シンプラル法律事務所
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論点の整理です(随時増やしていく予定です。)
外国人事件 | ||||||
婚姻 | 実態 | 外国人の比率(2%以下)に比べ、婚姻比率(6.1%)は高い。 | ||||
300万円程度で結婚できる商売。 | ||||||
●準拠法 | ●準拠法 | |||||
法の適用に関する通則法 第24条(婚姻の成立及び方式) 婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。 2 婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。 3 前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする 。ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。 |
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法 第25条(婚姻の効力) 婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。 |
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●成立要件 | ●成立要件 | |||||
婚姻の成立は、各当事者の本国法による(属人法主義)(法24条1項) ⇒各当事者はそれぞれの本国法に規定された婚姻の成立要件を備えればよく、相手の本国法の要求する成立要件を満たす必要はない(配分的適用主義)。 but 婚姻の実質的成立要件の中には、当事者の一方の本国法の要件であったとしても、相手に対しても要件の充足を認める「双方的要件」があり、これについては相手の本国法にも留意する必要がある。 双方的要件: 近親婚、重婚の禁止、再婚禁止期間など |
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●手続 | ●手続 | |||||
@婚姻挙行地の法又はA当事者一方の本国法 but B婚姻挙行地が日本で当事者一方が日本人⇒日本法を適用。 |
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日本の方式: 婚姻届を市町村の役場に届け出る。 市長村長は、届出を受理するにあたって、婚姻の成立に必要な要件が具備されているかどうかを審査。 〜 当事者の本国法が定めている婚姻の成立要件(実質的成立要件)を満たしていることを証明するため、 @日本人については戸籍謄本を A外国人については婚姻要件具備証明書(=婚姻しようとする外国人の本国の大使・公使・領事など権限を持っている者が本国法上その婚姻に必要な要件を備えていることを証する書面)を提出。 |
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外国人の本国に届けないと、本国で婚姻が認められたとはいえない。 中国の方式で婚姻(創設的婚姻) ⇒日本の役所に届け出る(報告的届出) 「いついつ中国の方式で婚姻」とのる。 |
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●在留資格 | ●在留資格 | |||||
結婚相手の外国人には、「日本人の配偶者等」の在留資格が認められる;。 在留期間は1年又は3年。 |
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■離婚 | ■離婚 | |||||
●準拠法 | ●準拠法 | |||||
規定 | 法 第27条(離婚) 第二十五条の規定は、離婚について準用する。 ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。 |
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法 第25条(婚姻の効力) 婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。 |
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夫婦の一方が日本に常居所を有する⇒離婚は、日本法による⇒日本の民法が適用 外国人同士の離婚の場合も、その夫婦の国籍が異なる⇒日本の民法が適用。 |
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離婚の方式・原因 | 当事者の合意があるとしても、安易に協議離婚を選択しない。 ←夫婦相互の合意によって協議離婚が認められた場合であっても、当該離婚緒効力がた方の外国人の本国で有効な離婚として認められるかは別問題。 |
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離婚の手続・裁判管轄 | 調停や離婚判決手続の場合、外国人当事者の外国人登録原票記載事項証明書、旅券の写し等が必要。 | |||||
協議離婚の国際的効力 | 協議離婚という制度を認めていない国の場合、日本で協議離婚が有効に成立した場合でも、当該外国においては有効な離婚があったとは認められない場合がある。 ⇒ 外国人の本国の法律で協議離婚を認めていない場合、当事者が離婚に合意していても、裁判所の関与がある離婚調停。 「この調停条項は確定判決と同一の効力を有するものであることを相互に確認する。」との条項。 調停離婚も認めていない国⇒場合によっては、離婚判決が必要。 |
