シンプラル法律事務所
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真の再生のために(個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP−トップ |
論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
クルーグマンの視座 | ||||
★第1章 アメリカ経済に奇跡は起こらない | ||||
◆ | ◆どこかおかしニュー・エコノミー論(ニュー・パラダイム説) | |||
@急激な技術革新⇒経済はこれまでよりはるかに速く成長することができ、かつ Aグローバルな競争があれば、経済が過熱しても高いインフレを起こすことはない。 という考え方。 |
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◆ | ◆ベビーシッター協同組合の話 | |||
市場経済に慣れた人々にとって公平性を確保する最も自然な方法は、引換券を導入すること。 親は、ベビーシッターを引き受けるたびに引換券をもらい、面倒を見てもらう時に引換券を使う。 but このような引換券制度だけでは得なく機能しない。 1人当たりの引換金の枚数が適正な水準にあることが必要。 |
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流通が少ない⇒外出するときに備えて引換券を多めに持とうと思う⇒外出を避ける⇒ベビーシッターを引き受ける機会なし。 流通が多い⇒外出したがる一方、ベビーシッターをやりたがらなくなる⇒引換券を使う機会がなくなる。 |
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〜個人の消費および貯蓄(=引換券の消費と貯蓄)は相互依存的に決定。 | ||||
違いは物価。 不況が長引く⇒商品を値下げ(徐々に、しかも痛みを伴って実行) 好況⇒値上げ 〜 ベビーシッター協同組合で起こるような引換券が流通しすぎて労働力が不足するという自体は、市場経済ではめったに起こらず、過剰な通貨供給によってインフレが発生する。 |
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◆ | ◆成長率と失業率の密接な関係 | |||
● | ベビーシッター協同組合がキャンディ・スティック不測のたんめに不況⇒GBP(ベビーシッター総生産)はキャンディ・スティックの供給量を増やせば上昇。 | |||
金融緩和⇒アメリカ経済は失業率が10.7%に上がり、フル稼働時よりも10%も生産高が低かった不況から立ち直った。 | ||||
成長限界説は、経済が生産資源をフル稼働しているときにしか当てはまらない。 | ||||
● | 成長の限界とは、キャンディ・スティックがより多く供給された結果、需要が拡大した場合にのみ適用。 生産性の工場や労働力の増加によって成長した場合には当てはまらない。 |
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需要の過剰: @ベビーシッターをするつもりでもその機会に恵まれない頻度(=協同組合の失業率) Aベビーシッターを引き受けてくれる人が見つからない回数(=アメリカ経済の求人率) |
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90年代のデータ: 失業率が6%をを切るとインフレが上昇し始める。 but 近年、失業率が5%台に入ってもインフレが上昇しなかった。 but 賃金上昇率は加速で、逼迫した労働市場。 |
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● | 経済成長率と失業率の変化には密接な相関関係がある。 経済学者が真顔で「法則」と呼べる、数少ないもの(オークンの法則)。 80年台から95年の間、失業率を安定的に維持できる成長率は2.4%程度。 |
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この法則に照らしても、失業率をを一定に保つような成長率、つまり、フル稼働下の経済を維持していくのに必要な成長率の限界が過去数年間で上昇したという証拠は、どこにもない。 | ||||
たとえば、95年の失業率は平均で5.6%であり、90年と同レベル。 90年から95年までの5年間の平均成長率は1.9%であり、これは散布図に基づいて予測された維持可能な成長率より低い。 |
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何故維持可能な成長率はこんなに低いのか? ← @アメリカの労働力がそれほど増えていない。1990年代には、労働人口や求職者数は年平均1%しか増えていない。 A生産性、すなわち労働力1人当たりの生産高は年平均1%しか伸びていない。 〜 2つあわせて2%=経済の潜在成長率。 |
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◆ | ◆高い生産性上昇率の証拠はあるか?(p26) | |||
どのような目標成長率が適切かを探している⇒公式統計が正しいかどうかは関係ない。 | ||||
重要:労働者1人当たりの生産高によって生産性が測られる。 | ||||
アメリカ経済全体の生産性は、アメリカ国内で雇用されている労働者1人当たりの実質GDP(国内総生産)を意味しており、それ以上でもそれ以下でもない。 (海外にあるアメリカ資本の企業の生産性も、そこで雇用されている労働力も、アメリカのGDPや生産性の計算に何ら寄与しない。) |
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● | 真の生産性伸び率が公式統計よりも1.5%高かったという主張 =真の実質GDP成長率も1.5%程度高くあるべきだという主張。 |
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実質経済成長率が過小評価されているとすれば、それはインフレ率が過大評価された結果でなければならない。 ⇒ 達成すべき3.5%の経済成長率を果たせなかったといって連銀を非難すべきではなく、むしろ、真のインフレ率で調整されると目標成長率が正確に達成されているわけで、逆に連銀を評価すべき。 |
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● | もし連銀が3.5%の成長率(従来の統計を用いて計算された数値として)を達成しようとするなら、実際には、経済の成長率をはるかに上回る5%の成長率を追求していくことになる。 これを90年から96年の間に実現しようとすると、失業率を現在のレベルよりはるかに低い2%まで下げなければならない。 これを実現可能な数値と思う人は少ない。 |
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◆ | ◆グローバル化はインフレを抑制するか?(p31) | |||
● | ニューパラダイム派: グローバルな競争⇒たとえ需要が強くても、ライバル企業にマーケットを取られないよう、企業は価格を上げることができない。 |
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vs. @グローバルな競争は主として製造業で怒っている(サービス業で国際取引されているのはほんのわずか)。 A製造業のなかでも多くの業者は、外国企業との競争にさらされることはほとんどない。 Bアメリカ経済はサービス業中心の経済⇒ニュー・パラダイム派が強調するグローバスな競争に関係ある雇用と付加価値は、実際には全体の25%未満、おそらく15%以下。 |
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vs. グローバルな競争が、実際以上にアメリカ経済に大きな役割を果たそうとも、経済成長率の限界を引き揚げることにはならない。 世界経済がいかに大きくなろうとも、それを構成する各国経済の最大成長率が、完全雇用下での生産性と労働力の成長率の和に等しいことに変わりはない。 |
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● | 「サミュエルソンの天使」 完全には統合されていない経済が、より完全に統合された世界にも残るであろう制約から自由になれるという理由はない。 |
