定及び命令には、その性質に反しない限り、判決に関する規定を準用する
     
     
★★第3章 各種保全命令の申立て
★第1節 仮差押えの申立て  
     
     
★第2節 仮処分命令の申立て  
     
     
     
     
☆77 競売手続禁止の仮処分(実務3版上p354)
    確定判決又はこれと同一の効力を有する債務名義に基づく強制執行を停止する旨の仮処分命令を求めることはできないが
抵当権の実行としての競売手続を停止し、又はその実行を禁止する旨の仮処分命令を求めることはできる。
  ■強制執行の停止 
民執法に規定された強制執行停止のための仮の処分は、債務名義の執行力又は具体的執行処分に対する異議の訴えに関し、それらの訴えが法律上理由があるとみえ、かつ事実上の点についての疎明があったときに許される特別な仮の措置
⇒これら以外の方法によって強制執行を停止することは許されない。(通説・判例)

これを現行法の観点からいえば、他に特別な救済方法がある場合には、保全の必要性ないしは権利保護の必要性を欠き、民事保全の申立ては許されない。
  ■抵当権の実行としての競売手続の停止 
  ●(1) 仮処分の許否 
抵当権設定者が、抵当権ないしは被担保債権の存在を争って、抵当権の実行禁止又は競売手続停止を求める方法について
民執法制定前において
A:請求異議準用説
B:第三者異議説
C:執行方法異議・即時抗告説
D:調停利用説
E:一般仮処分説
が対立。
実務上は、古くから、Eの一般仮処分による抵当権の実行禁止又は競売手続の停止が行われていた。
民執法では、
任意競売においては、元来、債務名義が存在しない
⇒強制競売の規定を任意競売に準用する194条において、請求異議の訴えに関する同法35条の準用が除外されたが、
第三者意義の訴え(民執38条)の準用を認め、また、
担保不動産競売開始決定に対し、担保権の不存在又は消滅を理由として執行抗告又は執行異議の申立てをなすことを認めた(民執182条)。
また、民執法は、債務名義が存在せず、請求異議の訴えが利用できない⇒競売手続き外の判決手続により抵当権不存在確認請求又は抵当権抹消登記手続請求等がなされることを予定(民執法183条1@A)、また、同様に、抵当権の実行を禁止する仮処分により不動産競売手続を停止すべきことを予定している(民執法183条1F)。
     
     
★第3節 DV防止法に基づく保護命令手続  
     
     
★★第4章 保全命令の担保  
★第1節 担保の提供  
     
     
★第2節 担保の変換  
     
★第3節 担保権利者の権利行使  
     
★第4節 担保の取消し、取戻し  
     
★★第5章  保全命令に対する不服申立てについての手続
★第1節 申立て  
☆103 保全命令に対する不服申立(実務3版下p72)
  ■はじめに
保全命令の相手方すなわち債務者のための不服申立方法としては、
@保全異議の申立てとA保全取消しの申立てがある。
保全異議の申立て:保全命令の当否について再審査を求めるもの
その審理の対象は、保全命令申立ての当否、すなわち、被保全権利の存否や保全の必要性の有無。
保全取消しの申立て:保全命令の存続の当否について審理を求めるものであり、
審理の対象は、保全命令発令後に生じた取消原因の存否。
     
     
★第2節 審理  
     
★第3節 裁判  
     
☆119 保全異議等の裁判の理由(実務3版下p142)  
■    ■「理由」の記載の必要性 
規定 民事保全法 第16条(決定の理由)
保全命令の申立てについての決定には、理由を付さなければならない。ただし、口頭弁論を経ないで決定をする場合には、理由の要旨を示せば足りる。
民事保全法 第29条(保全異議の審理)
裁判所は、口頭弁論又は当事者双方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければ、保全異議の申立てについての決定をすることができない。
民事保全法 第31条(審理の終結)
裁判所は、審理を終結するには、相当の猶予期間を置いて、審理を終結する日を決定しなければならない。ただし、口頭弁論又は当事者双方が立ち会うことができる審尋の期日においては、直ちに審理を終結する旨を宣言することができる。
  保全異議、保全取消しの申立て及び保全抗告についての決定には、法16条本文の規定が準用⇒上記決定においては「理由」の記載が必要で、「理由の要旨」では足りない。
現行法では、保全異議の申立て等に対する裁判の形式も決定となったが、保全異議等の審理が保全命令の段階より慎重で、かつ、当事者、ことに債務者の手続的保証に厚いもの(法29条、31条)

このような審理の結果を示すべき決定においても、「理由」を付すことを要求し、不服申立てについての裁判としての実質を確保しようとした。
■    ■理由の構成及び記載内容 
規定 民事保全規則 第9条(決定書の作成)
第一条第一号から第五号までに掲げる申立てについての決定は、決定書を作成してしなければならない。
2 前項の決定書には、次に掲げる事項を記載し、裁判官が記名押印しなければならない。
一 事件の表示
二 当事者の氏名又は名称及び代理人の氏名
三 保全命令を発する場合にあっては、当事者の住所
四 担保額及び担保提供方法
五 主文
六 理由又は理由の要旨
七 決定の年月日
八 裁判所の表示
3 第一項の決定の理由においては、主要な争点及びこれに対する判断を示さなければならない。
4 第一項の決定の理由においては、口頭弁論又は債務者の審尋を経ないで保全命令を発する場合を除き、保全命令の申立書その他の当事者の主張を記載した書面(以下「主張書面」という。)を引用することができる。
   
