シンプラル法律事務所
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事業再生(民事再生)の論点整理

論点の整理です(随時増やしていく予定です。)

予納金
負債総額 申立時の予納金 履行監督費用にかかる追納金額
 1億円未満 300万円以上   80万円以上
1億円以上5億円未満 400万円以上 
5億円以上10億円未満 100万円以上 
10億円以上20億円未満 120万円以上 
20億円以上25億円未満  150万円以上 
25億円以上50億円未満  500万円以上 
50億円以上100億円未満  600万円以上  160万円以上 
100億円以上250億円未満  800万円以上  180万円以上 
250億円以上500億円未満  900万円以上 
500億円以上1000億円未満  1000万円以上  200万円以上 
1000億円以上  1100万円以上  250万円以上 


民事再生申立
★開始決定まで
打合せ 資料 過去3期分の決算書⇒近年の業績
直近の試算表
資金繰り表
パンフレット
会議 社長+経理担当者
数名程度
ヒアリング 事業の概要
負債情報
経営が悪化した原因
資金繰り
不動産への担保の設定状況
決算書への粉飾の有無
視点 金型の設計・制作⇒商事留置権の確認
(他の会社にある⇒外注先から商事留置権を行使され、納品できなくなる。)
納品・検収・再検収
⇒資金繰りについての聞き取り(実際にいつ金が入ってくるのか)
粉飾あり⇒程度によっては64条の管理命令の可能性⇒税理士や会社関係者に聞きとり
第64条(管理命令)
裁判所は、再生債務者(法人である場合に限る。以下この項において同じ。)の財産の管理又は処分が失当であるとき、その他再生債務者の事業の再生のために特に必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続の開始の決定と同時に又はその決定後、再生債務者の業務及び財産に関し、管財人による管理を命ずる処分をすることができる。
ケースバイケース
自分なりに事業や商流を理解して、どこでどんな法律問題が生じるかを意識。
秘密性 会社の経営が危ない⇒債権取立・仕入れができない・従業員士気低下・離反発生
混乱⇒再生の可能性を消してしまう
×申立前の受任通知の発送
手続選択 種類 (1)法的整理:
@会社更生
A民事再生
B特別清算
C破産

(2)私的整理:
@私的整理ガイドライン
A中小企業再生支援協議会スキーム
BRCC企業再生スキーム
C事業再生ADR
D企業再生支援機構
E特定調停
思考方法 軽い手続きから考える
@何もしなければどうなるのか?
A個別交渉
・・・・
会社更生は負担が重い(費用が1000万円単位で必要)
民事再生⇒全ての支払を止められる
圧倒的に金融機関が多い⇒ADRもあり得る。
コスト 予納金 @申立て地の予納金
A履行監督費用に係る追納金額
弁護士費用 着手金+報酬+月額費用
再生の場合は最後までいけない可能性もある。
依頼者への説明 個人保証は免責されない。
将来経営責任が追及される可能性。
担保供与の罪等刑事罰等
費用関係
申立日の決定 手元現金が多い形で申立てる。
取引先が危機に陥る⇒それを支払って申立てもあり。
商事留置権行使の可能性⇒納品を待ってから。
MKA:
売掛金の振込先がメインバンク〜借入先銀行
その引き出しをどうするか?
@振込先変更
A少しづつ引き出す
B小切手で
手形不渡りを出さない。
資金ショート⇒給与遅配を出さない。
申立⇒申立前日までのものは払わなくてよくなる
多額の現金が必要:
仕入先ストップ⇒現金取引・サイトの短縮、一定の前払・保証金等
税務署の滞納処分・売掛金の差押⇒滞納税金の支払交渉
再生の見込み 資金繰り
免除益
再生計画に対する反対等

とりあえず申立てる方向で。
開始決定の要件 第33条(再生手続開始の決定)
裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き再生手続開始の決定をする。
2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。
第21条(再生手続開始の申立て) 
債務者に破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるときは、債務者は、裁判所に対し、再生手続開始の申立てをすることができる。債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときも、同様とする。
第25条(再生手続開始の条件)
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。
一 再生手続の費用の予納がないとき。
二 裁判所に破産手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。
三 再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。
四 不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
申立準備 人員 弁護士3人は欲しい。
民事再生に明るい公認会計士に入ってもらう。

資金繰り表
資金繰り予定表
申立書 規則 第12条(再生手続開始の申立書の記載事項・法第二十一条)
再生手続開始の申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 申立人の氏名又は名称及び住所並びに法定代理人の氏名及び住所
二 再生債務者の氏名又は名称及び住所並びに法定代理人の氏名及び住所
三 申立ての趣旨
四 再生手続開始の原因となる事実
五 再生計画案の作成の方針についての申立人の意見
2 再生計画案の作成の方針についての申立人の意見の記載は、できる限り、予想される再生債権者の権利の変更の内容及び利害関係人の協力の見込みを明らかにしてしなければならない。

規則 第13条
再生手続開始の申立書には、前条(再生手続開始の申立書の記載事項)第一項各号に掲げる事項を記載するほか、次に掲げる事項を記載するものとする。
一 再生債務者が法人であるときは、その目的、役員の氏名、株式又は出資の状況その他の当該法人の概要
二 再生債務者が事業を行っているときは、その事業の内容及び状況、営業所又は事務所の名称及び所在地並びに使用人その他の従業者の状況
三 再生債務者の資産、負債(再生債権者の数を含む。)その他の財産の状況
四 再生手続開始の原因となる事実が生ずるに至った事情
五 再生債務者の財産に関してされている他の手続又は処分で申立人に知れているもの
六 再生債務者について次のイ又はロに掲げる者があるときは、それぞれ当該イ又はロに定める事項
イ 再生債務者の使用人その他の従業者で組織する労働組合 当該労働組合の名称、主たる事務所の所在地、組合員の数及び代表者の氏名
ロ 再生債務者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者 当該者の氏名及び住所
七 法第百六十九条の二(社債権者等の議決権の行使に関する制限)第一項に規定する社債管理者等があるときは、その商号
八 再生債務者について法第二百七条(外国管財人との協力)第一項に規定する外国倒産処理手続があるときは、その旨
九 再生債務者が法人である場合において、その法人の設立又は目的である事業について官庁その他の機関の許可があったものであるときは、その官庁その他の機関の名称及び所在地
十 申立人又は代理人の郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)
2 法第五条(再生事件の管轄)第三項から第七項までに規定する再生事件等があるときは、当該再生事件等につき、次の各号に掲げる事件の区分に従い、それぞれ当該各号に定める事項を記載するものとする。
一 再生事件 当該再生事件が係属する裁判所、当該再生事件の表示及び当該再生事件における再生債務者の氏名又は名称
二 更生事件 当該更生事件が係属する裁判所、当該更生事件の表示及び当該更生事件における更生会社又は開始前会社の商号(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号)第四条(定義)第三項に規定する更生事件にあっては、当該更生事件における更生協同組織金融機関又は開始前協同組織金融機関の名称)

規則 第14条(再生手続開始の申立書の添付書面・法第二十一条)
再生手続開始の申立書には、次に掲げる書面を添付するものとする。
一 再生債務者が個人であるときは、その住民票の写し
二 再生債務者が法人であるときは、その定款又は寄附行為及び登記事項証明書
三 債権者の氏名又は名称、住所、郵便番号及び電話番号(ファクシミリの番号を含む。)並びにその有する債権及び担保権の内容を記載した債権者の一覧表
四 再生債務者の財産目録
五 再生手続開始の申立ての日前三年以内に法令の規定に基づき作成された再生債務者の貸借対照表及び損益計算書
六 再生債務者が事業を行っているときは、再生手続開始の申立ての日前一年間の再生債務者の資金繰りの実績を明らかにする書面及び再生手続開始の申立ての日以後六月間の再生債務者の資金繰りの見込みを明らかにする書面
七 再生債務者が労働協約を締結し、又は就業規則を作成しているときは、当該労働協約又は就業規則
2 裁判所は、必要があると認めるときは、再生手続開始の申立人に対し、再生債務者財産に属する権利で登記又は登録がされたものについての登記事項証明書又は登録原簿に記載されている事項を証明した書面を提出させることができる。
資料4
一読してわかるように時系列で記載。
記載には注意
←申立書は利害関係人が閲覧できる。
(利害関係人の悪口はNG)

事前面談や開始直後に監督委員等に説明。
清算貸借対照表を下回らない。
●資金繰り

資金繰りを明らかにする。
再生申立てによる変更を加えて作成。

日繰表:申立後3か月(4,5,6,7)
月繰表:申立後半年

日本公認会計士協会の資料
資金繰りでどこかでもマイナス⇒そこで破綻することになる。
一瞬でもマイナスになればアウト。
●資金繰り修正要素

過去債務は払わない
ファイナンスリース⇒別所権付再生債権で、協定を結んで支払う。
申立後に現金仕入れ。

売りと買いの両方あり⇒相殺で入金が見込めない場合あり
商事留置権⇒商品を受け戻すための資金
公租公課の一部支払い
●清算貸借対照表

公認会計士の協力を得て作成
●債権者一覧表
〜直前での締めの数字を記載
その他資料 ●書類準備

債権者宛の通知
従業員宛てQ&A
金融機関宛の通知
取締役会 ●取締役会
〜直前
同時に委任状の取得
資金確保 借入のない金融機関に資金を疎開させる。
その金融機関に手形が割引に回っている場合あり⇒預かり金口座に資金を預かる場合もある。
スポンサー スポンサーが法的手続きを求める可能性
←簿外債務等のリスク
スポンサー選定は再生手続の中で行われるべき
金融機関:入札形式をとって欲しい
⇒スポンサーを事前に約束はできない。
⇒ゆるやかなスポンサー契約にする
スポンサー候補からファイナンスを受ける
裁判所事前相談 裁判所の都合
監督委員候補者の選定
いろいろなタイプの保全処分
予納金確認
裁判所へのプレゼンテーション
債権者一覧表を提出
←監督委員候補者の利害関係のチェック
資金繰表は裁判所の関心が高い。
事前相談しても申立てない場合もある。
収益返済型→債務免除益の問題
従業員組合
監督官庁
保全処分の内容
予納金の額
保全処分:弁済禁止の保全処分
公租公課・通信費等除外
第30条(仮差押え、仮処分その他の保全処分)
裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
監督委員候補 事業の概要
商流・物流
資金繰り
債権者集会の予定→スケジュールがつきやすい
問題がある債権者を事前に教える。
保全処分・監督命令
保全処分 第30条(仮差押え、仮処分その他の保全処分)
裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

6 裁判所が第一項の規定により再生債務者が再生債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、再生債権者は、再生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、再生債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。.
弁済禁止の保全処分
知っている債権者への弁済は無効。
監督命令 第54条(監督命令)
裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下「監督命令」という。)をする場合には、当該監督命令において、一人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ再生債務者がすることができない行為を指定しなければならない。
3 法人は、監督委員となることができる。
4 第二項に規定する監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
監督命令

一定の行為は監督委員の同意が必要。

手形割引・保証金
〜監督委員の同意が必要。

同意なし⇒認可後の再生計画についても取消事由になる。
同意が必要かどうか疑問あり⇒監督委員に相談する
必要な情報を提供する。
申立当日 保全処分 代表者審尋⇒当日に保全処分がでる(複数枚の決定書をもらうことも可(銀行が要求する場合がある。))
85条1項⇒開始決定後は弁済できない。(申立後開始決定前の弁済は禁止されていない。)⇒弁済禁止の保全処分が必要
関係者対応 従業員への説明
金融機関宛て通知(資料11)
債権者宛通知(資料10)
銀行・取引先を回る
・支払条件等
・多くの場合、メインの債権者⇒再生計画案を認めてもらう必要
・別除権者⇒将来担保の受戻協定
銀行
〜手形決済等、過去債務の決済をしないように。
主要仕入先
〜仕入取引継続のお願い。
主要得意先
〜事業継続の説明と商品購入のお願い
税務署
〜売掛金を押さえるリスク⇒税務署に赴いて支払計画を提示。
社内に情報管理チームを作り、情報を管理。(全体の資金繰りを管理)
従業員対応 労働債権 一般の先取特権⇒一般の優先債権⇒開始決定前の労働債権も支払える。
Q&A マニュアルを配布。
従業員が弁護士に質問できる体制。
弁護士からこう言われているからできませんと言えるようにする。
支払の決済担当者に説明し理化していもらう。
申立後1カ月は弁護士がつめる⇒なんでも弁護士のせいにできるようにする。
債権関係 ルール ●申立前の原因により発生した債権:
原則:
申立即日保全決定により、開始決定までの間、弁済禁止(30条1項)
開始決定⇒再生債権となり、開始後も弁済を禁じられる。(85条1項)
例外:
保全決定からの除外(少額債権など)や保全決定の一部解除
●申立後、開始前の原因により発生した債権
原則:支払時期が開始決定後となる場合、開始決定にり再生債権となり、開始後の弁済を禁じられる(85条1項)。
例外:共益債権化の承認(120条1項)。
●開始決定後の原因により発生した債権
共益債権として随時弁済(121条1項)

●開始決定により再生債権となった債権
原則再生計画によらなければ弁済不能(85条1項)
中小企業者に対する許可による弁済、少額債権についての許可による弁済の例外(85条2項、5項)
規定 第30条(仮差押え、仮処分その他の保全処分)
裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
6 裁判所が第一項の規定により再生債務者が再生債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、再生債権者は、再生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、再生債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。
第85条(再生債権の弁済の禁止)
再生債権については、再生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、再生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
2 再生債務者を主要な取引先とする中小企業者が、その有する再生債権の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
3 裁判所は、前項の規定による許可をする場合には、再生債務者と同項の中小企業者との取引の状況、再生債務者の資産状態、利害関係人の利害その他一切の事情を考慮しなければならない。
4 再生債務者等は、再生債権者から第二項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。
5 少額の再生債権を早期に弁済することにより再生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の再生債権を早期に弁済しなければ再生債務者の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
第120条(開始前の借入金等)
再生債務者(保全管理人が選任されている場合を除く。以下この項及び第三項において同じ。)が、再生手続開始の申立て後再生手続開始前に、資金の借入れ、原材料の購入その他再生債務者の事業の継続に欠くことができない行為をする場合には、裁判所は、その行為によって生ずべき相手方の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。
2 裁判所は、監督委員に対し、前項の許可に代わる承認をする権限を付与することができる。
3 再生債務者が第一項の許可又は前項の承認を得て第一項に規定する行為をしたときは、その行為によって生じた相手方の請求権は、共益債権とする。
第121条(共益債権の取扱い)
共益債権は、再生手続によらないで、随時弁済する。
弁済禁止保全処分対象債権を支払った場合 無効(30条)⇒取り戻す。
取引関係 メインの仕入先が取引打ち切り⇒仕入が離れて廃業。
代替先があるかどうかを検討。
支払条件変更の提示。
but値上げには応じない。
〜実質的には手続前債権の弁済になる。

