シンプラル法律事務所
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真の再生のために(個人再生・多重債務整理・自己破産)用HP−トップ |
論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
偽装請負 | |||
意味 | 実態は労働者派遣(または労働者供給)であるが、業務処理請負(委託)を偽装して行われているもの。 | ||
タイプ | @業者Aが業者Bから業務処理を請け負い(受託し)、Aの雇用する労働者XをBの事業場に派遣し就労させている状況において、Xの就労についての指揮命令(労務管理)をA自身が行わずこれをBに委ねているもの、ないしは、AがXに対する指揮命令の責任者を置いて自ら指揮命令を行う形にしているが実質的にはBが指揮命令を行っているもの。 | ||
A業者Aが業者Bから業務処理を請け負い(受託し)、その遂行を個人事業主である業者Xに下請けさせて(再委託し)、XがBの事業場でBの指揮命令を受けて業務処理に従事するという個人請負タイプ | |||
B業者Aが業者Bから業務の処理を請け負った(受託した)うえ、これを業者Cに下請(再委託)させ、業者Cがさらに業者Dに下請(再委託)させ、業者Dの労働者がBの事業場でその指揮命令を受けて業務に従事するという多重請負タイプ | |||
問題点 | 業務処理請負ないし業務委託の契約形式で行われる労働者の派遣ないし業務委託の契約形式で行われる労働者の派遣であるが、その実態からは、 @労働者派遣法が規制する「労働者派遣」に該当するか(@タイプ) A職業安定法が禁止する労働者供給(Aの個人請負タイプやBの多重請負タイプは「労働者派遣」にあたらず労働者供給の問題となる。)に該当しうる。 |
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業務処理請負(委託)が「労働者派遣」または労働者供給とみなされないための要件として37号告示ないし職安法施行規則(4条)において定められている、派遣する労働者の就労について自ら指揮命令を行い、発注者(委託者)からの指揮命令を受けっせないこと、などの要件を満たさず、そのために違法な「労働者派遣」ないしは労働者供給とみなされてしまう。 | |||
● | 2012年3月に成立した労働者派遣法改正では、労働者派遣法の義務を免れることを目的として、請負その他労働者派遣以外の目的で契約を締結し、労働者派遣の役務の提供を受けた場合には、当該偽装請負が開始した時点で、労働者派遣の役務の提供を受ける事業主が派遣労働者に対して派遣元(請負業者)における労働条件で直接雇用の申込みをしたものとみなす規定が新設されている(40条の6第1項。施行は2015年10月1日)。 |
改正労働者派遣法 | |||
A:派遣会社の義務 B:派遣先の義務 |
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施行 | 平成24年10月1日 労働契約申し込みみなし制度のみ平成27年10月1日 |
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■概観 | ● | ●事業規制の強化 | |
@日雇派遣(日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者派遣)の原則禁止(適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務の場合、雇用機会の確保が特に困難な場合等は例外) | |||
Aグループ企業内派遣の8割規制、離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止 | |||
● | ●派遣労働者の無期雇用や待遇の改善 | ||
@派遣元事業主に、一定の有期雇用の派遣労働者につき、無期雇用への転換推進措置を努力義務化 | |||
A派遣労働者の賃金等の決定にあたり、同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡を考慮 | |||
B派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金に占める割合(いわゆるマージン率)などの情報公開を義務化 | |||
C雇入れ等の際に、派遣労働者に対して、一人当たりの派遣料金の額を明示 | |||
D労働者派遣契約の解除の際の、派遣元及び派遣先における派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当等の支払いに要する費用負担等の措置を義務化 | |||
● | ●違法派遣に対する迅速・的確な対処 | ||
@違法派遣の場合、派遣先が違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなす | |||
A処分逃れを防止するため労働者派遣事業の許可等の欠格事由を整備 | |||
■@日雇派遣の原則禁止(A) | ■@日雇派遣の原則禁止(A) | ||
● | ●原則 | ||
雇用期間が30日以内の日雇派遣は原則禁止 ← 日雇派遣については、派遣会社・派遣先のそれぞれで雇用管理責任が果たされておらず、労働災害の原因にもなっていた。 |
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● | ●例外 | ||