     
 ★★ 第6章 保全執行の手続(第3版下、p156)
★第1節 総論  
     
★第2節 仮差押えの執行  
     
     
★第3節 仮処分の執行 (第3版下、p243)
☆142 占有移転禁止の仮処分の執行方法p243
  ■1 占有移転禁止の仮処分の執行方法 
     
  ■2  占有移転禁止の仮処分における公示の意味
     
  ■3 公示の具体的方法 
     
★★第7章 登記嘱託手続  
     
     
     
     
★★第8章 保全執行の効力
     
☆164 占有移転禁止仮処分の効力
■    ■1 仮処分の効力の及ぶ人的範囲 
債務名義の債務者以外の第三者が目的物を占有

その者が、本案訴訟の口頭弁論終結後に債務者から占有を承継
⇒本案の判決の効力が及ぶ。
but
@本案訴訟の口頭弁論終結前に債務者から占有を承継していたか、あるいは
A債務者からの承継によらずに占有を取得(口頭弁論終結の前後は問わない)
⇒原則として、本案判決の効力は及ばない。
この場合、債権者は、
A:あらかじめ第三者に対し、訴訟を引き受けさせるか(民訴50条。債務者から占有を承継したときに限られる。)あるいは
B:その者を相手に訴訟を提起し直さなければならない。
民訴法 第50条(義務承継人の訴訟引受け)
訴訟の係属中第三者がその訴訟の目的である義務の全部又は一部を承継したときは、裁判所は、当事者の申立てにより、決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。
2 裁判所は、前項の決定をする場合には、当事者及び第三者を審尋しなければならない。
3 第四十一条第一項及び第三項並びに前二条の規定は、第一項の規定により訴訟を引き受けさせる決定があった場合について準用する。
民事保全法 第62条(占有移転禁止の仮処分命令の効力)
占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたときは、債権者は、本案の債務名義に基づき、次に掲げる者に対し、係争物の引渡し又は明渡しの強制執行をすることができる。
一 当該占有移転禁止の仮処分命令の執行がされたことを知って当該係争物を占有した者
二 当該占有移転禁止の仮処分命令の執行後にその執行がされたことを知らないで当該係争物について債務者の占有を承継した者
2 占有移転禁止の仮処分命令の執行後に当該係争物を占有した者は、その執行がされたことを知って占有したものと推定する
占有移転禁止の仮処分命令

新占有者(法62@に規定されている仮処分の執行後の占有者)に対し、
新占有者が仮処分債権者の占有を承継した者(仮処分の執行がなされたことについて善意、悪意を問わない)あるいは
仮処分債務者からの承継によらず占有を取得した者(「非承継者」)で仮処分の執行がなされたことについて悪意の者であった場合に、
債権者は、本案の勝訴判決に基づいて強制執行をすることができる。

民事執行法23条1項3号の例外規定として執行力の及ぶ人的範囲を拡張。
民事執行法 第23条(強制執行をすることができる者の範囲)
執行証書以外の債務名義による強制執行は、次に掲げる者に対し、又はその者のためにすることができる。
一 債務名義に表示された当事者
二 債務名義に表示された当事者が他人のために当事者となつた場合のその他人
三 前二号に掲げる者の債務名義成立後の承継人(前条第一号、第二号又は第六号に掲げる債務名義にあつては口頭弁論終結後の承継人、同条第三号の二に掲げる債務名義又は同条第七号に掲げる債務名義のうち損害賠償命令に係るものにあつては審理終結後の承継人)
  ■2 新占有者に対し執行を行う方法 
   
     
☆169 仮処分の執行と本案訴訟への影響  
  Q 建物引渡訴訟の係属中、原告が被告に対する当該建物引渡しの満足的仮処分命令を得て執行し、その建物を取り壊した⇒本案訴訟への影響?
  A 建物が取り壊されたことは、それが実質において仮処分の執行の一部をなすといってもよいような特別の事情がある場合を除いては、本案訴訟において斟酌され、建物滅失を理由に請求が棄却される。
原告が請求の内容を損害賠償債務不存在確認又は不当利得返還債務不存在確認に変更⇒当該債務の存否について判断される。 
  ■1 問題の所在 
     
  ■2 仮執行の場合の考え方 
  □(1) 仮執行自体により生じた履行状態の本案に対する影響
    本案の審理においては、仮執行による履行の満足を斟酌すべきではない。
  □(2) 仮執行による履行状態の継続中に事実状態が変動した場合の本案に対する影響 
     
  ■3 満足的仮処分の執行による場合 
  □(1) 仮処分の暫定性とその効力 
    民事保全手続は、本案によって権利関係が確定されるまでの間の法律状態を規制するものであり、権利関係を終局的に確定するものではなく、その決定は既判力を有しない。

@保全命令手続における判断は本案訴訟に対し何らの拘束力を有しない
A本案訴訟においては、保全命令及びその執行により生じた法律状態を顧慮しないで判断がなされ、
B保全命令及びその執行によっては最終的な満足には至らない 
  □(2) 満足的仮処分の執行により生じた履行状態の本案に対する影響 
    満足的仮処分の執行によって被保全権利が実現されたのと同様の状態が事実上達成されているとしても、それは仮のものにすぎない
⇒この仮の履行状態の実現は、本案訴訟において斟酌される筋合いのものではない。
  □(3) 満足的仮処分執行後の事実状態の変動の本案に対する影響 
     
   
    満足的仮処分による執行は、仮執行のように、本案の確定判決の先行的執行という性質をもつものではない⇒本案判決確定前に生じた権利の消滅原因を確定後に生じたものと擬制することはできない。

満足的仮処分の執行後の事実状態の変動については、最終事実審の口頭弁論終結時に存在しないものと擬制するこてゃできない。