シンプラル法律事務所
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論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
電子商取引 | ||||
意義 | オンライン環境にあるインターネットその他のコンピュータ・ネットワークを利用して行われる経済行為 | |||
B2B(企業同士) B2C(企業と消費者) C2C(消費者同士) |
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関係法律 | 民法 特定商取引に関する法律(特商法) 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律(電子契約法) 消費者契約法 電子商品及び情報財取引に関する準則 その他、個人情報保護法・プロバイダ責任規制法等 |
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問題 | 誤入力による申込 ワンクリック請求 なりすまし 未成年者による申込 |
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契約の成立 | 規定 | 民法 第97条(隔地者に対する意思表示) 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。 |
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民法 第526条(隔地者間の契約の成立時期) 隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する。 |
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電子契約法 第4条(電子承諾通知に関する民法の特例) 民法第五百二十六条第一項及び第五百二十七条の規定は、隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合については、適用しない。 |
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説明 | ● | ●民法: 原則:到達主義(民法97条1項) 例外:隔地者間の取引における発信主義(民法526条1項) ●電子契約法 隔地者間の契約において電子承諾通知を発する場合については、526条の適用はない(電子契約法4条) ⇒到達主義を採用。 |
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● | ●到達とは? | |||
○ | 到達:相手方が意思表示を了知し得べき客観的状態が生じたこと | |||
意思表示の到達とは、相手方が意思表示を了知し得べき客観的状態を生じたことを意味すると解されている。すなわち、意思表示が相手方にとって了知可能な状態におかれたこと、換言すれば意思表示が相手方のいわゆる支配圏内におかれたことをいうと解される(最高裁昭和36年4月20日第一小法廷判決・民集15巻4号774頁、最高裁昭和43年12月17日第三小法廷判決・民集22巻13号2998頁)。 | ||||
○ | 電子承諾通知の到達時期: 相手方が通知に係る情報を記録した電磁的記録にアクセス可能となった時点をもって到達したものと解される。 |
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電子メールにより通知が送信された場合: 通知に係る情報が受信者(申込者)の使用に係る又は使用したメールサーバー中のメールボックスに読み取り可能な状態で記録された時点(準則)。 |
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①相手方が通知を受領するために使用する情報通信機器をメールアドレス等により指定していた場合や、指定してはいないがその種類の取引に関する通知の受領先として相手方が通常使用していると信じることが合理的である情報通信機器が存在する場合: 承諾通知がその情報通信機器に記録されたとき、 ②①以外の場合: あて先とした情報通信機器に記録されただけでは足りず、相手方がその情報通信機器から情報を引き出して(内容を了知する必要はない。)初めて到達の効果が生じる。 |
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①申込者のメールサーバーが故障していたために承諾通知が記録されなかった場合: 申込者がアクセスし得ない以上、通知は到達しなかったものと解するほかない。 ②承諾通知が一旦記録された後に何らかの事情で消失した場合: 記録された時点で通知は到達しているものと解される。 |
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● | ●読み取り可能な状態 | |||
(該当しない例(契約不成立)) ・送信された承諾通知が文字化けにより解読できなかった場合 ・添付ファイルによって通知がなされた場合に申込者が復号して見読できない場合(申込者が有していないアプリケーションソフトによって作成されたため、復号して見読できない場合など) |
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錯誤無効の特則 | 規定 | 民法 第95条(錯誤) 意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。 ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。 |
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電子契約法 第3条(電子消費者契約に関する民法の特例) 民法第九十五条ただし書の規定は、消費者が行う電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示について、その電子消費者契約の要素に錯誤があった場合であって、当該錯誤が次のいずれかに該当するときは、適用しない。 ただし、当該電子消費者契約の相手方である事業者(その委託を受けた者を含む。以下同じ。)が、当該申込み又はその承諾の意思表示に際して、電磁的方法によりその映像面を介して、その消費者の申込み若しくはその承諾の意思表示を行う意思の有無について確認を求める措置を講じた場合又はその消費者から当該事業者に対して当該措置を講ずる必要がない旨の意思の表明があった場合は、この限りでない。 一 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該事業者との間で電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を行う意思がなかったとき。 二 消費者がその使用する電子計算機を用いて送信した時に当該電子消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示と異なる内容の意思表示を行う意思があったとき。 |
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説明 | 誤入力により申込をしてしまった場合: 事業者が消費者に対して申込を行う意思や申込の内容について確認を求める措置を講じていない場合には、民法95条但書の規定は適用されない。 |
