シンプラル法律事務所
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商法概論T(小法総則、商行為法、手形・小切手法)

★第1編 商法総則
☆第1章 商法総則  
  ◆(1) 
  ◆(2) 
     
  ◆(3)  
     
     
☆第2章 商法の適用範囲・・・商人・商行為  
  ◆(1) 総則 
     
  ◆(2) 商人
     
  ◆(3) 商行為(p27)
   
  ◇T 絶対的商行為 
    行為の客観的性質から営利性が強く、営業として行わなくても当然に商行為となる行為。
    商法 第五〇一条(絶対的商行為)
次に掲げる行為は、商行為とする。
一 利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得又はその取得したものの譲渡を目的とする行為
二 他人から取得する動産又は有価証券の供給契約及びその履行のためにする有償取得を目的とする行為
三 取引所においてする取引
四 手形その他の商業証券に関する行為
  ■(1) 投機購買およびその実行行為(商法501条1項)
    「利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得又はその取得したものの譲渡を目的とする行為」

安価に目的物たる動産、不動産または有価証券を取得した後に、それを高価に譲渡してその差額を利得する行為。
利得を得て譲渡する意思(投機意思)は、物を取得する時点で存在すればよく、また、相手方が認識できるものでなければならない。
取得も譲渡もともに有償の債権的行為であり、売買が典型的なもの
⇒原始生産(農・林・漁・鉱業など)によって原始取得した物を譲渡する行為は含まれない。
     
  ■(2) 投機売却及びその実行行為(商法501条2項)
    「他人から取得する動産又は有価証券の供給契約及びその履行のためにする有償取得を目的とする行為」

高価に目的物たる動産または有価証券を譲渡する約束をしておき、後に安価に取得してその履行にあて、その差額を利得する行為。
     
  ◇U 営業的商行為 
    営業としてなされるとき、すなわち営利の目的で継続的になされるときに、はじめて商行為となる行為。
  ◇V 附属的商行為 
    商人がその営業のためにする行為は商行為とされ(商法503条1項)、これを附属的商行為という。
    商人の行為はその営業のためにするものと推定される(商法503条2項)。

商人の行為の商行為性を否定しようとする者は、その行為が営業のためになされたものでないことを立証しなければならない。
    会社:
事業としてする行為およびその事業のためにする行為⇒商行為(会社法5条)。
but
会社にあっては事業と無関係な行為が考えられない⇒その行為はすべて事業のためにする行為。
     
☆第3章 商業登記  
     
     
     
     
     
     
     




★第2編 商行為法
☆第1章 商行為法総則  
  ◆(1) 総説
  ◆(2) 契約の成立 
     
  ◆(3) 代理と委任 
     
  ◆(4) 営利性 
     
     
     
  ◇W 商事法定利率 
    民法上の法定利率⇒5分(民法104条)
    商行為によって生じた債務⇒法定利率は年6分(商法514条)

商取引では、金銭はなるべく有利に運用されるのが通常。
    商行為によって生じた債務」:
それが債権者または債務者の少なくともいずれか一方のために商行為たる行為によって生じたものであれば足りる。
    商行為によって生じた債務が変形したもので、実質的に同一性を有すると認められるものにも、商法514条は適用される。
ex.債務不履行による損害賠償義務、契約解除による原状回復義務
     
     
     
  ◆(5) 債権の消滅 
   
     
  ◇V 商事消滅時効
    民法上の一般債権の消滅時効:10年
商行為によって生じた債権の消滅時効:原則として5年
←商取引には迅速な結了が要求される。
   
     
     
     
     
     
     
  ◆(6) 債権の担保 
   
   
   
  ◇W 商人間の留置権(p110) 
  規定 商法 第五二一条(商人間の留置権)
商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物又は有価証券を留置することができる。ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、この限りでない。
    商人間の、かつ、双方的商行為により生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は弁済を受けるまで、その債務者との間の商行為によって占有を取得した債務者所有の物または有価証券を留置することができる(商法521条)。 
    民事留置権:被担保債権と留置目的物との間に個別的牽連関係を必要とする
商人間の留置権:一般的牽連関係で足りるが留置目的物は債務者所有の物に限られる。

民事留置権は個別的取引における当事者間の衡平の確保を目的とするものであるが、
商人間の留置権は、商人の手元を頻繁に出入りする商品一般を担保物たらしめ、継続的信用取引の安全と迅速化に資することを目的とする。
  商人間の留置権の成立要件
@当事者双方が商人であること
A被担保債権が、当事者の双方的商行為により生じた債権であること
⇒第三者から譲り受けた債権などはその適格性を欠く
B民事留置権と同じく、被担保債権の弁済期が到来していること
C留置目的物は、債務者との商行為によって債権者の占有に帰した債務者所有の物または有価証券。
     