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ニュー・パラダイム派の主張: グローバル化のおかげでインフレの心配なしに通貨供給量の拡大を行える。 |
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vs. 変動為替制度⇒緑色紙幣の増発は青色紙幣に対してその価格を下げる⇒金融緩和経済の輸入品価格(緑色紙幣で計った)の上昇につながる。 |
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グローバル化いかんにかかわらず、 連銀が労働力と生産性の伸び率の和よりも高い経済成長を目指せば、 その結果はインフレに結びつく |
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◆ | ◆ニュー・パラダイムの人気の秘密はどこにあるのか | |||
★第2章 国の経済は企業とどう違うのか(p42) | ||||
◆ | ◆ビジネスの実務家と経済学者は人種が異なる | |||
経済学の知識はビジネスの役に立たないし、逆も真なりである。 | ||||
◆ | ◆輸入と国内の雇用創出について | |||
◆ | ◆海外からの投資と貿易収支 | |||
◆ | ◆ムカデのジョーク | |||
◆ | ◆一国の経済政策は経営戦略とは違う | |||
◆ | ◆企業のフィードアックと国民経済のフィードバック | |||
◆ | ◆1930年にケインズが言ったとおり |
さっさと不況を終わらせろ(クルーグマン) | ||||
★第1章 事態はこんなにひどい | ★第1章 事態はこんなにひどい | |||
■職がない | ■職がない | |||
幸福研究: 人生の必需品が買えるようになるところまで来たら、お金はそんなに重要でない。 もっと金持ちになる利得はゼロじゃない。 自分の比較対象になる人々と比べて豊かか貧しいかというのはかなり重要になる。 ⇒極端な格差は社会をひどく腐食してしまう。 but 粗雑な唯物論者・・・そして経済学者の多く・・・が信じたがるよりも、お金の重要性は低い。 |
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人々の厚生をすさまじく左右するもの・・・職があること。 働きたいのに仕事が見つからない人は大いに苦しむ。 それは所得がないからだけではなく、自分の価値が低下したような気分になるからだ。 だからこそ大量の失業は大きな悲劇。 |
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アメリカの失業指標は、人々に対していま働いているか、あるいは職を探しているかと尋ねる調査に基づく。 職を探しているのに職がない人は、失業とみなされる。 2007年680万人⇒2011年1300万人以上 |
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あきらめて職探しをやめてしまった人。 常勤になりたいのに、パートタイムの仕事しか見つからない人。 〜 U6 この広い指標によると、アメリカ人失業者は2400万人いる(労働者の15%)。 |
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アメリカ人の3分の1が、自分の失業や家族の失業に苦しみ、3分の1がしt行下人を知っている。4割近い世帯は勤務時間短縮、賃金や福利厚生カットにあっていた。 〜 苦痛は極めて広範。 |
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■人生がめちゃくちゃく | ■人生がめちゃめちゃに | |||
いまでは職1つに対して応募者は4人いる ⇒1回失業すると、なかなか次の職が見つからない 6か月以上も職探しをしている人は600万人いる。 |
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長期的失業による内面生活への被害。 金銭的に苦しんでいなくても、尊厳や自尊心に対する打撃は壮絶。 金銭的に苦しんでいれば事態はもっと悪くなる。 |
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幸福は自分のことを自分で決められるという感覚に強く依存している。 | ||||
これから初めて就職するので、まだ仕事がない人に悲運もある。 | ||||
失業が高い時期に大学を出た人と、好況期に大学を出た人とのキャリア。 タイミングの悪い時期の卒業生は、圧倒的にキャリアも悪い。 それは卒業後の数年だけでなく、生涯にわたり引退までハンディが続く。 |
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■ドルにセント | ■ドルにセント | |||
アメリカ経済はその潜在力より7パーセントほど下で動いている。 本来なら生産できるし生産しているべき量に比べて、毎年およそ1兆ドルほど少ない量しか生産していない。 |
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■将来を失う | ■将来を失う | |||
ケインズ: 「この長期的というのは現在の出来事に対するガイドとして不適切である。長期的には、我々みんな死んでいる。嵐の吹き荒れる季節において、風雨が去ってずいぶん経ったら海はまた凪ぎますよ、としか言えないのであれば、経済学者はあまりに簡単で、あまりに役立たずな仕事しかやろうとしていないことになってしまう」 |
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長期だけに注目するというのは、現在の不況がもたらしているすさまじい苦しみを無視するということ。 破壊されている人生を無視するということ。 長期失業のもたらす腐食効果。 |
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投資が低いのは、事業が既存の容量ですら使いきれない低dの売上しか得ていないから。 経済が回復しても、産業能力の限界や生産のボルトネックにずっと早めにぶち当たる。 |
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■外国での苦痛 | ■外国での苦痛 | |||
GDPで見ると、ヨーロッパの方が実はひどい。 ヨーロッパの体験は国ごとにすさまじく不均一。 |
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アメリカ:若者失業率17% イタリア:28% アイルランド:30% スペイン:40% |
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ヨーロッパ諸国のセーフティーネットはアメリカよりずっと強い。 ⇒失業の直接の影響ははるかに穏やか。 健康保険あり 失業手当もかなり気前がいい |
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ヨーロッパは経済の落ち込みによって財政危機 ⇒民間投資家が国にお金をかしたがらなくなった。 財政危機への対応=すさまじい支出削減努力⇒ヨーロッパの周縁国一体で失業を大恐慌水準にまで押し上げた。 |
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■絶望の政治 | ■絶望の政治 | |||
長期化する停滞が民主主義亭な価値や制度に及ぼす危険を軽視するのは愚かなこと。 | ||||
極端な政策は、人々が苦しんでいるのに、まともな声が何の解決も提供しないような環境で栄える。 | ||||
■ | ■あきらめないで | |||
この不況は終わらせられる。そのための明晰さと意志力さえ見つかれば。 | ||||
★ | ★第2章 不況の経済学 | |||
ケインズは不景気を理解するために必要な分析的枠組みの相当部分を提供してくれた。 | ||||
■すべては需要が問題 | ■すべては需要が問題 | |||
なぜ失業はこんなに高く、経済産出がこんなに低いのか? 〜十分にお金を使っていないから。 |
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×リードルの理屈: 全体としての受容不足が経済に打撃を与えることはない。そんな需要不足は絶対に起こりえないから。 |
