シンプラル法律事務所
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論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
会社非訟関係 | ||||
新法 | 制定・施行 | 非訟事件手続法、家事事件手続法、関係法の整備法が平成23年5月19日に成立。 同月25日に交付。 ⇒ 整備法による会社方の一部改正。 |
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施行日:交付日から2年内で政令で定める日。 | ||||
内容 | 争訟性の高い事件類型(ex.株式の価格決定事件)について、当事者の手続保障が制度的に拡充された。 | |||
従来 | 反対株主による株式買取請求による価格決定: @まずは当事者による協議(私的自治) A協議が整わない⇒裁判所に価格決定の申立て(裁判所が後見的に合理的な裁量を行使することが期待される伝統的な非訟事件手続の世界) vs. 事件の性質に応じて、非訟事件手続を当事者主義的に再構築することが、今般の法制度改革の主眼。 |
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個別 | ● | 当事者の責務として、 「信義に従い誠実に非訟事件の手続を追行しなければならない」ことが明示。 (非訟事件手続法4条、同法49条2項) |
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当事者には事案解明義務が課されておらず、また、文書提出命令に違反しても真実犠牲はされない(同法53条1項における民訴法224条の準用除外)、裁判所が事実認定に際して当事者の手続遂行の状況を考慮することは否定されない。 | ||||
but MBOのように、構造的な利益相反がある取引において、会社が積極的に情報を提供しない場合には、裁判所は、少数株主に有利な形で価格決定を行うことが容易になった。 |
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● | 従前は必要的陳述聴取にとどまっていたが、とくに争訟性が高い事件類型については、審問期日を開くことが原則(会社法870条2項)。 | |||
抗告審において、抗告裁判所は、原審における当事者およびその他の裁判を受ける者(抗告人を除く)の陳述を聞かなければ、原決定を取り消すことができない(非訟事件手続法70条)。 | ||||
陳述聴取の方法については規定がないが、会社非訟事件のうち原審で必要的審問期日となる事件類型については、抗告審においても、陳述聴取が必要とされる場合には、審問の期日を開くことが必要であると解される。 | ||||
● | 和解制度の導入。 調書に記載されると確定した終局決定と同一の効力を有する(非訟事件手続法65条)。 |
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合意調書の作成と申立ての取下げ出は処理されず、和解調書は債務名義となる。 | ||||
裁判所の和解勧試に従った和解⇒会社の取締役らも事後に任務懈怠の責任を問われにくいし、裁判所も決定書を起案する必要がない⇒迅速な事件の終結が期待できる。 | ||||
● | 専門委員の制度の導入(非訟事件手続法33条) | |||
株価算定のよう専門的な知見が必要とされる事件において、鑑定のように重くて高価な手続によらなくてよいのは望ましい。 |