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事例 | 購入個数を入力する欄に「1」とすべきところを、誤って「3」と入力し、送信と書かれたボタンを押した。 ⇒「ご注文ありがとうございました。至急発送いたします。」という画面が表示。 Xは誤って購入した2本を返品できるか? |
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電子契約法3条 事業者が消費者に対して申込を行う意思や申込の内容について確認を求める措置を講じていない ⇒民法95条但書の規定は適用されない ⇒表意者は錯誤無効を主張できる ⇒本件では、申込内容の確認画面がない ⇒Xは錯誤も効を主張して「P」2個を返品することができる。 |
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特定商取引法(通信販売) | 規定 | 特定商取引法 第2条(定義) 2 この章及び第五十八条の五において「通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の主務省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う商品若しくは指定権利の販売又は役務の提供であつて電話勧誘販売に該当しないものをいう。 |
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特定商取引に関する法律施行規則
第2条 法第2条第2項 の経済産業省令で定める方法は、次の各号に掲げるものとする。 二 電話機、ファクシミリ装置その他の通信機器又は情報処理の用に供する機器を利用する方法 |
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説明 | ● | インターネットのHPからの購入等電子商取引は、この条項に該当する。 | ||
● | ●通信販売における規制 | |||
○ | 広告規制: 販売条件等表示事項を定める |
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○ | 前払式通信販売の承諾等の通知: 商品の引渡前に代金の支払いを受ける場合の通知事項を定める |
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○ | 顧客の意に反して申込をさせようとする行為の禁止 | |||
顧客がパソコンの操作を行う際、申込みとなることを容易に認識できるように表示していなかったり、顧客が申込みの内容を容易に確認及び訂正できるようにしていない場合、「顧客の意に反して契約の申込をさせようとする行為」(特定商取引法14条)として、行政処分の対象となる(特定商取引法施行規則16条) | ||||
経済産業省 インターネットを通販における「意に反して契約の申込をさせようとする行為」に係るガイドライン: 意に反して契約の申込をさせようとする行為に該当しないと考えられる例: 申込の最終段階において「注文内容の確認」といった表題の画面が必ず表示され、その画面上で「この内容で注文する」といった表示のあるボタンをクリックしてはじめて申込みになる場合。 |
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○ | クーリングオフの規定はない |
消費者被害 | |||||
ワンクリック請求 | 意義 | メール、HP等に記載されているURL等を1度クリックしてアクセスしただけで、有料サービスの登録が完了したなどとして、代金を請求される場合 | |||
対応 | ○ | ○契約不成立 | |||
単なる宣伝メールを装っている場合 (ex.「今すぐここをクリック」とのみ記載) |
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○ | ○錯誤無効(民法95条、電子契約法3条) | ||||
○ | ○消費者契約法違反(8条~10条) | ||||
「△△日以内にお支払いがない場合は、合計金額の△倍の請求をさせていただきます」との記載で、計算される利率が法定利息を超える場合 | |||||
「なりすまし」の問題 | 意義 | 「なりすまし」・・・他人が本人の名義を使用して取引をすること。 電子商取引では起こりやすいトラブル。 (顔をあわせない) |
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通常、事業者は、消費者にIDとパスワードを作成させて、これらの合致により本人確認を行い、この方法に従う限り消費者本人に効果が帰属するとの同意を基本契約で取得。 | |||||
● | ●事業者と消費者との関係 | ||||
原則:効果不帰属 例外:表見代理の規定が類推適用される場合(民法109、110、112条) |
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●事業者と消費者との契約 | |||||
事業者が消費者と本人確認の方法について事前合意を行っている場合(IDとパスワードの使用): 原則:事前合意は有効。 契約の効力は本人に効果帰属し、事業者と消費者との間で契約成立。 例外:セキュリティシステムの安全性が低い場合にも効果帰属を認める ⇒消費者契約法10条、民法90条で当該事前合意が無効となり得る。 |
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事例 | Xの子Yが、勝手にXのパソコンでA社のオンラインストアにアクセスし、商品を購入。 IDとパスワードを利用すれば、「前に購入した際のクレジットカードを利用する」というところに同意することにより、A社に保存されているカード番号によりクレジットカード決済がされる仕組み。 |
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○ | ○売買契約の成立? XとA社との間には、本人確認の事前合意がある。 ⇒売買契約は成立。 |
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○ | ○クレジットカード会社への支払義務? | ||||
現行の主なクレジットカード会員規約からすると、クレジットカード会員は、 ①善良なる管理者の注意をもってクレジットカード及びクレジットカード情報を管理する義務に違反したとき、 ②クレジットカードの紛失・盗難に遭った後、速やかに届け出る等の措置を行わなかった場合などを除き、支払義務を負わないこととなっている。 |
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クレジットカードの所有者は、「クレジットカード及び暗証番号を善良なる管理者としての注意をもって管理・保管する義務を負う」(電子商取引及び情報材取引等に関する準則) | |||||
善管注意義務に違反している例(準則) ・他人や同居人がクレジットカードを使用した場合 ・他人にクレジットカードを貸与し、そのカードが使用された場合 ・クレジットカード以外に決済用に付与され、本人しか知り得ないID・パスワードが使用された場合 |
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⇒XにはID・パスワードの善管注意義務違反があり、クレジットカード決済されたバッグの代金についても支払義務を負う。 | |||||
