シンプラル法律事務所
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割賦販売法(2018年9月11日) 松尾弁護士 | ||
★T 割賦販売法の全体像 | ||
◆ | ◆1 制定の経緯 | |
◆ | ◆2 制定後の法改正の経緯と概要 | |
◆ | ◆3 現行法の規定の構造 | |
◆ | ◆4 現行の割賦販売法の規制対象取引 | |
◆ | ◆5 規制の分類 | |
◆ | ◆6 消費者被害救済業務における | |
★U 消費者被害救済業務における割賦販売法活用のための基礎知識 | ||
◆ | ◆1 クレジット取引(包括クレジット・二月払クレジット・個別クレジット)の定義 | |
◆ | ◆2 クレジット取引の基本構造 | |
◆ | ◆3 信用購入あっせんにおける指定商品・指定役務の廃止 | |
◆ | ◆4 信用購入あっせんにおける適用除外取引 | |
◆ | ◆5 信用購入あっせんにおける割賦要件の撤廃 | |
★V 割賦販売法の消費者被害救済のための民事ルール | ||
◆ | ◆1 抗弁の対抗(法30条の4,法30条の5,法35条の3の19,法29条の4) | |
◇ | ◇(1)意義 | |
購入者が包括クレジット・個別クレジット・ローン提携販売を利用して商品等を購入した場合に, 購入者は,当該商品等購入契約につき販売会社に対して生じている契約の無効・取消し・解除等の事由(抗弁事由)をもって, クレジット会社のクレジット代金請求に対して対抗(支払の拒絶)ができるという制度(抗弁の接続ともいう)。 |
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●法30条の4 (法2条3項1号の包括クレジットの場合における包括信用購入あっせん業 者に対する抗弁) |
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●法30条の5 (法2条3項2号=リボルビング払いの包括クレジットの場合における包括 信用購入あっせん業者に対する抗弁) |
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●個別信用購入あっせん業者に対する抗弁 法35条の3の19 1項 購入者又は役務の提供を受ける者は,個別信用購入あっせん関係販売契約又は個別信用購入あっせん関係役務提供契約に係る第三十五条の三の八第三号の支払分の支払の請求を受けたときは,当該契約に係る個別信用購入あっせん関係販売業者又は個別信用購入あっせん関係役務提供事業者に対して生じている事由をもって,当該支払の請求をする個別信用購入あっせん業者に対抗することができる。 2項 前項の規定に反する特約であって購入者又は役務の提供を受ける者に不利なものは,無効とする。 3項 第一項の規定による対抗をする購入者又は役務の提供を受ける者は,その対抗を受けた個別信用購入あっせん業者からその対抗に係る同項の事由の内容を記載した書面の提出を求められたときは,その書面を提出するよう努めなければならない。 4項 前三項の規定は,第一項の支払分の支払であって政令で定める金額に満たない支払総額に係るものについては,適用しない。 |
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◇ | ◇(2)立法趣旨 | |
商品等の購入契約とクレジット契約とは異なる当事者間の別個の契約。 消費者が販売会社に対して抗弁事由があっても,クレジット会社に対する支払を拒絶することはできないのが原則。 しかし,実際のクレジット契約の締結においては,以下の事情があることから,消費者保護のため,昭和59年の改正によって抗弁の接続が導入された。 @クレジット会社と販売会社との間には業務提携関係(加盟店契約)があること。 Aクレジット契約の締結作業は販売会社に委託され,売買契約の締結と不可分一体に手続が行われていること。 B消費者の意思としては,販売会社の債務が履行されないときには代金の支払いも拒否できると期待しているのが通常であること。 Cクレジット会社は販売会社との継続的な取引関係の中で販売会社を監督できる地位にあり,損失を分散する経済的能力を有していること。 D消費者は販売会社との一回的な取引において販売会社の実態を把握することは困難であり,万一の損失を負担する経済的能力に乏しいのが通常であること。 |
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◇ | ◇(3)適用対象となる取引 | |