「公正・衡平」な手続きの確保
取引先のいいなりにならない。
債権者説明会 規定 規則 第1条(再生債務者の責務等)
再生債務者は、再生手続の円滑な進行に努めなければならない。
2 再生債務者は、再生手続の進行に関する重要な事項を、再生債権者に周知させるように努めなければならない。
3 再生手続においては、その円滑な進行に努める再生債務者の活動は、できる限り、尊重されなければならない。
目的 申立後の混乱の鎮静化
支払サイトの短縮化等の説明
今後とも仕入はつながります
時期 通知の期間を考え、できるだけ申立直後に
申立後3〜4日後
会場 会場を押さえる際に、会社名は出さない。
債権者数×2(1社につき2,3人来る)
会場は大きめの方がいい。
(狭いとヒートアップしやすい)
エル大阪等
配布資料 ・申立てに至った事情
・民事再生手続の概要
・スケジュール(裁判所のスケジュールは出さない(裁判所の内部文書))
・清算貸借対照表
進行 受付で、名前を確認し名刺をもらう。
←要旨を裁判所に報告する必要。(出席者数の集計)
申立て代理人側の弁護士が司会
監督委員はオブザーバー
裁判所から選任された中立的な人間であることの説明
冒頭で社長が謝罪
会場の都合で○○時までと時間を区切る
質問 経営陣に対する責任問題への質問
今後の見通し
弁済率
経営陣の報酬
弁護士の着手金
etc
個別の債権についての質問⇒「別の場で」
無関係⇒説明を差し控えます
知らないことは知らないと言う
調査をして回答します
記録 パソコンで記録するとともに、ICレコーダーで録音
開始決定 開始決定 申立てから1週間から10日程度ででる。
監督委員が開始決定相当意見⇒開始決定。
監督委員から、@資金繰りやA主要債権者の意向
について聞かれる。
共益債権化の承認申請 開始前の債権でも申立後の再建を共益債権化。
開始決定前にしないといけない。
第120条(開始前の借入金等)
再生債務者(保全管理人が選任されている場合を除く。以下この項及び第三項において同じ。)が、再生手続開始の申立て後再生手続開始前に、資金の借入れ、原材料の購入その他再生債務者の事業の継続に欠くことができない行為をする場合には、裁判所は、その行為によって生ずべき相手方の請求権を共益債権とする旨の許可をすることができる。
2 裁判所は、監督委員に対し、前項の許可に代わる承認をする権限を付与することができる。
3 再生債務者が第一項の許可又は前項の承認を得て第一項に規定する行為をしたときは、その行為によって生じた相手方の請求権は、共益債権とする。
規則 第55条(共益債権とする旨の許可に代わる承認をしたことの報告・法第百二十条)
監督委員は、法第百二十条(開始前の借入金等)第二項の承認をしたときは、遅滞なく、その旨を裁判所に報告しなければならない。
★開始決定後
■スケジュール 説明 ■スケジュール
資料6,7

開始決定前に裁判所と打合せ


地方自治体が最大の債権者⇒議会を得る必要⇒それをふまえたり。
スポンサーとの関係で早めたり遅めたり


資料6は裁判所との打合せメモ⇒債権者説明会では配布しない
債権者説明会で一応のスケジュール案を配布するのは有益


財産評定を徒過しない
(徒過する事案が結構ある)


認否書
再生計画案
の徒過

手続廃止事由
期限の伸長も可能


法律の規定が守られていないと監督委員が指摘する場合もある。


手続外事業譲渡+清算
事業譲渡が遅れれば、計画案の作成も遅れる
規定 法第191条(再生計画認可前の手続廃止)
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
一 決議に付するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
二 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出されたすべての再生計画案が決議に付するに足りないものであるとき。
三 再生計画案が否決されたとき、又は第百七十二条の五第一項本文及び第四項の規定により債権者集会の続行期日が定められた場合において、同条第二項及び第三項の規定に適合する期間内に再生計画案が可決されないとき。.
法 第163条(再生計画案の提出時期)
再生債務者等は、債権届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。
2 再生債務者(管財人が選任されている場合に限る。)又は届出再生債権者は、裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出することができる。
3 裁判所は、申立てにより又は職権で、前二項の規定により定めた期間を伸長することができる。
規則 第84条(再生計画案の提出時期・法第百六十三条)
法第百六十三条(再生計画案の提出時期)第一項に規定する期間の末日は、特別の事情がある場合を除き一般調査期間の末日から二月以内の日としなければならない。
2 前項の期間(法第百六十三条第三項の規定により期間が伸長されたときは、その伸長された期間)内に再生計画案を裁判所に提出することができないときは、再生債務者等は、当該期間内に、その旨及びその理由を記載した報告書を裁判所に提出しなければならない。
3 法第百六十三条第三項の規定による期間の伸長は、特別の事情がある場合を除き、二回を超えてすることができない。
法 第193条(再生債務者の義務違反による手続廃止)
次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、監督委員若しくは管財人の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。
一 再生債務者が第三十条第一項の規定による裁判所の命令に違反した場合
二 再生債務者が第四十一条第一項若しくは第四十二条第一項の規定に違反し、又は第五十四条第二項に規定する監督委員の同意を得ないで同項の行為をした場合
三 再生債務者が第百一条第五項又は第百三条第三項の規定により裁判所が定めた期限までに認否書を提出しなかった場合
2 前項の決定をする場合には、再生債務者を審尋しなければならない。
■監督委員の役割 役割 監督委員の役割:
再生手続遂行全般を監督

@再生手続開始の申立について手続開始についての意見書の提出
A開始後の申立企業の財産処分や業務遂行の監督
B業務状況及び財産状況の調査
C不公正な弁済や財産処分があった場合の否認権の行使
D再生計画案についての意見書の提出
E再生計画案が認可された後の履行の監督等
あくまでも監督機関
手続きの遂行は申立代理人

DIP型:債務者が管理する型
■申立代理人の心構え 説明
取引先との交渉・説明等
資金繰の確認


事業遂行上の問題や資金状況の把握
営業会議への参加で問題点を把握

公平誠実義務

二次破綻のリスク
・人
・物
・取引の見直し


再生債務者は病人
申立代理人が医師
病院の集中治療室に入るような感じ
再生計画認可により、一般病棟へ
規定 法第38条(再生債務者の地位)
再生債務者は、再生手続が開始された後も、その業務を遂行し、又はその財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第六十六条及び第八十一条第一項において同じ。)を管理し、若しくは処分する権利を有する。
2 再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。
■同意申請
監督命令⇒同意事項

法54条に基づき・・・監督命令が発令。
41条(裁判所の許可)

重要な行為について監督委員が監督する。


「常務」:通常の業務
仕入や販売
規模や業種によってもかわってくる。


ファクスやメールで申請書案を見てもらい、了解⇒申請書を持って行く。
面談による説明もある。


申請書3通を作成
監督委員
再生債務者
裁判所報告用


閲覧制限の対象にならない
⇒報告の内容を要旨の記載にとどめる。

契約当事者から同意書を見せてほしい
⇒理由部分を別にする配慮


申請書を見ても説明が不十分
急ぐ理由もわからない
疎明資料不足
という場合もある。

ある程度見通しがたった段階で申請をする。


当たる可能性がある
⇒監督委員と相談

同意なし⇒無効となる
不認可事由となる

場合により報告と事後的同意もあり得る
規定 法 第54条(監督命令)
裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
法 第41条(再生債務者等の行為の制限)
裁判所は、再生手続開始後において、必要があると認めるときは、再生債務者等が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
一 財産の処分
二 財産の譲受け
三 借財
四 第四十九条第一項の規定による契約の解除
五 訴えの提起
六 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
七 権利の放棄
八 共益債権、一般優先債権又は第五十二条に規定する取戻権の承認
九 別除権の目的である財産の受戻し
十 その他裁判所の指定する行為
2 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
■少額弁済
少額弁済

法85条5項前段


金額:資金繰りと
10万円〜30万円の間で決定される場合が多い

保全処分の除外より金額が多くなることもある。
債権者毎に名寄せして判断


頭数の過半数

債権者数を減らしすぎると議決要件を満たさない場合がある。

20万円以下40社⇒40社がいなくなる。
(頭数要件の問題)
規定 第85条(再生債権の弁済の禁止)

5 少額の再生債権を早期に弁済することにより再生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の再生債権を早期に弁済しなければ再生債務者の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、再生計画認可の決定が確定する前でも、再生債務者等の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
■月次報告
月次報告(開始決定により求められる)

資料p57

業務や財産の状況の透明性を確保。
月次の貸借対照表、損益計算書を添付。

赤字⇒対応についても記載
経理担当者と打ち合わせして用意してもらう。

開始決定によって期限が決まる。
(裁判所との事前相談により、毎月20日、末も可能)

監督委員にも提出。


A4、2枚程度


利害関係人の閲覧対象⇒内容に注意
面談メモでの事実上の報告も考える


申立代理人が内容をチェックする。
違法な弁済はないのか?
■財産評定 規定 法 第124条(財産の価額の評定等)
再生債務者等は、再生手続開始後(管財人については、その就職の後)遅滞なく、再生債務者に属する一切の財産につき再生手続開始の時における価額を評定しなければならない。
2 再生債務者等は、前項の規定による評定を完了したときは、直ちに再生手続開始の時における財産目録及び貸借対照表を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。
3 裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、評価人を選任し、再生債務者の財産の評価を命ずることができる。
規則 第56条(価額の評定の基準等・法第百二十四条)
法第百二十四条(財産の価額の評定等)第一項の規定による評定は、財産を処分するものとしてしなければならない。ただし、必要がある場合には、併せて、全部又は一部の財産について、再生債務者の事業を継続するものとして評定することができる。
2 法第百二十四条第二項の財産目録及び貸借対照表には、その作成に関して用いた財産の評価の方法その他の会計方針を注記するものとする。
3 前項の財産目録及び貸借対照表には、副本を添付しなければならない。
規則 第57条(財産状況報告集会が招集されない場合の報告書の提出時期等・法第百二十五条)
再生債務者等は、財産状況報告集会が招集されない場合には、再生手続開始の決定の日から二月以内に、法第百二十五条(裁判所への報告)第一項の報告書を提出しなければならない。
2 前条(価額の評定の基準等)第三項の規定は、前項の報告書について準用する。
説明
法 124条

開始時の価格を裁定

財産目録と貸借対照表


開始決定の1か月が期日。
(規則57条の2か月以内で可能)


財産状態の正確な情報を知らせる。

資産の再評価

破産の場合の配当との比較

清算価値保証原則の充足


資料9、10


財産を処分するものとして評価(規則56)


清算配当率より有利な計画である必要。
評価について

予想清算配当率:
資料p61の右下


財産目録の摘要欄の方法で評価


財産目録
貸借対照表

会計士・税理士・不動産鑑定士と相談

「処分するものとして」
〜早期処分価格で評価


規則56条2項:
評価方法その他の会計方針の注記


予想清算配当率を上回る弁済率
債権者は破産という選択肢もある。


監督委員としては厳格に判断。

最終的には、最終計画案に対する意見書で言及。


売掛金を70%で評価
but
それまでもきちんと払われている。

監督委員の意見を前提としても、上回る弁済率・・・・。


財産目録
資料p63

125条報告書
規則 法 第125条(裁判所への報告)
再生債務者等は、再生手続開始後(管財人については、その就職の後)遅滞なく、次の事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。
一 再生手続開始に至った事情
二 再生債務者の業務及び財産に関する経過及び現状
三 第百四十二条第一項の規定による保全処分又は第百四十三条第一項の規定による査定の裁判を必要とする事情の有無
四 その他再生手続に関し必要な事項
規則 第63条(財産状況の再生債務者等による周知)
再生債務者等は、財産状況報告集会が招集されない場合には、裁判所に提出した法第百二十五条(裁判所への報告)第一項の報告書の要旨を知れている再生債権者に周知させるため、報告書の要旨を記載した書面の送付債権者説明会の開催その他の適当な措置を執らなければならない。
2 再生債務者等は、前項に規定する措置として次の各号に掲げる措置を執る場合には、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは再生債務者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者に対して、それぞれ当該各号に定める措置を執らなければならない。
一 前項に規定する報告書の要旨を記載した書面の送付 当該書面の送付
二 前項に規定する債権者説明会の開催 当該債権者説明会の日時及び場所の通知
規則 第64条(再生債務者等による財産目録等の開示)
再生債務者等は、再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止又は再生計画認可若しくは不認可の決定が確定するまで、裁判所に提出した法第百二十四条(財産の価額の評定等)第二項の財産目録及び貸借対照表並びに法第百二十五条(裁判所への報告)第一項の報告書に記録されている情報の内容を表示したものを、再生債権者が再生債務者の主たる営業所又は事務所において閲覧することができる状態に置く措置を執らなければならない。ただし、再生債務者が営業所又は事務所を有しない場合は、この限りでない。
2 再生債務者等は、再生債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所において前項に規定する措置を執ることその他同項に規定する情報の内容を周知させるための適当な措置を執ることができる。
解説
株主構成
定款

125条1項各号


融通手形
役員への違法な貸付
私的に流用
違法配当


別除権協定の交渉
組合の動向等


規則64条1項で備え置いて閲覧。l

規則63条
・・招集されない場合には、債権者への説明
■債権調査 規定 法 第101条(認否書の作成及び提出)
再生債務者等は、債権届出期間内に届出があった再生債権について、その内容及び議決権についての認否を記載した認否書を作成しなければならない。
2 再生債務者等は、第九十五条の規定による届出又は届出事項の変更があった再生債権についても、その内容及び議決権(当該届出事項の変更があった場合には、変更後の内容及び議決権)についての認否を前項の認否書に記載することができる。
3 再生債務者等は、届出がされていない再生債権があることを知っている場合には、当該再生債権について、自認する内容その他最高裁判所規則で定める事項を第一項の認否書に記載しなければならない。
4 債権届出期間内に約定劣後再生債権の届出がなかったときは、前項の規定は、約定劣後再生債権で再生債務者等が知っているものについては、適用しない。
5 再生債務者等は、第三十四条第一項に規定する再生債権の調査をするための期間(以下「一般調査期間」という。)前の裁判所の定める期限までに、前各項の規定により作成した認否書を裁判所に提出しなければならない。
6 前項の規定により提出された認否書に、第一項に規定する再生債権の内容又は議決権についての認否の記載がないときは、再生債務者等において、これを認めたものとみなす。当該認否書に第二項に規定する再生債権の内容又は議決権のいずれかについての認否の記載がない場合についても、同様とする。
法 第92条(相殺権)
再生債権者が再生手続開始当時再生債務者に対して債務を負担する場合において、債権及び債務の双方が第九十四条第一項に規定する債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、再生債権者は、当該債権届出期間内に限り、再生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。債務が期限付であるときも、同様とする。
説明
マニュアル(資料p15)と表計算ソフト

議決権額の認否

予定不足額が議決権額


自認債権

まずは債権届け出を求める。
届け出なし⇒自認債権として届け出る。

法101条

失権はしない


満了前に相殺適状⇒同期間内に限り相殺。

相殺あり⇒取引債権者が多い、
相殺の機会を失わないよう情報提供してあげる。


監督委員のチェック
法律・規則には規定がない。
but
大阪地裁の運用上。

法49条1項、2項
■別除権協定 規定 法 第53条(別除権)
再生手続開始の時において再生債務者の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権をいう。第三項において同じ。)を有する者は、その目的である財産について、別除権を有する。
2 別除権は、再生手続によらないで、行使することができる。
説明
別除権協定


不可欠な不動産が別除権の目的


再生手続きの外で競売申立てが可能。

別除権協定により確保する。

担保目的物を評価し
その評価額を支払う

合意した金額を支払った段階で解除

資料12(p71)


別除権の目的である財産の受戻し
監督委員の同意事項


必要なもののみ別除権協定


資料13 p75 同意申請


代表者の所有工場⇒別除権ではない。
再生法53条

but
担保権者と交渉していく

ex.
事業継続に不可欠

不動産を取得する(監督委員の同意が必要)

再生手続中の融資を受ける
担保権抹消

分割を実行を猶予

リースバックする第三者(買取って利用させてもらう)


事業の継続に不可欠⇒別除権協定

必要ない⇒ほっておく(競売でもOK)