ソフトウェア開発、機械設計、事務用機器操作、通訳・翻訳・速記、秘書、ファイリング、調査、財務処理、取引文書作成、デモンストレーション、添乗、受付・案内、研究開発、事業の実施体制の企画・立案、書籍等の制作・編集、広告デザイン、OAインストラクション、セールスエンジニアの営業、金融商品の営業 | |||
以下に該当する人を派遣する場合: @60歳以上の人 A雇用保険の適用を受けない学生 B副業として日雇派遣に従事する人(生業収入が500万円以上に限る) C主たる生計者でない人(世帯収入が500万円以上に限る) |
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● | 雇用期間が31日以上⇒日雇派遣には該当しない。 その間、A社に2週間、B社に1週間、C社に2週間派遣することは問題なし。 |
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改正労働者派遣法の施行日以降に締結される労働者派遣契約から適用。 | |||
■Aグループ企業派遣の8割規制(A) | ■Aグループ企業派遣の8割規制(A) | ||
● | 派遣会社がそのグループ企業に派遣する割合は全体の8割以下に制限される。 ← 派遣会社と同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占めるような場合は、派遣会社が本来果たすべき労働力需給調整機能としての役割が果たされていない。 |
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派遣割合=(全派遣労働者のグループ企業内での就労時間ー定年退職者のグループ企業での総労働時間)/全派遣労働者総労働時間 | |||
● | ●グループ企業 | ||
派遣会社が連結子会社 ⇒ @派遣会社の親会社 A派遣会社の親会社の子会社 (親子関係は連結決算の範囲で判断) |
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派遣会社が連結子会社でない場合 ⇒ @派遣会社の親会社等 A派遣会社の親会社等の子会社等 *親子関係は、外形基準で判断 (議決権の過半数を所有、出資金の過半を出資など) |
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● | 改正労働者派遣法の施行日(平成24年10月1日)以降に開始する事業年度から適用。 事業年度の開始が4月の派遣元事業主⇒平成25年4月の事業年度からグループ企業内派遣の8割規制が適用され、当該事業年度の実績を平成26年6月末までに報告する必要。 |
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■B離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣することの禁止(A・B) | ■B離職後1年以内の人を元の勤務先に派遣することの禁止(A・B) | ||
● | 本来直接雇用とすべき労働者を派遣労働者に置き換えることで、労働条件が切り下げられることのないよう、派遣会社が離職後1年以内の人と労働契約を結び、元の勤務先に派遣することができなくなった(元の勤務先が該当者を受け入れることも禁止)。 | ||
正社員・契約社員としてA社に勤務⇒離職⇒派遣会社B社と労働契約⇒派遣社員としてA社に勤務 | |||
60歳以上の定年退職者は禁止対象から除外 | |||
● | 派遣会社:離職前事業者へ派遣労働者として派遣することを禁止 派遣先:該当する元従業員を派遣労働者として受け入れることを禁止 |
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● | 禁止対象となる「派遣先」は「派遣先事業者」 ⇒A工場を離職した労働者の同一事業主のB工場への派遣は禁止対象。 |
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施行日以降に締結さされる労働者派遣契約から適用 ⇒離職した労働者の離職日が改正労働者派遣法の施行前でも、労働者派遣契約の締結が改正労働者派遣法の施行日以降⇒離職後1年以内の労働者派遣の禁止は適用される。 |
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■CDマージン率などの情報提供派遣料金の明示(A) | ■CDマージン率などの情報提供派遣料金の明示(A) | ||
● | ●関係者への情報公開 | ||
インターネットなどにより派遣会社のマージン率や教育訓練に関する取り組み状況などの情報提供が義務化 | |||
マージン率=(派遣料金の平均額ー派遣労働者の賃金の平均額)/派遣料金の平均額 | |||
「関係者」:派遣労働者、派遣労働者となり得る者、派遣先、派遣先となり得る者等。 | |||
● | ●派遣労働者への明示 | ||
雇入時、派遣開始時、派遣料金の変更時には、派遣労働者の「労働者派遣に関する料金額(派遣料金)の明示が義務化。」 | |||
次のいずれかを明示 @派遣労働者本人の派遣料金 A派遣労働者が所属する事務所における派遣料金の平均額(1人あたり) |
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● | ●明示方法 | ||
書面・ファクス・Eメール | |||
● | 施行後に終了する事業年度分から情報提供の対象となる。 ⇒事業年度の終了が3月末の派遣元事業者の場合、平成25年4月以降速やかに公表する日長。 |