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● | ●子守協同組合の話 | |||
クーポン20枚をもらう。 1枚は子守り30分分。 脱退するときには、同じだけのクーポンを渡す。 |
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子守クーポンの減少に不安になり、他のカップルの子供を子守して手持ちを増やすまでは、外出したがらなくなった。 ⇒子守をしてクーポンを稼ぐ機会も希少に。 ⇒ますます外出を控え、子守量は減少。 〜 不況に陥った。 |
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あなたの支出はぼくの収入であり、ぼくの支出はあなたの収入になる。 | ||||
もし一般市民がベルトを引き締め(支出を減らし)、政府も支出を減らしたら、アメリカ製品はだれが買うんだ? | ||||
● | ●3つの教訓 | |||
○ | @全体として不適切な需要の水準が本当にあり得る。 | |||
クーポン不測の子守協同組合メンバーが、外出する晩にクーポンを使うのをやめても、その決断を自動的に相殺するような他の協同組合メンバーによる支出増加は起きなかった。 | ||||
支出=収入 | ||||
支出と同じ水準まで所得を引き下げるように、生産能力が遊休化する。 | ||||
○ | A経済は本当にマグネトーの不具合で停滞してしまうことがある。 〜生産能力の欠如ではなく、調整の失敗のせいで停滞してしまう。 |
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クーポンの供給が少なすぎるため、「途轍もない泥沼」を作り出してしまった。 | ||||
集合的に、世界の住人たちは生産できるよりも少ない量のモノを買おうとして、稼ぎよりも少ない額を支出しようとしている。 個人ならそれは可能だが、世界全体としては、それは無理。⇒あたり一面の荒廃。 |
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■ |
経済入門(クルーグマン) | ||||
経済のよしあしの根っこ | 経済にとって大事なこと・・・多くの人の生活水準を左右するもの・・は3つ @生産性 A所得分配 B失業 |
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×インフレ・・・直接的な害はほとんどない。心配の必要のある唯一の理由は、間接的に生産性の成長を引き下げるから。 | ||||
×財政赤字・・・それ自体は問題ではない。心配は、それが国の貯蓄を下げる結果となり、究極的には生産性成長の足を引っ張るんじゃないかということ。 | ||||
@生産性成長 | 長期的にはほとんどすべて。 ある国が長期的に見て、生活水準をどれだけ上げられるかを決めるのは、その国が労働者1人あたりの算出をどれだけ増やせるか。 |
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● | 生産水準(=人口1人あたりの消費額)を上げるにはどうしたらいいか? | |||
選択肢は3つ | ||||
○@生産性を上げて、各労働者がもっと財やサービスを生産できるようにする。 〜長期的に生活水準の向上を維持する方法。 |
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A総人口の中で、働く人の割合をもっと増やす vs.限界あり |
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B産出の中で、将来に向けての投資用にとっておく部分を減らして、今すぐ消費するための財やサービスをつくるほうに生産能力をふりむける。 vs.長期的には増やせない |
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● | ●貿易を考慮 | |||
1人あたり消費量を増やす方法が2つ増える | ||||
C外国に売る量を増やさず、もっと輸入する。 〜増えた輸入の代金を支払うために借金をするか、あるいは手持ちの資産を売るしかない。 vs.いずれ借金は返さないといけない⇒短期でしか使えない。 |
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○D輸出品をもっと高く買ってもらえるようにして、借金しなくても輸入を増やして支払えるようにする。 〜製品をもっといいものにする(=生産性の向上)しかない。 |
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● | 生活水準だけでなく、その国の国力の推移も、生産性で圧倒的に決まる。 | |||
第二次大戦後 イギリスの成長は、年率平均1.5% 日本だと7% |
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● | 他の長期的な経済問題・・・・外国との競争、産業空洞化、技術面での遅れ、インフラの劣化等が問題になるのは、生産性成長の足を引っ張る限りにおいて。 | |||
● | @なぜ停滞したの? Aどうすれば回復するの? 〜どちらもわからない。 |
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×オイルショックが原因 vs.80年代の逆オイルショック(=エネルギー天国)は生産性大躍進を招かなかった。 |
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生産性と競争力 | ● | 大事なのは生産性。他国の成長率ではない。 | ||
● | 唯一問題となるのは、こちらの輸出品の一定量に対して受け取れる輸入品の量に影響がでてくるときだけ。 | |||
外国の生産性成長は、こっちの交易条件を悪くするとは限らない。 | ||||
@外国の成長はアメリカ製品に対する競合を増やす | ||||
Aアメリカ製品の市場を拡大してくれる | ||||
Aアメリカの輸入業者の生産性が上がる | ||||
A生産性があがる⇒賃金も上がる⇒価格差も埋まる | ||||
理屈:アメリカの生産性成長が外国より低くても、それ自体は問題ではない。 | ||||
● | 実際問題としても、アメリカの生活水準のトレンドは、自分のとこの生産性成長で決まる。(国際競争は関係ない。) | |||
A 所得分配 |
● | 良かった時代(戦後の47年から73年にかけて) 〜その繁栄が広く分配。あらゆる階層で所得上昇。 問題ありの時代(73年から94年) 〜がっかりするような成長を、ばらついた形で分配。 トップ1%の世帯では、この時期に収入が2倍以上に。 (大企業の重役の収入は、実質ベースで4倍以上に) 他方で、ホームレスやドラッグ中毒が拡大。 |
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90年代半ばに、20年代の「華麗なるギャッピー」にでてくるような不平等な社会に戻って行った。 | ||||
● | 不平等 ⇒社会の雰囲気を変える。 |
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トップ1割の生活水準があがったのは、生産性があがったからではなく、主に所得分配の不平等が増したから。 | ||||
● | 3つのぜんぜん別のトレンドが組み合わさっている。 | |||
最下層がうじゃうじゃ増え、ますます劣悪な状態に。 超金持ちの収入が激増。 真中は、非熟練労働者の稼ぎは減り、高度技能者の稼ぎは増える。 |
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B雇用と失業 | ● | ヨーロッパでは、70年代はじめから、新しい職はほぼまったく生み出されていない。 ⇒総労働者数は増えなかったのに、失業は5倍に。 |
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● | 96年米国の失業は5.3% 78年:6.0% 70年:4.8% | |||
● | 失業率を下げると、インフレになる。 インフレ率を一定にしておくには、いつも一定の失業率がいる。 |
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「自然失業率」「インフレ無加速失業率」「NAIRU」 | ||||
