シンプラル法律事務所
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★令和元年会社法改正 | |||||||
☆T 概要 | |||||||
◆ | ◆T 株主総会に関する改正 | ||||||
◇ | ◇1.株主総会資料の電子提供制度の創設 | ||||||
株主総会資料を書面で通知する必要がなくなり、 ホームページ等による電子提供が義務付けられる |
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現行:株主総会の2週間前まで⇒3週間前まで | |||||||
〜印刷コスト等の削減、早期開示等による株主との対話充実 | |||||||
◇ | ◇2.株主提案権の濫用的な行使を制限するための措置の整備 | ||||||
株主が同一の株主総会において提出することができる議案数の上限10 〜権利濫用の防止 |
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◆ | ◆U 取締役等に関する改正 | ||||||
◇ | ◇1.取締役の報酬に関する規律の見直し | ||||||
取締役の個人別の報酬等の決定方針を決定 事業報告で一定事項を開示 |
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報酬としての株式の無償発行や、いわゆる0円ストック・オプションも可能。 but 株主総会等において、その数の上限を決議。 事業報告で一定事項を開示。 |
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〜役員報酬の客観性・透明性確保、適切なインセンティブの付与。 | |||||||
◇ | ◇2.会社補償及び役員のために締結される保険契約に関する規律の整備 | ||||||
役員責任追及に係る訴訟費用や第三者に対する賠償責任額について、会社が保障する契約を締結締結するための手続や補償範囲が明確に。 事業報告で一定の事項を開示することの義務付け。 |
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会社が役員を被保険者とする役員等賠償責任保険(D&O保険)に加入する場合の手続が明確に。 事業報告で一定の事項を開示することの義務付け。 |
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〜適切なインセンティブの付与、手続きの明文化。 | |||||||
◇ | ◇3.社外取締役の活用等 | ||||||
会社と取締役殿利益が相反する場合等、取締役会の決議によって、会社の業務を執行することを社外取締役に委託可能。 | |||||||
社外取締役の1名設置の義務付け。 | |||||||
〜社外取締役の有効活用、信頼される資本市場の環境整備。 | |||||||
◆ | ◆V その他の改正 | ||||||
社債発行で社債管理者を定めることを要しない⇒権限や裁量が限定された社債管理補助者を定め、社債の管理補助を委託できる。 | |||||||
会社(買収会社)がその自己株式を対価とする手法により円滑に他の会社(被買収会社)を子会社とすることができる(株式交付制度の創設)。 100%完全親会社になる必要がない点等⇒株式交換制度と異なる。 |
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株主が議決権行使書面の閲覧等の請求⇒請求の理由を明らかにすることが義務付けられ、会社側の拒絶事由が明確に。 | |||||||
会社が、役員の責任を追及する訴えに係る訴訟において和解⇒各監査役の同意を得ることの義務付け。 | |||||||
新株予約権に関する登記について、募集新株予約権の払込金額の算定方法を定めた場合、登記申請時までに払込金額が確定⇒詳細な算定方法ではなく、払込金額を登記すればよい。 | |||||||
会社の支店の所在地における登記の廃止。 | |||||||
成年被後見人であっても、取締役等に就任することができる。 | |||||||
◆ | ◆W 改正に関するスケジュール | ||||||
◇ | ◇全般 | ||||||
2019年12月11日: 改正会社法公布 2021年3月1日(公布から1年6か月以内に施行): 原則施行予定 改正会社法施行規則等法務省令施行予定 2022年度中(公布から3年6か月以内に施行): 株主総会資料電子提供制度/会社の支店の所在地における登記の廃止について 施行予定 施行日から6か月経過後を開催日とする株主総会から6か月経過後を開催日とする株主総会から適用 |
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◇ | ◇電子提供制度FAQ | ||||||
● | ●電子提供みなし定款変更⇒株主総会決議がなくても定款に記載できる? | ||||||
できる but 実務では株主総会決議を行っておくことが考えられる。 書面交付請求の対象外とする書類を定める定款変更(「書面交付外定款変更」)は株主総会決議が必要。 |
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● | ●書面交付外定款変更の時期? | ||||||
電子提供制度が適用される株主総会の前の株主総会で決議。 | |||||||
● | ●登記? | ||||||
電子提供みなし定款変更⇒施行日から6か月を経過する日までの間に登記申請する必要 書面交付外定款変更⇒登記申請不要 |
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※ | ※対応例:2022年4月1日施行の場合 3月決算会社: 2022年6月の定時株主総会で電子提供・書面交付外定款変更決議。 登記申請は、同総会決議に基づく他の登記と合わせて行う。 2023年6月総会適用開始。 |
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☆U 改正会社法施行に伴い決定が必要なもの | |||||||
◆ | ◆1 報酬方針の決定 | ||||||
施行日までに、 「取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針」 を取締役会で決議。 |
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報酬等の決定方針: 会社法施行規則案98条の5: @取締役の個人別の報酬等(ABを除く⇒固定報酬)の額又は算定方法の決定方針 A業務連動報酬⇒業務指標の内容、業務連動報酬等の額又は数の算定方法の決定方針 B非金銭報酬等⇒非金銭報酬等の内容、非金銭報酬等の額若しくは数又は算定方式の決定方針 C固定報酬等(@)、業績連動報酬等(A)又は非金銭報酬等(B)の額の取締役の個人別の報酬等の額(全体)に対する割合の決定方針 D取締役に対し報酬等を与える時期又は条件の決定方針 E取締役の個人別の報酬等の内容についての決定の全部又は一部を取締役(社長等)に委任するときは、当該取締役(社長等)の氏名又は地位若しくは担当、委任する権限の内容、当該権限が適切に行使されるようにするための措置を講ずるときは、その内容 F取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方法(Eを除く。) Gその他個人別の報酬等についての決定に関する重要な事項 |
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◆ | ◆2 補償契約に関する決議 | ||||||
◇ | ◇補償契約の内容を取締役会で決議。 | ||||||
対応事項:補償契約の内容を取締役会で決議 対象会社:役員等(=取締役、監査役、執行役、会計監査人または会計参与)と補償契約を締結又は更新する会社 対応時期:施行日以降に補償契約を締結・更新するとき |
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◇ | ◇補償契約: 株式会社が、役員等に対し@費用、A損失の全部/一部を補償することを約する契約 |
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@費用(防御費用) 補償対象: 留意点: ・刑事手続きや行政手続における費用も対象 ・通常要する費用の額を超える部分は対象外 ・Aとは異なり、会社に対する責任追及を受けた場合(株主代表訴訟など)の防御費用も対象 ・Aとは異なり、職務を行うにつき悪意/重過失があったとしても対象(ただし図利加害目的あり⇒会社による返還請求がみとめられる) |