評価が交渉のポイント

査定書の提示
早期処分価格での受け戻しの申出。

債権届出で目的物の価格を記載⇒債権者の評価がわかる。

落とし所を探る。

協定が締結できない⇒計画遂行の見込みなしの可能性。
締結できなくても、別除権協定の見通しを説明する。
進行状況を監督委員に説明。


事業継続価値
再評価価格

認可されたら結ぶ


不動産鑑定
妥当性を説明

担保権消滅許可の制度の示唆
(処分価格を納付することで担保権が消える)

破産の場合の回収額を提示

別除権者の金額が高い⇒一般債権への配当が減る


工場の工作機械のリース

フルペイアウト方式のファイナンスリースは、別除権付き再生債権

決定前
決定後
と弁済禁止⇒共益債権としては払えない。

リース物件の処分価格について支払う事を条件に別除権協定を結ぶ。
(大阪地裁の運用)
■再生計画案 説明 資料3p27


@自力再建:収益弁済型
A事業譲渡や減増資⇒スポンサーの支援を受けて一括弁済
(スポンサー型)


役員が自主再生を希望でスポンサーがでた場合。
予定スポンサーより、良い条件をだすスポンサーがでた場合。


債権者の利益
従業員の利益
取引先の利益
の関係者の利益を考慮


自主再建型

スポンサー型

・事業譲渡型
・減増資(M&A)

不動産の譲渡⇒登録免許税がかかる⇒株式譲渡型
雇用条件を見直したい⇒事業譲渡型で解雇して再雇用


計画案

経緯
事業計画の内容
も記載

@再生計画案
A補足説明書

に分けて記載

資料3


弁済率

将来キャッシュフロー

給与の支払い
共益債権
別除権付き債権

債務免除益課税

法人税(タックスプラン)

税引き後弁済可能金額


大口金融機関の意向も踏まえ、弁済率と弁済金額


事業計画:会社で作成
内容:公認会計士等のチェックを受ける。

資料14p77


履行可能性
実現が無理なコスト削減
実現可能性はどうか

等を弁護士もチェック


大口債権者には説明して回る必要

A3用紙1枚程度

バックデータがあるかどうかのチェック


監督委員も履行可能性について意見を述べる

事業計画の合理性を会計士に一緒にみてもらう。

計画案
事業計画
バックデータの合理性


実際のキャッシュフローを算出する必要

減価償却費差戻し
課税も考慮

共益債権
一般優先債権
別除権者への弁済額


10年以内で作成


税金

税理士・公認会計士の助力が必要

債務免除益を受ける場合、免除を受けた額が益金⇒法人税

繰越欠損金
遊休不動産売却の売却損

粉飾の仮装経理の修正に伴う損金計上
資産の評価損
期限切れ欠損金の利用


申立て段階で、繰越欠損金を把握する必要。

債務免除益対策を裁判所から聞かれる。


弁済期間中

必要な設備投資金等を折り込んでおく。

工場の機械設備の関係で、メンテナンス等が必要。
but
過剰な計上は慎むべき。


大阪地裁
書式3 のマニュアル記載の書式


不認可事由

法174条2項


計画:権利変更が平等原則に違反しないか

事業計画の合理性

4号:清算価値保証原則

規定:開始決定時
例外的に劣化した清算価値を基準にする事もあり?


実質的な清算価値保証

分割の場合、それを考慮


10年は最長の期間
最低配当率を上回れば、5年でもOK。

繰越欠損金の利用が可能な7年間で返済
別除権の支払いを一般債権への返済後にする


大阪地裁では提出期限の1カ月前に面談期日が入る。
その1週間前までにドラフトを提出。
(裁判所と同時に監督委員にも提出)


監督委員意見書:

再生計画の不認可事由がないかどうか

期限徒過⇒違法事由
役員の責任
会計士の調査報告書


提出後面談期日⇒修正が必要な場合もあり。



付議決定後速やかに・・・再精査権者に発送
(裁判所からの発送にある)

説明文書は、裁判所の了解をえた上で、それを記した上で、
封書に同封
■可決に向けた活動 規定 第172条の3(再生計画案の可決の要件)
再生計画案を可決するには、次に掲げる同意のいずれもがなければならない。
一 議決権者(債権者集会に出席し、又は第百六十九条第二項第二号に規定する書面等投票をしたものに限る。)の過半数の同意
二 議決権者の議決権の総額の二分の一以上の議決権を有する者の同意
説明
過半数の同意
総額の2分の1以上の議決権を有する者の同意


必要に応じて個別訪問で同意を求める。

金融機関等


会場を手配するとともに、説明会の案内。


○@期日型:債権者集会で議決(大阪地裁)
A書面投票:
B併用型:債権者の選択

代理人を用意

委任状をいれておく。


議決権の一覧をエクセルで管理


議決票の行使の案内が必要。



169条
172条の5

書面投票型の場合、否決⇒廃止となる。
(続行ができない)

期日型、併用型:

いずれかをクリアしたが、いずれかがクリアしてない
⇒期日続行の道がある

場合によっては再生計画案の変更


裁判所資料
裁判所資料 ★民事再生手続の申立を検討されている方へ(Ver.21.5.12)
★民事再生手続の申立を検討されている方へ 手続選択 再生手続は, 債権者の同意を得, かつ, 裁判所の認可を得た再生計画を履行しつっ債務者の事業又は経済的生活の再生を図る手続ですので, 履行可能な再生計画の作成が可能かどうがを十分に検討した上で, 再生手続を選択してください。 この可能性が乏しい場合には, 破産手続等を選択することも検討してください。

再生手続では, 再生債権者の一般の利益に反しないこと, すなわち, 破産手続による配当見込額を上回る弁済をすること (清算配当率の確保) が求められています(民事再生法(以下「法」という  174条2 項4号)。 この見通しがないにもかかわらず, 安易に再生手続開始の申立てをすれば, 債務者の資産をいたずらに費消することになり, 破産手続開始を申し立てた場合と比べで, 債権者に不利な事壊を招くことになりかねません

しかも, 再生手統では, 税金などの一般優先債権や事業を継続する上で欠くことができない行為によって生じた共益債権を優先的に弁済することが求められていますので, これらを弁済してもなお清算配当率を確保しなければなりません。 この点にも注意して再生可能性を判断してください。                                
事前相談
申立予定日の少なくとも1週間前までに, 事前相談をしてください
手形不渡
りとなる目の直前に相談や申立てを.されても, 申立書やそれに添付すべき資料が整っていなければ, 申立て自体が不適法となったり, 必要な日時までに保全処分の発令を受けることができない場合があります。

事前相談には, 申立書ドラフト及び申立書に添付すべき書面 (別紙4 参照)をできるだけ揃えてお持ください(少なくとも, 申立書ドラフト, 資金繰り表(月繰り表,  日繰り表) 及び債権着一覧表はお持ちください。)。

また, どのような
方法で再建を目指し, その手順をどのように考えているのかについて具体的にお何いしますので, 準備しておいてくた゛さい。

なお, 事業計画案, 資金繰表及び財産評定の参考書式については, 日本公認会計士協会近畿会のホームべ.ージからも
ダウンロードできます。
申立てをするにあたって
民事再生手続では, 再生債務者は,  業務遂行権や財産管理処分権を原則として失わず, 第三者的立場に立って, 債権者に対し, 公平かつ誠実にその権利を行使, 手続を進めていく義務を負います(法38条1 項, 2項)。 また, ・ 手続の円滑な進行に努める再生債務者の活動は, できるだけ尊重する こととされています(民事再生規則(以下「規則」という。) 1 条3項)。 したがって, 民事再生手続は, 自主性と自己責任が大前提となる手統です。

そのため, 民事再生法及び民事再生規則は, 再生債務者に多くの義務を課して いますので, この点に十分に留意して中立てを検討してください。
(1 )  再生債務者には, 再生手続の円滑な進行のための努力義務が課せられています (規則1 条1 項) 。

手続の節目節目で, 再生債務者がしなければならないことは,
@財産の価額
の評定及び財産目録等の提出(法124条1 項,  2項),
A業務財産等に関する報告書の提出(法125 条1 項),
B債権調査確定手続における認否書の作 成提出(法101 条),
C再生計画案の作成提出(法163条1 項) など, 多岐tこわたります。

これらを再生債務者者が怠れば, 再生手続は廃止され(法19
1条,  193 条など), 破産原因がある場合には職権で破産手続開始がされることにもなりかねません(法250条)。
(2) 再生債務者には, 手続の進行に関する重要事項を周知する努力義務が課せられています(規則1 条2項)。

具体的には, 財産目録や貸借対照表, 報告書, 債権認否書を主たる営業所又
は事務所に備置き(規則43 条1 項,  64 条1 項), 債権認否書の写しを債権者に交付する(規則43 条3項) ことなどが求められています。
また, 自主的
に債権者説明会を開催するなど, 財産状況について債権者に周知させなければなりません(規則63 条)。    
このように, 再生債務者の自主性と自己責任を基本とする民事再生手続において, 実際に手続を進めていくことは再生債務者の資任です(原則として監督委員が選任されますが, 監督委員は再生債権者の利益確保の観点から再生債務者を監督する第三者機関であり, 再生債務者の補助機関ではないので, その助力を期待す.ることはできません。)。

再生債務者は, 再生手続.の終結まで(再生計画認可決定確定までではありません。 監督委員が選任されている場合には, 再生計画が遂行されたとき, また は, 再生計画認可決定確定後3 年が経過するときまで終結しませル。) , 責任をもって手続を進行させなければなりません。


また, 民事再生手続の特徴の1 つとして, 手続の進行が極めて迅速であることが挙げられます。一般的なスジュールでは(別紙1 参照),
申立ての後, 約1週間後に再生手続が開始され,
再生債務者には, 再生手続開始の1 か月後には財
産目録等を,  8 週間後には再生債権の認否書を, 8 か月半後には再生計画案を, それぞれ作成・ 提出することが求められます。

再生手続開始を申し立て.るに当たては, ,こうしたスケジュール管理に十全を尽すよう求められていることにも御留意ください, (スケジュールを遵守できない場合には, 手続廃止に至ることにもなりかねないことは, 既に述べたとおりです。)。
なお, 手続全般については, 「民事再生手続の運用モデル(補訂版)」(法曹会, 平成14年) が一応の参考となります(ただし, 内容は大阪地裁の運用と全く同じではありません。)。 
申立ての際の留意事項 (1)  手続費用等
実際に再生手続開始の申立てをする場合, 一般的には,
申立書5 部添付書
面3部、 印紙1 万円分郵券8200円分、予納金が必要です。
予納金は,
案によって異なりますが, 一応の目安として, 別紙2 ,  3 のとおりの基準を定めています。
なお 予納金の分納は認めておりませんので, 注意してください。
(2)  申立書類の作成申立書の記載事項及び添付書面については, 民事再生規則 (規則12条ないし14条) に定めがありますが, これ以外にも, 再生手続の円滑な進行を図るため, 提出をお願いする資料があります(規則14条の2)。 その内容については, 別紙4 において説明していますので, これを参照の上, 具体的でわかりやすい中立書類を作成してください。

また, 特に次の点に注意してください。
  申立書には再生計画案の作成の方針について意見を書かなければなりません。 特に., 権利変更の内容(どのくらいの弁済率でどのくらいの期間の弁済 を考えるか) は必ず記載してください。


イ予想される再生債権総額及び資産の総額を明らかにした上で, 申立時点にお いて清算した場合の予想配当率について示してください 。

  中立後3 か月間(少なくとも1 か月間) については,  日ごとの資金繰りの見込みを示したいわゆる日繰り表を提出してください。

 

  申立書類は,A4 判・ 横書き・ 左綴じで作成してください。

別紙1 民事再生手続の一般的スケジュール例
別紙2 民事再生事件の手続費用について(法人用)
別紙3 民事再生事件の手続費用について(個人用)
別紙4 申立書に記載すべき事項・添付すべき書類
★民事再生手続の申立代理人の方へ(Ver21.05.12)
★民事再生手続の申立代理人の方へ 1 申立代理人の心構え 1 申立代理人の心構え
民事再生手続では, 再生債務者は, 業務遂行権や財産管理処分権を原則として失わず, 民事再生手続を進めていくことになり.ます(民事再生法(以下「法」という。)  38条1項)。

すなわち, 民事再生手続は, 破産手続のように破産管財人が手続を遂行するのではなく, 再生債務者自身が手続を遂行することが原則となっており (D I P 型) , 再生債務者の再建に向けての自主性と自己責任が大前提となる手続ということができます。

ただ, 民事再生手続の遂行iこ当たっては, 再生債務者が, 手続開始後も開始前と同様に自らの利益のみを図って行動することは相当でなく, 債権者の全体の利益を適切に代表し, その利益を損なうことのないように行動する必要があり, 再生手続開始後は, 再生債務者は, 債権者に対し, 公平かつ誠実にその権利を行使し, 手続を進めていく義務.を負うことにな.ります(同条2 項)。 民事再生法及び民事再生規則は, 再生債務者に多くの義務を課しています(民事再生規則(以下「規則」という。) 1条1項 ・2項)。

また, 民事再生手続は, 高度に専門的かつ複雜な手続となっており, 再生債務者自身は法規についての知識が十分で はないため, 再生債務者本人のみでは, 事再生手続を円滑に進行させていくことは到底期待できません。そこで法律専門家たる申立代理人の存在が重要となってきます。 再生債務者に課された公平誠実義務を実践し, 手続を円滑に進めていくことは申立代理人の職責といわなければなりません。 事業の再生の見通しの事j断, 再生に向けた適切な 手法の選択, 再生債権者の協力の確保, 適切かつ経済的に要当な再生計画案の立案等といった側面で, 申立入 (再生債務者) 側に求められる力量の程度は高く,したがって, 中立代理人に要求される力量や経験の程度も高いといえます。 このような意味で, 民事再生手続の成否ひいては再建の成否は, 申立代理人の手腕にかかっているといっても過言ではありません。

申立代理入は, 手続の終結まではも とより, 再生計画の遂行完了まで1 責任を持たなければならないことを肝に銘じてください。なお, 特に法人の再生手続においては, 会計の専門的な知識も必要となりますので, 専門家のアドバイスを受けるとも併せてご検討ください (事業計画案, 資金繰表及び財産評定の参考書式については,  日本公認会計士協会近畿会のホームページからもダウンロードできます
2 手続の進行管理 2 手続の進行管理
民事再生手続は, 手続の進行が極めて迅速な手続です。
申立後の進行は, おおむね以下のようになります(別紙のスケジュール例を参照してください。)。

なお, 実際のスケジュールは手統開始決定時において定めていますが, こうした期間・ 期限が守られない場合には, 再生手続廃止となる・ことがあり(法191 条2 号, 193 条1 項3号), 再生債務者に破産原因が認められる場合には, 職権による破産手続開始に至ることもありますので(法250 条1 項) , 手続の進行管理には十分に配慮してください。

なお, 手続全般については, 「民事再生手続の運用モデル(補訂版)」(法曹会, 平成14 年) が一応の参考となります(ただし, 同書の内容は大阪地裁の違用と全く同じではありませんのでご注意ください。)。                

 

(1) 申立てから開始まで

申立ての直後に再生債務者代表者等に対する審尋を行い, 特段の事情がない限り, 申立後1 週間ほどで開始決定をすることになります。


(2)  財産目録等, 法125条1 項の報告書の提出

再生債務者は, 手続開始決定の1 か月ほど後までに,
@財産の価額の評定及
び財産目録等(法124条1 項, 2 項), 及び
A業務財産等に関する報告書(法125 条1 項) を提出しなければなりません。