インフレが加速し続けるのを避けたいなら、政府は一定以上の失業率を保って、労働者が自分の生産性成長の上回る実質賃上げを要求しないようにする必要がある。 企業がコスト上昇以上に値上げしないように失業を保つ。 インフレをおさえられる最低の失業率がNAIRU。 |
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● | 政府が規制をかけて、企業にとっての新規雇用のコストをあげる(最低賃金を高くするとか、優雅な福利厚生を義務付けるとか)。 ⇒NAIRUは上がる。 |
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その手の政策が「ヨーロッパ委縮症」(70年代以後、ヨーロッパで失業率が上がり続けている)の原因。 | ||||
若い労働者の方が失業率は高いのが普通⇒労働力が高齢化すれば、NAIRUは下がる。 | ||||
相も変わらぬ頭痛のタネ 貿易赤字とインフレ |
アメリカ人の大多数の経済的なよしあしにとって、何が本当に問題か: @生産性、A所得配分、B雇用で9割は尽きる。 but それらは、実際の立法や行政を動かすにあたっては、議題の5%にもならない。 ← 通常の政策の範囲内では、こういう問題はどうにもできない。 本当にするなら、すごく大胆な政策が必要になる。 ⇒ 議論の焦点がもっと手の出そうなものに移る。 |
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もしアメリカが本気でぼうえきあかじをなくしたり、あるいは物価を安定させたかったりするなら、それは十分に実現可能。 but 今は「期待しない時代」。 |
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C貿易赤字 | ● | 貿易赤字は81年から84年位かけていきなり出てきた。 84年半ばには、「国際州の経常収支」が年間1000億ドル以上の規模で赤字に。 |
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●貿易赤字のどこがいけないの? | ●貿易赤字のどこがいけないの? | |||
○ | アメリカの貿易赤字問題は、職とは何の関係もない。 | |||
国際競争からは切り離されたセクター、たとえばサービス産業なんかで生み出された雇用は、輸出面や輸入品と競合するような分野で失われた職より、圧倒的に多い。 | ||||
アメリカ経済が仕事をつくりだすのを制限しているのは、需要じゃなく労働の供給がないから。 需要を増やすのは簡単だが、増やしすぎるとインフレ圧力がかかる。 |
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十分な労働者の供給がない中需要が増える⇒職が増えるのではなく、賃金が上がる。 | ||||
赤字を減らす⇒ドルの価値を下げたり、輸入制限⇒インフレのもと。 ⇒インフレを抑えるため締め付け⇒仕事が減る可能性。 |
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需要を増やす方法は、他にもある。 金利を下げるとか、減税するとか、公共投資を増やすとか。 (やりすぎるとインフレ問題を引き起こす危険性がある。) |
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○ | 貿易赤字にはまちがいなくコストがある。 〜未来のアメリカの収入を外国人に支払っていかないといけない。 |
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売るよりたくさん外国人から財やサービスを買ったら、その差額を埋める「何か」は資産。(アメリカの貿易赤字を埋めていたのは、アメリカの資産(株・債権・不動産・会社)の販売) | ||||
83年末:アメリカ人が外国で持っている資産は、2680億ドル超過 91年末:外国人のアメリカ資産のほうが、3820億ドル超過 |
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○ | 純債務国のコスト。 | |||
借金をしている ⇒アメリカは、アメリカ債所有者には金利を払い、外国の地主に家賃を払い、外国の株主に配当を払う。 but 大参事ではない。(アメリカは耐えられる。) |
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アメリカが巨大な債務国になると、外国投資家が不安におそわれるたびに金融危機に突入する。 ex. 銀行は10年ほど南米に金を貸したが、不安にあり貸すのをやめた⇒大経済危機。 |
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政治的なもの: アメリカ資産が外国の持ち物になると、国家主権がおびやかされるという議論。 |
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貿易赤字と国内資産の外国所有が増えると、低級な経済ナショナリズムが頭をもたげ、貿易戦争のリスクが増える。 (レーガン政権がドル安方向に。) |
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●なぜ貿易赤字? | ●なぜ貿易赤字? | |||
○ | マーチン・フェルドスタイン:財政赤字は貿易赤字につながる。 | |||
81年を境に、アメリカの総貯蓄が下がりだした。 ←@財政赤字Aアメリカの家族の行動 |
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アメリカの総貯蓄<アメリカの総投資需要 貯蓄の不足は、金融クランチ(資金不足)を起こし、金利が上がる。 but アメリカは資本市場のおかげで、外国人に差額を穴埋めしてもらえた。 〜 アメリカの投資のかなりの部分は、自分達の貯蓄からではなく、外国人への資産売却でファイナンスされた。 |
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会計上の問題としては、アメリカは常に外の世界に売ったのとまったく同じだけ買っていることになる。 ⇒投資のお金を外国資本に頼るようになってきた以上、貿易赤字が出てくるのは当然。 |
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貿易赤字の究極の原因は、アメリカの貯蓄が低下したことにある。そして、それは、一部にすぎないとはいえ、財政赤字のせいでもある。 | ||||
○ | 為替レートは、貿易のバランスを決定する重要なメカニズムの一部ではあるけれど、それは独立して貿易バランスを決める原因ではない。 | |||
為替レートの変化は、資本フローを貿易バランスに変換するときには、すごく大事な役割を果たす。でも、貿易収支が崩れているそもそもの原因は、為替レート以外のところにある。 | ||||
80年代前半: 国民貯蓄が低下(=国の総収入に占める消費の割合の増加)。 but 国内貯蓄が下がってお金のフローが減っても、それを外国からの資金が穴埋めしてくれた⇒投資支出は下がらないで高水準のまま。 ⇒アメリカ経済の総支出(支出)は、総収入(稼ぐ)より急速に伸びた。 =輸出よりたくさん輸入=貿易赤字 |
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ドル高になったからって、赤字が不可欠なわけではない。 連邦準備銀行は、ドル供給を拡大して、為替レートを下げることもできる。 but =インフレ性の好況で、輸入品が増える。 |
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実際は、連邦準備銀行は金利をあげてインフレをおさえた。 ⇒ドル建て資産は外国人に魅力あるものとなり値上がりした。 ⇒アメリカ製品は外国製品に比べ割高に ⇒かつてない貿易赤字。 |
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貿易赤字は、基本的に国の総貯蓄の低下と、そこからくる資本の巨額流入で生じた。 | ||||
○ | アメリカ製品の優位がなくなったことは、貿易赤字増大の原因ではない。 | |||
国の総貯蓄が高い⇒比較優位の喪失は貿易赤字を生まなかった (ドル安を招いて、アメリカ製品が相対的に安くなり、それが技術と品質の低下を補うことになったはず) |