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A損失 補償対象: 留意点: ・罰金や課徴金は対象外 ・会社が当該損害を補償することで役員等が任務懈怠責任を負う場合(ex.会社と役員等が連帯して賠償責任を負う場合)は対象外 ・会社に対する責任追及を受けた場合(株主代表訴訟など)の賠償金は対象外 ・職務を行うにつき悪意/重過失があった場合は対象外⇒会社法429条1項に定める賠償責任は対象外。 |
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◇ | ◇取締役会決議への付議内容 | ||||||
・取締役会の付議基準に補償契約に関する事項を追加 補償契約の内容の決定を代表取締役等に対し委任することはできない |
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補償契約の相手方: 代表取締役や業務執行役員も可 |
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補償契約の内容: ・法の範囲内であれば会社独自に設定可能⇒事業報告での開示を見据えて対応 ・当該補償契約によって当該役員の職務の適正性が損なわれないようにするための措置を講じるか ex. 保証の限度額を設ける 悪意/重過失がある場合等に補償した防御費用の返還請求ができる旨を規定 会社による会社役員の責任追及の場合は防御費用の補償を行わない |
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◇ | ◇あらかじめ検討するポイント | ||||||
補償実行の条件の設定: ・要件充足について: ex. @確定判決等で確認 A取締役会の認定 B弁護士の意見書 ・判決で軽過失か重過失か認定されない場合や役員等が第三者と和解 ex. 取締役会又は社外取締役が委員の過半数を占める特別な委員会がその点についての認定を行うこととし、役員等が善意かつ軽過失であったことを認定することを条件として損失の補償をする旨を規定 |
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◇ | ◇取締役会決議(補償契約の締結・補償実行) | ||||||
● | ●決議時、議事録作成時 | ||||||
利益相反取引規制は適用されない 補償契約の相手方である取締役は、当該決議について「特別の利害関係」を有する⇒議決に加わることができない。 |
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● | ●補償実行時の対応 | ||||||
・補償契約に基づき補償する旨の決定が「重要な業務執行の決定」にあたる場合⇒改めて取締役会決議が必要。 ・補償実行後、補償を実行し又は受けた取締役や執行役⇒遅滞なく、当該補償についての重要な事実を取締役会に報告 |
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◆ | ◆3 D&O保険に関する決議 | ||||||
◇ | ◇保険契約の内容を取締役会で決議。 | ||||||
対応事項:役員等賠償責任保険契約の内容を取締役会で決議 対象会社:保険者と役員等賠償責任保険契約を締結又は更新する会社 対応時期:施行日以降に保険契約を締結・更新するとき |
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◇ | ◇役員等賠償責任保険契約の内容 | ||||||
会社が保険会社との間で、 役員等がその職務の執行に関して責任を負うことまたは当該責任の追求に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を填補することを約する保険契約であって、 役員等を被保険者とするもの。 |
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以下の保険は対象外(施行規則115条の2による適用除外): @被保険者に自社を含む保険契約であって、自社が業務に関連して第三者に賠償責任を負う事等による、自社に生ずる損害を保険会社が填補することを主目的とするもの ex.生産物賠償責任保険(PL保険)、企業総合賠償責任保険(CGL保険)等 A役員等が第三者に対する賠償責任(職務上の義務違反や職務懈怠によるものを除く。)を負うこと等による当該役員等に生ずる損害を保険会社が填補することを目的とするもの。 ex.自動車賠償責任保険、海外旅行保険等 |
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◇ | ◇取締役会決議への付議内容 | ||||||
・取締役会の付議基準に役員等賠償責任保険契約(株主代表訴訟担保特約部分の保険料が役員負担であるか否かに関わらず)に関する事項を追加 補償契約の内容の決定を代表取締役等に対し委任することはできない |
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・保険契約の内容: 保険契約、被保険者、保険料、保険金の支払事由、支払限度額、保険金により填補される損害の範囲、保険会社の主な免責事由、主な特約事項等 |
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・子会社の役員を被保険者とするか、その場合に被保険者を子会社負担とするか | |||||||
◇ | ◇取締役会決議のポイント | ||||||
利益相反取引規制は適用されない 被保険者である取締役は、当該決議について「特別の利害関係」を有する⇒議決に加わることができない。 but 取締役の全員を被保険者とするD&O保険で、全員が共通の利害関係を有している⇒全員が議決に加わることができる。 |
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D&O保険更新時: 改正法の施行前に更新⇒適用無し 施行後に更新⇒改めて決議が必要 |
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☆V 株主総会で対応が必要なもの | |||||||
◆ | ◆1 株主総会参考書類の記載充実 | ||||||
◇ | ◇(1) 会社役員等の選任24 | ||||||
■ | @補償契約/D&O保険に関する規律 A社外取締役の重要性の増加 B少数株主保護 ⇒会社役員等の選任に際して記載すべき事項が拡充される。 |
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■ | 補償契約/D&O保険: 当該役員等の候補者との間に締結している又は締結予定である補償契約及び役員等賠償責任保険がある会社は、その契約の内容の概要を記載。 |
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社外取締役の役割期待: 社外取締役候補者が社外取締役に選任された場合に果たすことが期待される役割の概要を記載。 |
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特定関係事業者等との関係: 過去10年間に親会社等又は特定関係事業者の業務執行者若しくは役員であったことがある社外取締役候補者を選任⇒その旨を記載 (過去5年間⇒過去10年間へ拡大) |
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親会社等との関係: 会社が他の者の子会社等⇒過去10年間に当該他の者の業務執行者であったことがある役員候補者を選任するときは、当該他の者における地位及び担当を記載 (過去5年間⇒過去10年間へ拡大) |
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■ | 記載例26 | ||||||
◇ | ◇(2) 取締役の報酬としての募集株式の発行 | ||||||
■ | ■株式報酬に関する規律を整備し、株式報酬導入時の決議事項を明確化 | ||||||
現行法上の課題: @非金銭報酬を付与する場合、その「具体的な内容」を定めなければならない but 具体的な内容として財産上の利益をどこまで特定しなければならないか不明確 A株式の発行には、必ず財産の出資が必要⇒実務上、株式等を報酬として交付する場合は、報酬として金銭を付与したうえで当該金銭を払込みに充てるテクニカルな取扱いがされていた。 B新株予約権の行使には、必ず財産の出資が必要⇒行使に際しては1円以上の金銭の払込みが必要(いわゆる1円ストックオプション) |