(3) 認否書の作成, 提出

手続開始決定から 8 週間ほど後までに債権調査手統における認否書の作成及
び提出をすることが必要となります(法101 条)。 


(4)
再生計画案の作成, 提出                                                      
手続開始決定から3
か月半ほど後までに再生計画蒙の作成及び提出をしなければなりません(法163 条1 項)。
3 再生債権者への周知義務 3 再生債権者への周知義務
(1) 法令上の義務
再生債権者への公平誠実義務の具体化の一環として, 再生債務者には, 手続の進行に関する重要事項の周知に向けた努力義務が課せられ.ています (規則1 条2 項)。.これを具体化するものとして, 以下の義務があります。

@ 財産目録や貸借対照表, 法125 条1 項の報告書, 債権認否書等に記録されている情報の内容を表示したものを主たる営業所又は事務所で閲覧できる状態に置く措置を執ること (規則43 条1項,64条1項)

A 債権認否書等に記録されている情報のうち,当該債権者に関する内容を記録した書面を当該債権者に交付すること(規則43条3項)。

B 法125 条1項の報告書の要旨の送付, 債権者説明会の開催等によって,財産状況について再生債権者に周知させるとともに, 労働組合等にも財産状況を周知させる機会を設けること(規則 6 3 条) など。

再生債権者に再生債務者の状況を知らせ, 理解を求める活動は, 再生債権者が再生債務者の再生の可否について決定権を持つており, その多数の同意がなければ再生ができないという関係にある以上, 義務付けを待つまでもなく当然行うべき事柄であるということができますが, あえて法令上の義務とされていることからしても, 申立代理人としては, この点で遺漏があってはなりません。
(2) 債権者説明会の開催

規則上具体的に規定されているほか, 手続を円滑に進行させるという観点から, より積極的に情報開示を行い, 再生債権者の理解を得ることが必要であり,また, 有効でもあります。

再生債務者は, 再生手続の全過程を通じて, 再生手統を公正で透明性のあるものとし, かつ再生債権者が的確な判断ができるようにするため, 債権者説明会等の機会をとらえて, 債権者及び利害関係人に適切に情報を提供又は開示する努力を行うことが求められていまず。

@ 再生手続申立て後, 時間を置かずに債権者説明会を開催し, 再生債権者に状況説明をすることは非常に有意義です。

A 再生債務者は, 手続開始決定の1か月ほど後に裁判所に提出する法125条1項の報告書の要旨について再生債権者及び労働組合等に周知させるため, 適当な措置を執らなければなりませんが(規則63 条)、 その方策として最も有効であ る のは, やはり債権著説明会の開催です。

B 再生計画案作成後, その内容について説明し理解を得るためにも債権者説明会の開催は効果的です。

申立代理人としては, 少なくとも上記@からBの債権者説明会は開催することが望ましいと考えられますのでご検討ください。
そして, 債権者説明会を開催した場合には, 速やかに, その結果の要旨を裁判所に報告してく ださい(規則61条2 項)。
また, 監督委員が選任されでいる場合には, 監督委員力f債権者説明会にオブザーバーとして出席できるよう, その旨を監督委員に知らせてください。 ただ, 監督委員の出席はあくまでもオプザーバーとしてのものですから, 進行は申立代理人側で行っていただくほか, その着席場所についても再生債務者側から離し, 監督委員が債権者に説明したり質問を受けたりすることがないようにするなど, 監督委員の立場に配慮するようにしてください。
4申立てから手続開始決定までの間の注意事項 4申立てから手続開始決定までの間の注意事項
(1) 再生手続開始を申し立てても, 再生手続開始決定前であれば, 手続開始の申立ての取下げは可能ですが, 保全処分(法30条1 項) や監督命令(法54条 1 項) 等が発令された後は, 裁判所の許可を得なければ, 取下げができません(法32 条)。 取下げの許可を求めたものの許可されない場合は, 通常, 再生手続開始の申立ては棄却され, その時点で破産原因があると認められれば, 職権で破産手続開始決定を受けることになりますので(法250 条1項) ,ご注意ください。
(2) 保全処分の対象となっている債務を弁済する場合, 監督委員が選任されているときには, 弁済許可申請書に監督委員の意見を添付してください。保全処分が発令されているにもかか’わらず, これに反して弁済することは手続廃止の事由にもなりかねませ,んので, このようなことがないように注意してください(法l93条1項1号)。
(3) 保全管理入が選任されていない場合, 開始申立て後に, 原材料の購入その他再生債務者の事業の継続に欠くことができない行為をしたことによって債務が生じ, これに対する支払いの必要が生じた場合には, 開始決定までに弁済を終えるか, 支払期が開始後になるものについては, 必ず開始決定までに監督委員から共益債権化の承認 (法1 2 0 条2 項) を得ておいてください (監督委員が選任されていない場合には, 裁判所から共益債権化のための許可 (同条1項)を得てください。)。
(4) 既に述べたとおり,この段階において, 債権者説明会を開催し, 再生債権者に申立てに至った事情や負債 の状況等について説明することは, 申立て直後の混乱を回避するのに非常に有意義なことですので, 債権者説明会の開催を積極的に検討してください。
5 監督命令への対応 5 監督命令への対応
監督命令は通常, 保全処分発令と同時に発せられます。 監督命令が発令されると, 再生債務者は, これによつて指定された行為 (要同意行為) については書面 によって監督委員の同意を得なければすることができなくなり (法54条2 項, 4 項, 規則21 条1 項) , これに反した場合, 手続廃止となることがあります (法193 条1 項2 号)。 要同意行為は, 監督命令で定めていますので, 確認しておいてください。
また, 個別具体的な行為が要同意行為に当たるか否かについては, 予め監督委員と意見交換をしておくことが有益です。 さらに, 監督委員から要同意行為について同意を得た場合には, 再生債務者からその旨を裁判所に遅滞なく報告しなければなりませんので(規則21 条2 項) , 注意してください。
要同意行為とは別に, 監督命令では, 監督委員への報告を要する行為(要報告行為) も指定しています。 要報告行為をしたときは, 速やかにその旨を監督委員に報告しなければなりませんので(規則2 2 条) , この報告も忘れないように注意じてください。 裁判所に対する許可中請書についても, 必ず監督委員にも写しを交付するなど認識を共通にするよう注意してください。

なお, 監督委員は, 再生債権者の利益確保のための第三者監督機関であり, 再生債務者の補助者ではありません。 要同意行為についての同意申請や要報告行為の報告について, 再生債務者本人と監督委員に任せてしまい, 申立代理人が関与しないといったことは論外であり, そうした事態が生じた場合には, 再生計画案作成の見込みもおぼつかないとされ, 職権で, 再生手続を廃止することも あり得ます(法191条1号参照)。
6 手続開始決定後の注意事項 6 手続開始決定後の注意事項
(1) 債権届出書等の印刷,. 発送作業
債権届出書等の印刷及 a発送作業は再生債務者にお願いしています。 手続開始決定後, 知れている再生債権者に対して, 「再生手続開始通知書」, 「再生債権届出書(2通)」を発送しますので, 手続開始申立後早い段階から再生債権者の宛名ラベルを作成する等準備を始151)ておいてください。
開始决定発令後, 上記2 種類の書面の印刷用原稿と封筒をお渡ししますので,印刷完了後, それらを発送してください。 発送後, 発送先一覧表(債権者名・住所) と郵便局発行の郵券の領収書を添付した発送報告書を提出してください。

(2) 財産評定及び財産目録等の提出, 備置き

手統開始後遲滞なく再生債務者の財産について再生手続開始時の価額を評定し(法124 条1 項) , 財産評定完了後, .開始決定において定める期限(開始決定の1 か月ほど後に設定します。) までに, 財産目録及び貸借対照表を2 部提出してく ださい (同条2 項, 規則5 6 条3 項)。

また, これと併せて, 法125条1 項に挙げる以下の事項を記載した報告書を2部提出してください(規則57条2項, 56 条3項)。

@ 再生手続開始に至った事情
A 再生債務者の業務及び財産に関する経過及び現状
B 法人の役員の財産に対する保全処分(法142条、1 項) や役員の資任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判(法143 条1 項) を必要とする事情の有無
C その他再生手続に関し必要な事項

なお, この法125 条1 項の報告書には, 別途, 過去3 年間の貸借対照表及び損益計算書を添付してください(規則5 8 条。 これらに粉飾がある場合には,粉飾部分を修正したものを提出してください。)。

また, 既に述べたとおり, これらの財産目録, 貸借対照表及び法125 条1 項の報告書の写しについては, 再生債権者の閲覧に供するため, 主たる営業所又は事務所に備え置かなければなりません(規則64 条)。

(3) 財産業務状況についての債権者に対する周知について

裁判所は, 原則として財産状況報告集会・ (法126 条1 項) を開催しませんので, 既に述べたとおり, 再生債務者は, 法125条1 項の報費書の要旨を知れている再生債権者及び労働組合等に周知させるため, 適当な措置を執らなけ ればなりません(規則63.条)。 この場合の適当な措置としては, 債権者説明会
を開催する方法が最もよいと思われますが, それができない場合でも, 再生債権者に対して法1 2 5 条1 項の報告書の写しの送付は必ずしてください。
なお, 債権者説明会を開催したときはその結果の要旨を(規則61 条2 項) 法1 2 5 条1 項の報告書の写しの送付をしたときはその旨を, 裁判所に報告してください。
7 債権調査i;:当たっての注意事項 7 債権調査i;:当たっての注意事項
(1) 再生債権者から債権届出書が裁判所に提出され次第, 債権届出書(2通) をお渡ししますので, 再生債務者代理人は債権届出期間中, 適宜来訪し, 債権届出書を受領した上で, 債権届出書の整理をしてください (債権者数が多数の事案においては, できる限り?目来訪するようにしてください。)。
(2) 認否書は, 手続開始決定において定めた提出期限(手続開始決定の8週間ほど後に設定します。) までに2 部提出してください(法101 条5 項, 規則38 条3項)。 また, 別途, 異議を述べる再生債権については, 必ず当該届出債権者にその旨通知するとともに, 裁判所には通知した旨の報告書を提出してください。
(3) 認否書の作成に当たっては, 別途配布しているパンフレット「再生債権の調 査について」’を参考にしてください。. また, 認否書作成のため必要があれば,届出再生債権者に対し, 当該届出再生債権に関する証拠書類の送付を求めてく ださい(規則37条)。

届出期間経過後の債権届出を少なくするために, 届出期間の1 週問くらい前に, 知れている債権者で未屆けの債権者がいないかどうかの確認をして, 該当・ する債権者については届出意思の確認をしてください。 その際, 届出意思がある場合は至急届出するよう促すととも、に, 届出期聞経過後の届出は認められな い可能性がある’ことを説明しておいてください。
また, 届出期間経過後認否書提出時までに提出された債権届出に つ いて.も, 認否書に記載してください。
再生債務者が, 届出がされていない再生債権があることを知つている場合には, 当該再生債権について, 自認する内容等を認否書に記載してください(法101 条3 項, 規則38 条2 項。 なお, 自認債権には, 議決権は認められません。)。 特に, 債権者一覧表に記載されている債権者で未届けの者がある場合に
は, 自認債権として挙げているかどうか確認してください。

(4) 再生債権者の閲覧に供するために, 一般調査期間.中は, 認否書等に記録されている情報の内容を表示したものを主たる営業所又は事務所で間覧できる状態に置 く措置を執り, 再生債権者が認否書等に記録されている情報のうち, 当該再生債権に関する部分の内容を記録した書面の交付−を求めた場合には, これを交付するなどしてください(規則43 条)。
また, 再生債権者からの認否の問い合わせについては, 申立代理人が対応してください。
8 再生計画案の作成, 提出に当たっての注意事項 8 再生計画案の作成, 提出に当たっての注意事項
(1) 再生計画案は, ・手続開始決定において定める提出期間(手続開始決定の3 か月半ぼど後に設定します。、) 内に提出しなければなりません(法163 条1 項)。
提出期間の伸長(同条3項) は, 特にやむを得ない場合以外は認めておらず, 提出期間内に提出がない場合には再生手続は廃止されますので(法191 条2号) , 再生計画案の提出期間は遵守してください。
再生計画案の作成及び提出に関しては, 別途配布しているパンフレット「再生計画案の作成・ 提出に当たって」を参考にしてください。

(2) 裁判所では, 再生計画案の提出後, 監督委員の調?報告(再生計画案提出の2 週間後を目途に提出されます。) を踏まえ, 債権者集会招集又は書面による決議に付す旨の決定をすることになります。 債権者集会の招集をする場合, 届出再生債権者等に対・し, 「債権者集会期日呼出状J, 「議決票」, 「再生計画案」, 「再生計画案補足説明書」, 「監督委員の調?報告善」等を発送します。 書面決議の場合は, 上記「債権者集会期日呼出状J に代えて, 再生計画案決議. 「通知書」を送付することになります。
再生債務者に, .印刷及び発送作業をお願いすることになります。 予め封筒をお渡ししますので, 宛名ラベルを貼る等, 発送の準備をしておいてください。 付議決定後, 印刷用の原稿(債権者集会期日呼出状又は通知書・ 監督委員の調 ?報告書) , 議決票等を裁判所からお渡しします。
発送後は, 発送先一覧表及び郵便局発行の郵券の領収書を添付した発送報告書の提出をお願いします。
9 債権者集会, 再生計画認可に当たっての注意事項 9 債権者集会, 再生計画認可に当たっての注意事項
(1) 債権者集会においては, 再生債務者代理人から, 再生計画案の概要及び再生 計画集提出後に計画案の内容に変更がある場合(法’172条の4) にはその変更内容について, 簡潔に説明していただきます。
計画案に変更がある場合には, 予め変更許可中請及びそれに関する配布資料のご準備をお願いいたします。

(2) 再生計画を認可する段階で, 監督委員による再生計画の履行監督(最長,再生計画認可決定確定後3 年間となります。) のための費用を予納していただきます。 その額は, 事案によって異なりますが, 別途配布しているバンフレット「 民事再生手続の申立てを検討されている方へ」 の別紙2 「民事再生事件の手続費用について(法人用) 」 に一応の目安を示していますので, 参考にしてください。
10 再生計画認可後の注意事項 10 再生計画認可後の注意事項
(1) 再生計画認可決定が確定したときは, 再生債務者は, 速やかに, 再生計画を遂行しなければならず(法186 条1 項), 監督委員は, 認可決定確定後, 最長3年間再生計画の遂行を監督することになります(同条2 項, 188 条2 項)。

再生計画認可決定後, 再生債務者の要同意行為は, @重要な財産の処分及び護受け,並びにA多額の借財だけに限定され,また, 要報告行為も限定されます (監督命令参照)。 つまり, 再生債務者は, より自由に経営判断をすることが可能とな るわけですが, 再生債権者に対して公平誠実 iこ手続を遂行する義務を負っている点では変わりありませんので, 申立代理人は再生計画が確実に履行 されるよう配慮してください。

他方, 再生計画認可決定後, 再生債務者は, 監督委員に対して, 2か月ごとに, 業務及び財産の管理状況について報告をしなければなりません (再生手続 開始決定で命じている識判所に対する業務財産管理状況の月例報告は, 再生計画認可決定後は不要となります。) ので, 忘れないようにしてください。
さらに, 裁判所は, 監督委員に対して, 再生計画に定める弁済期ご・とに, 再生計画の履行状況について報告するよう求めていますので,. 再生債務者は, 監督委員からこれに関する報告を求められることになると思われます。 どのような方法により監督委員に対して報告するのか, 監督委員と予め意見交換しておいてください。