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○ | 80年代の貿易赤字増大は、アメリカの貯蓄率が下がったのが根本原因で、それが大量の資本流入を招いたせい。 | |||
●貿易赤字ななくせるか? | ●貿易赤字ななくせるか? | |||
○ | 本気でやるなら、どんな国でも黒字になれる。 (80年代初期、南米諸国は債務危機に直面して、巨額の貿易赤字からすごい黒字にすぐ移行した) |
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○ | 貿易赤字の解決策 @支出を切り替え(外国製品よりアメリカ製品を買ってもらうように説き伏せる) 〜ドルを切り下げるとか、関税や輸入枠の設定 A同時に減らす(インフレを加速しないよう国内需要を減らす) |
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国内需要をカットしないで貿易赤字を削減する方法: (ドルを刷る⇒)派手なドル安⇒アメリカ製品が世界市場で安くなる アメリカへの輸入を制限する保護貿易政策 |
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but ドルを刷る⇒インフレ⇒物価を上げる⇒どんな為替レートでも、アメリカ企業の競争力を下げる。 (ドルが下がったのとほぼ同じだけ物価が上がって、アメリカの競争力は変わらない。⇒残るのはインフレだけ。) |
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貿易赤字をうまくカットする唯一の方法: 輸出促進と輸入制限に加え、国内需要を減らす 国内需要を減らすには、財政赤字の削減。 |
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●通貨の切り下げはいいこともある | ●通貨の切り下げはいいこともある | |||
アメリカが貿易赤字なのは、稼ぐよりたくさん使っているから 日本が黒字なのは、使うよりたくさん稼いでいるから |
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需要をその他世界の製品からアメリカ製品に切り替えてもらうために一番簡単ややり方は、ドル安にすること。 (アメリカ製品はその他住民にとって値段が安くなり、アメリカ住民にとってその他製品は割高になる。) 〜 貿易赤字の削減戦略の一部としては、すごく需要。 |
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Dインフレ | 何故インフレ削減は大事だと思われていないか? 貿易赤字の場合と同じ。 インフレを抱えて暮らすコストは大したことないし、それを下げるためのコストはちょっと受け入れがたい代物だから。 |
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●インフレのコスト | ●インフレのコスト | |||
相当の部分まで、インフレは「中立的」 (物価が5割上がっても、収入も5割上がる) |
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経済にとって有害なのは、物価が上がるってこと自体ではなく、物価が常に変わり続けるので、それが意思決定をゆがめ、結果として経済の効率が下がること。 | ||||
「ハイパーインフレ」(年率何千%というインフレ)の経済では、物々交換や、ブラックマーケットの外資を使い、金を使わなくなる。 | ||||
インフレは、税金のシステムを歪める。 〜 実質の価値が増えていなくても、会計上は価値が増える⇒税金がかかる。 負債を抱える〜紙の上で損失が発生⇒税金がかからなくなる。 |
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インフレだと企業評価しづらくなる。 企業も投資計画を評価できなくなる。 ⇒投資判断をおかしくする。 |
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予想外のインフレは、個人や機関に雪崩式の損失をもたらすことがある。 | ||||
but これらのコストは、大したことないか、かわせるもの。 |
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インフレは、3〜4%で安定している限り、ほとんど害はない。 10%になっても、そのコストはたかが知れている。 |
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●インフレ退治のコスト | アメリカは、わざと産出を長いこと下げて、失業を長いこと高くするようにして、労働者の賃上げ要求をおさえさせると同時に、企業に値上げをあきらめさせる。 〜 意図的な政策として、30年代以来いちばん深刻な不況に経済を陥らせた。 |
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失業率を長いことNAIRUいかに抑える⇒インフレ インフレを抑えようと思ったら、NAIRU以上の失業を長いこと続けないといけない。 〜 産出を犠牲にするしかない。 |
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インフレを年率1%下げるには、経済キャパより4%低いくらいで動く。 | ||||
●この先は | 現実問題としては、そこそこのインフレは貿易赤字と同じく、アメリカの経済風景の中で一定の位置を占め続けるであろう。 | |||
政策問題 | Eヘルスケア | ●医療問題 | 医療費上昇 ← @高齢化 Aノーと言えない保険システムと、その弱みにつけこんだ医療技術の発達。 (治療費を出すのは第三者⇒コストが天秤にかけられない治療行為。) |
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医療技術が向上⇒健康保険の掛け金が高くなる⇒人を健康保険システムから追い出す(医療上の技術革新は、アメリカ全体としての健康水準を下げている可能性)。 保険料が払えなくなってシステムから追い出される人が受ける害>派手な治療方法がもたらすメリット。 |
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●なぜシステムはノーと言えない? | 民間保険屋は、今の高い保険に入れない人とか医療サービスは減らしてもいいから保険料を下げてほしいと思っている人向けに「よけいなものなし」の保険を何故作らない? ex.カバーする治療法に制限つけるとか、支払う最高額を制限。 ← @保険の支払いを拒み患者が死亡したり障害が残った場合の保険会社に対する訴訟の可能性 A人によって違う水準の医療を提供すると宣言するシステムと医者達の倫理コードは相いれない。 弁護士どもの強欲さと、医者の倫理の板挟みになって、医療市場は自分のコストを抑えられなくなっている。 |
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問題の本質: 本当にノーと言える取り決めをつくりにはどうしたらいいの? |
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●医療改革 | ○ | ○悪者探し | ||
○中央集権システム | ○中央集権システム | |||
米国のシステムは、保険屋や医者がノーと言えないシステムになってて、これは訴えられるのがこわいか、社会的な規範を破るのがいやだから。 〜 政府がやれば、医療へのアクセスを制限しても訴えられるおそれも減るし、もうちょっと安上がりな規範も確立できるのでは? |
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A:ヨーロッパ式 医療を公共サービスとして運営。 病院は政府がやってて、医者や看護師は政府職員。 予算が限られる⇒高すぎる医療は実質的にダメ。 vs. 個人の選択を制限 政府の官僚主義につきものの、よくある問題すべてにさらされる |
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B:カナダ式 「払う人が1人」のシステム。 医療保険は政府が提供し、保険料を決め、どこまで保険がきくか決める。 but 人は自分の医者を好きに選べる。 |