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改正後: 取締役に株式報酬・ストックオプションを付与する場合の株主総会決議事項を正面から規定 株式の無償発効・いわゆる0円ストックオプションの発行を許容 |
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■ | ■株式報酬議案は、募集株式の数の上限等を記載し決議 | ||||||
取締役の報酬としての募集株式の発行(現物出資): @新たに株式報酬制度を導入する会社 A既に株式報酬制度を導入していて、改正会社法に定める事項を決議していない会社 ⇒施行日以後に開催する株主総会で対応 B既に株式報酬制度を導入していて、改正会社法に定める事項を決議してる会社 ⇒株式報酬制度の内容を変更する株主総会で対応 |
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取締役の報酬としての募集株式の発行(無償発行): 導入する会社は、施行日以後に開催する株主総会で対応 |
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■ | ■決議すべき事項 | ||||||
取締役の報酬としての募集株式の発行(現物出資): @募集株式の数の上限 A一定の事由が生じるまで、株式に譲渡制限を付す場合⇒その旨及び一定の事由の概要 B一定の事由を条件として、株式を会社が無償取得する場合⇒その旨及び一定の事由の概要 C上記以外に、取締役に対して株式と引換えにする払込みに充てるための金銭を交付する条件又は取締役に対して株式を割り当てる条件を規定⇒その条件の概要 |
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取締役の報酬としての募集株式の発行(無償発行): @〜B:同上 C上記以外に株式を割り当てる条件を規定⇒その条件の概要 |
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◇ | ◇(3) 取締役の報酬としての募集新株予約権の発行 | ||||||
◇ | ◇(4) 取締役の報酬議案に関する記載・説明 | ||||||
報酬の種類に関わらず、相当とする理由を記載し、株主総会で説明。 | |||||||
その内容を相当とする理由を説明しなければならない対象: 現行法:不確定報酬、非金銭報酬 改正法:確定報酬、不確定報酬、非金銭報酬(株式報酬・新株予約権など) |
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報酬の内容を相当とする理由には、予定する報酬の決定方針の説明が含まれると考えられる。 | |||||||
◆ | ◆2 事業報告の記載充実 | ||||||
◇ | ◇(1) 全体概観 | ||||||
重要な親会社及び子会社の状況: 親会社との間の重要な契約等がある場合にその記載 |
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会社の株式に関する事項: 役員報酬としての株式交付に関する規定が整備⇒報酬として交付した株式に関する記載 |
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会社の新株予約権等に関する事項: 役員報酬としての新株予約権等の交付に関する規定が整備⇒新株予約権等についての記載 |
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会社役員に関する事項: 補償契約や役員等賠償責任保険契約に関する規定の新設⇒その記載 インセンティブとして、役員報酬の重要性の高まり⇒役員報酬(特に業績連動報酬・非金銭報酬)の内容及び決定プロセスに関する記載拡充 |
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社外役員に関する事項: 各社外社外取締役に規定する役割に関する記載拡充 |
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会社役員、会計監査人、会計参与に関する事項における補償契約/D&O保険契約の記載: 施行日後に締結する補償契約/D&O保険契約について改正法務省令が適用 その他の記載拡充: 施行日後に末日が到来する事業年度に係る事業報告から改正法務省令が適用 |
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◇ | ◇(2) 重要な親会社及び子会社の状況 | ||||||
親会社との重要な契約等: 親会社との間に当該株式会社の重要な財務及び事業の方針に関する契約等が存在⇒その内容の概要を記載。 |
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◇ | ◇(3) 会社の株式/新株予約権に関する事項 | ||||||
報酬としての株式: 当該事業年度中に会社役員(当該事業年度の末日において存在している者に限る)に対して交付した当該会社の株式がある会社: 以下の区分ごとの当該株式の数及び株式を有する者の人数 @取締役 A社外取締役 B監査等委員である取締役 C取締役(執行役を含む)以外の会社役員 |
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報酬としての新株予約権: | |||||||
◇ | ◇(4) 会社役員に関する事項 | ||||||
補償契約: @ A B C |
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D&O契約: @当該保険者の氏名又は名称 A当該役員等賠償責任保険契約の被保険者の範囲 B当該役員等賠償責任保険契約の内容の概要(以下を含む) ・被保険者が実質的に保険料を負担している場合はその負担割合 ・填補の対象とされる保険事故の概要 ・被保険者である役員等の職務の執行の適正性が損なわれないための措置を講じている場合にはその内容 |
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◇ | ◇(5) 会社役員に関する事項(報酬) | ||||||
取締役の報酬等の決定プロセスの透明化を図り、かつ適切なインセンティブとしての機能を向上させるために記載するべき事項を拡充 | |||||||
報酬等の額: 取締役、監査役、執行役、会計参与ごとの報酬総額・員数について、以下の報酬区分に応じて記載 @業績連動報酬 A非金銭報酬 B上記以外の報酬 業績指標: 報酬等に業績連動報酬が含まれる会社は、以下の事項を記載 @算定の基礎として選定した業績指標(KPI)の内容及び選定理由 A業績連動報酬等の額又は数の算定方法 B@で選定した業績指標の数値 非金銭報酬: 報酬等に非金銭報酬が含まれる会社⇒当該非金銭報酬の内容を記載 |
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決議内容: 会社役員の報酬等に関する定款の定め又は株主総会の決議に関する以下の事項: @定款の定めを設けた日又は株主総会の決議の日 A定めの内容の概要 B定めに係る会社役員の員数 |
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報酬の決定方針: 取締役の個人別の報酬等の決定方針について定めている会社は、以下の事項: @当該方針の決定方法 A当該方針の内容の概要 B当該事業年度に係る取締役(執行役)の個人別の報酬等の内容が、当該方針に沿うものであると取締役会(報酬委員会)が判断した理由 |
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報酬決定の一任: 取締役の個人別の報酬等の内容について、取締役その他第三者が決定したとき、以下の事項: @当該決定した旨 A委任を受けた者の氏名並びに当該内容を決定した日における地位及び担当 B委任された権限の内容 C権限を委任した理由 D権限が適切に行使されるようにするための措置を講じた場合はその内容 |
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◇ | ◇(6) 社外役員に関する事項 | ||||||
主な活動状況: 各社外役員の当該事業年度における主な活動状況について当該社外役員が果たすことが期待される役割に関して行なった職務の概要(施行規則124条4号イ〜ニ以外)を新たに記載 施行規則124条4号イ〜ニ イ:取締役会への出席の状況 ロ:取締役会における発言の状況 ハ:当該社外役員の意見により当該会社の事業の方針等に関する決定がなされたときはその内容 ニ:当該会社において法令又は定款に違反する事実その他不当な業務執行が行なわれた事実あるときは、社外役員が当該事実の発生予防にために行なった行為及び当該事実の発生後の対応として行なった行為の概要 |