(2) 再生計画認可決定確定後, 事情変更等により再生計画の遂行が困難となったときは, 再生手続終了前に限り, 再生債務者は再生計画の変更の申立てをすることができます(法1 87 条1 項)。 また, 再生計画の変更によっても対応ができない場合には, 再生債務者は, 再生手続廃止の申立てをすべきです(法194条)。
申立代理人としては, 常に再生債務者の業務及び財産の状況を把握し, これらの申立ての必要が生じた場合には, 迅速に対応できる よう にしておいてください。

(3) 再生手続は, 監督委員が選任されている場合で, @再生計画が遂行されたとき, 又はA再生計画認可の決定が確定した後3 年を経過し・たときは, 裁判所の決定により,終結します(法188 条2項)。 上記終結事由が生じた後は, 速やかに, 再生手続終結の申立書を提出してくださ.い。

監督委員による監督のもと, 再生計画の履行中の事件であっても, .監督の必要がないと認められて監督命令を取り消す場合(法54 条5 項) , あるいは, 上記再生手続終結の決定により監督命令の効力が失効した場合, 監督委員による監督はなくなりますが, 再生事件の係属や監督委員による監督の有無にかかわらず, 再生計画の履行確保は申立代理人の職責に属することです。 申立代理人は, 再生計画力i完全に遂行されるまで責任が解除されないことを肝に命じてください。
★再生債権の調査について(ver22.2.9)
★再生債権の調査について 第1 再生債権届出書について 1 届出書の整理
 再生債権者から再生債権届出書(2通)が裁判所に提出されますので、債権届出期間中は、適宜来庁して、再生債権届出書を受領した上で、再生債権届出書の整理をしてください。
2 証拠書類の送付
 再生債権届出書には、原則として証拠書類は添付されません。債権の認否のため証拠書類が必要となった場合には、直接届出再生債権者に当該届出再生債権に関する証拠書類の添付を求めてください(民事再生規則(以下「規則」という。)37条)。
3 不備の補正
 補正可能な再生債権届出書の不備(資格証明書の不添付、代表者氏名や押印もれなど)については、届出再生責任者に補正を促し、認否書提出時までに補正を済ませておいてください。
第2 認否書作成について 1 提出期限の遵守
 再生手続開始決定において定めた提出期限までに認否書(正副2通)を提出してください。提出期限までに提出されない場合、再生手続が廃止となることがあります(民事再生法(以下「法」という。)193条1項3号)。なお、計算間違い等のケアレスミスを防止するためにも、認否書の作成は余裕をもって準備し、提出前に今一度認否漏れ、記載漏れ等がないかご確認ください。
2 認否書の記載事項・再生シートの利用
(1)認否書の記載事項
  認否書には、以下の事項を記載してください(別紙記載例参照)。
 @届出があった再生債権について、その内容及び議決権についての認否(法101条1項)並びに認めない理由の要旨(規則38条1  項)
 A届出がされていない再生債権があることを知っている場合には、当該再生債権について、自認する内容(法101条3項)及び再  生債権者の氏名又は名称等の規則38条2項に定める事項
(2)再生シートの利用
  裁判所からお渡しする再生シート(エクセルファイル)により認否書を作成し、認否書とともにそのファイルを提出してくだ さい。具体的な作成方法については、再生シートの「概要」、「申立代理人へ」及び「参考」の各タブをお読みください。また 認否書は、チェックや届出再生債権者の閲覧の便宜のため、セル幅を拡大するなどして、見やすいものにしてください。
3 再生債権者への開示措置
 再生債務者は、債権調査期間内は、再生債権者の閲覧に供するため、認否書に記録されている情報の内容を表示した者を、再生債務者の主たる営業所又は事務所で閲覧できる状態に置く措置を執らねばなりません(規則43条1項、4項)また、電子メールやインターネットを利用した情報の提供が適当な場合もあると考えられます(同条2項、4項)。なお、再生債権者から、認否書に記録されている情報のうち当該再生債権者に関する部分の内容を記録した書面の交付を求められた場合、それを交付するなどしてください(同条3項、4項)。
第3 再生債権の認否について 1 再生債権の範囲
 再生債務者に対し再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、原則として再生債権となります(法84条1項)。
また、@再生手続開始後の利息の請求権、A再生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権、B再生手続参加の費用の請求権も再生債権となります(同条2項)。
 ただし、再生手続開始前の原因に基づいて生じたものであっても、以下のものは再生債権から除外されます。
(1)一般の先取特権その他一般の優先権がある債権(一般優先債権)(法122条1項)
(2)法49条4項、50条2項、120条3項等の規定により例外的に共益債権とされるもの
 さらに、再生手続開始前の原因に基づいて生じた請求権ではなくても、法46条等の個別の規定により特に再生債権とされるもの  があります。
2 外国で弁済を受けた再生債権
 再生債務者は、再生手続開始後、再生債務者の財産で外国にあるものに対して権利行使をしたことにより、再生債権について弁済を受けた場合であっても、その弁済を受ける前の債権の全額をもって再生手続に参加することができます(法89条1項。ただし、同条2項、3項による制限があります。)。
3 債権届出期間経過後の届出債権
 債権届出期間経過後、認否書提出時までに届出書が提出された債権についても、認否書に記載してください。
第4 議決権の認否について 1 議決権額の算定方法は、法87条に定められています。
2 注意点
(1)再生手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもの(法87条1項1号)、金額及び存続期間が確定している定 期金債権(同項2号)は、当該各号に定める額の届出があったものとし、認否してください。
(2)別途権者は、その別途権の行使によって弁済をうけることができない債権の部分(不足額)についてのみ、議決権を行使す ることができます(法88条本文)。
(3)再生債権者が、再生手続開始後、再生債務者の財産で外国にあるものに対して権利を行使したことにより、再生債権につい て弁済を受けた場合、外国において弁済を受けた債権の部分については、議決権はありません(法89条3項)。
(4)@再生手続開始後の利息の請求権、再生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権並びに再生手続参加の費用 の請求権(法84条2項)、A再生手続開始前の罰金等(法97条)については、議決権はありません(法87条2項)。
(5)見届債権について自認し、認否書に記載した場合、当該再生債権については、議決権はありません(法170条2項、171条1項 )。
第5 認否の変更等について 1 認否変更の手続
 認否書の提出後に再生債権の内容又は議決権についての認否を認める旨に変更する場合には、当該変更の内容を記載した書面を裁判所に提出するとともに、当該再生債権を有する再生債権者に対し、その旨を通知してください(規則41条)。
2 再生債務者による他の再生債権者の利益を害しない変更届出
 再生債権認否後、届出再生債権者に対して少額債権の弁済そしたなど、再生債権の消滅その他届け出た事項について他の再生権利者の利益を害しない変更が生じた場合において、当該届出再生債権者が取下げ又は変更届出をしないときは、当該再生債権者に対して、異議があるときは一定の期間内(1週間以上でなければならない。)に異議を述べるべき旨をあらかじめ通知し、その期間内に当該再生債権者から異議がなければ、再生債務者は変更届出書を提出することができます。(規則33条)。
3 債権変動の把握
 一般調査期間開始後に債権の変動があった場合は、再生計画案に記載する債権額や決議における議決権額を定めるときのために、再生債務者側でもデータ修正等の方法で債権変動後の債権額及び議決権額を把握しておいてください。
第6 その他
1 再生債権者への対応
(1)再生債権者からの認否の問い合わせについては、申立代理人の方で対応してください。
(2)一部でも認めない旨の認否をした再生債権については、再生債権査定の申立権を保障するため、必ず当該届出再生債権者に通知をしてください。
(3)届出期間経過後の債権届出を少なくするために、届出期間末日の1週間くらい前に、知れている債権者で未届けの者がいないかどうかの確認をしてください。該当する未届債権者については、届出意思の確認をしてください。その際、届出意思がある場合は至急届出をするように促すとともに、届出期間経過後の届出は認められない可能性があることを説明しておいてください。
2 監督委員に対する資料等の貸出
 監督委員には、認否書のチェックもお願いしていますので、認否書の提出に当たっては、監督委員に、債権届出書綴りその他届出再生債権者からの相殺通知書等認否の基礎となる資料を必ず貸し出して、認否書のチェックをお願いするようにしてください。また、認否書提出後に、届出再生債権について承継や取下げ、相殺による債権の消滅、別途権付再生債権の予定不足額の確定等の債権の変動があった場合にも、それを確認できる資料を監督委員に交付してください。
3 認否書提出前の再照合
 提出された認否書に、単純な誤記や記載漏れ等が非常に多く見られます。裁判所に提出する前に、再度、認否書と債権届出書の各記載を照合してください。
4 将来の求償権の認否
 基本的な考え方は、法86条2項が準用する破産法104条のとおりです。具体的には、主として次のような場合が考えられます。
(1)原債権者と保証人の双方が債権届出をしていて、保証人が代位弁済未了の場合
   保証人の届出債権の認否は、債権額・議決権額とも全額認めないとなり、「その他」欄の記載は「原債権者(受付番号○ー △)権利行使」となります(別紙記載例受付番号7−1参照)。なぜならば、原債権者が債権届出をしている場合、保証人は代  位弁済を行って原債権者の債権を消滅させなければ、再生債権者として権利行使することはできないからです。
(2)原債権者と保証人の双方から債権届出があり、その後、保証人が代位弁済をした場合
   保証人が代位弁済をした場合は、原債権者から債権届出の取下げがなされるか、あるいは、原債権者と保証人の連盟による  債権承継届が提出されるのが通常です。
  @一般調査期間開始前の代位弁済
   原債権者から債権届出の取下げがなされた場合は、保証人の届出債権の種類を求償権に変更した上で、取下部分につき債権  額及び議決権額を認めることになります。
   債権承継届が提出された場合は、原債権者の債権を保証人が承継したこととして、当該債権につき債権額・議決権額を認め保証人の届出を認めないとするか、又は原債権者の届出については認めないとし、保証人の届出債権の種類を求償権に変更し
  た上でこれを認めることになります。
  A一般調査期間開始後の代位弁済
   原債権者から債権届出の取下げがなされた場合は、@と同様の処理になります。
   債権承継届が提出された場合は、原債権者について認めた債権額・議決権額を保証人が承継します。
   保証人が単独で代位弁済による債権変更届出書を提出した場合は、原債権者に取下書の提出を促し、取下書提出後に認否を  変更するようにしてください。その理由は、原債権者が債権届出の取下げをしない限り、保証人は権利行使することができないし、また、原債権者に対して既にした認める旨の認否を認めない旨に変更する不利益変更は許されないため、保証人についての認否を認めるに変更すると、債権(原債権と求償権)を二重に認めてしまうことになるからです。
5 別途権付再生債権の認否
(1)予定不足額について認識の相違がある場合
   別途権付再生債権について、債権届出書記載の予定不足額と認否書の「認否の結果」の「認める」欄に記載された予定不足額とが食い違った場合、債権調査では予定不足額(議決権額)が確定しません。議決権額を早期に確定させるため、あらかじ
  め別途権付再生債権者の了解を得て予定不足額を一致させておいてください。
(2)別除権の有無について認識の相違がある場合
   一般再生債権として届出があっても、再生債務者が別除権付再生債権と認識している場合は、認否書の「届出債権」欄は、一般再生債権として記載し、「認否の結果」欄の記載は別除権付再生債権として行い、「その他」欄には「別除権付再生債権  として認否」と記載してください(別紙記載例受付番号15−1参照)。
   同様に、別除権付再生債権として届出があっても、再生債務者が一般再生債権と認識している場合は、別紙記載例受付番号
  11−1を参照してください。
(3)リース債権の認否
   当部では、フルペイアウト方式によるファイナンス・リース契約のリース料債権について、物件代金の残債権への充当未了  の場合は、別除権付再生債権として扱うことになっています(別紙記載例受付番号14−1,15−1参照)。
(4)予定不足額の認否についての留意点
   別除権付債権債権であるのに、債権届出書に予定不足額(議決権額)の記載がない場合は、届出債権者に補正を促し、補正
  がされない場合は、届出債権額と同額を予定不足額(議決権額)として届け出たとみなして認否を行ってください。
   なお、債権調査の際に認めないという認否をした債権の認否を後に認めるに変更することはできますが、逆に、いったん債権調査で認めた債権につき後に認めないに認否変更することはできません。よって、届出議決権額を全額認めた場合、別除権行使等により、後に当初認めた議決権額(予定不足額)より少ない額で不足額が確定したとしても、当該届出債権者が議決権額(予定不足額)より少ない額で不足額が確定したとしても、当該届出債権者が議決権額を取下げない限り、当初認めた額が議決権額になりますので、認否の際にはご留意ください。
★再生計画案の作成・提出に当たって(ver22.2.9)
★再生計画案の作成・提出に当たって 1 十分な準備を前提とした進行管理の必要性
(1)再生計画案の作成・提出についての基本的事項
 ア 提出権者
   再生債務者等(管財人が選任されていない場合には再生債務者、管財人が選任されている場合には管財人)は、債権届出期  間の満了後裁判所の定める期間内に、再生計画案を作成して裁判所に提出しなければなりません(民事再生法(以下「法」と
  いう。)163条1項)。
 イ 提出期限
   当部では、提出期間の終期は、通常、手続開始決定日から3か月半程度後の日に設定しています。手続開始決定書に記載さ  れていますので、もう一度確認してください。
 ウ 提出期間の伸長
   再生計画案の提出期間については、裁判所は、申立てにより又は職権で、これを伸長することができます(法163条3項)が  当部では、特にやむを得ない事情があって具体的な必要性が認められる場合に限り伸長を認める方針を採っており、単に準備作業が間に合わないといった事情のみでは認めておりません。
 エ 提出されない場合
   提出期間内に、決議に付するに足りる再生計画案の作成の見込みがないことが明らかな場合や、実際に再生計画案が提出さ
  れなかった場合等には、必要的な手続廃止事由となり、職権で、再生手続が廃止されます(法191条1号、2号)。そして、当部では、再生債務者に破産手続開始原因が認められる場合には、原則として、職権により、破産手続開始決定がされることに
  なります(法250条1項参照)。
   そこで、申立代理人にあっては、手続開始後早い段階から再生計画案の作成及び提出のスケジュールを立てた上で作業を進  めるなど、手続の進行管理に注意を払って、提出期間を徒過することのないようにしてください。
(2)別除権の処理
   再生計画案の立案に際して問題となることが多い事項の1つに、別除権の処理があります。別除権の具体的な処理内容を再生計画案に記載することは求められていません(法160条参照)が、一般的には、別除権の処理の方針が決まらないと再生計  画案の立案は事実上不可能です。別除権の処理の方針を決めるには、別除権者との協議が必要条不可欠であり、通常、相当の時間がかかるので、手続開始後速やかに作業を開始し、協議を進行させてください。
(3)ドラフトの事前提出・事前面談
   当部では、再生計画案の提出期限の約1か月前に、裁判所、申立代理人及び監督委員とで面談を行い、再生計画案の作成状  況、再生計画案の概略(再生債権に対する弁済原資の確保の方法等)及び再生債権者の動向等について協議する機会を設けています。そして、上記面談を実のあるものにするために、再生債務者には、面談の1週刊前までに、裁判所と監督委員に再生計画案のドラフトを提出するようお願いしています。
2 再生計画案作成の際の注意点 (1)再生計画案の内容
   再生計画案の内容については、法第7章第1節(154条〜162条)に定めがあります。再生計画案を作成するに当たっては、ま  ず、これらの規定を再確認してください。概略は、次のとおりです。
 ア 条項の内容
   再生計画案は、原則として、
   @全部又は一部の再生債務者の権利の変更に関する条項(法154条1項1号)【別途参考書式@再生計画案(以下「別添計画   案」という。)第1項参照】 
   A共益債権及び、一般優先債権の弁済に関する条項(同項2号)【別添計画案第2項・第3項参照】
   B知れている開始後債権があるときは、その内容に関する条項(同項3号)【別添計画案第4項参照】
により構成されます。
 イ 再生債権者の権利変更条項(ア@)について【別添計画案第1項参照】
   前記ア@の再生債権者の権利の変更の条項は、再生計画の中心部分です。その基本的要素は、
  (ア) 債務の減免、期限の猶予その他の権利の変更の一般的基準(一般条項。法156条)【別添計画案第1項2参照】
  (イ) 確定再生債権のうち変更されるべき権利を明示し、かつ、上記(ア)の一般的基準に従って変更した後の権利の内容を定める
   条項(個別条項。法157条1項)【別添計画案第1項3参照】
   です。
   また、未確定の再生債権や未行使の別除権がある場合には、
  (ウ) 再生債権が確定したり、別除権の不足額が確定したりした場合における再生債権者の権利行使に関する適確な措置(適確   措置条項)を定めなければなりません(法159条、160条1項)【別添計画案第1項4参照】。
 ウ 共益債権等の弁済条項(アA)について【別添計画案第2項・第3項参照】
   前記アAの条項は、共益債権及び一般優先債権が再生手続によらないで随時弁済され(法121条1項、122条2項)、再生計画  の遂行に影響を与えるため、定めることとされています。
   上記条項においては、将来弁済すべきものを明示した上、弁済する時期を示してください(民事再生規則83条)
 エ 開始後債権に関する条項(アB)について【別添計画案第4項参照】
   前記アBの条項は、開始後債権が、法123条2項の規定により、再生手続開始時から再生計画で定められた弁済期間が満了す
  る時までの間は、弁済することができないことから、債権の内容のみ記載すれば足ります。
(2)債権者平等原則
   権利変更の内容は、再生債権者間で原則として平等でなければなりません(債権者平等の原則。法155条第1項本文)。
   ただし、不利益を受ける再生債権者の同意がある場合、又は少額債権若しくは再生手続開始後の利息等の請求権(法84条2
  項)について別段の定めをし、その他再生債権者間に差を設けても衡平を害しない場合には、形式的な平等を貫く必要はあり  ません(法155条1項ただし書)【別添計画案第1項2(1)ア・イ@、別添補足説明書2項(2)参照】。
   なお、不利益を受ける再生債権者の同意を得た場合は、同意書を添付してください。
(3)清算価値保障原則
   権利変更の内容は、再生債権者の一般の利益に反しないこと(法174条2項4号。破産の場合の清算配当率を下回らないこと  を意味すると解されています。)が求められます【別添参考書式A再生計画案補足説明書(以下「別添補足説明書」という。
  3項参照】。
(4)遂行可能性
   再生計画は遂行可能性が求められます(法174条2項2号)。今後の事業計画及び資金計画を立て、それを基にどのような再  生計画案が作成できるのか、その遂行が見込めるかどうかを十分検討してください。検討に際しては、公認会計士等の協力を
  得ることが望ましいでしょう【別添補足説明書6項参照】。
(5)免除益課税
   権利変更条項を作成する際は、免除益課税(再生債権について免除を受けたことによって生じる利益に対する課税)の問題
  を考慮しておくことも重要です。免除益課税は多額に及ぶことが少なくなく、再生計画の遂行可能性に重大な影響を与えるこ
  とがあるからです【別添補足説明書4項参照】。
3 再生計画案の様式  上記1及び2で説明した要件を満たしている限り再生計画案の様式は問いませんが、当部では、法律上要求されている条項のみ を記載する再生計画案(別添参考書式@)と再生計画案補足説明書(別添参考書式A)とに分けて作成する方法を推奨していま す(この方法によると、再生計画案の条項を訂正するに際し、修正(法167条)や変更(法172条の4)をすべき範囲や、債権者 集会における決議の対象が明確になります。)。
  なお、再生計画案補足説明書には、実務上、次の事項を記載しています。
  @再生手続開始に至る経緯【別添補足説明書1項参照】
  A再生計画案の基本方針【同2項参照】
  B破産配当率との比較【同3項参照】
  C事業計画【同4項参照】
  D弁済資金の調達方法に関する条項【同4項参照】
  E弁済資金計画【同4項参照】
  F別除権者に対する弁済計画の概要【同5項参照】
  G再生計画案の遂行可能性の検討【同6項参照】
  H役員変更等の会社組織の変更に関する条項
  I子会社、関連会社の処理に関する条項
  また、事業計画を基礎付けるために、「事業計画書」や「弁済資金計画表」を、破産配当率との比較を基礎付けるために、「
 清算貸借対照表」等を参考資料として添付してください。
参考書式@再生計画案 参考書式@再生計画案
                                               (参考書式@)
平成22年(再)第○○号 再生手続開始申立事件
                                          平成22年○○月○○日