未成年による意思表示 | 規定 | 民法 第5条(未成年者の法律行為) 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。 2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。 3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。 |
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民法 第6条(未成年者の営業の許可) 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。 2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。 |
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民法 第21条(制限行為能力者の詐術) 制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。 |
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● | ●未成年者による意思表示 | ||||
原則: 法定代理人の同意が必要。 同意を得ずに行われた意思表示は取り消し可(民法5条2項) |
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例外: ・法定代理人が目的いを定めて処分を許した場合、目的を定めないで処分を許した場合 ・営業に関する行為 ・権利を得、義務を免れる場合 ・「詐術」による場合 |
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● | ●詐術と電子商取引(準則) | ||||
(取り消すことができない(詐術にあたる)可能性のある例) ・「未成年者の場合は親権者の同意が必要である」旨、申込み画面上で明確に表示・警告したうえで、申込者に年齢または生年月日の入力を求めているにもかかわらず、未成年者が、自己が成年になるような虚偽の年齢または生年月日を入力した場合 |
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(取り消すことができる(詐術にあたらない)と思われる例) ・卖に「成年ですか」との問いに「はい」のボタンをクリックさせる場合 ・利用規約の一部に「未成年者の場合は法定代理人の同意が必要です」と記載してあるのみである場合 |
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プロバイダ責任制限法 | 規定 | 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 (趣旨) 第一条 この法律は、特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害があった場合について、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示を請求する権利につき定めるものとする。 (定義) 第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 特定電気通信 不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信(電気通信事業法 (昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号 に規定する電気通信をいう。以下この号において同じ。)の送信(公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を除く。)をいう。 二 特定電気通信設備 特定電気通信の用に供される電気通信設備(電気通信事業法第二条第二号 に規定する電気通信設備をいう。)をいう。 三 特定電気通信役務提供者 特定電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他特定電気通信設備を他人の通信の用に供する者をいう。 四 発信者 特定電気通信役務提供者の用いる特定電気通信設備の記録媒体(当該記録媒体に記録された情報が不特定の者に送信されるものに限る。)に情報を記録し、又は当該特定電気通信設備の送信装置(当該送信装置に入力された情報が不特定の者に送信されるものに限る。)に情報を入力した者をいう。 (損害賠償責任の制限) 第三条 特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときは、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下この項において「関係役務提供者」という。)は、これによって生じた損害については、権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが技術的に可能な場合であって、次の各号のいずれかに該当するときでなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該関係役務提供者が当該権利を侵害した情報の発信者である場合は、この限りでない。 一 当該関係役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知っていたとき。 二 当該関係役務提供者が、当該特定電気通信による情報の流通を知っていた場合であって、当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が侵害されていることを知ることができたと認めるに足りる相当の理由があるとき。 2 特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。 一 当該特定電気通信役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき。 二 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者から、当該権利を侵害したとする情報(以下「侵害情報」という。)、侵害されたとする権利及び権利が侵害されたとする理由(以下この号において「侵害情報等」という。)を示して当該特定電気通信役務提供者に対し侵害情報の送信を防止する措置(以下この号において「送信防止措置」という。)を講ずるよう申出があった場合に、当該特定電気通信役務提供者が、当該侵害情報の発信者に対し当該侵害情報等を示して当該送信防止措置を講ずることに同意するかどうかを照会した場合において、当該発信者が当該照会を受けた日から七日を経過しても当該発信者から当該送信防止措置を講ずることに同意しない旨の申出がなかったとき。 (発信者情報の開示請求等) 第四条 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下「開示関係役務提供者」という。)に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の開示を請求することができる。 一 侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき。 二 当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき。 2 開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。 3 第一項の規定により発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない。 4 開示関係役務提供者は、第一項の規定による開示の請求に応じないことにより当該開示の請求をした者に生じた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該開示関係役務提供者が当該開示の請求に係る侵害情報の発信者である場合は、この限りでない。 |