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社外取締役を置くことが相当でない理由の記載⇒削除 | |||||||
☆W その他個別に対応が必要なもの | |||||||
◆ | ◆1 社外取締役の活用等 | ||||||
監査役会設置会社(公開会社かつ大会社で、有価証券報告書提出会社に限る)で社外取締役の設置が義務化 | |||||||
利益相反等の場面⇒業務執行の社外取締役への委託が可能 | |||||||
以下の場合には、その都度、取締役会の決議により、業務執行を社外取締役に委託することが可能(社外性を喪失しない) ・株式会社と取締役(執行役を含む)の利益相反が問題となる場合 ・その他取締役(執行役を含む)が業務を執行することにより株主を損なうおそれがある場合 ex.MBO、親子会社間の取引など |
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以下(例示)は、通常は業務執行者の指揮命令系統に属しては行われない行為であり、原則、業務執行にあたらない⇒取締役会の決議による委託は不要。 ・業務執行者から独立した内部通報の窓口となること ・業務執行者から独立した立場で調査を行うため、企業不祥事の内部調査委員会の委員として調査に関わること ・内部統制システムを通じて行なわれる調査等に対して、業務執行者から独立した立場に基づき、指示や指摘をすること ・自らの経験を基に役職員に対するレクチャーを行う等、社内におけるコンプライアンス向上の活動に関与すること ・株主や投資家との対話や面談を行うこと 等 |
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◆ | ◆2 株式交付制度45 | ||||||
◇ | ◇自社株式を対価とした買収等の円滑化を目的に新設。 | ||||||
株式会社が他の株式会社をその子会社(議決権数が過半数であるものに限る)とするため、当該他の株式会社の株式を譲り受け、譲渡人に対してその対価として当該株式j会社の株式を交付すること。 | |||||||
完全子会社とすることを予定していない場合であったも活用できる。 | |||||||
◇ | ◇現物出資規制等が適用されない⇒株式交換と類似 株式を個別に取得⇒株式交換と異なる |
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契約: 株式交付:親会社と譲渡人との個別契約 株式交換:親会社と子会社との株式交換契約 |
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株式の取得: 株式交付:相対取引により個別的に取得 株式交換:子会社の全発行株式を包括的に取得 |
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効果: 株式交付:子会社化 株式交換:完全子会社化 |
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◇ | ◇株式交付親会社についてのみ、株式交換に準じた手続規制あり (部分的株式交換による株式取得) |
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1.株式交付計画策定(取締役会決議): ・事前開示手続(備置開始日から効力発生日と6か月を経過する日まで) ・株式交換による株式の譲受けは公開買付規制の対象にも |
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2.株主総会特別決議: ・効力発生の前日までに (対アkが親会社の純資産の1/5を超えない場合⇒簡易手続あり) ・差損が生ずる場合には株主総会における説明義務 ・反対株主の株式買取請求への対応(簡易手続の場合を除く) |
|||||||
3.債権者異議手続: 法務省令で定めるもののみである場合(譲渡人に対して交付する金銭等(株式を除く)が株式を含む対価の総額の20分の1未満である場合)以外の場合 |
|||||||
4.効力発生日 ・登記(発行済株式総数、資本金の額等の登記事項に変更が生じた場合) ・事後開示手続(効力発生日後6か月を経過する日まで) ・譲受株式が譲渡制限株式である場合、譲渡承認手続が必要 |
|||||||
◇ | ◇留意点 | ||||||
以下の場合には活用できない ・すでに議決権を有している子会社の株式の買増し ・議決権の過半数に届かない(子会社化しない)株式の取得 ・株式交付子会社にしたい対象会社が日本で設立された株式会社でない |
|||||||
税制を踏まえた検討が必要 ・株式交付子会社の株主の株式譲益等に対する課税繰延措置が認められるか否か |
|||||||
◇ | ◇株式交付子会社の株主からの個別の株式取得手続が必要49 | ||||||
@親会社⇒子会社株主:株式交付契約の内容等の通知 ・通知すべき事項 ・総数譲渡し契約を締結する場合には@〜Bは不要 |
|||||||
A子会社株主⇒親会社:子会社株式の譲渡しの申込み ・株式交付計画において定められた期日までに |
|||||||
B親会社⇒子会社株主:子会社株式を譲り受ける者・株式数の決定・通知 ・効力発生日の前日までに譲り受ける株式数を通知 |
|||||||
C子会社株主⇒親会社:子会社株式の給付 ・効力発生日 ・子会社(情状会社の場合)における臨時報告書提出 |
|||||||
◇ | ◇施行規則での整備50 | ||||||
株式交付子会社の範囲 ・議決権数が過半数であるものに限る 株式交付計画の承認議案に関する株主総会参考書類の記載事項 ・株式交付を行う理由、株式交付異計画の内容の概要、株式交付親会社の事前開示事項 株式交付親会社の事前開示・事後開示に関する規定 株式交付子会社の株式の譲渡しの申込みに関する規定 |
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● | ●株式等の振替に関する法律(振替法)との関係 | ||||||
株式交付の対価として株式交付親会社が交付する株式が振替株式である場合、以下の規定が適用 @対価が振替株式である旨の通知 A対価の振替を行なうための口座の提示 B自己振替株式の振替申請義務 C株式買取請求に関する買取口座の開設義務 D株式買取請求に関する公告義務 |
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◆ | ◆3 株主提案 | ||||||
◇ | ◇株主による議案提案数について、10個を超える部分は制限できる | ||||||
施行後の議案要領通知請求から適用 | |||||||
・動議は個数による制限を受けない ・議案の数え方 ・共同提案⇒株主毎に数える(各株主の上限は10個) ・制限せずに全て取り上げることも可能 |
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◇ | ◇数え方52 | ||||||
● | ●役員等(取締役、監査役又は会計監査人)の選解任議案 | ||||||
役員の選任議案:議案の数にかかわらず1議案 ex.取締役5名選任+監査役3名選任⇒合わせて1議案 |
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役員の解任議案:議案の数にかかわらず1議案 ex.取締役2名解任の件+取締役2名選任の件⇒解任・選任を区別して2議案 |
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会計監査人を再任しないことに関する議案:議案の数にかかわらず1議案 | |||||||
● | ●定款変更議案 | ||||||
異なる議決がされたとすれば相互に矛盾する可能性がある2議案は1議案と数える。 | |||||||
ex. 事業目的を追加する議案+監査等委員会設置会社に移行する議案:相互に矛盾しない⇒2議案 @監査役を廃止する議案+A監査等委員会を設置する議案 〜監査役と監査等委員会の併存は認められない⇒@が否決でAが可決の場合等相互に矛盾する可能性⇒1議案と数える。 |
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◇ | ◇制限できる議案の決定方法をあらかじめ定めておくことが考えられる53 | ||||||
・会社が制限できる(10を超える数に相当することとなる数の議案)は取締役が定める ・提案株主が提案議案相互の優先順位を定めている⇒取締役はそれに従って定める ・株主平等原則を意識した、合理的な取扱いが必要 |