 大阪地方裁判所第6民事部  御中
                                      再生債務者 ○ ○ ○ ○
                                  代表者代表取締役 ○ ○ ○ ○
                                     申立代理人 ○ ○ ○ ○ ?
                                   (電話 06-○○○○-○○○○)
                                   (FAX 06-○○○○-○○○○)
                 
                      再 生 計 画 案

第1 再生債権に対する権利の変更及び弁済方法
1 再生債権
   再生債権者総数、確定再生債権等は、次のとおりである。
 (1)再生債権者総数     ○○○名
 (2)確定再生債権総額    ○,○○○,○○○,○○○円及び額未定          
    (内訳)
     元本         ○,○○○,○○○,○○○円
     再生手続開始決定日の前日までの利息・遅延損害金
                    ○,○○○,○○○円
     再生手続開始決定日以降の利息・遅延損害金
                    ○○○,○○○円及び額未定


→ONE POINT ADVICE 1(再生債権者総数と確定再生債権総額)
  (1)の「再生債権者総数」は、確定再生債権者数(別表T-1、T-2)と未確定再生債権者数(別表U-1、U-2)の
   合計です。自認債権者を含みます。共益債権者、一般優先債権者(別表V-1、V-2)は含みません。
  (2)の「確定再生債権総額」は、確定債権(別表T-1、T-2)の総額です。未確定債権(別表U-1、U-2)は含み
   ません。
2 一般条項
(1)権利の変更
   再生計画認可決定が確定してときに、次の金額について、免除を受ける。
  ア 再生手続開始決定日以降の利息・遅延損害金の金額
  イ 元本及び再生手続開始決定日の前日までの利息・遅延損害金(以下「元本等再生債権」という。)について、次に記載す   る割合に相当する額
   @ 10万円以下の部分については、0パーセント(免除なし)
   A 10万円を超えて100万円以下の部分については、50パーセントに相当する金額
   B 100万円を超える部分については、75パーセントに相当する金額
(2)弁済の方法
  ア 元本等再生債権が10万円以下の場合
    再生債権について、前記(1)による免除後の金額は、再生計画認可決定が確定した日から2週間以内に、全額支払う。   イ 元本等再生債権が10万円を超える場合
    再生債権について、前記(1)による免除後の金額は、次のとおり、11回に分割して支払う。
     第1回    再生計画認可決定が確定した日から2週間以内に、10万円
     第2回以降  平成22年から同31年まで毎年○月末日までに、それぞれ10万円を控除した額の10分の1に相当する額

 →ONE POINT ADVAICE 2(債権者平等原則の例外について)
   申立て後再生手続開始決定前に、少額債権を除外した弁済禁止の保全処分(法30条)を受けた場合、又は、開始決
  定後に、一定額以下の少額債権について弁済許可(法85条5項)を受けた場合には、これらの決定の対象となり得た
  少額債権については、既に弁済を受けた少額債権との均衡を考慮して、債権者平等原則の例外として、100パーセント
  弁済するなどの配慮が必要です。
3 個別条項
(1)権利の変更
   別表T「再生債権弁済計画表」記載の再生債権については、再生計画認可決定が確定したときに、同表「再生債権免除額」
  欄記載のとおり免除を受ける。
(2)弁済の方法
   免除後の金額を、別表T「弁済方法」欄記載のとおり支払う。
4 再生債権額が確定していない再生債権に対する措置(別表U)
(1)再生債権者Eの再生債権について
 ア 大阪地方法務局に再生債権査定事件が係属している。
 イ 再生債権者Eの再生債権が確定したときは、前記2の定めを適用する。
   ただし、再生債権が確定した日に既に弁済期が到来している分割金については、再生債権が確定した日から2週間以内に支
  払う。
(2)再生債権者株式会社F銀行及びGリース株式会社の再生債権について
 ア 別除権が行使されていない。
 イ 別除権の行使によって弁済を受けることができない債権の部分(以下「不足額」という。)が確定したときは、前記2の定  めを適用する。
   ただし、上記再生債権者から不足額が確定した旨の通知を受けた日に既に弁済期が到来している分割金については、当該通  知を受けた日から2週間以内に支払う。
5 弁済に関するその他の事項
(1)免除における端数の処理
   再生債権の免除をする際に生じる免除額の1円未満の端数は、切り捨てる。
(2)分割弁済における端数の処理
   再生債権に対する分割弁済において生じる○○円未満の端数は、最終弁済期日の分割弁済分以外はそれぞれ○○円に切り上  げ、最終弁済期日の前回までの分割弁済額の合計額を総弁済金額から控除した金額を、最終弁済期日の弁済額とする。
(3)弁済の方法
   再生計画のよる弁済は、再生債権者が弁済日の○日前までに文書により指定する金融機関の口座に振り込む方法により行う
  振込費用は、再生債務者の負担とする。
   ただし、再生債権者が上記のとおり振込先の金融機関を指定しなかった場合は、再生債務者の本店において行う。
   なお、弁済期日が金融機関の休業日に当たるときは、当該弁済期日の翌営業日をもって弁済期日とする。    
(4)再生債権移転等の場合の処理
   再生計画案提出日(平成○○年○月○○日)以降、再生債権等の譲渡又は移転があったときは、譲渡又は移転前の債権額を
  基準として権利を変更し弁済する。一部譲渡又は一部移転の場合、権利の変更による免除額は、新旧債権者双方がその債権額
  に按分して負担する。
(5)再生債権者が確定再生債権と未確定再生債権を有する場合
   再生債権者が確定再生債権と未確定再生債権を有する場合には、再生債権額が確定していない再生債権が確定したときに、
  両再生債権の合算額について、前記2の定めを適用する。
   ただし、未確定再生債権が確定した日に既に弁済期が到来している弁済金については未確定再生債権が確定した日から2週  間以内に支払う。

 →ONE POINT ADVICE 3(併有償権者の特則条項)
   少額の再生債権について別段の定めをしたり、傾斜弁済方式を採用した場合で、確定債権と未確定債権など複数の種類の債権を持つ再生債権者があるときは、当該再生債権者に対する弁済についての調整条項を設けることを検討してください。
第2 共益債権の弁済方法
平成○○年○月○○日までに発生した共益債権の未払残高は、○○,○○○,○○○円である。
未払共益債権及び同日の翌日以降に発生する共益債権は、随時支払う。
第3 一般優先債権の表示及び弁済方法(別表V)
 1 公租公課
   優先債権者総数、優先債権総額等は、次のとおりである。
  (1)優先債権者総数   ○○名
  (2)優先債権総額    ○,○○○,○○○円
    (内訳)
     本税等       ○,○○○,○○○円
     延滞税等        ○○○,○○○円
 2 労働債権
   優先債権者数、優先債権総額等は、次のとおりである。
  (1)優先債権者総数   ○○名
  (2)優先債権総額    ○,○○○,○○○円
 3 弁済方法
   未払一般優先債権及び平成○○年○月○○日以降に生ずる一般優先債権は、随時支払う。
第4 開始後債権
   平成○○年○月○○日までに発生した開始後債権は存在しない。
 
 →ONE POINT ADVICE 4(その他の条項)
その他の再生計画の条項としては、@債務の負担及び担保の提供に関する定め(法158条)、A根抵当権の元本が確定している場合の措置(法160条2項)、B資本の減少等に関する定め(法161条)などがあります。
参考書式A再生計画案補足説明書

実務
民事再生法の目的 「・・・当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。」(1条)
各手続機関の位置づけ  再生債務者の立場 公平誠実義務 再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。(法38A)
開始決定により、「債務者」→「再生債務者」(手続機関)に
公平誠実義務違反の場合 管理命令(64)but伝家の宝刀(事業経営能力・報酬の問題)
再生計画不認可→破産(債権者にとってプラスになるのか)
債務者と債権者とのバランス  債権者は議決権の行使しかない。 
再生債務者側 DIP型(38@)
再生債権者の個別権利行使の禁止(法85@、39@)
債務者財産・業務に関する情報の偏在
債権者側  (裁判所)要許可事項の指定(41) 
(監督委員)監督命令と要同意事項の指定(54)
管理命令(64)
債務者代理人の弁護士倫理(←債務者の公平誠実義務)
債権者委員会の意見陳述等(117)
but使われていない。(債権者間での利害対立の存在)
文書の閲覧(16)を通じた情報開示
監督委員 位置づけ  A:裁判所の補助機関
B:裁判所とは独立の第三者機関
C:再生債権者と中心とする利害関係人の利益代表(当事者対立構造の1当事者) 
→再生債務者と監督委員との間に緊張関係は必要。
申立代理人→事業の再生
監督委員→適正手続
要同意事項(54A)の位置づけ 

共益債権化にかかる裁判所の許可に変わる承認(法120A)の位置づけ
裁判所の役割:
@再生債権者のための後見的な裁判(非訟):要許可事項の指定(法41)等
A要件となる事実の認定にもとづく法的判断(ex.開始決定・認可決定)
要同意事項(法54A)は@の代替。

行動原理は「再生債権者の全体の利益」(再生計画における弁済率の最大化・この承認をすれば再生債権者へのリターンは大きくなるのか)であるべき。
実務では、適正迅速化の必要→41条許可のかわりに、監督委員の同意が活用。
独立の善管注意義務を負う。
否認の権限付与(56)  全体の利益保護。
弁済率の最大化。
→監督委員の基本的性格に合致。
調査権(59)
裁判所への報告(125B)
・監督委員自身の同意権行使の判断材料の収集
・裁判所の判断材料(開始決定・認可決定についての判断)
・再生債権者の判断材料(閲覧(16)を通じた情報開示)
再生計画履行の監督(186A)
再生計画認可後の手続廃止申立(194) 
営業等譲渡(42)  要許可事項(41)の特則
再生債権者への分配の最大化の観点 
少額弁済の許可(85AD) 債務者財産の価値の最大化に資するかどうかの観点
担保権消滅許可(148)  
再生計画案の作成の進行協議(規則23の2) 
裁判所と再生債務者及び監督委員は、再生手続の円滑な進行を図るために必要があるときは、再生計画案の作成の方針その他再生手続の進行に関し必要な事項についての協議を行うものとする。(規則23の2) 
実質的な平等があれば良い(155)
管財人:管理命令 管理命令(64) 
監督委員は、不適切な行動を阻止できても、適切な行動をさせることはできない。
伝家の宝刀
but抜かないと分かっている伝家の宝刀は馬鹿にされるだけ。
担保権消滅許可 民事再生の場合  手続の簡易化のため、特定財産上の担保権は別除権(53@)として、再生手続によらないでその権利を行使することができる。(53A)