=包括クレジット・個別クレジット・ローン提携販売 ・クレジットの原因取引は特商法の適用対象取引に限らない。 ・抗弁事由に対するクレジット会社の故意・過失の有無を問わず適用がある。 ※包括クレジットのリボルビング払いの場合の抗弁対抗(法30条の5) リボルビング払いの場合,クレジット会社から支払請求がなされた弁済金がどの商品等に係るものであるかが,それまでに支払われた全ての弁済金を購入者等の債務に充当しなければ明らかにならない。そこで,30条の5で定める「みなし充当」を行った上で,30条の4の規定を準用する扱いをしている。 |
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◇ | ◇(4)抗弁対抗規定の適用が認められる要件 | |
@包括・個別信用購入あっせんまたはローン提携販売取引であること。 Aローン提携販売については政令指定商品等を購入したときであること。 B販売会社等に対して「抗弁事由」があること。 C「支払総額」が4万円以上であること(政令21条1項・政令24条)。 包括クレジットのリボルビング方式の場合は,「現金販売(提供)価格」が3万8000円以上であること(政令21条2項)。 D購入者等が営業のために若しくは営業として締結するものでないこと(法35条の3の60第1項1号,法35条の3の60第2項1号)。 ※但し,連鎖販売個人契約及び業務提供誘引販売個人契約をクレジットの原因行為とするもの(マルチ商法や内職商法の場合)には適用がある。 |
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◇ | ◇(5)抗弁事由について | |
■ | ■@抗弁事由 | |
条文上の表記 (包括クレジットの場合・法30条の4) 「当該商品若しくは当該指定権利の販売につきそれを販売した包括信用購入あっせん関係販売業者又は当該役務の提供につきそれを提供する包括信用購入あっせん関係役務提供事業者に対して生じている事由」 (個別クレジットの場合・法35条の3の19) 「当該契約に係る個別信用購入あっせん関係販売業者又は個別信用購入あっせん関係役務提供事業者に対して生じている事由」 ○具体的には,クレジットの原因取引(商品の購入契約など)に関し,消費者がその原因取引を行った相手方である販売業者等(包括信用購入あっせん関係販売業者・包括信用購入あっせん関係役務提供事業者・個別信用購入あっせん関係販売業者・個別信用購入あっせん関係役務提供事業者)に対して生じている事由のことを指す。 ○必ずしも,抗弁権である必要はなく,債務不履行による損害賠償請求権・瑕疵担保責任としての損害賠償請求権等を有する場合においても係る請求権を有することをもってクレジット会社からの請求を拒むことができる。 ○抗弁事由の範囲については,販売業者等に対して生じている一切の事由を広く含み,契約書に記載されている事由に限らず,口頭のセールストークによる抗弁や付随的特約による抗弁など,商品の販売や役務の提供に伴い,販売会社・役務提供事業者に対して生じた事由は原則として全て含む。 |
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■ | ■A抗弁事由の具体例 | |
・クレジットの原因取引である契約の意思形成過程における瑕疵 商品購入契約の意思表示の瑕疵により錯誤無効,詐欺取消し,消費者契約法や特定商取引法による取消しなどの主張ができる場合。 ・クレジットの原因取引である契約の履行関係における瑕疵 商品の引き渡しがないため同時履行の抗弁権や契約解除が主張できる場合。 引き渡された商品に瑕疵があるため瑕疵担保責任(損害賠償・瑕疵の修補・契 約解除)が主張できる場合。 ・クレジットの原因取引である契約について,特定商取引法によるクーリング・オフや中途解約権が主張でき,債権債務関係を消滅させることができる場合。 |
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◇ | ◇(6)「支払総額」・「現金販売(提供)価格」の下限設定について | |
「支払総額」が4万円未満(政令21条1項・24条),包括クレジットでリボルビング払いの場合は「現金販売(提供)価格」が3万8000円未満である場合(政令21条2項)には,抗弁対抗規定の適用はない(法30条の4第4項・法35条の3の19第4項等)。 | ||