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■E待遇に関する事項などの説明(A) | ■E待遇に関する事項などの説明(A) | ||
派遣会社は、労働契約締結前に、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対して @雇用された場合の賃金の見込み額や待遇に関すること A派遣会社の事業運営に関すること B労働者派遣制度の概要 の説明をすることが義務化 |
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労働契約締結前の説明⇒登録状態にある労働者への説明等に該当。 | |||
労働契約締結前⇒「賃金の額の見込み」は一定の幅を持ったものでOK。 | |||
「賃金の額の見込み」については、書面、ファクス又は電子メールにより説明する必要。 それ以外の事項については、書面、ファクス又は電子メール以外の方法での説明でも可能⇒口頭やインターネット等による説明もOK。 |
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■F派遣先の都合で派遣契約を解除するときに講ずべき措置(B) | ■F派遣先の都合で派遣契約を解除するときに講ずべき措置(B) | ||
労働者派遣契約の中途解除によって、派遣労働者の雇用が失われることを防ぐため、派遣先の都合により派遣契約を解除する場合には、 @派遣労働者の新たな就業機会の確保、 A休業手当などの支払いに要する費用の負担など の措置をとることが、派遣先の義務となる。 (派遣契約時にこれらの措置について明記する必要。) |
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■G有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置(A) | ■G有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置(A) | ||
派遣労働者が無期雇用になるための機会が少ない ⇒ 派遣会社は、有期雇用の派遣労働者(雇用期間が通算1年以上)の希望に応じ、以下のいずれかの措置をとるよう努める。 |
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@無期雇用の労働者として雇用する機会の提供 A紹介予定派遣の対象とすることで、派遣先での直接雇用を推進 B無期雇用の労働者への転換を推進するための教育訓練などの実施 |
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■H(A) | ■H派遣労働者が無期雇用労働者か否かを派遣先への通知事項に追加(A) | ||
■I均等待遇の確保(A・B) | ■I均等待遇の確保(A・B) | ||
● | ●派遣会社の義務 | ||
派遣会社は、派遣労働者の賃金を決定する際 @派遣先で同種の業務に従事する労働者の賃金水準 A派遣労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力、経験など に配慮しなければならない。 教育訓練や福利厚生などについても均衡に向けた配慮が求められる。 |
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● | ●派遣先の義務 | ||
派遣会社に対し、必要な情報を提供するなどの協力が求められる。 | |||
■J労働契約申込みなし制度(B) | ■J労働契約申込みなし制度(B)(平成27年10月1日施行) | ||
派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申込み(直接雇用の申し込み)をしたのものとみなす制度。 |
労働者派遣事業の規制 | |||
規定 | 労働者派遣法 第2条(用語の意義) この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 労働者派遣 自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まないものとする。 三 労働者派遣事業 労働者派遣を業として行うことをいう。 四 一般労働者派遣事業 特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業をいう。 五 特定労働者派遣事業 その事業の派遣労働者(業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る。)が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業をいう。 |
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規制 | 労働者派遣法は、労働者派遣を業として行うことを(労働者派遣事業(2条3号))を認知しつつ、諸種の規制を行う。 | ||
「業として」とは、一定の目的のために同種の行為を反復継続することをいう。 | |||
■ | ■特定労働者派遣事業の届出制と一般労働者派遣事業の許可制 | ||
● | 労働者派遣事業は、 @常時雇用する労働者のみを派遣する「特定労働者派遣事業」と、 Aそれ以外の「一般労働者派遣事業」とに大別(2条4号5号)。 |
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「常時雇用する」とは、@期間の定めのない雇用のみならず、A1年間をこえることを予定される短期間の雇用も含む。 | |||