再生計画において担保権者の権利を変更しようとすれば、再生債務者等と担保権者の間の合意による以外ない。but
合意の成立が困難な場合でも、担保目的物が事業の再生に不可欠である場合が考えられる
→ 担保権消滅許可(法148@)
基本要件:
「当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるとき」(法148@)=担保権の実行を阻止する必要性
消滅許可の申立てをされた担保権者は、再生債務者等から提示された目的物の価額を争うことはできるが(149、150)、決定された価額に相当する金銭が裁判所に納付されると、担保権は消滅し(152@A)、後は、当該金銭による被担保債権の満足を受ける。(153)
会社更生の場合 特定財産上の担保権は、会社更生法では更生担保権とされ、その実行権能を制限され、更生計画によって会社財産全体の収益価値から満足を受ける権利となる。(会更2I〜K、47@)
更生計画によって変更または消滅させられない限り、担保権そのものは、更生手続中を通じて更生計画認可後も存続するものであり、休眠状態の担保権となる。
会社更生法上の担保権消滅許可制度(104以下)は、この休眠状態の担保権を消滅させることを目的とする。
基本要件は「更生会社の事業の更生のために必要であると認めるとき」=担保権の存在自体を消滅させる必要性=営業譲渡や遊休資産の処分に際して、担保権の存在そのものが妨げと成る場合。
担保権者が目的物の換価権を行使しうることを前提とするものではない→担保権消滅許可に対して担保権者が競売申立てをもって対抗することはできない。
目的物について担保権者がもつ優先弁済権自体も更生手続の開始によって凍結状態にあり、消滅許可手続の中で、目的物の価額に相当する金銭が納付されると担保権は消滅する(108@B)が、金銭は、構成計画認可後に管財人に交付され、更生会社の事業資金として使用される。(109)
担保権者であった者は、更生担保権者として、更生計画に従った満足を受けるにすぎない。

企業の民事再生(概論)
立法経緯と意義 和議手続の問題点と再生法 @手続の開始原因が破産手続開始原因と同じであるため、手続の開始が送れ、企業の再建が困難となっていた。
(⇒破産手続開始原因が生じる前でも早期に再建に踏み出すことを可能に。)
A手続開始申立と同時に再建計画(和議条件)の呈示が必要であるため、適切な和議条件の呈示が困難。
(⇒再生計画案は手続開始決定後裁判所の定める期間内に提出すれば足りる。)
B弁済禁止等の保全処分を得て債権者の追及を免れながら、資産等の処分・隠匿を図り、その後に和議申立てを取り下げるという保全処分の濫用が見られた。
(⇒保全措置を充実させ、保全措置の発令後に再生申立を取り下げるには裁判所の許可を要する。)
C担保権の実行を制限する方法がないため、事業に不可欠な財産に担保権が設定されている場合には、和議手続の遂行が困難。
(⇒担保権の実行も一定の場合は中止できる。担保目的物価額の支払による担保権消滅制度を設ける。)
D債務者の事業運営に不適切な点がある場合にも、それを是正する手段がなかった。
(⇒再生債務者の事業運営が適切でない場合、管理命令により債務者の経営権を剥奪する方途を認める。)
E債務者の経営者や株主の責任を追求する手段が不十分。
(⇒株主の責任に追及手段として、再生計画による減資等を認め、経営者の責任追及手段として損害賠償の査定等を認める。)
F和議条件の履行を確保する措置が不十分であり、条件が履行されない場合も多い。
(⇒再生計画の履行確保の法補として、計画認可後の監督委員による監督継続の余地を認め、緩和された要件による再生計画取消し・牽連破産を認める。)
民事再生法の位置付け  中小企業や個人事業者等をその適用対象の中心としながら、大企業や消費者にもその利用を可能とする再建型倒産処理手続の一般法。 
「経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ること」にある。(法1条)
特色 @DIP(Debtor In Possession)型手続:
管財人を選任しないで債務者自身が主体となって追行する倒産手続。
債務者の経営権の存続を認めることで、経営者は倒産手続の申立を躊躇しなくなり早期の申立がなされる。
中小企業での重要な経営資源となりうる経営者自身の営業力・技術力等を再建に活かすことが可能になる。
A手続の迅速性:
手続に時間がかかれば、手続を追行している間に優秀な人的師原や優良な取引先・商圏が失われる⇒再建できる企業も再建できなくなる。
(申立から手続開始まで2週間程度、再生計画認可まで6ヶ月程度)
B債権者の自己責任の強調:
再建の当否・方法は、それによって自己の利害に直接の影響を受ける債権者の自己責任で判断をさせ、裁判所は後景に退く。
情報開示:
利害関係人による一般的な文書等の閲覧請求権(法16条)
支障部分の閲覧等制限の規律。(法17条)
申立て・保全処分 申立権者・手続開始原因  申立権者 債務者及び債権者(法21条)
債権者申立は、手続開始原因@がある場合に限られる。
債務者の現経営陣を排除すれば事業の再生可能性が認められるような場合、債権者が(管理命令・事業譲渡等による処理を念頭に)再生手続開始を申し立てることも想定される。
 費用 申立手数料(1万円)
手続費用の予納(法24条)
事業内容・財産内容、再生債権者数、監督委員等の手続機関の選任の要否等を考慮する必要。(規則16条) (大阪地裁の場合後掲)
後掲
開始原因 @破産手続開始原因事実の生ずるおそれがあること、
(=支払不能の発生のおそれまたは債務超過の発生のおそれ(後者は法人の場合))
または
A事業の継続に著しい支障を来たすことなく、弁済期にある債務を弁済できないこと
(=資金繰りが破綻してそのまま弁済を続けていては事業継続が不可能になるような経済状態)
(法21条1項) 
管轄 再生債務者の主たる営業所の所在地を管轄する地方裁判所(法5条1項)
営業所等がない場合には、財産所在地にも管轄が認められる。(同条2項) 
親子会社・関連会社の場合や法人・代表者の関係にある場合には、一方の再生手続が行われている裁判所で他方の手続を行うことも認められる。(同条3項〜6項)
←一体的な処理を可能にして、全体に実効的な再生を図る。
大規模な事件に対応するため、東京・大阪地裁や管轄高等裁判所所在地の地裁の特別管轄。(同条8項、9項)
手続開始前の保全措置 必要性  手続開始前に、債務者の資産が隠匿され散逸したり、債権者が個別執行を行う可能性。
⇒資産状態が劣化し、債権者間に不公平な状態が発生する他、債務者の事業・生活の再生自体が困難になる事態が生じえる。
⇒手続開始前に債務者の資産等の現状を保全するための仮の処分の重要性。
債務者の財産保全 再生債務者の業務・財産に対する保全処分。(法30条)
・債務者財産の仮差押えや処分禁止の仮処分
・借財の禁止や再生債権に対する弁済禁止の保全処分

手形が不渡りになっても銀行停止処分の対象にならない。
悪意の債権者は弁済金を不当利得として返還する必要。
債権者の個別の権利行使の制限 他の様々な手続を中止する処分。(法26条)
・再生債権に基づく強制執行・民事保全等の中止を命ずる仮の処分。
←個別執行を許すと、債権者間に不平等な状態が発生する上、債務者の事業・生活の再生に著しい支障をきたす。
中止命令の対象:
強制執行等、訴訟手続や破産手続・特別清算手続等
再生債務者の当座預金に対する差押えなど、強制執行手続の中止では事業継続への支障が解消されない場合、中止した手続の取消しもできる。(法26条3項)
強制執行等の中止命令は、その手続の申立人である債権者に不当な損害を及ぼすおそれがある場合には、することはできない。(法26条1項但書)
包括的禁止命令 中止命令によっては再生手続の目的を達成できないような特別の事情がある場合は、全ての再生債権者に対して強制執行等の禁止を命ずる包括的禁止命令。(法27条) 
主要な財産に対する保全処分や監督命令・保全管理命令が同時に発令されることが包括的禁止命令の要件。(法27条1項但書)
←債務者がこれを濫用し、金氏命令が発令されている間にし資産を隠匿・処分等するこいとを許さない。
発令に際しては公告され、再生債務者に送達され、知れている再生債権者に通知がされる。
命令の効力は再生債務者への送達の時点で一律に生じる。(法28条)
包括的禁止命令が個別の債権者に対して不当な損害を及ぼすおそれがあるときは、その債権者に遅滞する関係で禁止命令を解除する決定がされる。(法29条)
担保権の実行制限 担保権実行手続の中止命令。(法31条) 
厳格な要件(法31条1項):
@再生債権者の一般の利益に適合すること
(ex.競売を中止してその財産に基づく事業を継続することで利益が出て、一般債権者に対する弁済が増加する場合。)
A競売申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないこと
(ex.実行中止によりかえって担保権者の側が倒産の危機に陥る場合や、担保目的物の価額が急速に減価するおそれがある場合。)
手続的制限:
@裁判所は、必ず競売申立人の意見を聴かなくてはならない。(法31条2項)
A実行の中止は「相当の期間」に限られる。(法31条1項)
「相当の期間」の間に、
@担保権者との話合いで別除権協定を締結すること
A担保権消滅請求により担保権を消滅させる
等必要。
実行中止命令は、そのような措置がとられるまでの暫定的処分。
担保権実行中止命令は、手続が開始しても、定められた相当期間内は効力が維持され、手続開始後に新たに発令することも可能。
非典型担保(譲渡担保、所有権留保、リース等)についても、類推適用を認めるべき。
←再建型手続における担保権の制約の重要性。
申立棄却事由 再生手続開始の申立を棄却しないといけない場合(法25条): 
@手続費用の予納がないとき
A破産手続・特別清算手続きが係属し、その手続による方が債権者一般の利益に適合するとき
(原則として再生手続が優先するが、具体的な事件の状況にうよっては、他の手続を優先して進行させる方が債権者の利益の観点から適当な場合があり得る。)
B再生計画案の作成・可決または再生計画認可の見込みがないことが明らかであるとき
C不当な目的による場合など不誠実な申立てであるとき
開始決定 開始決定の手続 再生債権者が1000人以上の場合は、通知を省略できる。(法34条2項)
再生債務者の地位 DIP型⇒業務遂行権、財産の管理処分権を失わない。(法38条1項)
公平誠実義務(法38条2項):
債権者に対し、公平かつ誠実に、財産管理権を行使し、再生手続を追行する義務。
違反の場合は、損害賠償義務を負う他、管理命令が発令される可能性。
開始決定の効力  破産手続開始の効力と概ね一致。
再生債務者の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分の執行、破産、特別清算等の手続は禁止され、既に係属している手続は中止。(法39条)
再生債権に関する訴訟手続は中断。(法40条)
再生債権者が提起している債権者代位訴訟(民法423条)、詐害行為取消訴訟(民法424条)も中断。(法40条の2)
それ以外の財産関係の訴訟(ex.再生債務者に帰属すべき財産の引渡訴訟など)は、破産手続の場合と異なり、開始決定により中断しない。
←DIP型のため、開始決定により財産の管理処分権(当事者適格)は変動しない。管理命令の発動により中断。
破産と同様に、手続開始により対抗関係が発生する。
(民法177条の関係で、再生債務者は「第三者」となり、未登記の権利者は自己の権利を再生手続で主張できない。)
破産手続と同様に、再生手続開始前に生じた登記原因に基づき手続開始後にされた登記は、再生手続との関係では、原則としてその効力を主張できない。(法45条)
←手続開始後は、債権者の個別の権利行使は禁止され、債権者のイニシアティブで対抗関係に持ち込む(差押え等をする)ことはできhなくなるので、債権者保護のためには手続開始に対抗関係発生の効力を認める必要がある。
再生債権の弁済が原則として禁止される。(法85条1項)
市ア版所の許可を条件に弁済を認める場合:
@少額債権(同条5項)
←早期に弁済することで、債権者の数を減らし、再生手続を円滑に進行することが可能になり、また再生債務者の事業の継続に著しい支障を来たす場合(事業継続に不可欠な取引債権など)がある。
A再生債務者を主要な取引先とする中小企業者の債権(同条2項)
←連鎖倒産の回避。
裁判所の許可  法41条1項but
実際には、裁判所の要許可行為は指定せず、監督委員の同意よって同様の効果を達成しようとするのが実務の運用。
事業譲渡の許可 倒産によって債務者の事業価値は急速に低下するおそれがあり、事業譲渡は迅速な実行が不可欠。but
実質的にて手続の行方を決定し、再生債権者の弁済内容を決定するので、無制限に許すこともできない。

裁判所による許可を必要的にして、事業譲渡を可能とする途を開いた。
@再生債務者の営業・事業の全部または重要な一部を譲渡する場合に、常に必要となるもの。(法42条1項)
裁判所は、事業譲渡が再生債務者の事業の再生のために必要であることを認定し、知れている再生債権者(または債権者委員会)や労働組合の意見を聴取する必要。(同条2項、3項)

