シンプラル法律事務所
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潮見論文等

★★契約責任の体系(有斐閣)
★第1部 最近のヨーロッパにおける契約責任・履行障害法の展開(p2)
     
★第2部 契約責任の帰責事由とその判断構造(p130)  
☆第1章 国際動産売買契約における損害賠償責任の免責事由  
     
     
     
☆第2章 契約責任における過失の判断構造  
     
     
☆第3章 履行補助者責任の帰責構造  
  ◆T 問題の所在 
◆    ◆U ドイツ民法典制定時の履行補助者責任論 
     
  ◆V ドイツ民法278条解釈論の形成 
     
◆    ◆W 履行補助者責任の新たな展開 
     
  ◆X 履行補助者責任の帰責構造・・・日本法への示唆
  ◇一 
◇    ◇二 債務の履行と履行補助者の行為との関連性 
  ◇三 交渉補助者の問題(契約責任の時間的拡張) 
  ■1 ドイツ民法理論の総括 
    ドイツ:
契約責任を契約準備交渉過程にまで拡張し、そこにおいて活動する交渉補助者の過失に民法278条を適用するのが、判例・通説。
その際、契約締結へ向けての両当事者の特別結合関係を契約締結後の債務関係になぞらえ、この特別結合関係から相手方に対する保護義務、説明義務等を発生させ、交渉補助者をこの義務の履行補助者として位置づける。
vs.
@この義務は本質的には不法行為法上の「社会生活保安義務」(安全義務)にほかならない。
A「社会生活保安義務」の充実を見た今日では、契約準備交渉過程での相手方の経済的利益を保護するための義務を不法行為責任で扱うことも可能。
     
  ■2 わが国における理論動向 
    松坂:
債務関係の本質を法定債務関係としての信頼関係(共同体的法律関係)に求め、契約締結についての商議の開始によって既に当事者間に「互いに相手方の利益を害さざるべき一般的義務」としての特別の契約上の義務が発生。
契約締結のために補助者を使用した場合には、本人は、その者の過失について責任を負う。
    その他の学説は、交渉補助者の過失に関して、ほとんど言及していない。
but
今日わが国の学説・実務における支配的見解においては、細かな理由づけの点で違いがあるにせよ、契約責任としての「契約締結上の過失」責任が異論なく採用されている。
⇒交渉補助者の過失について本人に契約責任を課すのも当然。
    契約責任構成⇒交渉補助者の過失についても本人が契約責任を負わなければならない。
     
  ■3 日本法への示唆 
    わが国は
@使用者責任の免責立証の規定が空文化していて、
A包括的な不法行為構成要件を持つ
⇒交渉補助者の過失について本人に契約責任を課すことは慎重であることを要する。

交渉補助者の過失を不法行為責任で処理するのに不都合がない⇒「契約成立前における契約上の義務」(もしくは、契約責任の規定が適用される義務)を持ち出す必要はない。
契約が成立しておらず、給付義務も発生していない契約準備段階のける交渉補助者の過失については、不法行為での使用者責任の問題として処理すべき。
but
契約準備交渉段階の義務の中でも、第一次財産損害防止のための説明義務に関しては、別途の考察を要する

@交渉補助者の被用者でない独立事業者が交渉代理人として登場する場合がある(信販会社と販売代理店の関係が、その典型)
Aこのような場合には、ドイツにおいても、わが国においても、不法行為法上の使用者責任では、相手方が保護を受け得ない結果となる。
    but
交渉補助者として登場する独立事業者の過失に関しては、不法行為法上の使用者責任や(契約責任としての)「契約締結上の過失」責任とは別個の観点から相手方を保護することが可能。
この際、かつてドイツにおいて履行補助者責任を正当化する際に主張された「代理説」の発想が有用。
「代理説」は、「債務者を債務の履行の際に代理する者は、義務に違反した場合でも債務者を代理する」という点に履行補助者責任の本質をみたが、
契約準備交渉過程の「交渉代理人」(交渉権限を付与された者)の行為に関しては、まさにこのことが妥当する。

「交渉代理人の行為により経済的利益(自己への法律効果の帰属)を享受しようとする者は、交渉代理人の行為による相手方の経済的損害についてもこれを負担すべきである」と考えるのが、「利益のあるところ、損失も負担すべし」との観念に合致する。
⇒「交渉代理人」の説明義務違反の過失について、本人は、相手方に対して損害賠償義務を負うと考えるのが妥当。
    結局:
交渉補助者による法益侵害⇒本人は、使用者責任を負う。
交渉権限を付与された「交渉代理人」が説明義務に違反することによって相手方に与えた経済的損害については「交渉代理人」が独立事業者であって本人に使用者責任を問えない場合であっても、「交渉代理人」による法律効果の効果が本人に帰属することとの権衡を図る意味で、本人は損害賠償責任を負うとすべき。
     
     
     
     
     

履行補助者責任の帰責構造(民商法雑誌96-2-1)
  ◆T 問題の所在 
     
◆    ◆U BGB制定時の履行補助者責任論
     
  ◆V BGB278条解釈論の形成 
     
  ◆W 履行補助者の新たな展開 
  ◇一 はしがき 
     
  ◇二 保護義務論と履行過程の拡張 
     
  ◇三 いわゆうr交渉補助者の問題 
     
◇    ◇四 履行補助者の行為への干渉可能性(民商法雑誌96-3-25)
     
  ◇五 履行補助者の「有責性」の法的構成 
     
  ◆X 履行補助者責任の帰責構造:日本法への示唆 
  ◇一 はしがき 
  ◇二 債務の履行と履行補助者の行為との関連性 
  ■(1) ドイツ民法理論の総括 
■    ■(2) 日本における理論動向 
  ■(3) 日本法への示唆 
     
  ◇三 交渉補助者の問題(契約責任の時的拡張)(p348) 
  ■(1) ドイツ民法理論の総括 
  ■(2) 日本における理論動向
  ■(3) 日本法への示唆
     
  ◇四 履行補助者の行為への干渉可能性
     
     
  ◇五 履行補助者の「有責性」の法的構成
     
     
◆    ◆Y 結び