一般労働者派遣事業は、派遣を希望する労働者を登録しておき、派遣のつど、当該派遣労働者との間で派遣期間と同期間の労働契約を締結する形態を想定。 | |||
⇒ 一般労働者派遣事業:登録型 特定労働者派遣事業:常用型 |
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● | ●一般労働者派遣事業 | ||
派遣労働者の雇用が不安定な事業形態 ⇒ 厚生労働大臣の許可が必要とされ、 事業の適正な運営を確保する見地から、事業主としての欠格事由と許可基準が設定(5条〜7条)。 |
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もっぱら特定の者に労働者派遣を行う事業は、その雇用する労働者の3割以上が60歳以上の高齢者でない限り許可されない(7条1項1号、労派則1条の3)。 | |||
許可を得た事業主が法令や許可条件に反したときは、許可を取り消されうる(14条)。 | |||
● | ●特定労働者派遣事業 | ||
派遣労働者の雇用安定上問題がより少ない ⇒事業主が欠格事由に該当しないかぎり厚生労働大臣への届出のみでよい(16条、17条)。 |
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厚生労働大臣は、この届出をした事業主(特定派遣元事業主(2条6号))が労働者派遣法および職安法に違反した場合、期間を定めて事業の全部又は一部の停止を命じることができる(21条2項)。 | |||
● | ●労働者派遣の役務の提供を受ける者 | ||
派遣元事業主以外の労働者派遣を行う者から同役務の提供を受けてはならない(法24条の2)。 〜 許可や届出をしていない派遣業者から労働者派遣を受け入れることは、労働者派遣法で禁止されている。 |
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派遣業者:許可制(5条1項)又は届出制(16条1項)の違反として罰則の適用を受ける(59条2号、60条1号)。 | |||
派遣先:罰則は設けられていない。 but行政指導(48条1項)や勧告(49条の2第1項)の対象とされ、勧告に従わなければ企業名の公表にも至りえる(法49条の2第3項)。 |
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■ | ■グループ企業内派遣の8割規制 | ||
■ | ■紹介予定派遣 |
労働者派遣法 | |||
法規定 | 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律 | ||
意義 | 説明 | 「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約してするものを含まない」ものをいう(法2条1号) | |
@労働者は雇用関係のない派遣先から指揮命令を受ける。 A派遣先と労働者との間に雇用関係がない。(出向は、自企業の労働者をその雇用関係を維持しつつ他企業との雇用関係に入らせる。) |
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規定 | 職業安定法 第44条(労働者供給事業の禁止) 何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。 ← 労働者を支配下に置いて他人に使用させる点で、労働の強制、中間搾取、使用者責任の不明確化などの弊害を伴いがちである。 |
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職業安定法 第4条(定義) Eこの法律において「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする。 |
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派遣対象業務 | H11改正 | 港湾運送、建設、警備、医療関係及び製造工程業務の派遣を禁止し、その以外の業務について、労働者派遣を行うことができるようにした。(ネガティブリスト方式) ←規制緩和や働き方の多様性に対応する必要 |
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H15改正 | 製造工程業務について、派遣期間の上限を3年として解禁され、医療関係業務について、社会福祉施設等で行われる医療業務及び医療業務への紹介予定派遣が解禁された。(労派遣令2条、労派遣規則1条) | ||
現在 | 労働者派遣が禁止されているのは、港湾運送、建設及び警備の3業種と(法4条1項)、団体交渉等の派遣先において行われる人事労務管理のうち使用者側の直接当事者として行う業務や、弁護士、司法書士、公認会計士、建築士等の業務。(労働者派遣事業j関係業務取扱要領) | ||
派遣可能期間 | 26の専門的業務 | @ソフトウェア開発、A機械設計、B放送機器等操作、C放送番組等演出、D事務用機器操作、E通訳、翻訳、速記、F秘書、Gファインリング、H調査、I財務処理、J取引文書作成、Kデモンストレーション、L添乗、M建築物清掃、N建築設備運転、点検、整備、O案内・受付・駐車場管理、P広告デザイン、Q企画立案、R書籍等の制作、編集、S広告デザイン、21インテリアコーディネータ、22アナウンサー、23OAインストラクション、24テレマーケティングの営業、25セールスエンジニアの営業、26放送番組等における大道具・小道具 | |
