シンプラル法律事務所
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論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
動産等の引渡請求とその執行不能の場合の請求(p116) | |||||||
■ | ■1 代償請求の併合の可否 | ||||||
肯定 ← @一定の物の引渡し(特定物か不特定物であるかを問わない。)を求める原告の立場からすれば、物の給付請求と併せて代償請求を認める必要が高い。 (代償請求が認められないと、その強制執行が不能になった場合に、物の引渡しに代わる損害賠償請求をするために改めて別訴を提起しなければならない。) Aこれを認めても特に被告にとって不公平な事情も見当たらない。 |
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■ | ■2 訴訟法上の問題点(訴えの利益、請求権適格性等) | ||||||
民訴法 第135条(将来の給付の訴え) 将来の給付を求める訴えは、あらかじめその請求をする必要がある場合に限り、提起することができる。 |
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代償請求が問題となる事案では、一定の物の引渡しの給付義務が発生していて、それが遅滞に陥っている ⇒物の引渡しが執行不能となった場合に備えて物の引渡しに代わる金員の支払を求める必要性・合理性を肯定しうる。 (給付の執行の不能がありえない場合には、あらかじめ本来の給付に代わる代償請求をする必要性がない⇒訴えの利益も請求権の適格性も欠く) |
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@一定の物の引渡しの請求とA代償請求の関係: 代償請求が、物の引渡しの給付が執行不能となったことを条件とすする将来の給付請求で、物の引渡請求と両立しうる関係 ⇒予備的併合ではなく単純併合。 |
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■ | ■3 代償請求の実体法上の問題点 | ||||||
代償請求の法的性質: 一定の物の引渡義務の履行に代わる填補賠償と解され、 債務不履行によるものと、不法行為によるものが考えられる。 |
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● | ●履行遅滞の場合にも、物の引渡しに代わる填補賠償を認めてよいか? | ||||||
大審院昭和15年3月13日: 遅滞後の履行が債権者にとってほとんど利益のない場合と、これに該当しない場合でも一定の期間を定めて本来の給付を催告した場合は、 契約解除せずず填補賠償請求をすることを認めている。 |
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代償請求の場合、 @一定の物の引渡しを請求する訴えが提起されたときは本来の給付について債務者に対する強力な催告を含む A訴えの申立ての中に一定の期間を定めることを要求しても、その機関は訴訟の係属中に経過することが通常 B債務者は敗訴しても、債権者が執行不能として填補賠償について執行するまでの間に本来の給付をすれば、填補賠償についての執行を免れる ⇒ 上記の催告の要件を要求せずに、代償請求という形で履行遅滞による填補賠償請求を認めてもよい(我妻)。 |
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● | ●被告が物の引渡義務を履行遅滞している間に被告の責に帰することのできない事由によって履行不能となった場合 | ||||||
既に被告の責に帰すべき事由によって遅滞にあった⇒その後の履行について全責任を負うことが信義則に適する ⇒ その不能は常に債務者たる被告の責に帰すべき事由に基づくと解して賠償責任を認めるべき。 |
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■ | ■4 代償額の算定基準時 | ||||||
事実審の口頭弁論終結時。 | |||||||
は寝k津確定後の価格差の是正は認めるべきでない。 ← 自ら代償請求という形を選択して訴え提起をするのであるから、価格差があり得ることは覚悟している。 |
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■ | ■遅延損害金の支払を求める請求の趣旨と判決主文 | ||||||
● | ●原告が代償請求するする場合に、一定の物の口頭弁論終結時の時価相当額の代償額(損害賠償)に、遅延損害金を付加して請求することは可能か? | ||||||
代償請求権は、物の引渡しの強制執行が不能となったことを条件に発生する物の引渡しに代わる填補賠償請求権 ⇒同請求権の発生と同時に履行期が到来 ⇒遅くとも、同請求権の発生日の日または翌日(不法行為による損害賠償請求であるときはその日に当然に、債務不履行による損害賠償請求のときはその日以降に催告等のあった日の翌日。以下「翌日」)から地帯に陥り、遅延損害金が発生。 ⇒ 同請求権の遅延損害金の始期は、物の引渡しの強制執行が不能となった日の翌日。 |
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● | ●民訴法135条の将来請求として、この遅延損害金の請求をする訴えの利益および請求権の適格性は肯定できるか? | ||||||
A:却下すべき ← @代償請求権自体が原告の便宜上特別に認められたものでることからすれば、遅延損害金まであらかじめ請求する必要があるものとはいい難い。 A遅延損害金の発生と履行不能が必ずしも一致するものではなく請求権の適格性もない。 |
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B:肯定 ← @代償請求権を認める訴訟経済上の理由を考えると、損害賠償請求の本体を認めておいて、遅延損害金部分について、将来改めて別途請求すればよいと考えるのも迂回 A動産の引渡しとその不能に関して想定される紛争は一回的に解決すべき B遅延損害金の発生やその金額等が不確定であるともいえない。 |
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遅延損害金の発生の日の特定: @原告が金銭債権部分について執行手続をするためには、執行文付与は不要であると考えられるものの、執行開始の要件としては、物の引渡しが金銭債権に代わったことについて、執行不能になった旨の執行不能調書(民執規13@七)その他これと同等以上の証拠価値を有する公文書を提出することが必要。 ← その書類について証明された日とすれば足りる。 |
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