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○管理競争 | 「管理競争」の考え方は、基本的に国民全員をでかい組織にまとめて、この組織がHMO式に医療を提供するか、少なくとも医者や製薬会社と値段交渉をする。 vs. 上手くいく保証はない。 医療の根本的な問題は、モラルの問題であって市場構造の問題じゃない。 管理競争がどうしてジレンマ(経済の現実は人の命に値段をつけると迫るが、その現実を認めたくない)の解決になるか不明。 |
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○ | ○医療は自然治癒するか? | |||
労働者向けに企業が健康保険を提供する場合には、今ではだいたい、すぐにコストに敏感なHMO経由でやってくれというのが普通。 | ||||
医療コストは相変わらず巨額で、増大しつつある。 民間部門のほうは医療コストを抑えたとしても、医療の相当部分を占める、政府の支払分については話が違う。 その問題が、財政赤字。 |
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●日本の医療問題 | 米国 | 80年代初頭、経済成長率を上回る医療費の伸びに危機感を抱いた連邦政府は、83年にDRGと呼ばれる支払システムを採用。 〜 病気をいくつかのグループに分類し、その分類ごとに定額の医療費を支払うというもの。 ⇒医師をプライスキャップが働く世界に引きずり込んだ。 |
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HMOが登場。 伝統的な保険会社が提供していた医療保険に対して、「よけいなものなし」の保険を提供する会社や非営利組織を総称。 〜 保険が指定する医師や病院しかかかれないようにしている(アクセス制限)。 |
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HMOは、企業と契約を結び従業員を加入者とする。 その交渉力でDRG型の支払方法を了承する医師や病院と契約を結ぶ。 医師や病院は、その地域の有力な企業の従業員を顧客として失うことを恐れ、安い医療費しか払わない保険でも契約せざるを得ない。 |
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加入者には保険料に対して受けられる医療レベル(医者の選択権)が提示され、それを選択。 | ||||
but 無保険者の問題は解決せず。 |
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日本 | ○悪者探し | |||
薬剤費について前縁の納入価格を調査し、翌年は保険からその何%しか払わないという制度。 ⇒既存の薬品の価格は下がる。 同じ薬効なら同じ価格しか払わないという制度が検討。 |
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○中央集権システム: 日本型の診療報酬の政府による決定。 |
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日本では医師の給料(技術料)が米国などに比べて安い⇒稼ぐために薬や検査に着目。 | ||||
○管理医療 | ||||
診療報酬を中央でコントロールしながら、管理医療の仕組みを取り込もうとしている。 | ||||
政府が治療方法ひとつひとつの診療報酬単価を管理⇒どの保険でも受けられる治療に違いはないし、医者も保険によって受け取る額がちがうということではない。 〜 日本は運営は民間に任せたように見せて、実態は政府がコントロールしている。 |
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F財政赤字 | ● | ●財政赤字なんかこわくない | ||
政府の赤字を気にする理由 @政府として破産する危険性がやがて出てくる A赤字は経済にとってマイナスの副作用をもたらすおそれがある (財政赤字はアメリカの国としての貯蓄の大きな部分を干上がらせるから、国としての貯蓄率も下がる。) |
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●国の貯蓄率 | ●国の貯蓄率 | |||
基本: (1)国の貯蓄が問題なのであって、国の中の特定のグループの貯蓄が問題ではないということ。 (2)貯蓄の定義:いま稼いだものの一部を、将来のためにおいておくこと。 貯蓄の方法: @古い資本が壊れたり古くなったりする分よりたくさん生産資本のストックを増やす(今の収入を使って、工場をつくったり、通信網を改善したり、道や橋を改修) A外国から資産を購入(海外投資、昔外国人から借りた負債を返済)。 ⇒ 国の貯蓄率は、@国内の純投資(資本ストックが増えた分)とA純外国投資(外国に対してアメリカが持ってる貸しが増えた分)の合計として計算。 |
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80年代初期から、アメリカの国内投資は昔より減り、外国への投資をやり、代わりに自分の資産を外国人に売り出した。 〜 アメリカ全体としての貯蓄率は、80年代にはそれ以前よりずっと低くなった。 |
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80年代の終わりに貯蓄率が暴落。 アメリカは2〜3% ほかの工業国では平均10% 日本は18%以上 |
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総貯蓄=国内純投資+国外純投資 80年代に、アメリカは投資を維持するため資本を大量に輸入。 (外国に債券を売却⇒企業の経緯得権まで売るようになってきた。) |
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貯蓄率低下⇒投資の金を外国人に頼る 〜80年代の前代未聞の貿易赤字の裏返し |
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貯蓄率が低い理由 @政府がやっている巨大な財政赤字は、政府が貯蓄を食いつぶす方向(あるいはマイナスの貯蓄)に動いている。 A世帯の貯蓄率のすごい低下(家族が貯金を減らして消費者ローンを使いまくった)。 |
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国の貯蓄が低水準⇒巨大な貿易赤字が発生。 総貯蓄を増やすには、財政赤字をなんとかするしかない。 |
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●財政赤字を許しちゃう人たち | ●財政赤字を許しちゃう人たち | |||
財政赤字⇒総貯蓄を減らす⇒貿易赤字につながる ⇒財政赤字をなんとかしましょう。 |
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○ | ○財政赤字は無害・・・・左からの議論 | |||
財政赤字は統計的な錯覚にすぎない ← @インフレが目に見える赤字を押し上げる A政府の消費支出と投資支出の違い |
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○ | ○財政赤字は無害・・・・右からの議論 | |||
税率を変えても国の総貯蓄には何の影響もない ←政府が税金をあがても、政府の負債が減った分は後で減税として帰ってくるのだから、今の消費を切り詰めたりしない。 |
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○ | ○財政破綻の問題 | |||
高齢化⇒予測可能な財政問題を作り出す。 | ||||
連邦政府は、勤労世代から税金をしぼって、そのあがりを引退者の年金に使う装置。 | ||||
予算の6分の1強⇒国防費 それより少し少ないぐらい⇒国債の利息の支払い 総額の半分⇒社会保障と医療費 |
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今から15年したら、政府の支払義務はその課税ペースにくらべてすごく増える。 | ||||
@年金と医療費を支払うために、税金を上げる。 A退職者たちへの約束を反故にする。 B別の約束を反故にする・・・国債の支払の反故。 |
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● | ●身動きとれない財政赤字 | |||
有権者のほとんどは、事実を認識してないし、受け入れてもいない。 これを説明する責任を果たそうとする政治家もほとんどいない。 |