債権者は原則として譲渡代金から弁済を受けられるにとまり、労働者はその地位に重大な影響を受ける。
A再生債務者が株式会社で、債務超過の場合、裁判所は、事業譲渡の際に必要とされる株主総会の特別決議による承認(会社法467条1項)に代わる許可(代替許可)を与えることができる。(法43条1項)
←会社が債務超過の場合、株主の実質的な持分権は失われており、事業譲渡に対する拒否権を株主総会に与える必要はない。
but
許可ができるのは、事業譲渡が事業の係属のために必要である場合に限られ、許可決定に対して、株主は即時抗告を申し立てることができる。(法43条6校)
手続の機関 監督委員 裁判所は、再生手続開始申立があった場合、必要と認めるときは、監督委員による監督を命ずる処分(監督命令)をすることができる。(法54条1項)
監督命令の中で、監督委員の同意を得なければ再生債務者がすることができない行為が指定され(同条2項)、その場合に監督委員の同意を得ないでされた行為は原則として無効となる。(同条4項)
実際には、裁判所の要許可行為の一部が要同意行為としてしてされている。
再生債務者による再生計画の遂行を監督する任務も有する。(法186条2項)
複数選任することができ(法54条2項)法人を選任することもできる。(同条3項)
ほとんどの場合弁護士が選任され、その補助者として公認会計士を起用することが多い。
監督委員は裁判所が監督し、解任できる。(法57条)
監督委員は善管注意義務を負い、善管注意義務違反があったときは、利害関係人に対して損害賠償義務を負う。(法60条)
費用の前払および報酬を受けるが(法61条)、その報酬額は監督委員の職務と責任にふさわしいものでなくてならない(規則25条)。
一般に予納金から支払われる。
権限 同意見及び報告受領権が中心的なもの。
手続の中心となる再生債務者DIPを、一歩退いた一から後見。
調査権限:
個人である再生債務者や法人債務者の取締役・従業員、さらに子会社等に対して、業務・財産状況に関する報告を求め、帳簿その他の物件を検査することができる。(法59条)
再生債務者などがこの調査に従わない場合や虚偽の報告をした場合、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられる。(法258条)
このような調査に基づき、監査委員は、再生債務者の業務・財産の管理状況等裁判所の命ずる事項について裁判所に報告をする。(法125条3項)
調査委員 裁判所は、再生手続開始申立があった場合に、必要と認めるときは、調査委員による調査を命ずる処分(調査命令)をすることができる。(法62条1項)
実際には、監査委員の選任が常態化しており、監査委員も同様の調査権限・報告義務を有するため、調査委員の選任は例外的な場合に限られている。
管財人・保全管理人 再生債務者による財産の管理処分や事業の遂行に不当な点がある場合など、DIP型で手続を追行することが債権者のためにならない場合、例外的に管理型の手続として再生手続を追行することが認められている。
手続開始前:保全管理命令
手続開始後:管理命令
保全管理命令 手続開始前に、再生債務者の財産の管理処分権が失当であるとき、その他再生債務者の事業の継続のために特に必要があるとき、保全管理人による管理を命ずる処分(保全管理命令)をすることができる。(法79条)
保全管理命令⇒再生債務者の財産管理処分権・事業遂行権は奪われ、保全管理人に専属。(法81条1項本文)
保全管理人は再生債務者の常務に属さない行為をするには、裁判所の許可をえなければならない。(同項但書)
←保全段階の暫定的な措置なので、原則として現状を維持するための行為に保全管理人の権限を限定する趣旨。
管理命令 手続開始後に、再生債務者の財産の管理処分権が失当であるとき、その他再生債務者の事業の継続のために特に必要があるとき、管財人による管理を命ずる処分(管理命令)をすることができる。(法64条) 
管理命令⇒再生債務者の財産管理処分権・事業遂行権は奪われ、保全管理人に専属。(法66条)
財産の管理処分権が管財人に移転するため、管理命令に関する公告・送達・通知が必要となる(法65条)ほか、命令に伴う詳細な規定が置かれている。
債権者集会 法律上必ず債権者集会を開かなければならない場合を無くし、その代わりに、再生債務者等の申立てのほか、債権者委員会の申立または再生債権者の総債権額の10分の1以上に当たる債権者の申立てにより、債権者集会が招集される。(法114条)(裁判所が相当と認めるときも、招集できる。) 
債権者集会は、裁判所が指揮し(法116条)、裁判所の期日の形式で行われる。
集会期日には、再生債務者、管財人、届出再生債権者を呼び出し、労働組合に通知するとともに、期日・会議目的は官報公告される。(法115条)
主な債権者集会は、@財産状況報告集会とA再生計画案の議決のための集会。
@は、財産評定等が終わった段階で、再生債務者の財産状況について再生債権者に報告するために招集。(法126条)
再生手続開始から原則として2か月以内に開催。(規則60条)
再生債務者等から、再生手続開始に至った事情、再生債務者の業務・財産に関する経過・現状等についての報告があり、届出債権者や労働組合等から管財人の選任や再生債務者の業務・財産の管理等に関する意見等が聴取される。
現実には、財産状況報告集会は開かれない。
←かわるものとして債権者説明会という制度が別にあり(規則61条)、実際にはほとんどの場合に開催され、債権者に対する情報開示の機能が果たされる。
一般には、再生手続の開始申立の直後・開始決定前の段階で債権者説明会が開催される。
債権者委員会 再生債権者が自発的に債権者委員会を組織することが前提となり、裁判所が一定の要件を認定して、その手続関与を承認する。(法117条)
承認要件の厳しさなどもあって、債権者委員会が組織される事案はほとんどなく、制度の運用は不活発。
再生債権の届出・調査・確定 再生債権 再生債務者に対して再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(法84条1項)
連帯債務や保証債務の扱い等も破産手続と同じで、破産法の規定が準用。(法86条2項)
再生手続開始決定により原則としてその弁済が禁止される。
利害関係を共通にする再生債権者について、代理人を選任し、その者が代表して手続権を行使することにより、手続の円滑迅速な進行を可能にするため、代理委員の制度。(法90条1項)
代理委員の選任勧告(同条2項)及び職務選任(法90条の2第1項)の制度。
この場合の代理委員は本人が選任したものとみなされ(同条3項)、本人との間で委任関係が生じ(同条6項)、裁判所が相当と認める報酬や費用の支払を再生債務者財産から共益債権として受け取る。(同条5項)
ex.ゴルフ場の再生事件で、利益を共通にする会員権社である再生債権者の代理委員。
一般先取特権その他一般の優先権がある債権は、一般優先債権として手続外の再建となり、随時優先弁済を受けることができる。(法122条)
←手続債権を区分すると、計画案議決の際に再生債権者の組み分けをせざるをえず、手続を煩雑にする。
(破産の場合は、優先的破産債権として手続に服する。)
劣後的債権の扱い  劣後債権という考え方を放棄。
@手続開始後の利息・遅延損害金等:
単純に再生債権とされながら(法84条2項)、その議決権は否定され(法87条2項)、再生計画による債権者平等原則の例外とされ(法155条1項但書)、実質的には劣後的取扱いが可能とされる。
A手続開始前の罰金・過料等:
再生債権の一種とされるが、議決権は否定され(法87条2項)、計画期間中は弁済できないが(法181条3項)、再生計画による減免も認められず(法155条4項)、計画認可による免責の対象にもならない(法178条但書)。
←罰金の計画弁済により他の再生債権者に迷惑をかけるのは相当でないので、計画弁済を否定する代わりに手続終了後は全額の弁済を受けることにした。
B手続開始後に原因を有する債権:
破産手続では破産者の自由財産を引当てにする債権になるが、再建型手続では手続債権に組み込まれ、劣後化される。
C約定劣後再生債権:
@と基本的に同じ扱いになるが、独立の債権である約定劣後債権について議決権を常に否定することは相当でない。
⇒例外的に議決の際の組分けがされることになる。(法172条の3第2項)
but、優先する通常再生債権を完済することがdけいない場合には、約定劣後再生債権に議決権は認められない。(法87条3項)⇒通常認めれられない。
債権届出 再生手続に参加しようとする再生債権者は、開始決定において定められた債権届出期間ないに、自らの債権の内容・原因・議決権額・担保予定不足額等を届出なくてはならない。(法94条)
届出の再生債権については、再生債務者等による自認(債務の存在を認め、認否書に記載すること)がされない限り、手続に参加することはできず、失権のおそれもある。
再生債権者が自己の責めに帰すことのできない事由で届出期間を遵守できなかった場合には、その事由の消滅から1ヵ月の間は届出の追完ができる。(法95条)
裁判所書記官は、届出があった再生債権について再生債権者表を作成し、格債権の額・内容・原因・議決権額等を記載し(法99条)、これが債権調査・確定の基礎となる。
再生債権の届出は、消滅時効を中断する効果がある。(民法152条)
債権調査・確定 再生債務者等の作成する認否書および再生債権者・再生債務者の異義によって行われる。(法100条)
自認債権の制度:
再生債務者等が、届出がされていない再生債権の存在を知っているときは、自認する内容等の事項を認否書に記載しなければならいあ。(法101条3項)
自認債権については、議決権は認められないが、計画弁済の対象となる。(法157条1項)
本来再生債務者が自認すべきであったのに自認しなかった債権は失権せず、再生計画による弁済期間中の弁済は禁止されるが、その期間経過後は啓k弱に従って変更された内容で弁済される。(法181条1項3号、2項)
←原則DIP型の手続であるため、債権届出がされないからといって当然に失権させてしまうことは信義側に反すると考えられる一方、届出を怠った債権者のミスも考慮して、時間的に弁済を劣後化するにとめたもの。
届出再生債権者は、開始決定によって定められた一般調査期間内に、他の届出再生債権や自認債権の内容・議決権に対して、書面で異義を述べることができる。(法102条)
届出の追完等により遅れて届けられた債権については、特別調査期間が設定され、動揺の債権調査が行われるが、その費用は届出債権者の負担になる。(法103条の2)
債権調査期間内に、再生債務者等が認め、かつ、届出再生債権者から異義のなかった再生債権の内容・議決権は届出どおりに確定し、再生債権者表にその旨が記載される。(法104条1項2項)
再生債務者等が認めなかったり、他の届出再生債権者から異義が出たりした再生債権の債権者、その債権の内容を確定するため、債権調査期間の末日から1ヵ月以内に、認めなかった再生債務者等や異義を述べた再生債権者の全員を相手方として、裁判所に再生債権の査定の申立をする。(法105条)
査定の裁判に不服のある当事者は、その裁判の送達から1ヵ月以内に、異義の訴えを提起。(法106条)
〜簡易な査定手続で、確定すべきものは確定させ、どうしても争いのあるものだけを訴訟手続で決着させる趣旨。
手続開始時に当該再生債権について訴訟が係属しているときは、再生債権者hは、異義者等の全員を相手方として、訴訟手続の受継を申し立てる。(法107条)
既に異義等の対象となった再生債権者が執行力ある債務名義を有している場合は、再生債務者がすることができる訴訟手続によってのみ異義を主張できる。(法109条)
(確定判決がある再生債権については、再生の訴えや請求異義の訴えなどができるに止まる。)
査定の裁判が確定し、または異義訴訟の結果が確定した場合には、裁判所書記官はその結果を再生債権者表に記載する。(法110条)
債権調査において異義等がなく再生債権が確定し、再生債権者表にその旨の記載がされたときは、それは再生債権者全員に対して確定判決と同一の効力を有する。(法104条3項)
査定の裁判が確定したときや異義訴訟の結果が確定したときも、その裁判や判決等はやはり再生債権者全員に対して確定判決と同一の効力を有する。(法111条)

再生債権の存否・額については既判力が生じ、計画弁済のときなどに再生債務者等や他の再生債権者等がその点を争うことはできない。
再生債務者等が計画上の債務を任意に履行しない場合には、再生債権者は再生債権者表に基づいて強制執行をすることができる。
簡易再生 債権調査・確定の手続を省略する代わりに、簡易迅速な手続追行を図るもの。 
債権届出期間経過後一般調査期間開始前の再生債務者等の申立てにより、裁判所が簡易再生を決定。(法211条)
届出再生債権の評価総額の5分の3以上の債権者が再生計画案および債権調査・確定手続の省略に同意している場合に限ってなされる。
←通常再生の手続に比べ、執行力等による再生計画の履行確保が十分でないなど債権者の利益を損ないかねない性質を有するので、債権者の特別多数の同意を要件とした。
簡易再生の決定⇒債権調査の手続はされず、直ちに再生計画決議のための債権者集会が招集。(法212条)
債権者集会では、同意の対象となった再生計画案のみが決議の対象となり、同意をした再生債権者が欠席した場合は計画案に同意したものとみなされる。(法214条3項)
簡易再生によって再生計画が認可されたものとしても、各再生債権は実態的に確定していないので、各債権の内容を個別に変更することはできず、あくまで権利変更の一般的基準のみを定め、それに従った変更がされるだけ。(法215条)
届出られなかった再生債権の免責や再生債権者表の執行力等も生じない。(法216条)
同意再生 全ての届出再生債権者の同意がある場合に、債権調査・確定はもちろん、再生計画案の決議も省略できるとする特別手続。(法217条)
再生債権以外の債権 共益債権  
一般優先債権  
開始後債権  
再生債務者財産の調査・確保 財産評定 再生手続開始後遅滞なく、再生債務者に属する一切の財産について再生手続開始時の価額を評定。(法124条1項)
この評定は、財産を処分するものとしてする。(規則56条1項本分) 
←目的は、破産配当と再生計画における弁済との比較により再生債権者の再生計画に対する決議の参考とすることのほか、裁判所が再生計画認可の際の判断資料とすることにある。
事業譲渡などによって再生が図られる場合には、そのような譲渡等の適否を判断するため、処分価額による評定と併せて、再生債務者の事業を継続するものとして、継続企業価値の基準に基づき評定をすることもできる。(規則56条但書)
裁判所は、必要があると認めるときは、評価人を選任することができるが(法124条3項)、通常は、必要があれば、監督委員が補助者として公認会計士を選任。
財産評定がされると、その後直ちに再生債務者等は財産目録および貸借対照表を作成し、裁判所に提出。(法124条2項)
これらの書面の副本が債権者等による閲覧・謄写の対象となり(規則56条3項、62条)、再生債務者等は主たる事務所・営業所において閲覧できる状態にする(規則64条)。
裁判所への報告 再生手続後遅滞なく、裁判書に報告書を提出。(法125条1項)
否認権  行使者は監督委員。
監督委員が否認権を行使する場合は、利害関係人の申立によりまたは職権で、裁判所から、特定の行為について否認権を行使する権限の付与を受けなくては成らない。(法56条1項)
権限付与を受けた監督委員は、その権限の行使に関して必要な範囲で、再生債務者のために財産の管理・処分をすることができる。(同条2項)
法人役員の責任追及 損害賠償査定の制度(法143条)
(破産法にも導入されている。) 
法人役員の財産に対する保全処分の制度(法142条)
〜DIP型手続としてモラル・ハザードのリスクが大きい再生手続では重要なものであり、大企業の倒産にも民事再生法が適用される際の正当化根拠となる。
査定の制度:
裁判所において簡易な決定手続によって役員の責任に基づく損害賠償請求権を査定する決定を行い、その査定決定に不服のある当事者がそれに対する異義訴訟を提起する。(再生債権の査定や否認の請求と同じ。)
別除権及び担保権消滅 抵当権・特別先取特権などの担保権は別除権として取り扱われる点は破産と同じ(法53条)で、担保権を手続に組み込む更生手続とは異なる。
(商事留置権は当然に別除権とされ、民事留置権は失効しないが、別除権としての扱いも受けない。) 
←中小企業向けの手続である再生手続では、担保目的物の評価や組分けに基づく決議等の制度を仕組むことは手続を重くする。
but
事業の継続に不可欠な財産についても、別除権の行使の自由を求めることには問題がある。
⇒担保権消滅の制度
担保権消滅の制度:
別除権についても実行中止命令を認めるとともに、担保目的物の価額の支払により担保権を強制的に消滅させてしまう手続。
ex.再生債権者の事業に不可欠な工場の上に抵当権が設定されている場合。
譲渡担保やリースなど、非典型担保にも類推適用がある。
再生債務者の事業の継続に欠くことのできない財産上に別除権となる担保権が存するときは、再生債務者等は、一定の財産価額を提示して、そのような担保権を消滅させることの許可を裁判所に申し立てる。(法148条1項)
裁判所の消滅許可決定に対する担保権者の争い方:
@事業の不可欠性の要件を争う場合、担保権消滅許可決定に対して即時抗告をする。(法148条4項)
A提示された財産価額を争う場合には、価額決定の請求をする(法149条1項)
Aについて
価額決定請求は決定手続で審理されるが、必ず評価人の評価に基づき判断されるので(法150条1項、2項)、担保権者はその費用を予納しなくてはならない。(法149条4項)
価額決定がされると、それはその請求をしなかった担保権者に対しても効力を有する。(法150条4項)
この場合の財産価額の評価は、その財産を処分するものとして行われる。(規則79条1項)
価額決定に対しては、即時抗告ができる。(法150条5校)
再生債務者等は、裁判所の定める期限までに、確定した価額に相当する金銭を裁判所に納付する。(法152条1項)
納付されない場合、担保権消滅許可決定は取り消される。(同条4項)
納付があった時に担保権は消滅し(同条2項)、裁判所書記官は担保権設定当期の抹消登記を嘱託し(同条3項)、裁判所は、納付された金銭について、民事執行と同様の手続により担保権者に対する配当を実施する。(法153条)
実際には、この制度を背景に、再生債務者は担保権者と交渉。
再生債務者は担保権者との話合いの中で、被担保債権の長期分割弁済を約束するとともに、担保権の実行をしない旨を合意する別除権協定が締結されることが多い。
再生計画 再生計画の条項 必ず定めなければならない条項:
@再生債権者の権利を変更する条項(権利変更条項)
A共益債権・一般優先債権の弁済に関する条項
B開始後債権の内容を示す条項(法154条1項)
(罰金等についても、記載が必要(法157条2項))
再生計画案の提出  
再生計画案の決議  
再生計画の認可  
再生計画の履行確保 計画期間中の強制執行  
監督委員等jによる監督  
再生計画の変更  
再生計画の取消し  
破産手続への移行