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株式取扱規程等で、以下のように規定 ・原則として、株主が記載している順序に従って、横書きの場合は上から(縦書きの場合は右から)数えて決定する ・議案が秩序だって記載されていないなどの場合には、取締役が任意に選択する |
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☆X 電子提供制度 | |||||||
◆ | ◆1 電子提供制度の概要 | ||||||
現行法上、書面送付が原則となっている招集通知を、インターネットで提供する制度。 ・株主に対しては招集通知を掲載するURL等を通知。株主はインターネットで招集通知を閲覧し、議決権を行使。 ・紙面提供を希望する株主は申出をすれば送付を受けられる。 |
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◇ | ◇(1) 電子提供措置 | ||||||
インターネットでの開示は株主総会の3週間前までに実施、総会後3か月間開示。 株主への通知は株主総会2週間前までに実施。 議決権行使書は当面送付。 |
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総会3週間前、または招集通知発送日まで: @電子提供措置開始 ・狭義の招集通知 ・株主総会参考書類 ・事業報告、計算書類 ・連結計算書類 |
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総会2週間前まで Aアクセス通知発送 ・アクセス通知(電子提供の旨を通知する書類) ・議決権行使書面 |
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B電子提供書類の開示を継続(総会後3か月間) | |||||||
電子提供制度は、定款に規定することで、採用可能(325条の2)。 現在の上場企業は法改正の施行により、定款変更を行ったものとみなされる。 |
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議決権行使書面も電子提供措置の対象 but 議決権行使書面を郵送するばあい、電子提供の必要はない。 |
|||||||
◇ | ◇(2) アクセス通知の記載事項 | ||||||
電子提供を行うURLのほか、狭義の招集通知記載事項の一部を記載 | |||||||
独自記載事項: ・電子提供措置又はEDINETによる開示(電子提供措置開始の日までにEDNETで有価証券報告書を早期提出する場合、電子提供措置は不要)を行なっている旨(325条の4第2項) ・電子提供書類のURL(施行法95条の2) ・EDNETで開示する場合のアクセス方法(施行法95条の3) |
|||||||
共通記載事項: ・株主総会の日時・場所(298条1項1号) ・株主総会の目的事項(同2号) ・書面投票制度を採用している旨(同3号) ・電子投票制度を採用している旨(同4号) |
|||||||
記載不要(325条の4第2項): ・定時株主総会開催日時の決定理由 ・過去の総会開催場所から著しく離れた場所である理由 ・事前投票制度に関する事項(株主総会参考書類記載事項、行使期限の特定の時、等) ・書面投票・電子投票重複利用時の取り扱い ・代理人による議決権行使に関する定め ・不統一行使の事前通知方法 |
|||||||
◇ | ◇(3) 電子提供措置の中断 | ||||||
◆ | ◆2 書面交付請求の概要 | ||||||
議決権基準日までに申出を行なった株主⇒引き続き書面の提供を受けることが可能 | |||||||
・株主名簿に記載された株主は、株主名簿管理人への請求も可能 ・株主の請求日が議決権の基準日以前になされた⇒次の株主総会の招集通知を書面で送付する必要 ・口座管理機関が請求受領後、株主名簿管理人にデータが到達数営業日かかる⇒発行会社に書面交付請求株主数を報告するのは株主名簿の確定以後 |
|||||||
◇ | ◇(1) 書面交付を要しない事項 | ||||||
定款で規定⇒一部の事項について書面記載しないことが可能 but 責任限定契約に関する事項、連結BS・PLは書面での省略は認められない。 |
|||||||
●書面提供時に省略可能な事項60 | |||||||
◎株主総会参考書類: 以下を除く事項(施95条の4第1号) ・議案 ・書面記載しないことにつき、監査役、監査等委員会、監査委員会が異議を述べた事項 |
|||||||
◎事業報告: 以下を除く事項(施95の4第2号) ・事業の経過および成果 ・資金調達、設備投資、事業の譲渡等、事業の譲受、吸収合併、株式等の取得・処分 ・重要な親会社および子会社の状況 ・対処すべき課題 ・会社役員の氏名、地位および担当、責任限定契約の概要、補償契約に関する事項、役員報酬に関する事項、取締役の個人別の報酬決定に関する方針、役員等賠償責任保険契約に関する事項、会計監査人の補償契約に関する事項 ・書面記載しないことにつき、監査役、監査等委員会、監査委員会が異議を述べた事項 |
|||||||
◎計算書類 ・株主資本変動計算書(施95の4第3号) ・個別注記表(同上) |
|||||||
◎連結計算書類 ・連結株主資本等変動計算書(またはこれに相当するもの)(施95の4第4号) ・連結注記表(またはこれに相当するもの)(同上) |
|||||||
◇ | ◇(2) 書面交付請求の異議催告61 | ||||||
書面交付請求から1年を経過した株主には書面交付を終了する旨の通知が可能 催告期間中(1か月以上)に申出なし⇒書面交付請求は失効 |
★ | ★令和元年改正会社法の解説T(商事法務2222) | ||||||
◆ | ◆第一 はじめに | ||||||
R1.12.4: 「会社法の一部を改正する法律」 「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」 が成立。 R1.12.11:公布 |
|||||||
平成26年改正法による改正以来の会社法改正 | |||||||
◆ | ◆第二 株主総会に関する規律の見直し | ||||||
◇ | ◇一 株主総会資料の電子提供制度 | ||||||
■ | ■1 改正の背景 | ||||||
現行法: 株主総会資料は、、株主に対し、書面により提供することが原則。 インターネットを利用する方法によりこれを提供するためには、株主の個別の承諾を得なければならない。 vs. 上場会社においては、株主の数が多く、すべての株主の個別の承諾を得ることが困難⇒ほとんど採用されていない。 |
|||||||
株主の個別の承諾を得なくとも、定款の定めがある場合には、株主総会井資料のうちの一部の事項について、招集の通知を発する時から定時株主総会の日から3か月が経過する日までの間、継続してインターネット上のウェブサイトに掲載することによって、株主に対して提供したものとみなす制度(いわゆるみなし提供制度)。 vs. 株主総会参考書類における議案や、貸借対照表・損益計算書の内容など、類型的に株主の関心が特に高いと考えられる事項や、 実際の株主総会において口頭で説明されることが多いと考えられる事項等については、 この制度を利用することができない。 |
|||||||
⇒ 改正法: 定款の定めに基づき、 取締役が、 株主総会資料の内容である情報を自社のホームページ等のウェブサイトのアドレス等を株主総会の招集角通知に記載等して通知した場合には、 株主の個別の承諾を得ていないときであっても、 取締役は、株主に対して株主総会資料を適法に提供したものとする制度。 (「電子提供制度」) 振替株式を発行する会社については、電子提供制度を利用することを義務付け ⇒投資家が議決権を行使するために株主総会資料の内容を検討する期間の確保を図ることとしている。 |
|||||||
■ | ■2 電子提供措置をとる旨の定款の定め | ||||||
定款:電子提供措置をとる旨を定めれば足りる。 | |||||||
■ | ■3 電子提供措置 | ||||||
□ | □(1) 電子提供措置の定義等 | ||||||
定義: 電子提供措置: 電磁的方法により株主(種類j株主総会を・・・)が情報の提供を受けることができる状態に置く措置であって、法務省令で定めるもの。 法務省令においては、電子提供措置を、株式会社が、自社のホームページ等のウェブサイト上に株主総会参考書類等の内容である情報等に係る電子データをアップロードし、株主が情報の提供を受けることができるようにする措置とすることを予定。 |
|||||||
電子公告⇒不特定多数の者が情報の提供を受けることができる状態に置くことが必要 電子提供措置⇒当該株式会社の株主が情報の提供を受けることができる状態に置けば足りる⇒パスワード可 |