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○ | 現実問題として、支出を減らして赤字解消するには、主に中流層のためのプログラムに手をつける必要。 @社会保障 Aメディケア |
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○ | クリントンの増税で、最高ランクの累進税率は40%になった これ以上上げたら悪影響がでる。 ⇒ これ以上の増税は、大部分が中流層にふりかかってくるしかない。 |
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財政について正直にものを言った政治家は、ほとんど例外なしに怒れる大衆によって、落選させられる。 | ||||
G激闘 連邦準備銀行 |
アメリカで一番強力な経済機関 | |||
●連邦準備銀行って何するところ? | ●連邦準備銀行って何するところ? | |||
アメリカの「ベースマネー」(国民が持っている現金と、銀行が預金のバックアップで持つ必要のある準備金の合計)の供給をコントロールできる。 | ||||
銀行は、自分の準備金を現金として引き出せるし、あるいは現金を連邦準備銀行に預けて準備金を増やすこともできる。 but ベースマネーの総額は、準備銀行が変わらない限り変わらない。 |
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準備銀行がベースマネーを増やす(選ばれた銀行群から国債を買う)⇒より多くの準備金をもてる⇒貸し出して、出回っている資金を増やして金利を下げる。 ⇒貸し出されたお金が金融システムの中で預金される⇒第2波の融資が行われ、第3波・・。 〜 連邦準備銀行がベースマネーを注入すると、それが何倍にも効いてきて、経済全体の資金を増やす。 ⇒ 住宅着工数が上がり、ドルが下がり(輸出が刺激され)、企業投資が増え、消費者ローンも受けやすくなる。 |
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連邦準備技能が経済からマネーを引き上げる⇒資金が縮小し、経済全体の手綱が引かれる。 | ||||
連邦準備銀行の経済コントロールで重要な点は、それがきわめてすばやくて、まったく機械的にできること。 要するのは、ニューヨークの売買デスクに売り買いの指示を1本出すだけ。 |
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●マネタリスト、コガネ虫、合理的期待形成 | ●マネタリスト、コガネ虫、合理的期待形成 | |||
フリードマン: 連邦準備銀行は、マネーサプライを一定の割合で増やすと保証すればいい。 毎年4%で増やすことにすれば、経済全体も安定してインフレなしで成長する。 |
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マネタリスト・金本位制の指示者: @インフレは将来のインフレ期待を通じて自己増殖すると主張(これは、経済学者の共通の理解) Aインフレに対応しないという金融当局の決意が、国民に信用してもらえれば、インフレはすぐに何の苦労もなく治癒できる。 〜 連邦準備銀行の手を縛れば(厳しい金融ターゲットや金本位制ならなお良し)、ほとんどすぐにでも物価は安定して、不況は起きない。 |
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but 連邦準備銀行の職員は、マネタリストだったことはないし、まして金本位制支持者だったこともない。 |
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●ヴォルカーの勝利 | ●ヴォルカーの勝利 | |||
79年10月、連邦準備銀行は、ポール・ヴォルカーの下で、通貨総量の目標値達成をいちばん重視した活動をすると宣言。 but 3年後、その年の通貨総量のターゲットを達成しないと発表。 |
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ターゲットを達成しようとすれば、経済をぎゅうぎゅうしぼることになる。 ⇒82年夏にはインフレがおさまっていたけど、不況が底なしに。 ⇒連邦準備銀行はマネタリストの仮面を脱ぎ捨てて、能動的で慎重な政策に復帰。 マネーの蛇口が開かれ、経済は急速に回復に。 |
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82年以降、フリードマンはしょっちゅうインフレ加速による大参事や大不況を予測。 but結果はみごとなほどスムーズ。 ⇒ マネタリストは遺物に。 |
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●90〜92年の不況・・・準備銀行の不手際 | ●90〜92年の不況・・・準備銀行の不手際 | |||
90年の不況 〜消費者の不安がなぜいきなり広がったのかがわからない。 |
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← ・不景気の初期に連邦準備銀行の頭がよそを向いていた ・インフレをゼロにすべき(=失業率が増える)と意見→対策が後手に回った ・金利引き下げの効果を過信しすべき、不景気にはずみがついても後手にまわった ・銀行は80年代に貸出しが増えすぎて、もっと慎重な貸し手になるよう監督官庁から圧力を受けていた ・80年代の甘い見通しのバブルのおかげで、商業不動産も余り、金利カットに反応しなかった |
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but 92年には回復。 |
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●ケチな連邦準備銀行 | ●ケチな連邦準備銀行 | |||
92年末に始まった経済の回復は、雇用状況をすばやく解決。 96年には、経済に1000万の職が加わり、その夏の失業率は5.3%(92年は7.7%) |
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⇒ 連邦準備銀行はインフレの復活を心配。 94年には、経済の過熱を防ぐよう、一連の金利引き上げを実施。 |
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〜 ビジネス界の人が怒る。 一部の経済学者(MITのレスター・サロー)は、連邦準備銀行がインフレをこわがるのは時代遅れだと主張。 |
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ビジネス界やメディア業界の批判者は、連邦準備銀行はもっと高い成長率を目指せと主張。 | ||||
92年の失業率は5.3%、92〜95年の成長率は3%以下 ロティハンは年3.5%〜4%の成長率を目指せと主張⇒失業率はもっと低くなる。それをインフレ圧力なしでできると主張。 |
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ビジネスウィーク: @アメリカの生産性は政府統計の数字より高く、インフレ率もずっと低いというのが我々の信念。 Aインフレをあおることなく、2%以上の成長率をアメリカが達成できると確信している。 |
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@真の生産性成長率が、政府発表の数字よりずっと高い。 vs. 成長率の推計と、生産性の推計は同じデータをもとにしている。 |
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A国際競争がインフレをおさえる。 vs. (1)アメリカ経済はそんなにグローバルじゃない。 輸入品はGDPの13%ほど 雇用と付加価値の少なくとも70%は、世界市場で競合しない「貿易不可能」なセクターで生じている。 (2)ビジネスウィークのいっているほどグローバルなら、国内需要を増やしても、アメリカの成長や雇用にはあまり影響しない。 (←支出増加のほとんどは、外国でつくられた製品にいく。) (3)アメリカ経済のあらゆる物価が外国との競争でおさえられていると考えるなら、ドルの為替相場の変化(・・ドルで見た外国製品の価格を変える・・)がインフレ率に影響をもっていると結論するしかない。 93年から95年にかけてすごい円高⇒競争相手の値段はドルで50%も跳ね上がった ⇒アメリカの製品は安心して値上げするはず。 butそんなことは起きなかった。 (4)金融政策を緩める⇒ドル安 (外国との競争がアメリカの物価を抑えているなら、金融拡大がグローバル経済においては、国際貿易の少ない経済よりももっと確実かつ即時にインフレに影響してくる⇒インフレは収まらない。) |