○少額な取引について抗弁対抗を認めると,クレジット会社による事実関係の調査に要するコストが増大し,十分な調査が行われないまま販売業者等に対して立替金の返還請求を行うことになりかねないということから,抗弁対抗が認められる取引に制限を加える趣旨。 ○リボルビング払いの場合は,購入した商品代金等の合計の残額を基礎として手数料が算出されることから,クレジット手数料を含む一取引当たりの支払総額という概念が存在しないので,現金販売(提供)価格をベースに抗弁の対抗が可能な下限額を設定した。 ○「支払総額」「現金販売(提供)価格」とは,同一契約(同一時点に同一の販売業者等,同一のクレジット会社との間で行ったクレジット取引)における商品等の支払総額・現金販売(提供)価格の合計額を指す。 例えば,同一の業者から同一の機会に,同一のクレジット会社を利用して,1セット1万円の商品を4セット分(合計4万円分)購入した場合,支払総額は少なくとも4万円以上になり,又,現金販売価格も3万8000円以上になるので,購入した4セットの商品のうち,1セット分(1万円)の引き渡しがない(引き渡し未了)場合であっても,それを抗弁事由として,クレジット会社からの支払請求を拒むことが可能になる。もっとも具体的に支払いを拒むことができる金額は,具体的な瑕疵等の程度に応じることとなり,上記事例では引き渡しがなされていない1セット分に対応する支払請求の部分についてのみ支払いを拒むことができるに過ぎない。 |
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◆ | ◆2 個別クレジット業者の書面交付義務とこれ次っと契約のクーリング・オフ | |
◆ | ◆3 個別クレジット契約の過量販売解除権 | |
◆ | ◆4 不実告知等による個別クレジット契約の申込み又は承諾の意思表示の取消権 | |
★W 主要な業務規制(行政ルール) | ||
◆ | ◆1 支払可能見込額(支払能力)調査義務と支払能力を超えるクレジットの禁止 | |
◆ | ◆2 個別クレジット業者の加盟店調査義務と不適正与信の禁止 | |
◆ | ◆3 クレジットカード番号等取扱業者に対する規制 | |
◆ | ◆4 クレジットカード番号等取扱契約締結事業者(加盟店契約会社)に対する規制 | |
◆ | ◆5 クレジット業者の業務の運営に関する措置(消費者からの苦情処理等への対応) | |
★X 割賦販売法に関連する重要判例 | ||
消費者契約法について 河原田弁護士 | ||
「消費者契約法」について | ||
◆ | ◆第1 消費者契約法の概要 | |
◆ | ◆第2 消費者契約法の解釈 | |
◇ | ◇1 第1条(目的) | |
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◇ | ◇4 第4条(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し) | |
◇ | ◇5 | |
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◇ | ◇7 第7条(取消権の行使期間等) | |
規定 | 第七条(取消権の行使期間等) 第四条第一項から第四項までの規定による取消権は、追認をすることができる時から一年間行わないときは、時効によって消滅する。当該消費者契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。 2会社法(平成十七年法律第八十六号)その他の法律により詐欺又は強迫を理由として取消しをすることができないものとされている株式若しくは出資の引受け又は基金の拠出が消費者契約としてされた場合には、当該株式若しくは出資の引受け又は基金の拠出に係る意思表示については、第四条第一項から第四項までの規定によりその取消しをすることができない。 |
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「追認することができる時」とは? 「誤認」類型(不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知) ⇒消費者が誤認に気付いたとき 「困惑」類型(不退去、退去妨害) ⇒事業者の行為による困惑から脱したとき |
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◇ | ◇8 第8条(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効) | |
◆ | ◆第3 消費者団体訴訟 | |