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在留資格 | 「日本人の配偶者等」の資格は失う。 |
渉外離婚 | ||||||
準拠法 | 属地法主義 | 離婚を離婚地の公序に関する問題と考えて、専ら離婚地法によらしめるもの。 英米その他若干の国の国際私法で採用。 |
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英米の国際司法は、自国に離婚の裁判管轄がある場合には、自国法を適用するとするもので、単なる離婚地法主義ではない。 | ||||||
米国の場合、ある州に夫または妻の住所がある場合には、その州に離婚の裁判管轄が認められ、準拠法としてその州法が適用される。 | ||||||
属人法主義 | 離婚の問題も身分に関する問題の1つであるから、他の身分に関する問題とともに、その属人法によらしめるのが適当である。 | |||||
ドイツ、フランス、イタリア等大部分の大陸法諸国。日本。 | ||||||
日本 | 法適用通則法 第27条(離婚) 第二十五条の規定は、離婚について準用する。ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は、日本法による。 第25条(婚姻の効力) 婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地法が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。 |
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管轄権 | 種類 | 一般管轄権(国際管轄権):いずれの国の国家機関が全体として管轄権をもつかの問題。 | ||||
直接的一般管轄権:自国(内国)が一般管轄権を有するかの問題 | ||||||
間接的一般管轄権:外国裁判の承認の要件として外国の一般の管轄権の問題。 | ||||||
間接的一般管轄権>直接的一般管轄権の傾向 | ||||||
判例 | 思うに、離婚の国際的裁判管轄権の有無を決定するにあたつても、被告の住所がわが国にあることを原則とすべきことは、訴訟手続上の正義の要求にも合致し、また、いわゆる跛行婚の発生を避けることにもなり、相当に理由のあることではある。しかし、他面、原告が遺棄された場合、被告が行方不明である場合その他これに準ずる場合においても、いたずらにこの原則に膠着し、被告の住所がわが国になければ、原告の住所がわが国に存していても、なお、わが国に離婚の国際的裁判管轄権が認められないとすることは、わが国に住所を有する外国人で、わが国の法律によつても離婚の請求権を有すべき者の身分関係に十分な保護を与えないこととなり(法例一六条但書参照)、国際私法生活における正義公平の理念にもとる結果を招来することとなる。(最高裁昭和39.3.25) | |||||
被告の住所地国でなされた離婚判決が、我が国において、外国判決承認の要件を具備しないため承認されないような場合に、例外的に原告の住所地国たる我が国に管轄権が認められる。(最高裁H8.6.24) | ||||||
外国離婚の承認 | 民訴法118条 | 相互保証 | A:必要説:法務省 | |||
B:不要説: 民訴法118条は、執行を予想するような財産上の請求に関する外国給付判決に関する規定であって、執行を予想しない外国離婚判決のような身分に関する外国形成判決に関するものではない。 ← @財産上の請求に関する外国給付判決については、内国における執行が問題となるから、相互の保証が要求されることに理由がある。つまり、外国判決による執行については、民事執行法24条により執行判決を得て、同22条6号により強制執行をするとことになるところ、ある外国が、我が国の判決による執行をしないとするにもかかわらず、我が国がその外国の判決による執行をする必要はないという観点(相互主義)から、民訴法118条4号はおかれている。 A外交離婚判決のような外国形成判決については、執行というような国家の特別の協力行為を必要と竹刀から、相互の保証が必要とされる理由はない。 B離婚のような身分に関する外国形成判決についてまで相互の保証を必要とする場合には、相互の保証の困難よりして、我が国において承認される外国判決が限定されることになり、国際的私法生活にとって不当な結果(例えば、国際的な不均衡婚の発生など)を招くことが考えられる。 |
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管轄権要件 | 民訴法118条1号は、外国判決の承認の要件として、外国の一般管轄権、すなわち、間接的一般管轄権について規定する。 | |||||
離婚についても国際的な不均衡婚の発生防止という考慮から、間接的一般管轄権の認められる範囲を広く解しようとする傾向。 | ||||||
単なる原告の住所地国の管轄権を認めるのは広きに失する。 ハーグ条約も間接的一般管轄権を広く認めるが、単なる原告の住所地国の管轄権までは認めていない。 |
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準拠法要件 | 従来は、我が国の国際私法の定める準拠法に従っていない判決は同条3号に定める公序に反するという理由などにより、この要件を必要とするとの見解が有力。 | |||||
近時は、準拠法の要件を不要とするのが内外の通説。 ハーグ条約もこの要件を不要とする。 |