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□ | □(2) 電子提供措置事項 | ||||||
電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の取締役は、299条2項各号に掲げる場合には、次に掲げる事項(「電子提供措置事項」)に係る情報について電子提供措置をとらなければならない。 | |||||||
● | ●ア 298条1項各号に掲げる事項 | ||||||
● | ●イ 議決権行使書面に記載すべき事項 | ||||||
● | ●ウ 株主総会参考資料の内容 | ||||||
● | ●エ 株主提案に係る議案の要領 | ||||||
● | ●オ 計算書類および事業報告の内容 | ||||||
● | ●カ 連結計算書類の内容 | ||||||
● | ●キ 電子提供措置事項を修正した旨および修正前の事項 | ||||||
□ | □(3) EDINETの特例 | ||||||
■ | ■4 電子提供措置期間 | ||||||
□ | □(1) 電子提供措置の開始 | ||||||
現行法:公開会社における株主総会の招集通知の発出の期限は、株主総会の日の2週間前の日。 | |||||||
株主総会の日の3週間前の日または株主総会の招集の通知を発した日のいずれか早い日から電子提供措置をとる義務。← 印刷や郵送のために生ずる時間が削減 |
|||||||
□ | □(2) 電子提供措置の終了 | ||||||
株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟において証拠等として使用される可能性 ⇒少なくとも、当該訴えの出訴期間が経過する日までは、ウェブサイトに掲載されている必要。 〜 株主総会の日後3か月を経過する日までの間継続しなければならない。 |
|||||||
■ | ■5 株主総会の招集の通知等の特例 | ||||||
□ | □(1) 株主総会の招集の通知の発出期限 | ||||||
現行法上の公開会社と同様に、株主総会の日の2週間前まで。 | |||||||
□ | □(2) 招集の通知の内容等 | ||||||
株主がウェブサイトにアクセスすることを促すために重要である事項に限定。 | |||||||
□ | □(3) 招集の通知の方法 | ||||||
■ | ■6 書面交付請求 | ||||||
□ | □(1) 書面交付請求に関する規律の概要 | ||||||
わが国においては、依然、高齢者を中心としてインターネットを利用することが困難である者がおり、そのような株主の利益をほぐするための手当てが必要。 | |||||||
電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主は、株式会社に対し、電子提供措置事項を記載した書面の交付を請求することができる。 | |||||||
□ | □(2) 書面交付請求をすることができる者 | ||||||
□ | □(3) 書面交付請求の方法等 | ||||||
□ | □(4) 書面交付請求をした株主に交付される書面 | ||||||
□ | □(5) 書面の交付を終了する旨の通知および催告 | ||||||
■ | ■7 電子提供措置の中断 | ||||||
□ | □(1) 電子提供措置の中断に関する規定の趣旨 | ||||||
□ | □(2) 電子提供措置の中断が生じた場合の救済の要件等 | ||||||
■ | ■8 上場会社等における電子提供制度の利用の義務づけ | ||||||
□ | □(1) 義務づけの対象となる会社 | ||||||
振替株式を発行する会社については、電子提供措置をとる旨を定款で定めなければならないこととし、電子提供制度を利用することを義務づけ。 | |||||||
□ | □(2) 経過措置 | ||||||
改正法の施行日において振替株式を発行している会社は、改正法の施行日をその定款の変更が効力を生ずる日とする電子提供措置をとる旨の定款の定めを設ける定款の変更の決議をしたものとみなすこととしている。 | |||||||
当該決議をしたものとみなされた後に、株主が書面交付請求をするための期間を一定期間保障しておかないと、株主に不測の不利益を生ずるおそれ ⇒ 経過措置により電子提供措置をとる旨の定款の定めを設ける定款の変更をしたものとみなされた会社の取締役が改正法の施行日から6か月以内を株主総会の日とする株主総会を招集する場合における当該株主総会の招集手続については、なお従前の例によることとし、かつ、当該期間中は、株主は書面交付請求をすることができることとしている。 |
|||||||
@みなし定款変更の対象となる会社の株主総会であって、その招集の手続のいて電子提供措置がとられるものは、最も早くとも、施行日から6か月を経過した日を開催日とする株主総会となる。 A株主総会の議決権行使の基準日から株主総会の日までの期間は3か月を超えることができない ⇒ そのような株主総会議決権行使の基準びは、最も早くともその3か月前、すなわち施行日から3か月を経過した日。 ⇒ 株主には、書面交付請求のために、少なくとも3か月の期間が保障される。 |
|||||||
■ | ■9 種類株主総会への準用 | ||||||
種類株主総会に準用 but 一部の規定を準用の対象から除外 |
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■ | ■10 電子提供措置をとる旨の登記 | ||||||
株式を取得しようとする者にとって重要な事項⇒登記により公示 | |||||||
■ | ■11 施行時期 | ||||||
改正法の公布日から3年6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行 | |||||||
■ | ■12 法制審議会における附帯決議 | ||||||
電子提供措置開始日を株主総会の日の3週間前の日としつつ、 金融商品取引所の規則において、上場会社は、電子提供措置を株主総会の日の3週間前よりも早期に開始するよう努める旨の規律を設ける必要があるとの付帯決議。 ← 機関投資家からより早期の情報開示を求める意見。 |
★ | ★令和元年改正会社法の解説(U) (商事法務2223) | ||||||
◆ | ◆第ニ 株主総会に関する規律の見直し(承前) | ||||||
◇ | ◇二 株主提案権 | ||||||
■ | ■1 概要 | ||||||
株主が同一の株主総会において提出することができる議案の数を制限。 | |||||||
■ | ■2 株主が提出することができる議案の数の制限 | ||||||
□ | □(1) 制限の対象 | ||||||
□ | □(2) 議案要領通知請求に関する制限 | ||||||
□ | □(3) 議案の数 | ||||||
● | ●ア 役員等の選任または解任等に関する議案 | ||||||
● | ●イ 定款の変更に関する議案 | ||||||
□ | □(4) 拒絶することができる議案の決定の方法 | ||||||
■ | ■3 経過措置 | ||||||
★ | ★令和元年改正会社法の解説V (商事法務2224) | ||||||
◆ | ◆第三 取締役等に関する規律の見直し | ||||||
◇ | ◇一 取締役等への適切なインセンティブの付与 | ||||||
■ | ■1 取締役の報酬等に関する規律の見直し | ||||||
□ | □(1) 改正の趣旨 | ||||||
固定額の報酬の割合が高い⇒取締役は会社の業績を高める経済的動機を持ちづらい 短期的な業績に連動⇒取締役は経営の安定性やリスクを軽視するようになる恐れがある。 ⇒ 取締役の報酬等の内容を適切な内容とするための仕組みを整備することは、企業統治の強化の観点から重要。 |
|||||||
@取締役の報酬等の内容の決定手続等に関する透明性を向上させるための規律 A株式会社が業績等に連動した報酬等を適正かつ円滑に取締役に付与することができるようにするための規律 |
|||||||
□ | □(2) 取締役の個人別報酬等の内容についての決定に関する方針 | ||||||
● | ●ア 報酬等の決定方針の決定を偽づ向ける趣旨等 | ||||||
現行法: 指名委員会等設置会社以外の株式会社においては、取締役の報酬等の額等を定款または株主総会の決議によって定める(361条1項)。 〜 取締役または取締役会によるお手盛り防止のための規定。 but 個々の取締役の報酬等の配分のあり方については、その決定手続きや内容が適切であるかを判断できない。 |
|||||||
取締役の報酬等の内容に係る決定手続等に関する透明性を向上させる観点 ⇒ 上場会社等の取締役会は、定款または株主総会の決議により取締役(監査等委員である取締役を除く)の個人別の報酬等の内容が具体的に定められていない場合⇒その内容についての決定に関する方針を決定。 |