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〜 経済学者の大半は、もっと成長促進をするべきだという要求は、ないものねだりで無責任だと考えいている。 |
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Hドル | ドル問題をわかるには、そもそもドル政策がどんな目的を達成することになってるかを考える必要がある。 | |||
答え: アメリカはドル政策を使って貿易赤字を減らそうとしている。 決着のついていない3点: @アメリカは貿易赤字の削減をやる気がある? Aマジなら、ドルをどうこうして役に立つ? Bドルを管理することがいいことなら、どっちに向かって管理すべき? |
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●貿易赤字削減って本気? | ●貿易赤字削減って本気? | |||
アメリカは貿易赤字削減を本気でやる気はないのかもしれない。 | ||||
貿易赤字は雇用には影響しない。 唯一の害は、外国からの借金を増やして、今日のツケの支払を明日の世代にまわすこと。 but 国の総貯蓄を増やす覚悟がない限り、つまりは財政赤字をかなり切りつめる気がない限り、貿易赤字を削減しようとすれば、金利を上げて投資をおさえるという犠牲を払うことになる。 |
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貿易赤字は、外国投資家がお金がだしてくれる限り、何の問題も引き起こさないし、出してくれなくなったら、すぐになんとかなる。 but |
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@その回復は必ずしも平穏ではない。 南米経済へのお金がとまる⇒輸入品を3分の2もカットするはめに⇒一帯は大不況に |
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A貿易赤字を減らすには時間がかかる 貿易赤字をなくすことは、新しい余力をつけて、新しい販売網を作って・・・。 今のうちから企業が輸出を増やして輸入を削るようにニンジンをあげといたほうがいい。 |
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Bドル政策は貿易政策と切り離せない。 貿易赤字⇒国内で保護貿易の圧力を強くする。 |
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貿易赤字を減らすための正統な処方箋は、@通貨を切り下げて、A政府支出を抑えること。 | ||||
実際問題として、ドルを下げて貿易赤字を減らすという議論以前に、貿易赤字をそもそも減らすべきだという議論の方がずっと弱いものでしかない。 | ||||
●ドル政策 | ●ドル政策 | |||
外国の通貨から見たドルの価値が減る⇒アメリカの商品が世界市場での競争力を増して、貿易赤字も減る。 ex.93年には円高を口先で誘導。 |
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A:右からの攻撃: @貿易赤字は国内の貯蓄と投資の差によって決まるのであって、ドルの価値で決まるのではない。⇒ドルを下げても貿易赤字を減らすことにはならない。 Aドルを下げる⇒アンリカはインフレ⇒アメリカ製品の価格競争力が上がっても、インフレで帳消し。 vs. 85年から87年にかけて、ドルはドイツマルクや日本円に対してほとんど50%下がった。 but インフレの急増はなかった。 ドルが下がった分は、ほとんどそのまま1対1で実質為替レートに反映された。 |
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B:左からの攻撃: 競争相手の外国が、保護貿易でアメリカ製品を輸入しないから、ドル切り下げは効果なし。 vs. ドルが落ちた時、アメリカの輸出はぐんぐん伸びた。 貿易収支が期待したほど改善しなかったのは、アメリカの輸入も伸びたから。 (アメリカ市場が輸入好き) |
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結論、常識が圧勝。 低いドルは貿易赤字を減らせる。 |
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●下げるってどのくらい? | ●下げるってどのくらい? | |||
85年から87年のドル下落。 ⇒米国の輸出が伸び、輸入の伸びは少し遅くなった。 butアメリカは派手な経常赤字を続けている。 92年の赤字は600億ドル。 |
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アメリカは、はやい話が、昔ほど競争力がない。 昔は、ドルがむちゃくちゃ高くても、アメリカは世界市場で製品を売れた。 (←技術がすぐれていた。ほかのだれにもtくれないようなものがつくれたし、品質的にも定評あるものをつくれた。) |
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80年代のドルは70年代のドルよりずっと安かったけど、アメリカの貿易収支は70年代と同じ。 | ||||
貿易収支の計量経済研究でわかった大まかな目安では、経常赤字をGDPの1%下げるには、ドルの価値が10%下がる必要。 ⇒90年代半ばの経常赤字(GDPの2%強)をなくすには、ドルが20%くらい下がる必要がある。 |
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● | ●ドルは下げたほうがいいの? |
マクロ経済学(クルーグマン) | |||
最初の原理 | 個人がどのように選択を行うか | 個人の選択 | 個人の選択が経済学の基礎。 |
@資源の稀少性 | 選択がなされなければならない理由は、資源が気性だから。 | ||
金・時間・人的資源・天然資源 | |||
A機会費用 | 選択⇒その費用はそれを手に入れるためにあきらめなければならないもの。 全ての費用は機会費用。 |
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Bどれだけか | 多くの経済的な決定は、「あれかこれか」ではなく、「どれだけか」。 ある財にどれだけ支出するか、それだけ清算するか。 このような決定は、限界でのトレードオフ(もう少しするか、もう少ししないかの費用と便益の比較)によりなされる。 |
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Cインセンティブ(誘因) | 通常、人は自分の暮らしを良くする機会を見逃さず活用する。 もし、機会が変われば、人々の行動も変わる。 |
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選択がどのように相互作用するか | 相互作用 | ||
@取引利益 | 相互作用がなされる理由は、取引利益が存在すること。 経済の構成員は互いに財・サービスを取引することで暮らしを良くすることができる。 自分が得意とする仕事に専念(特化)することによる利益。 |
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A均衡 | 通常、経済は均衡(誰も従来と違った行動をとることによって自分の暮らしをさらに良くすることができなくなるような状態)に向かう。 | ||
B効率性と公正性 | 他の誰の暮らしも悪くすることなく、誰かの暮らしを良くする機会が利用し尽くされているとき、経済は効率的であるといわれる。 資源はできるだけ効率的に用いなければならない。 しかし、公正性も望ましい基準。(障害者用の駐車スペース) 効率性と公正性の間にはトレードオフがあることが多い。 |
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C介入の正当性 | 市場が効率性を達成しない場合、政府の介入が正当化される場合がある。 |