シンプラル法律事務所
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論点体系会社法

★T 割賦販売法の全体像  
  ◆1 制定の経緯
  ◆2 制定後の法改正の経緯と概要
     


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★T 割賦販売法の全体像  
  ◆1 制定の経緯
  ◆2 制定後の法改正の経緯と概要
     
     
     
     
     
     
     
第5節 持分会社の社員の除名の訴え等  
     
     
     
     
     
     
     
     
     
第7編 雑則  
     
     
     
     
第5節 持分会社の社員の除名の訴え  
☆859条 〜862条
     第八五九条(持分会社の社員の除名の訴え)
 持分会社の社員(以下この条及び第八百六十一条第一号において「対象社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象社員の除名を請求することができる
一 出資の義務を履行しないこと。
二 第五百九十四条第一項(第五百九十八条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反したこと。
三 業務を執行するに当たって不正の行為をし、又は業務を執行する権利がないのに業務の執行に関与したこと。
四 持分会社を代表するに当たって不正の行為をし、又は代表権がないのに持分会社を代表して行為をしたこと。
五 前各号に掲げるもののほか、重要な義務を尽くさないこと。
第八六〇条(持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え)
 持分会社の業務を執行する社員(以下この条及び次条第二号において「対象業務執行社員」という。)について次に掲げる事由があるときは、当該持分会社は、対象業務執行社員以外の社員の過半数の決議に基づき、訴えをもって対象業務執行社員の業務を執行する権利又は代表権の消滅を請求することができる。
一 前条各号に掲げる事由があるとき。
二 持分会社の業務を執行し、又は持分会社を代表することに著しく不適任なとき
第八六一条(被告)
次の各号に掲げる訴えについては、当該各号に定める者を被告とする。
一 第八百五十九条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ルにおいて「持分会社の社員の除名の訴え」という。) 対象社員
二 前条の訴え(次条及び第九百三十七条第一項第一号ヲにおいて「持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴え」という。) 対象業務執行社員
第八六二条(訴えの管轄)
持分会社の社員の除名の訴え及び持分会社の業務を執行する社員の業務執行権又は代表権の消滅の訴えは、当該持分会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。
     
     
     
     
  ◆論点4:除名事由、業務執行権・代表権の消滅事由 
  @出資義務違反(1号)
A競業避止義務違反(2号)
B業務執行・代表における不正行為等(3号、4号)
Cその他の重要な義務違反(5号)
  除名は社員の意思に反して強制的に社員の地位を奪うもの⇒単に形式的に除名事由があるだけでは足りず、当該行為により社員間の信頼関係が損なわれる等により、会社の事業の継続に著しい支障があるため、当該社員の除名がやむを得ないといえるような事情を要するといた裁判例(東京高裁)。
  3号の「不正の行為」
  4号
  5号:文理上、客観的に重大な義務違反があり、そこに社員の過失が認められれば除名自由に該当。
but
除名の事由としては、違反された義務の客観的軽重より、主観的情状をしん酌して義務違反自体の軽重によって定める(したがって過失の軽重を考慮する)ことが妥当であるとされる。 
  業務執行権・代表権の消滅請求については、859条1〜5号所定の事由がある場合のほか、社員が業務を執行し、又は会社を代表することに著しく不適任なときも認められる(860条2号)
「著しく不適任なとき」:精神的・肉体的理由によってその任に堪えないことをいう。
     
  第8編 罰則
☆960条  
規定    第九六〇条(取締役等の特別背任罪)
 次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 発起人
二 設立時取締役又は設立時監査役
三 取締役、会計参与、監査役又は執行役
四 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された取締役、監査役又は執行役の職務を代行する者
五 第三百四十六条第二項、第三百五十一条第二項又は第四百一条第三項(第四百三条第三項及び第四百二十条第三項において準用する場合を含む。)の規定により選任された一時取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役、代表取締役、委員(指名委員会、監査委員会又は報酬委員会の委員をいう。)、執行役又は代表執行役の職務を行うべき者
六 支配人
七 事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人
八 検査役
2次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は清算株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該清算株式会社に財産上の損害を加えたときも、前項と同様とする。
一 清算株式会社の清算人
二 民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された清算株式会社の清算人の職務を代行する者
三 第四百七十九条第四項において準用する第三百四十六条第二項又は第四百八十三条第六項において準用する第三百五十一条第二項の規定により選任された一時清算人又は代表清算人の職務を行うべき者
四 清算人代理
五 監督委員
六 調査委員
  ◆論点1 構成要件 
  ◇本罪の主体:株式会社に対して、委任契約に基づき、善良なる管理者の注意をもってその事務を処理する義務(民法644条、会社法330条等)を負っている。 
 
 「自己」:株式会社の事務を処理する行為者自身
「第三者」:行為者と株式会社以外の者
判例:「図利加害の点につき・・・必ずしも意欲ないし積極的認容までは要しない」

加害行為と故意との区別は必ずしも明確ではない。
@「加害目的」よりも「図利目的」を重視する
A「決定的な同機」が自己又は第三者の利益を図ることにあった場合には、「図利目的」を認める
B損害の認識・認容をもって加害目的を認めることもある等の傾向
  ◇「その任務に背く行為」(任務違背行為)

法令・定款・内部規程違反の行為は、任務違背行為であると評価される可能性が高いが、実質的に株式会社に不利益になる行為か否かという観点から判断されるべき。 
  ◇(3) 「財産上の損害」:
経済的見地において本人の財産状態を評価し、被告人の行為によって、本人の財産緒価値が減少したとき又は増加すべかりし価値が増加しなかったとき。
積極的損害(財産の価値が減少したとき)のほか消極的損害(増加すべかりし価値が増加しなかったとき)も含まれる。