|||||||
● | ●イ 報酬等の決定方針の決定が義務付けられる範囲等 | ||||||
● | ●ウ 報酬等の決定方針の内容 | ||||||
報酬等の決定方針の内容: @取締役の地位ごとに支給する報酬等の種類(固定報酬、業績連動報酬等)、 A報酬等を業績に連動させる場合に用いる業績指標等の内容 Bそれらを決定するための手続き(再一任の決議をするかどうか、任意の報酬委員会を設定するかどうかなどを含む) が考えられ、 法務省令で規定。 |
|||||||
● | ●エ 報酬等の決定方針の効果等 | ||||||
● | ●オ 報酬等の決定方針の開示等 | ||||||
法務省令において、報酬等の決定方針に関する事項を公開会社の事業報告の内容に含めなければならない事項とすることを予定。 | |||||||
□ | □(3) 株主総会における決議事項等に関する規律 | ||||||
● | ●ア 金銭でない報酬等の「具体的な内容」の明確化 | ||||||
● | ●イ 募集株式等と引換えにする払込みに充てるための金銭を付与する場合の規律 | ||||||
● | ●ウ 株主総会における説明義務の見直し | ||||||
□ | □(4) 取締役の報酬等である株式および新株予約権に関する特則 | ||||||
● | ●ア 取締役の報酬等である株式に関する特則 | ||||||
● | ●イ 取締役の報酬等である新株予約権に関する特則 | ||||||
● | ●ウ 特則が適用される範囲等 | ||||||
● | ●エ 資本金および準備金として計上すべき額 | ||||||
□ | □(5) 事業報告による開示の充実 |
★ | ★令和元年改正会社法の解説(W) (商事法務2225) | ||||||
◆ | ◆第三 取締役等に関する規律の見直し | ||||||
◇ | ◇一 取締役等への適切なインセンティブの付与 | ||||||
■ | ■2 補償契約 | ||||||
□ | □(1) 概要 | ||||||
@役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、または責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用(いわゆる防衛費用)や A第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失(いわゆる賠償金や和解金) の全部または一部を株式会社が当該役員等に対して補償すること(「会社補償」) |
|||||||
現行法上、会社補償に関して直接に定める規定はない。 どのような手続により、どの範囲の費用や損失を対象として、会社補償をすることができるかについての解釈も確立されていなかった。 |
|||||||
□ | □(2) 補償契約の内容の決定 | ||||||
● | ●ア 補償契約の定義 | ||||||
「補償契約」: 役員等が、その職務の執行に関し、法令の規定に違反したことが疑われ、または責任の追及に係る請求を受けたことに対処するために支出する費用や、第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合における損失の全部または一部を、株式会社が当該役員等に対して補償することを約する契約。(430条の2第1項) |
|||||||
● | ●イ 補償契約の内容の決定に関する手続 | ||||||
利益相反取引に準じたもの ⇒ 株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議を要する。 監査役設置会社(=業務執行の決定を幅広く取締役または執行役に委任することができる)においても、取締役会は、この決定を取締役に委任できない。 |
|||||||
□ | □(3) 補償の範囲等 | ||||||
● | ●ア 補償することができない費用等 | ||||||
当該役員等の職務の執行の適正性の確保 ⇒ 次のものは補償できない。 @防御費用のうち通常要する費用の額を超える部分 A株式会社が第三者に対して損害を賠償した場合において役員に対して求償することができる部分 B役員等がその職務を行うにつき悪意または重大な過失があったことにより第三者に対して損害を賠償する責任を負う場合における賠償金および和解金 |
|||||||
● | ●イ 費用の事後的な返還請求 | ||||||
防衛費用の負担は原則OK but 株式会社が、事後的に、役員等が自己もしくは第三者の不正な利益を図り、または当該株式会社に損害を加える目的で職務を執行したことを知ったときは、 当該役員等に対し、補償した金額に相当する金銭を返還することを請求することができる。 |
|||||||
□ | □(4) 取締役会への報告 | ||||||
□ | □(5) 利益相反取引規制の適用除外 | ||||||
□ | □(6) 開示 | ||||||
補償契約は、役員等の職務の執行の適正性に影響を与えるおそれがあり、また、補償契約には、利益相反性が類型的に高いもの⇒その内容は株主にとって重要な情報 ⇒ 法務省令において、事業年度の末日において公開会社である株式会社については、補償契約に関する一定の事項を事業報告の内容に含めなければならない事項とすることを予定。 |
|||||||
□ | □(7) 経過措置 | ||||||
改正法の施行前に締結された補償契約については、430条の2の規定は適用しない。 | |||||||
■ | ■3 役員等のために締結される保険契約 | ||||||
□ | □(1) 概要 | ||||||
@役員等として優秀な人材を確保 A役員等がその職務の執行に関し損害を賠償する責任を負うことを過度に恐れることによりその職務の執行が萎縮することがないように役員等に対して適切なインセンティブを付与 ⇒上場会社を中心に広く普及。 |
|||||||
@株式会社がD&O保険に係る保険契約を締結することについては、その内容によっては、役員等の職務の執行の適正性が損なわれるおそれがあり、とりわけ、株式会社が保険者との間で取締役または執行役を被保険者とするD&O保険に係る契約を締結することについては、株式会社と取締役または執行役との利益が相反するおそれがある。 AD&O保険でなくとも、そもそも取締役または執行役を被保険者とする保険契約は、その締結が株式会社の債務負担行為または株式会社の支出によって取締役または執行役に直接的に利益を生ずる取引として、利益相反取引(356条1項3号)に該当す ⇒ それぞれどのような手続等を経る必要があるのかを明確にしておく必要。 but 改正前の会社法においては、どのような手続等が必要であるかについての解釈は必ずしも確立されていなかった。 |
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□ | □(2) 役員等賠償責任保険契約の内容の決定 | ||||||
● | ●ア 役員等賠償責任保険契約の定義 | ||||||
改正法: 役員等賠償責任保険契約(430条の3第1項): 株式会社が保険者との間で締結する保険契約のうち役員等がその職務の執行に関して責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を保険者が填補することを約するものであって、 役員等を被保険者とするものから、 当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるものを除いたもの。 |
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「当該保険契約を締結することにより被保険者である役員等の職務の執行の適正性が著しく損なわれるおそれがないものとして法務省令で定めるもの」 〜 いわゆる生産物賠償責任保険(PL保険) 企業総合賠償責任保険(CGL保険) 自動車賠償責任保険 海外旅行保険 等に係る保険契約を予定。 |
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● | ●イ 役員等賠償責任保険契約の内容の決定に関する手続 | ||||||
利益相反取引に準じた機関決定。 | |||||||
現行法: 利益相反取引の承認は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議。 |
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□ | □(3) 利益相反取引規制の適用除外 | ||||||