  ◆(7) 有価証券 
     
     
☆第2章 商事売買  
     
☆第3章 仲介営業  
  ◆(1) 総説 
    企業の外にあって、企業取引の補助自体を自らの営業とする独立の商人(補助商)。
    代理商:独立した商人ではあるが、継続的に特定の企業のための取引の成立に関与⇒商業使用人と類似⇒総則で規定。
仲立人・問屋
     
  ◆(2) 仲立営業 
  ■T 仲立人の意義 
  規定 商法 第502条(営業的商行為)
次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為は、この限りでない。
十一 仲立ち又は取次ぎに関する行為
商法 第4条(定義) 
この法律において「商人」とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいう。
    他人の間の法律行為の成立のために尽力すること(媒介)を仲立ちといい、
特に、他人間の法律行為が商行為の場合に、これの媒介を業として行う者が商人としての仲立人(商法502条11号、4条1項)。
    媒介:いわゆる周旋のことで、事実行為
    例:
旅客運送契約・宿泊契約の締結を媒介する旅行業者
外国為替取引を媒介する外国為替ブローカー
物品海上運送契約等の締結を媒介する海運仲立業者
    商行為以外の他人間の法律行為の媒介をすることを業とする者⇒講学上民事仲立人
ex.
結婚仲介業者
非商人間の非投機的な不動産取引の媒介のみを行う宅地建物取引業者
  ■U 仲立人の義務
  □(1) 善管注意義務 
    仲立人は契約を成立させ、なた、成立した契約が支障なく履行されて委託者が契約の目的を達しうるように、善良なる管理者の通意をもって尽力する義務を負う(民法656条、644条)
  規定 民法 第656条(準委任)
この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。
民法 第644条(受任者の注意義務)
受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。
  □(2) 当事者間の紛争防止のための義務 
    見本保管義務(商法545条)
結約書の交付義務(546条)
帳簿作成・謄本交付義務(547条)

証拠としてこれらのものを仲立人に用意させて紛争を防止する趣旨。
  規定 商法 第545条〔見本保管義務〕
仲立人カ其媒介スル行為ニ付キ見本ヲ受取リタルトキハ其行為カ完了スルマテ之ヲ保管スルコトヲ要ス
商法 第546条〔結約書作成・交付義務〕
当事者間ニ於テ行為カ成立シタルトキハ仲立人ハ遅滞ナク各当事者ノ氏名又ハ商号、行為ノ年月日及ヒ其要領ヲ記載シタル書面ヲ作リ署名ノ後之ヲ各当事者ニ交付スルコトヲ要ス
A当事者カ直チニ履行ヲ為スヘキ場合ヲ除ク外仲立人ハ各当事者ヲシテ前項ノ書面ニ署名セシメタル後之ヲ其相手方ニ交付スルコトヲ要ス
B前二項ノ場合ニ於テ当事者ノ一方カ書面ヲ受領セス又ハ之ニ署名セサルトキハ仲立人ハ遅滞ナク相手方ニ対シテ其通知ヲ発スルコトヲ要ス
商法 第547条〔帳簿に関する義務〕
仲立人ハ其帳簿ニ前条第一項ニ掲ケタル事項ヲ記載スルコトヲ要ス
A当事者ハ何時ニテモ仲立人カ自己ノ為メニ媒介シタル行為ニ付キ其帳簿ノ謄本ノ交付ヲ請求スルコトヲ得
  □(3) 氏名黙秘義務・介入義務 
     
  ◆(3) 問屋営業(p128) 
  ■T 問屋の意義 
  規定 商法 第502条(営業的商行為)
次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為は、この限りでない。
十一 仲立ち又は取次ぎに関する行為
商法 第551条〔意義〕 
問屋トハ自己ノ名ヲ以テ他人ノ為メニ物品ノ販売又ハ買入ヲ為スヲ業トスル者ヲ謂フ
    自分自身が権利・義務の帰属主体になって(自己の名をもって)、経済的損益については他人に帰属させて(他人のために)、法律行為を行うことを引き受ける行為を「取次」という。(商法502条11号)
問屋はこのうち、法律行為として物品の販売・買入を引き受けることを営業とする商人。(商法551条)
     委託者:
問屋に委託⇒取引に関する問屋の信用・手腕を享受しつつ、匿名でビジネスチャンスを利用できる。
受託者たる問屋の権限の逸脱を気にする必要がない。
  問屋と取引する相手方:
委託者本人の信用や代理権の有無を調査する必要がない⇒迅速な取引が可能になる。
  問屋:
自己の計算で物品を仕入れて転売するにはリスクが大きい取引⇒委託者の計算に帰することができれば有利。
    ex.
証券会社や商品取引員:
相場の変動の激しい有価証券や商品取引所における商品先物んどの商品の取引を迅速に成立させるためには、商人自身が権利・義務の主体となることが望ましい。
価格変動から生ずる損益はすべて顧客に帰属させる。