派遣可能期間の制限がない(法40条の2第1項1号) | |||
プロジェクト型業務 | 事業の開始、転換、拡大、縮小又は廃止のための業務であって一定の期間内に完了することが予定されている業務については、派遣可能期間の制限がない。(法40条の2第1項2号イ) | ||
日数限定業務 | 1か月間の業務日数が10日以下であり、かつ、当該派遣先で雇用されている通常労働者の1か月の所定労働日数の半分以下である業務(展示場のコンパニオン等)については、派遣可能期間の制限がない。(法40条の2第1項2号ロ) | ||
一時的代替業務 | 正規雇用労働者が、育児・介護休業法に規定する介護休業及びこれに準ずる一定の介護に係る休業を取得する場合に、その代替要員を派遣するときは、派遣可能期間の制限がない。(法40条の2第1項3・4号) | ||
26の専門業務以外の業務 | 派遣先が、同一の業務について1年を超え3年以内の期間継続して労働者派遣の役務の提供を受ける場合、当該派遣先の労働者の過半数代表の意見を聴取した上で、1年〜3年の派遣可能期間を定めなければならない。 | ||
この期間が定められていない場合、派遣可能期間は1年に制限される。 | |||
規制・制裁 | 趣旨 | 正規雇用から派遣への切り替えが進み、雇用の不安化や労働条件の悪化がもたらされる危険性⇒規制 | |
派遣禁止業務 | 港湾運送、建設、警備業務については派遣法制定時より労働者派遣が禁止されている。 | ||
違反に対しては、労働大臣が労働者派遣停止を命じ(法49条2項)、また派遣先に指導・助言・勧告を行い、従わない場合には企業名の公表ができる(法49条の2) | |||
可能期間を超える派遣の禁止 | 「同一業務」とは、「組織の最小単位において行われる業務」で名称にとらわれず実態に照らして判断する(指針)。 | ||
同一業務には、派遣終了後3か月以上の期間をおかなければ、新たな派遣労働者を雇い入れることは許されない。 | |||
厚生労働大臣は、同一業務につき派遣可能期間を超えて引き続き労働者派遣を受け入れる派遣先事業主に対し、当該派遣労働者が希望する場合する場合にはその雇い入れを指導・助言・勧告を行い、従わない場合には企業名の公表ができる。(法49条の2) | |||
派遣元・派遣先の責任 | 3者の関係 | @労働者と派遣先:雇用契約を結ぶ雇用関係 A労働者と派遣先:指揮命令を受けて労務を提供する使用関係 B派遣元と派遣先:労働者を派遣する・受ける契約で結ばれる関係 |
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派遣元事業主の講ずべき措置 | 派遣労働者の就業・教育訓練の機会の確保、労働条件の向上、雇用の安定に必要な措置を講ずることにより、その福祉の増進に努める責務(法30条) | ||
派遣先が派遣就業に関する法令を遵守し、その他派遣就業が適正に行われるように、必要な措置を講ずるなど適切な配慮をする責務(法31条) | |||
派遣労働者との間で、正当な理由なく、派遣終了後に派遣先に雇われることを禁じる契約をしてはならない(法33条1項) | |||
労働者を派遣するときに、派遣労働者に対して、派遣先での就業条件(従事する業務内容、派遣先指揮者・派遣元責任者、派遣期間、始業就業時間、休憩時間等)を明示した文書を交付しなければならない(法34条、規則25条) | |||
派遣先への派遣労働者の社会保険加入状況の通知義務(法35条2号)、個人情報の適正管理(法7条1項3号) | |||
派遣先の講ずべき措置 | 労働者派遣契約に定められた就業条件に反することのないように適切な措置を講ずる責務(法39条) | ||
派遣就業が適切に行われるために必要な措置を講ずるように努める責務(法40条2項) | |||
派遣労働者からの苦情の申出について、派遣元事業主との密接な連携のもとに、誠意をもって遅滞なく、当該苦情の適切かつ迅速な処理を図らなければならない(法40条1項) | |||
派遣先管理台帳を作成し、派遣就業の状況を記録して3年間保存し(法42条)、これらのために派遣先責任者を選任しなければならない。(法41条) | |||
男女雇用均等法で規定されるセクハラ防止義務及び出産後の健康管理に関する義務(通院休暇、つわり休暇等、法47条の2) | |||
紹介予定派遣を除いて、事前面接等ができない(法26条7項) | |||
一定の場合の直接雇用義務 | @派遣可能期間の制限がない業務について、派遣先が3年を超える期間継続して同一業務に同一の派遣労働者を受け入れている場合で、当該同一業務に労働者を雇い入れようとするときは、当該派遣労働者に対して雇用契約の申込みをしなければならない。(法40条の5) | ||
A派遣可能期間の制限がある業務については、派遣元は派遣先及び派遣労働者に対して同期間の満了までに同期間を超えて労働者派遣を継続しない旨の通知をしなければならず(法35条の2第2項)、派遣先は、この通知を受けた場合において、当該派遣業務について同期間満了日までに当該派遣先に雇用されることを希望する当該派遣労働者に対して、雇用契約の申込みをしなければならない。(法40条の4) | |||
B派遣可能期間の制限がある業務については、派遣先は、同一業務につき継続して1年間労働者派遣を受け入れ、引き続き当該業務に従事させるために労働者を雇い入れようとする場合には、当該派遣労働者を雇い入れるように努めなければならない。(法40条の3) | |||
苦情処理システム | 派遣元・派遣先の派遣法違反事実について派遣労働者が労働大臣に申告することができ、申告を理由とする解雇等の不利益取扱いが禁止される。(法49条の3) |