役員等のために締結される保険契約であって、取締役または執行役を被保険者とするもの⇒株式会社の債務負担行為または株式会社の出捐によって取締役に直接的に利益が生ずる取引として、356条1項3号の利益相反取引(「間接取引」)に該当 ⇒ 取締役会設置会社においては、 @取締役会の承認および A当該取引後における重要な事実の報告 B当該取引によって株式会社に損害が生じた場合における当該取引にかかわった取締役または執行役の任務懈怠が推定(413条3項) ⇒ Bを適用すると、役員等のために締結される保険契約の締結によって生じる株式会社の損害の解釈によっては、423条1項の責任が取締役または執行役に容易に認められることとなる。 ⇒ 改正法: 役員等のために締結される保険契約であって、取締役または執行役を被保険者とするものについては、利益相反取引規制を適用しない。 (430条の3第2項) |
|||||||
□ | □(4) 開示 | ||||||
法務省令において、事業年度の末日において公開会社である株式会社については、役員等賠償責任保険契約に関する一定の事項を事業報告の内容に含めなければならない事項とすることを予定。 | |||||||
□ | □(5) 経過措置 | ||||||
改正法: 役員等のために締結される保険契約について、 役員等賠償責任保険契約の内容を決定する手続きに関する規律、 役員等のために締結される保険契約であって、取締役または執行役を被保険者とするものにつき利益相反取引規制を適用しないことに関する規律等を規定。 |
|||||||
特段の経過措置を設けない ⇒改正法の施行前に締結された保険契約はすでに効力を生じており(附則2条ただし書)、当該保険契約には、役員等賠償責任保険契約の内容の決定をする手続に関する規律は適用されない。 but 利益相反取引規制の適用除外に関する規律は適用されることになる。 vs. 利益相反取引規制の適用除外に関する規律は、当該保険契約の内容の決定をする手続に関する規律が適用されることを前提としたもの。 ⇒ 改正法の施行前に締結された役員等のために締結される保険契約については、430条の3の規定は適用しない。 |
★ | ★令和元年改正会社法の解説(X) (商事法務2226) | ||||||
◆ | ◆第三 取締役等に関する規律の見直し | ||||||
◇ | ◇二 社外取締役の活用等 | ||||||
■ | ■1 業務執行の社外取締役への委託 | ||||||
□ | □(1) 改正の理由 | ||||||
2条15号イは、社外取締役の要件の1つとして、 当該株式会社またはその子会社の業務執行取締役(株式会社の363条1項各号に掲げる取締役および当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)もしくは 執行役または支配人その他の使用人でないことを規定。 ⇒ 取締役が「当該株式会社の業務を執行した」場合には、社外取締役の要件を満たさない。 |
|||||||
「業務の執行」: 伝統的に、会社事業に関する諸般の事務を処理することと広く解釈されてきた。 |
|||||||
改正法: マネジメント・バイアウトや親子会社間取引のように、当該株式会社と取締役または執行役との利益が相反する状況にあるとき、その他取締役または執行役が当該株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、 当該会社は、その都度、取締役会の決議によって、当該株式会社の業務を執行することを社外取締役に委託することができることとするとともに、 これにより委託された業務の執行をしたときであっても、社外取締役の要件を満たさないことにならない旨を規定上明確にしている。 |
|||||||
マネジメント・バイアウト: 現在の経営者である取締役または執行役が一般株主から被買収会社の株式を取得⇒当該取締役または執行役と一般株主との間に利益相反関係。 |
|||||||
親子会社間の取引: 子会社の取締役または執行役が支配株主である親会社の利益を図ることにより子会社の利益が害され、少数株主の利益を損なうおそれ。 |
|||||||
□ | □(2) 要件 | ||||||
株式会社と取締役または執行役との取引が相反する状況にあるとき、その他取締役または執行役が株式会社の業務を執行することにより株主の利益を損なうおそれがあるとき | |||||||
個別の事案ごとに取締役会の決議 | |||||||
社外取締役が業務執行取締役の指揮命令により業務を執行⇒業務執行者からの独立性が疑われる者は社外取締役となることができないこととする2条15号イの趣旨に反する⇒社外取締役の要件を満たさないことになる。(348条の2第3項ただし書) | |||||||
■ | ■2 社外取締役を置くことの義務づけ | ||||||
□ | □(1) 改正の背景 | ||||||
□ | □(2) 改正の理由 | ||||||
社外取締役: @少数株主を含むすべての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として業務執行者から独立した客観的な立場で会社経営の監督を行い、また、 A経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行う という役割。 |
|||||||
□ | □(3) 規律の対象となる株式会社 | ||||||
□ | □(4) 違反の効果 | ||||||
善管注意義務違反 | |||||||
327条の2の規定に違反して、遅滞なく社外取締役を選任しなかった⇒取締役等は100万円以下の過料 | |||||||
上場会社等において、事故等により社外取締役が欠けた場合: 社外取締役を選任するための手続を遅滞なく進め、合理的な期間内に社外取締役が選任⇒その間にされた取締役会の決議を含め、取締役会の決議は無効とならない。 but 改正法において社外取締役の選任を義務づけた趣旨に反し、社外取締役が遅滞なく選任されず、長期間にわたって社外取締役による監督がない状況での取締役会の決議⇒無効となり得る。 |
|||||||
□ | □(5) 経過措置 | ||||||
改正法の施行の際現に上場会社等であるものについて、 改正後の327条の2の規定は、改正法の施行後最初に終了する事業年度に関する定時株主総会の終結の時までは、適用しない。 この場合、改正前の327条の2に規定する場合における理由の開示について、なお従前の例による。 |
|||||||
■ | ■3 監査役設置会社の取締役会による重要な業務執行の決定の委任 |
★ | ★令和元年改正会社法の解説(Y) (商事法務2227) | ||||||
◆ | ◆第四 その他の見直し | ||||||
◇ | ◇一 社債の管理 | ||||||
■ | ■1 社債管理補助者制度 | ||||||
□ | □(1) 改正の趣旨 | ||||||
□ | □(2) 社債管理補助者の設置 | ||||||
■ | ■2 社債権者集会 | ||||||
□ | □(1) 元利金の減免 | ||||||
□ | □(2) 社債権者集会の決議の省略 | ||||||
● | ●ア 改正の内容 | ||||||
● | ●イ 経過措置 | ||||||
★ | ★令和元年改正会社法の解説Z) (商事法務2228) | ||||||
◆ | ◆第四 その他の見直し(承前) | ||||||
◇ | ◇二 株式交付 | ||||||
■ | ■1 制度の概要 | ||||||
■ | ■2 制度創設の理由 | ||||||
■ | ■3 株式交付をすることができる場合 | ||||||
■ | ■4 株式交付子会社とすることができる会社 | ||||||
■ | ■5 清算株式会社 | ||||||
■ | ■6 譲受けの対象 | ||||||
■ | ■7 株式交付子会社の株式等の譲渡人に対して交付する対価 | ||||||
■ | ■8 株式交付の手続の概要 | ||||||
■ | ■9 株式交付の効力の発生等 | ||||||
■ | ■10 株式交付の無効の訴え | ||||||
■ | ■11 その他 | ||||||
★ | ★令和元年改正会社法の解説([) (商事法務2229) | ||||||
◆ | ◆第四 その他の見直し | ||||||
◇ | ◇三 その他 | ||||||
■ | ■1 責任追及等の訴えに係る訴訟における和解 | ||||||
■ | ■2 議決権行使書面の閲覧等 | ||||||
■ | ■3 株式の併合等に関する事前開示事項 | ||||||
■ | ■4 新株予約権に関する登記事項についての規律の見直し | ||||||
■ | ■5 会社の支店の所在地における登記の廃止 | ||||||
■ | ■6 成年被後見人等についての取締役等の欠格条項の削除およびこれに伴う規律の整備 | ||||||
■ | ■7 株式会社の代表者の住所が記載された登記事項証明書等に関する法制審議会における附帯決議 | ||||||