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趣旨 | ・特定電気通信役務提供者(プロバイダ)の責任を定めたもの ・プロバイダの損害賠償制限(3条) ・発信者情報の開示請求(4条) |
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● | ●プロバイダの損害賠償制限 | ||||
プロバイダ責任制限法第3条第1項により、事業者は、以下の(1)(2)(3)のいずれかの場合でなければ、情報を放置したことによる民事上の責任を負わない。 (1) (a)削除が技術的に可能であり、かつ(b)情報の流通によって権利が侵害されていることを知っていた場合。 (2) (a)削除が技術的に可能であり、かつ(c)情報の流通を知っていることに加えて情報の流通による権利侵害を知ることができたと認めるに足りる相当の理由がある場合。 (3)事業者が情報の発信者である場合。 |
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● | ●発信者情報の開示請求 | ||||
説明 | 1.侵害情報の流通によって当該開示の請求をする者の権利が侵害されたことが明らかであるとき 2.当該発信者情報が当該開示の請求をする者の損害賠償請求権の行使のために必要である場合その他発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとき のいずれかに該当する場合、 特定電気通信による情報の流出によって自己の権利を侵害されたとする者は、特定電気通信役務提供者に対し、当該権利の侵害に係る発信者情報の開示を請求することがきでる。 |
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事例 | レストランオーナーXがY社が管理する電子掲示板を見ていたところ、 「この店では日本で許可されていないCという添加物を使用した食材が使われているから、食べに行っていはいけない」と何度も書込み。 |
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①当該掲示板を運営しているY社に対し、削除依頼。 「当該特定電気通信役務提供者が当該特定電気通信による情報の流通によって他人の権利が不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があったとき」に 特定電気通信役務提供者が、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合(=削除)においては損害賠償責任を負担しない。 ⇒Y社が削除に応じない場合は、Y社に対して損害賠償請求も可。 |
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②書き込みした者を知るために、発信者情報開示の仮処分の申立を行う。 ~ Y社に対しては、IPアドレスと送信日時の開示を求める。 ⇒IPアドレスから経由プロバイダがわかるので、プロバイダに対しその発信者の住所氏名の開示を求める。 |
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IPアドレス: パケットを送受信する機器を判別するための番号→ネットワーク上の住所 000.000.000.000から 255.255.255.255 までの番号が割り当てられる。 |
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消費者保護と独禁法 | 規定 | 独禁法 第1条〔目的〕 この法律は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする。 |
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説明 | 「私的独占」⇒競争相手なし 「カルテル」⇒ 価格競争なし ⇒ 消費者の犠牲の下利益を得る。 |
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景品表示法 | 意義 | 「景品」と「表示」を規制する法。 | |||
もともと、独占禁止法における「ぎまん的顧客誘引」(不公正な取引方法8項)の一類型として、公正取引委員会の所管法令 ⇒消費者庁の設置に伴い、消費者庁に移管された。 |
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● | ●懸賞についての規制 | ||||
一般懸賞: <取引価額5000円未満の場合> 景品類最高額:取引価額の20倍 景品類の総額:売上予定額の2% <取引価額5000円以上の場合> 景品類最高額:10万円 景品類の総額:売上予定額の2% |
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共同懸賞(一定の地域における小売業者相当多数が共同して行う懸賞(「電気まつり」等)): 景品類最高額:30万円 景品類の総額:売上予定総額の3% |
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● | ●表示に関する規制 | ||||
○ | ○品質等の内容についての不当表示 | ||||
景表法 第4条(不当な表示の禁止) 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの |
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商品・サービスの品質等について、消費者に対し「実際のものより著しく優良である」と示すこと。 | |||||
ex. 根拠がないのに、「これを毎日飲めば1ケ月で必ず○キロやせます」とパンフレットに記載 事実がないのに「○○国の機関が承認している」と表示 |
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○ | ○取引条件についての不当表示 | ||||
景表法 第4条(不当な表示の禁止) 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの |
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ex. 携帯電話の使用料が月額無料との広告がなされていたが、実際は2年以内に解約すれば、使用料を請求されるというものであった。 「通常価格100,000円、特価23,000円」と表示されているが、実際は通常価格での販売実績がなく、実際の販売価格が著しく安いかのように表示していた。 |